ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年10月31日。ウクライナ侵攻から251日目

2022-10-31 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月31日。

 今日も朝からウクライナでインフラ施設への攻撃です。水力発電所などエネルギー施設を中心に10州の18施設が被害を受けました。ロシア軍の精密弾はまだまだ残っていることをアピールもしていると思います。
 ウクライナの7州で停電が発生。キーウでは約8割の世帯が断水したそうです。これでっもウクライナ空軍は露軍が発射した50発以上のミサイルのうち44発を迎撃したとしています。迎撃がこんなにうまくいかなかったとしたら、どうなっていたことか。
 さらにモルドバにまで迎撃されたミサイルがナスラフチャの集落に落下し、数軒の家屋の窓が損壊しました。

 モルドバも気の毒なことですが、首都では、自国大統領の辞任とロシアとの貿易再開を要求するデモが行われていますよね。キシナウの抗議者の群れが市の中央広場に向かって移動します。ウクライナ大統領のために、自分たちが凍えるのは嫌なんだとか。一般市民は生活のことが心配なのは分かりますが。

 モルドバ外務省は今日、在キシナウ・ロシア大使館の職員を「ペルソナ・ノン・グラータ」に指定しました。国外退去を通告。またロシア大使に対しては、
「隣国へのミサイル攻撃は安全保障上のリスクを高め続けており、わが国の市民は戦争の壊滅的な結果をますます感じている。ウクライナのエネルギーインフラへの攻撃は、モルドバのエネルギー安全保障への脅威を増大させている。」
と伝えました。


 ロシアがウクライナ産穀物の輸出の合意を停止しましたが、ウクライナ側は仲介をしてきた国連とトルコとの間で出港に同意していて、輸出を続ける方針です。ロシアの言っていることなどに構っていられないということですね。
 すると今度はロシア側が輸出について、「高いリスクがあり、より危険なものになる」などとけん制しています。
 
 
 ベラルーシとロシアが共同戦闘訓練センターを設立することで合意しました。場所ははっきりしませんが、ベラルーシ国内のようです。
 先日9000人のロシア軍兵士がベラルーシ入りしましたが、動員されたロシア人兵士が戦闘訓練をベラルーシでしているということで、この流れがそのまま共同訓練センター設立へと繋がっていくものと思われます。


 価格引き上げ禁止令が出ているベラルーシで、商品の宅配サービスを行っているユーロオプトは一時的にミンスクなど7都市だけにサービスの提供を残し、他の地域ではサービスが停止することを決定しました。
 送料が無料になる最低注文金額も引き上げられます。変更されます。明日11 月 1 日から、ミンスクでは最低70ルーブル、バラノヴィッチでは90 ルーブル、ブレスト、ビテプスク、ゴメリ、グロドノ、モギリョフでは150 ルーブルに変更です。
 今まではミンスクでは日中の無料配達は最低49ルーブル。夜間は60ルーブルでした。地方都市では最低45ルーブルでした。


 ロシアで予備役兵の動員30万人が完了し、追加はないとロシア国防省が発表しましたが、明日から通常の秋の徴兵が始まります。(ベラルーシではこの秋の徴兵はすでに完了)
 ロシア国防省は今回は18歳から27歳の男性12万人が対象ですが、新兵は戦地に送らないとしています。
 しかしロシアが併合を宣言したウクライナ4州の地域はロシア国内とみなされているので、今この地域に住んでいる人はウクライナ人だろうがロシア人だろうが、「ロシア人」とされ、今回の徴兵の対象になります。

