ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第211回」

2017-06-12 |   ビタペクト配布活動
6月12日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第211目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト3を11個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを2部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2558個、セルロースの合計は85個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2162部となりました。
 今回で通算227回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2558人の子どもにビタペクトを、約76人の子どもにセルロースを、2162家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)


http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



 今回はゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から2家族が保養滞在していました。
 

(家族A)

 この家族はお母さん画5人の子どもと2人の甥を引率していました。それぞれの測定結果はこのとおりです。丸印の子どもにビタペクト3を渡しました。この家族には6個のビタペクト3を渡しました。

母親(チェルノブイリ事故発生当時3歳)14ベクレル
長女(14歳)30ベクレル ○
長男(11歳)24ベクレル ○
次女 (9歳)33ベクレル ○
三女 (5歳)25ベクレル ○
次男 (2歳)37ベクレル △
甥 (13歳)19ベクレル △
甥  (9歳)48ベクレル ○

 △印の2人には、二人で一個のビタペクト3を渡しました。
 お母さんが、2歳の次男の値が高かったので、ぜひ飲ませたいという希望でしたが、もし問題が起これば、残りは13歳の甥に飲ませる、ということです。

 お母さんから子どもたちの健康状態について話を伺いました。
 長男は生まれつき、心臓の壁に穴が空いているそうです。そのうちふさがるだろうと医者に言われており、治療などは受けていません。本人は元気にサッカーなどやっているそうです。
 長女、長男、次女はイタリアで保養に行ったことがありますが、治療は受けていないそうです。

 この一家は田舎のおばあちゃんが採ってくるきのこを食べているそうです。もちろん測定したことはありません。ゴメリには食品を測定できる市場があるはずなので、そこで検査するほうがいいと話しました。


(家族B)
 
 両親が5人の実子と2人の甥を引率していました。
 それぞれの測定結果はこのとおりです。丸印の子どもにビタペクト3を渡しました。
 この家族には5個のビタペクト3を渡しました。

父親(チェルノブイリ原発事故発生当時18歳)14ベクレル
長男(14歳)14ベクレル
次男(11歳)39ベクレル ○
長女 (8歳)45ベクレル ○
三男 (6歳)31ベクレル ○
甥  (9歳)35ベクレル ○
甥  (5歳)27ベクレル ○

 2歳の次女と母親も保養に来ていましたが、SOS子ども村に来て、4日目次女がベッドから落ちて手首を骨折。病院へ行っていたので、WBCカウンターの測定ができませんでした。
 知らせを受けて、父親がゴメリからSOS子ども村へ。そのままいっしょに保養滞在することになったのですが、予算を計上していなかったので、お父さんはSOS子ども村で草刈りなどの仕事をしているそうです。
 SOS子ども村の職員さんは、
「最近の子どもは骨がもろすぎる。」
と言っていましたが、確かにそうかもしれません。

 子ども達は比較的健康だそうですが、長男と次男、母親は花粉症だそうです。
 ベラルーシは日本と比べると花粉症は少ないです。周りが森だらけの国だから、花粉症になると大変です。

 チェルノブイリ原発事故発生当時、お父さんは東ドイツ(当時)のソ連軍事基地で勤務していたそうで、事故のことは後から知ったそうです。 
 お父さんはヨガが趣味だそうで、健康維持のためいろいろ努力していると話していました。
 こんなご両親に元で育つ子ども達は運がいいですね。

 画像は記念撮影したものです。
 今回子どもたちに折り紙、折り鶴、絵葉書をプレゼントしました。
 日本語も勉強したい、日本に行きたい、高いビルに上りたい、と夢を語ってくれました。

 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。 
 

 

<被ばく>体内に総量36万ベクレルか 原子力機構事故

2017-06-08 | 放射能関連情報
<被ばく>体内に総量36万ベクレルか 原子力機構事故

日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で放射性物質が飛散して作業員5人が被ばくした事故で、肺から2万2000ベクレルのプルトニウム239が検出された50代の男性職員について、同機構が男性の体内に取り込まれた放射性物質の総量を36万ベクレルと推定していることが8日、分かった。同機構などはさらに詳細な被ばく状況を調べている。

原子力機構によると、男性職員の肺の被ばく値から、血液や骨、臓器など体全体に取り込まれた放射性物資の総量を算出し、36万ベクレルと推定した。この数値は1年間で1.2シーベルト、50年間で12シーベルトの内部被ばくを見込む根拠になったという。

 5人は燃料研究棟の分析室で核物質の点検中、ステンレス製容器を開けた際に中に入っていたビニール袋が破裂し、粉末状の放射性物質が飛散。男性職員を含めて4人が放射性物質であるプルトニウム239やアメリシウム241を肺に吸い込み内部被ばくした。破裂した原因はわかっていない。

 5人は搬送された放射線医学総合研究所(千葉市)で放射性物質の排出を促す薬剤投与などの治療を受けているが、現時点で体調不良などの訴えはないという。原子力機構などは詳しい内部被ばく状況や健康影響などを調べている。【鈴木理之】