2022年10月30日。ウクライナ侵攻から250日目

2022-10-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月30日。
 
 ベラルーシ経済の続報です。
 地方都市のショッピングセンターや市場などで個人事業主の店舗が次々と閉店している状況について。
 ビテプスクやポーロツクでも、衣料品店舗のシャッターが下ろされ、「11月○○日まで休みます」という張り紙が貼られています。
 首都のミンスクでもこのままだと同じようなことが起こると思われます。
 地方の小売業者は、ミンスクの卸売業者が、商品を少ししか卸してくれなくなった、今販売しているのは以前入荷した商品の残りであり、しかも購買者側に購買力がなく、客足そのものが遠のいているそうです。
 それでも食料品はさすがに購入するだろうと思ったのですが、とうとう節約のために少ししか野菜や果物を買わなくなったということでした。 
 ポーロツクの個人事業主はこれでは商売が成り立たないとして、物価引き上げ禁止法に反対する署名活動を始めました。集まった署名はポーロツク市議会に提出される予定ですが、この法律そのものが大統領自ら決定したものなので、意見はなかなか通らないでしょう。

 
 ベラルーシでは11月1 日から基本税率が引き上げられ、続いて公務員の給与が引き上げられます。この中に学校教師や図書館司書も入っているので、私としては嬉しいです。
 しかし、どれだけ給与が増えるのかと言えば、平均12ルーブル。職種によっては5ルーブル。最大でも30ルーブルだそうです。図書館員なんて、この5ルーブルなのではと思われます。6回地下鉄に乗ったらなくなります。
 ちなみに公式な統計によると、ベラルーシ人の平均月収は8月時点で1,665 ベラルーシ ルーブル (2022年9月30日の国立銀行のレートで約 670 ドル)。
 9月には、平均月収が1,637ルーブル (為替レートで661ドル) に下がりました。
 IT関連の職種だと平均月収は4,596.5ルーブルで、教育関連(学校の教師など)だと1089.7ルーブルだそうです。


 ロシアは昨日、ウクライナ産の穀物を安全に輸出する国連などとの合意を、無期限で止めることを一方的に表明しましたが、それに対しウクライナ大統領は、
「ロシアが、アフリカ・アジアなどで意図的な飢餓を引き起こそうとしている。」
と強く反発。すると、ロシアはウクライナの穀物は主にヨーロッパ向けに輸出されていると指摘。そして、ロシア産穀物など最大50万トン分を、今後4カ月間にわたり、貧困国に無償提供する用意があると表明しました。これで批判の矛先をかわそうということですね。

 


 

2022年10月29日。ウクライナ侵攻から249日目

2022-10-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月29日。
 
 昨日の投稿でも書きましたが、物価値上げ禁止令の影響で、特に個人商店経営者が困難な状況に陥っています。
 商品の価格を上げると、逮捕されてしまう可能性があり、法律を守って価格を上げないと、利益が出せないため店舗を閉店するケースが急増しています。
 そして、とうとう物流にも影響が出始めました。商店が閉店、つまり商品の搬入作業もなくなり、運送会社は仕事が激減しているそうです。この話はベラルーシの運送会社で働いているベラルーシ人から聞きました。
 ベラルーシの経済の中で悪影響の連鎖が続きそうです。

 
 ベラルーシの陸軍士官学校が、学校が秋休みに入ったのを機会に恒例のオープンキャンパスを実施したところ、ヨスを超える3000人が訪れ、ニュースになっています。
 学校側は、祖国防衛をしたい愛国者は我が校で学んでください!と熱烈アピール。
 家族連れも多かったそうで保護者側の考えで子どもを連れてきたケースがあったのかもしれません。
 また近年になく、女子が目立ってたくさん訪れたことが強調されています。
 メディアのインタビュー記事を読むと、もともと「父が軍人」「祖父は国境警備隊員」「曽祖父は第二次世界大戦従事者」という人がかなり多い印象です。
 「軍人になるつもりはないけれど、自分に新しい可能性があるかもと思って、何となく来てみた。」という人も混ざっています。
 女子へのインタビューでは「オープンキャンパスに来て、入学を決意した。」と言いながらも「専門は心理学にする。」と言っている人もいます。

 陸軍士官学校への入学希望者が急増したと言っても、ベラルーシ人の若者が好戦的なのだとは思わないでください。
 本当に祖国防衛のため身を捧げたいという人もいるでしょうが、単に自分自身が身体的に強くなりたい(死にたくない、殺されたくない)と思っている人が多いと思います。
 おそらく、今戦争中で、テレビやメディア、普段の会話の中で軍人の姿(敵軍の姿も含む)を見る機会が増え、興味が湧いた人が増えただけだと私には思われます。2011年の東日本大震災(そして福島第一原発の放射能漏れ事故)の後、日本語を勉強したいというベラルーシ人が増えて、日本文化情報センターの日本語教室にも新入希望者がどっと来ました。地震と津波で破壊された日本の町の映像を見たら、怖くなって日本語を勉強したくなくなるのでは?と思われるでしょうが、実際には逆なのです。侵攻前と比べると今、ウクライナ語を勉強しようとしている人が増えているのではないですか。


 CNNの報道によると、ロシアの民間軍事企業ワグネルが、東部のヒルスケに対戦車防御施設を建設しているそうです。全長は2キロで、セメントで作られたピラミッドが並び、戦車の走行を妨害する狙いがあると見られています。塹壕も設置されています。
 ロシアの一部メディアは、ヒルスケから南部に向かってスビトロダルスクという街まで防御施設を建設する予定と報じた。この場合全長は217キロ。CNNは建設は非現実的としています。


 ロシア国防省は、今日ガスパイプライン「ノルドストリーム」の爆破にイギリス海軍が関与していると発表しました。
 さらにロシアの侵攻で輸出が滞っていたウクライナ産穀物の黒海を通じた輸出を実現させたウクライナ、トルコ、国連との4者合意への参加を停止すると発表しました。
 29日未明にクリミア半島に向けてウクライナ軍が行った無人機などによる攻撃で穀物輸出に利用している航路の安全が脅かされた上、攻撃にイギリス軍が関与したことが明らかになったためとしています。無人機は全て撃墜したと国民向けに戦果も発表しています。

 ニューズウイーク紙によると、ロシア正教会は同国の大統領を、「首席エクソシスト(悪魔祓い師)」に任命しました。
 ウクライナにはサタニスト(悪魔崇拝)がはびこっており、その証拠に彼らはロシアを攻撃している(ロシア人を殺そうとしている)。
 そのサタニストたちをお祓いする役目をロシア大統領が担っているのだそうです。何をロシア正教会は考えているのですか???


 計画停電が続いているウクライナ。電気がないと、マンションは水道も止まるし、本当に生活そのものが停滞してしまいます。
 もしベラルーシがこうなったら、私はセカンドハウスに引っ越します。

2022年10月28日。ウクライナ侵攻から248日目

2022-10-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月28日。

 先月5日にベラルーシ大統領の鶴の一声で始まった値上げ禁止令。
 ブレスト、ピンスク、バラノヴィチなどの地方都市で影響が出てきました。個人で営業している店舗などで商品の価格を引き上げられず、営業が継続できなくなって、テナントから引き上げる業者が出てきています。
 いわゆるテナントビルががらんどうになり、市場で商売する人も激減しています。
 これから他の都市にも飛び火するでしょう。昨日の投稿にも書きましたが、値上げをしていたからとスーパーマーケットの責任者が逮捕されるような事態が起こっています。


 ロシアのミハイル・ガルージン駐日大使が来月18日、離任することが決まりました。
 後任の大使は未定。今年7月に離任したベラルーシのイエシン前大使の後任は空席のままです。誰もベラルーシから来ない・・・。
 4年ほど前に聞いた話ですが、ベラルーシ政府は日本に大使館を置いているものの、オーストラリアとニュージランドにはなく、今後は両国に大使館を置いて、この3つの国の大使を駐日大使が兼任する予定だと聞きました。だから、今、駐日ベラルーシ大使が不在と聞いても驚きませんし、後任が全く来なくても驚きません。どこかのベラルーシ大使が、日本大使も兼任するだけのことだと思います。
 