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 作業員の一人の方の被曝量、総量が36万ベクレル、つまり全身でそれだけの被曝量、ということです。
 チロ基金としては支援活動をしているときに、いつも体重1キロ当たりおよそどれぐらいの被曝量だったのかを目安に、ペクチンサプリを無料支給しています。
 この方の体重が分からないのですが、仮に体重100キロとしたら、体重1キロ当たりの被曝量は3万6千ベクレルですか・・・

 チロ基金では未成年は体重1キロあたり20ベクレル以上だと将来健康被害が出るリスクが高いとして、ペクチンサプリであるビタペクトを渡しています。
 成人の場合は、体重1キロあたり70ベクレルです。
 これはかつてベルラド研究所が医師と内部被爆測定と健康診断を同時に多くのベラルーシ人に対して行った時の結果を元に独自に決定したものです。
 チロ基金は子の基準を採用して支援活動を行っています。

 一方、ベラルーシ保健省が定めた基準は、未成年が体重1キロあたり200ベクレル、成人が500ベクレルです。
 これ以下の場合は、「大丈夫。普通。」というのが、ベラルーシ保健省の見解です。
 チェルノブイリ原発事故から30年以上経過した現在、ベラルーシ人は公式には全員、「大丈夫」ということになっています。

 さて、このようなベラルーシ保健省の基準に照らし合わせても、今回の被曝した作業員の方の被曝量は、「大丈夫」ではない、ということです。

 今は症状に自覚がないと言っていても、こまめにガンの検査をするとか、この方のケアをお願いします。他の四人の方もお願いします。



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このニュースの続報です。

<茨城被ばく>過大評価か 肺測定でプルトニウム検出されず


日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(茨城県)の被ばく事故で、原子力機構は9日、放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)で被ばくした作業員5人の肺の放射性物質を再測定した結果、プルトニウムが検出されなかったと発表した。体の表面に付着した放射性物質を誤検出し、内部被ばく量を大幅に過大評価していた可能性があるという。

 この事故では、原子力機構が事故直後、体から出てくる放射線を計測し、肺の内部の放射性物質の量を推計した結果、50代の男性作業員から2万2000ベクレルのプルトニウム239が、この男性を含む4人の作業員からは8・5〜220ベクレルのアメリシウム241が検出されたと発表した。

 しかし原子力機構によると、この測定は体の表面の除染が不十分なまま行われ、体に付着した放射性物質から出る放射線を検出していた可能性があるという。一方、放医研は入念に除染をした後に肺を測定している。

 5人のうち3人は鼻の穴から放射性物質が検出されており、内部被ばくの恐れは依然として残るが、同機構は9日の記者会見で「最初のような大きな値の内部被ばくはないのではないか」と話した。

 放医研は今後、肺の再測定や排せつ物に含まれる放射性物質の調査などを基に、被ばく量を精査する。

 原子力機構は同日、作業をしていた室内の床に多くの黒い粒子が飛び散っていることも明らかにした。黒い粒子は放射性物質である可能性が高いという。【酒造唯、鈴木理之】


毎日新聞2017年06月09日20時57分

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 よかった・・・。被曝量は少なければ少ないほどいいですよ。
 しかし、全く被曝してないわけはないので、ぜひとも細かく測定して、対応してあげてください。お願いします。
 

作業員1人肺から2万2千ベクレル 国内最悪の内部被曝

2017-06-07 | 放射能関連情報
作業員5人に放射性物質付着 茨城の原子力機構施設」というニュースの続報です。2017年6月7日付。
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作業員1人肺から2万2千ベクレル 国内最悪の内部被曝

茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、ウランとプルトニウムが入った保管容器から放射性物質が漏れて作業員5人が被曝(ひばく)した事故で、原子力機構は7日、このうちの1人で50代の男性職員の肺から、2万2千ベクレルのプルトニウムが検出されたと発表した。暫定で1年間に1・2シーベルト、50年で12シーベルトの内部被曝をする値で、過去にこれほどの内部被曝をした例は、国内ではないという。原子力機構は「急性の放射線障害が出るほどではない」としている。

【写真】日本原子力研究開発機構・大洗研究開発センターの燃料研究棟=6日午後6時40分、茨城県大洗町、朝日新聞社ヘリから、迫和義撮影

 原子力機構によると、残る4人からはプルトニウムは検出されなかったが、この男性を含む3人から最大220ベクレルのアメリシウムも検出された。5人は体内に入った放射性物質の排出を促す薬剤を注射する処置を受け、7日午前に千葉県の放射線医学総合研究所に搬送された。

 事故が起きたのは、高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。保管状況を調べるため金属容器のフタを開けたところ、中のビニールが破れて放射性物質が飛散した。5人はいずれも口や鼻をマスクで覆っていたが、3人の鼻腔(びくう)内から最大で24ベクレルの放射性物質が確認されていた。