 チェチェン共和国首長カディロフ氏は、今週初めにウクライナのヘルソン州で行われたウクライナ軍の攻撃の結果、チェチェン部隊の少なくとも 23 人のロシア軍人が死亡し、58 人が負傷したと発表しました。
 ある意味、正直に公にしているのが、はっきり言わないロシア軍より立派に思えます。が、この数も結局信用できませんね。

 ロシア国防相は今日、予備兵30万人の動員を完了したと大統領に報告しました。
 追加の動員は計画していないそうです。していると言ったら、また国内でパニックが起きます。



2022年10月27日。ウクライナ侵攻から247日目

2022-10-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月27日。
 
 ロシアで核戦力を備えた部隊の軍事演習が大統領のオンラインでの指揮のもと行われました。演習では、核弾頭が搭載可能な大陸間弾道ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイルの発射などが行われました。
 すべてのミサイルが目標に命中したと報告されています。


 ロシア連邦警護局は25日から27日にかけて、モスクワ中心部の大統領府や上下両院などで内乱鎮圧を想定した定期演習を行いました。つまり内乱が起こるリスクが高まっていると大統領が想定している証拠です。

 モスクワなどの都市で、空爆を想定した準備が着々と進んでいるそうです。家の地下室にマットレスや折りたたみベッドを運び込み、避難の準備を進めているそうです。
 クリミア半島のセバストポリ州知事もテレグラムで、公共の建物の入り口には防空シェルターへの順路を示す標識を設置すると発表しました。モスクワ北部同様、住民には自宅地下室を防空シェルターにするよう求め、既に知事自ら複数の地区に出向き集合住宅などの地下室を視察したそうです。
 ウクライナから離れたシベリアのノボシビルスクの市議も空爆時に自宅地下室に避難できるよう、ベッドや非常食を持ち込んでいると、地元メディアに語っています。
 モスクワの市内の病院とクリニックでシェルター設置の動きが急ピッチで進んでいるそうです。病院の地下の階をシェルターに当て、避難経路を示した標識を設置しています。
 ウクライナ領内だけではなくロシア本土へ攻撃があると想定しているということですね。

 
 モスクワの警察官の話です。
「多くの警察官が軍の演習場に行き、機関銃の撃ち方や手榴弾の投げ方を教わっている。」
 いつでも軍人になれるように準備していますね。

 11月1日から3日間にわたっては、ロシア政府と議会が緊急避難訓練を実施する予定です。公務員や議員らが「テロの性質を帯びた脅威」に備える訓練をするそうです。


 ロシアの独立系メディア、モスクワ・タイムズが、モスクワに本社を置く証券会社ロコのアナリストの予測として、推定40%の産業が総力戦に備えて軍需品の供出を最優先する生産体制を取ることになると伝えました。
 どんどんロシア国内に戦争色が強くなってきています。国家総動員法が出るかもしれません。
 
 ベラルーシ国内ではドローン製造が大量生産体制に入りました。完成品は当然、ロシアへ輸出されるでしょう。


 チェルノブイリ原発周辺汚染地域でウクライナ軍が汚い爆弾を使用する計画だとロシア側が発表していますが、今度はザポリージャ原発です。
 ロシア軍が1週間ほど前からウクライナ人職員や国際原子力機関の職員の立ち入りを禁じ、「秘密の工事」を始めているそうです。
 ここでも汚い爆弾を爆発させようとしているのでは?という憶測が流れています。

 ロシア統領は今日、ロシアがウクライナで核兵器を使用する意味は「政治的にも、軍事的にもない」と明言しました。
 ロシアの駐英大使は昨日、ロシアはウクライナとの戦争で、核兵器を使うことはないと述べました。同大使によると、ロシア国防相が全ての閣僚に対して、核兵器を使用しないと明言したとそうです。
 でも核戦力を備えた部隊の軍事演習は今日行ったし、それにロシアは核兵器は使わないからと言って、ウクライナは使おうとしていないとは言っていませんよね。


 ベラルーシで、ウクライナのスパイがベラルーシKGBにより拘束されたと報じられました。

 今年のノーベル賞授賞式にロシアとベラルーシの大使は招待されませんでした。今年の平和授賞者を見れば当然ですね。ベラルーシの授賞者は逮捕されていて、受賞式にはオンラインですら出席できません。

 ベラルーシのスーパーマーケットのチェーン店ソセージが、商品の価格を不当に釣り上げていたとして、物価を上げてはいけないという大統領直々の指示に従わなかったという罪に問われることになりそうです。責任者が逮捕される可能性が出てきました。
 10月5日に突然出たこの価格統制ですが、対象商品に免税品、季節ものの花、宝石は含まれていないそうです。


 ロシア下院は今日、同性愛などの「非伝統的な性関係」に関する情報の流布を大幅に制限する法律の改正案を、法案を審議する3段階の第1読会で全会一致で可決しました。
 LGBTの人たちはますます住みづらい国になりそうです。


 10月22日にウクライナ軍が「ベラルーシ国民」に対してのメッセージ動画を作成しましたが、今日、「ベラルーシ軍」が「ウクライナ軍」に返事の動画を公表しました。
 軍人なのに、脅すようなことを言うのは弱者である証拠。
 ベラルーシ人とウクライナ人が兄弟であることを思い出してくれたようで嬉しい。
 第二次世界大戦のとき、両民族の共通の祖先が、誰に勝利したのか思い出せ。(ナチスに勝ったでしょ。)そうしたら対立することも止められる。
 ベラルーシ人との戦争をウクライナ人が望まないのであれば、戦争は起きない。ベラルーシ人を刺激しないでほしい。脅かさないでほしい、怒らせないでほしい。全てウクライナ人にかかっている。
 ベラルーシ人は戦争を望んでいない。しかし、挑発には迅速に対応する。
 ・・・といったことをメッセージにしています。


2022年10月26日。ウクライナ侵攻から246日目

2022-10-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月26日。

 24日に、ロシア領のブリャンスク州で、ベラルーシとの国境から約15キロ離れた村のそばで、線路が爆発によって損傷したことを今日イギリス国防省が明らかにしました。
 この線路はロシアとベラルーシ南部(つまりウクライナ国境に近い地域)を結ぶ主要な路線です。
 「ストップ・ザ・ワゴンズ」と名乗るロシアの反戦団体が自らの犯行だと主張しています。おそらくこれは本当にこの団体の犯行でしょう。
 同団体が自らの行為だと主張する鉄道インフラへの破壊工作は6月以降、この件を含め6件起きています。しかしまだ逮捕されたりはしていません。
 ロシア国内でもこのようなパルチザン活動が行われている証拠です。

 
 ロシアは今日、大統領の監督の下、核戦力を運用する陸海空軍部隊による核弾頭搭載可能なミサイルの発射演習を行いました。
 着々と準備をしているようです。


 国営ロシア通信は今日、情報筋の話として、ウクライナの国営ユージュマシュ社の専門家がロシアのミサイル「イスカンデル」に似せたダミーミサイルを製造したと報じました。
 このミサイルに放射性物質を充填し、ウクライナ軍がチェルノブイリ原発の立ち入り禁止区域で打ち上げ、それをわざと上空で迎撃し、ロシアが核攻撃を始めたと主張するつもりだとしています。
 チェルノブイリ原発の周辺はもともと放射能汚染地域なので、そこに空から放射能が降り注いでも汚染が広がるわけでもなく、人もほとんど住んでいないので、ある意味うってつけの場所だと言いたいのでしょう。
 そして、ウクライナは「ロシアが核攻撃を始めた。だからこちらも核で応戦する。」と宣言するだろうというのがロシアの予想です。
 しかし、ウクライナで民間人が虐殺されても、いつもロシア側は「それはウクライナのナチスのせいです。」と主張するので、今回も自分たちで、チェルノブイリ原発上空でミサイルを爆発させて、ウクライナのせいにするかもしれません。
 このときロシア側がミサイルを発射するのはベラルーシ領内から直接、あるいは領内から飛び立った戦闘機からだという予想もあり、ベラルーシが巻き込まれる可能性があります。
 ともかく、この起きてほしくないです。