 原子力機構によると、この作業でビニールが破れることを想定していなかったため、作業は密封した状態ではなく、一部が開いた作業用の箱の中で行っていた。

 原子力規制委員会の伴信彦委員は7日の定例会で「2万2千ベクレルの検出は半端な状況ではない。命に関わることはないだろうが、軽微なものではない。作業の状況が適切だったか確認する必要がある」と問題視した。


     
 被曝医療に詳しい、国際医療福祉大クリニックの鈴木元院長は「2万2千ベクレルは量としては多い。肺に入ったプルトニウムは、1週間から10日かけて化学薬品を霧状にして吸入させたり、点滴したりして排出させる。その後、体内に残っている量を調べて健康への影響のリスクを判断しなければならない」と話す。


     
 〈立命館大の安斉育郎名誉教授(放射線防護学)の話〉 2万2千ベクレルはびっくりするほど高い値ではないが、プルトニウムが発するアルファ線はベータ線やガンマ線より生物学的に危険度が高い。アルファ線が通った周囲の細胞は破壊され、局所的な被曝(ひばく)を与える恐れがある。細胞への影響をみるために、肺の中のどこにどのように分布しているか、濃度や粒子の大きさはどのくらいなのかといったことを詳しく調べ、リスク評価を急ぐ必要がある。
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朝日新聞社

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 チロ基金の活動としては体重1キロ当たり20ベクレル以上の内部被曝をしている未青年には、放射能を体外に排出させるためにペクチンサプリを飲みましょう、と支援活動をしています。
 この作業員の方の場合、肺だけで、2万2千ベクレルの被曝をしているということですよね。 今はご本人は体調不良を訴えていなくても、後にガンになるリスクは増えたわけです。確かに「急性の放射線障害が出るほどではない」・・・ですけどね・・・。
 
 でもちゃんと放射能の排出を促す薬剤をすぐ投与されていたので、よかったです。
 一方で2万2千ベクレルは大きい数字なので、しばらく時間をかけて、薬剤の投与を続けてほしいです。(この場合ペクチンの投与などのんびりしている場合ではないので。)

 内部被曝の測定もきちんとしてあげてください。
 それにして、やっぱりマスクをしていても、肺にまで放射性物質が到達してしまうんですね・・・。
 

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同日の続報です。


作業員全員の肺からプルトニウム検出 原子力機構が発表  



茨城県の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで放射性物質が飛散し、作業員5人が被曝(ひばく)した事故で、原子力機構は7日、5人全員の肺からプルトニウムが検出されたと発表した。

 原子力機構によると、2万2千ベクレルが検出された50代の男性職員以外の4人からも、最大で1万4千ベクレル、6千ベクレル、5600ベクレル、2200ベクレルのプルトニウム239が検出された。アメリシウム241も5人から7・1~220ベクレル検出された。

 5人は千葉県の放射線医学総合研究所に搬送されており、体内に入った放射性物質の排出を促す処置を受けている。
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朝日新聞社

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 結局5人全員の被曝が認められたということですね。
 とにかくちょっとでも早く、体内の放射性物質を排出させてください。
 それと、放射能は粘膜に影響を与えやすいので、目も検査してほしいです。鼻と口はマスクで保護していたみたいなのですが、目は? と思いました。
 
 そして、被曝のほうに関心が移っていますが、そもそもこの事故が起きたのは、容器の異常が見つかったために点検作業をしていたからです。
 その異常そのものについての報道がないですね。どうしてなのでしょう。
 
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 子のニュースの続報はこちら

作業員5人に放射性物質付着 茨城の原子力機構施設

2017-06-06 | 放射能関連情報
2017年6月6日のニュースです。

作業員5人に放射性物質付着 茨城の原子力機構施設

日本原子力研究開発機構によると、6日午前、茨城県大洗町の大洗研究開発センター燃料研究棟で、核燃料保管容器の点検中に異常が発生し、作業に当たっていた5人の服などに放射性物質が付着した。

 機構が作業員の被曝(ひばく)状況を調べているが、5人のうち3人は鼻から放射性物質を吸い込んだ形跡があったという。外部への影響はないとしている。

 機構は同日午後7時から詳細について説明するとしている。

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 このような事故が起きた場合に備えて、このような施設では、プルシアンブルーなど、放射能を体外に排出させる促進剤が常備してるはず。・・・と願っているのですが、実際はどうなのでしょう?
 
 ただプルシアンブルーはセシウムには有効だと思いますが、(それでも全部取りきれるとは限らない。)上記ニュースで報じられている放射性物質はウランかプルトニウムかもしれません。 
 でも作業員の急性被爆に備えて、何か対応策を考えて準備していたはずです。
 それが迅速に上手くいけば、放射性物質を吸い込んだとしても、健康被害は出ない、と願いたいです。

 このブログ上で繰り返しお伝えしているペクチンはこういう急性被爆の対応策としては、優先して使ってもあまり効果がないでしょう。
 ともかくこの5人の作業員の方が被爆していないことを祈ります。
 東海村JCO臨界事故は文字通り悲惨だったと思います。

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 この事故の続報はこちら