 今日、ロシア大統領は元サンクトペテルブルク市長の娘でテレビ司会者のクセニア・サプチャクさんに対し、恐喝容疑で捜査に着手し、モスクワ郊外の自宅を捜索しました。
 サプチャクさんは子供の時からロシア大統領と交流関係があり、仲がよかったはずなのですが、2018年の大統領選にプーチン氏の対立候補として出馬。ウクライナ侵攻後は政権を批判。
 今回の捜索の直前に自身が創設した独立系メディアの幹部が先に拘束されており、通信アプリで「(容疑を)全く信じない」と反発していました。
 しかし、自分も逮捕されそうだと分かると、25日にアラブ首長国連邦行きの航空券、26日にトルコ行きの航空券を相次いで購入。しかしこのチケットは目くらましで、ロシア当局がモスクワの空港で警戒する中、飛行機でベラルーシへ。そしてリトアニアへ陸路で移動しました。イスラエルのパスポートを所持していたとも言われています。これだとベラルーシの出国審査でも分からないですね。  
 

2022年10月25日。ウクライナ侵攻から245日目

2022-10-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月25日。ミンスクは雨でした。

 メリトポリ市長によると、ベラルーシの軍がメリトポリ地区にあるマーネ村に3週間以上滞在しているそうです。地元の住民が確認したとも。
 兵士と将校を備えた本格的なベラルーシ軍の部隊だと主張していますが、これが真実だとすると、ベラルーシはウクライナと戦いたくない、兵を出していないと発言していたベラルーシ大統領が嘘をついていたことになります。何かの間違いであってほしいのですが。「確認した」とは何をどのようにして確認したのでしょうか。


 メリトポリで今日、ZaTV テレビ会社のオフィスの近くでテロが発生ました。
 テレビ局の建物の前に止まっていた手作りのTNT爆弾が爆発し、建物の正面と窓が被害を受けました。この事件は、テロとして認定されました。5人の負傷者がいるとの報道もあり、またテレビ放送にも支障が出ている模様です。


 ロシアの独立系メディアは昨日、民間軍事会社ワグネルが、トルクメニスタンの刑務所で「志願兵」少なくとも500人を募集し、ウクライナへと派遣したと伝えました。
 別の独立系メディアも21日、人権活動家の話として、ロシアなどで集められた受刑者2万人以上がウクライナで戦っていると報道。ベラルーシやタジキスタンなど旧ソ連構成国の刑務所でも受刑者の志願兵が募集されているそうです。
 これも本当なのでしょうか。ベラルーシには反体制派の受刑者が2020年以降増えていますが、この人たちがウクライナへ兵士として行こうとするとは思えません。
 

 ポーランドの与党幹部は今日、ロシアの飛び地カリーニングラードからポーランドへアフリカやアジア諸国からの移民が越境させる恐れがあるため、国境沿いに障壁を建設する必要があるとの考えを示しました。
 昨年のベラルーシから大量の移民がポーランドへ押し寄せたことを思い出しますね。
 最近はとにかく壁を国境沿いに作ることがニュースになっています。


 ベラルーシからウクライナへイラン製ドローン10機が飛ばされたとの情報があります。
 しかも、ベラルーシ領内のチェルノブイリ汚染地域(ほぼ無人の地域)から飛行してきたとウクライナ側は主張しています。
 
 ロシアで違法にあたる薬物を所持していたとして禁錮9年の判決を受け控訴していたアメリカの女子プロバスケットボール選手、ブリトニー・グライナー氏について、ロシアの裁判所は1審の判決を支持し、控訴を棄却しました。


  ウクライナメディアは、ヘルソン州の州都ヘルソンにあった著名な軍人の像が奪われ、台座だけが残されている様子を報じました。ロシア側は「ウクライナ軍による破壊を避けるために〝避難〟させた」と主張。そう言うと思った。
ヘルソン州の高官はオンラインで会見し、
「像だけでなく、博物館の所蔵品なども数多く盗まれた。」
とロシアを批判しています。文化財まで盗むんですね。

 ウクライナでは、ロシア語の本が古紙として回収され(捨てられ)ています。換金されて、その収益はウクライナ軍のために使われるとしています。
 そういう意味では、ウクライナのロシアに関連する文化財を保護するために、ロシアがへルソン州などから文化財を「避難」させるのはもっともかと。
 ウクライナではもうロシア文学もロシアのおとぎ話も読まないとウクライナ人は話しています。
 日本も戦時は、英語が禁止されていたし、ウクライナ人の中には家族をロシア人に殺されたから、ロシアと聞くだけでもうメンタルがだめだと感じている人も多いから、ロシア文学の本を全て捨てたくなる気持ちは分からなくもないです。
 これからウクライナではロシア語は外国語の一つとなり、ロシア文学も外国語の一つになるのでしょう。
 しかし、これを日本に置き換えると、例えば日本が中国に侵攻されて、中国嫌いの日本人が増えたとしても、じゃあ、国語の教科書から漢文は全部抜いてしまおう・・・という流れになるでしょうか? 「国破れて山河あり」などといった漢詩も学校で教えてはいけません、孔子なんて人のことは知らなくてよろしい、ということになるでしょうか?
 そもそも中国生まれの漢字そのものを使うのが、けしからんということに繋がりませんか?
 

 ロシアの国営メディアRTの司会者で親政権派のアントン・クラソフスキー氏が20日の番組で、子供時代にウクライナで反ロシア的な言葉を受けたという作家に対し、そんなウクライナの子供たちは死なせればよかったと発言し、非難轟々。解任されました。
 この人、ロシアでは珍しくLGBTであることを告白しており、また擁護派でもあるのですが、ウクライナの子供に対してこんな発言をするなら、LGBTはみんな死なせればよかったと言われても、文句言えませんね。


 チェチェン共和国首長のカディロフ氏は、ロシアが「併合」したウクライナ東・南部4州に戒厳令が布告されているにもかかわらず、ロシア軍の攻撃が「生ぬるい」と不満を表明。占領地を含む「ロシア領」に敵の砲弾が飛んできた場合、「大地から(ウクライナの)都市を一掃し、地平線しか見えないようにすべきだ」と訴えた。 

 

 





2022年10月24日。ウクライナ侵攻から244日目

2022-10-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月24日。
 ウクライナ侵攻が始まってからもう8ヶ月ですね。
 ミンスクは雨の予想でしたが、降りませんでした。日に日に夜が長くなってきています。

 ベラルーシ領内からウクライナ方面に向けてミサイルが発射され、警報がウクライナ全土で鳴ったそうですが、詳細は分かりませんでした。続報を待ちましょう。
 これも未確認情報ですが、ポーランドがベラルーシ国境に向けて装備の移送を開始したそうです。未確認情報というのは、やはり軍の機密に関することなので、わざと発表されていないということかもしれません。


 ロシアが「ウクライナは『汚い爆弾』を開発・製造し、もうすぐ使用する恐れがある。」と主張している件ですが、ウクライナ政府、西側諸国は、そのような事実はないと否定。それをロシアが非難・・・と言い争いを続けています。
 そしてロシアの戦略は、自分たちが行った殺戮行為やテロ行為をウクライナの仕業と主張することです。全てはウクライナのナチスがウクライナでウクライナ人を殺しているので、それを救いに行くのがロシア軍の役目、というプロパガンダを国内に広く知らせ、(ある意味)国民を洗脳。
 この考え方をロシアが貫くなら、ロシアがもうすぐ「汚い爆弾」を使用し、ウクライナが使ったということにするでしょう。
 問題はどこで爆発させるかです。ウクライナ国内(ロシア占領地も含む)かもしれないし、ロシア領内かもしれないです。その場合、ロシア人が被爆してしまいますが、同時に「ウクライナはロシアに核攻撃した。報復する。」とロシアからどんどんウクライナに核を打ち込むことができる大義名分ができます。
 またベラルーシ領内でロシアが爆発させて、これをウクライナ軍のせいにする。「最近ウクライナ国境近くにロシアとベラルーシの合同部隊が配備されたことが、ウクライナは気に入らなかったのだからベラルーシ領内に向かって『汚い爆弾』を使ったのだ。」と説明して、またウクライナへ攻撃する大義名分を作る・・・と予想されます。
 この場合、ベラルーシ人が被爆してしまいます。・・・ということも考えに入れて、最近ベラルーシで防空壕の点検が行われたり、ミンスクの地下鉄は、核シェルターにもなりますよ、という報道を増やしている可能性があります。
 ともかくも、どこにも核兵器は使わないでほしいです。
 
 ロシア国防省は、ウクライナ政府が「汚い爆弾」を爆発させた場合に備えて、軍隊が準備をしていると述べました。ロシア軍は、放射能汚染の状況で任務を遂行する準備が整っているそうです。この時期にこのような発言をするのはなぜなのか。ロシア国民を安心させるためでしょうか。
 ロシアは広いので、ウクライナから遠く離れた地域では、放射能汚染のことなど心配していないでしょう。

 
 ベラルーシ南部の道路監視カメラへのアクセスができなくなっているそうです。南部と言えば対ウクライナ国境。そこへ何が道路伝いに向かっているのかカメラで確認できない状態です。何らかの目的があって、わざとそうしているのでしょうか。

 ベラルーシでは今日、ビザカードでの支払いに支障が出ました。一部のカードは支払いに使えたようですが、カード次第、銀行次第で運任せです。

 
 モルドバはウクライナから電力を輸入していたのですが、ロシアの発電所爆撃でウクライナが電力不足に陥り、モルドバへの電力輸出を停止しました。戦争の余波が広がっています。
 モルドバも大変なようです。冬の到来を前にして、ロシアとの貿易再開と大統領の辞任を要求する市民が警察と衝突しています。

2020年10月23日。ウクライナ侵攻から243日目

2022-10-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月23日。

 ベラルーシの憲法の改正により、大統領選挙についても変更されることになりました。
 同一人物が大統領に選出されるのは最長で2期までとなるそうです。現大統領がもう何期目なのか分からないほど続投し続けていますが、次のはベラルーシ大統領は2期で次に交代するんですね。現大統領はもう続投するつもりがないということですね。
 大統領候補の年齢制限は40歳だそうです。ちなみにベラルーシ国内での居住要件は20年に引き上げられました。
 すでに投稿しましたが、今後は国外に投票所は設置しないことになっています。つまり外国に活動拠点を移したベラルーシ野党メンバーは投票ができません。帰国したらできますが、帰国した途端に逮捕されるのが目に見えています。
 一方で拘留中の市民は投票に参加できるそうです。逮捕されても投票はできるとは言え、そのために帰国する野党メンバーはほとんどいないでしょう。


 今日、またロシアの戦闘機スホイ30がイルクーツクの住宅地に墜落しました。パイロット2人が死亡し、墜落現場では火災が発生。延焼面積が200平方メートルに達しています。
 住民の被害はないようですが、奇跡ですね。墜落した住宅は2階建てで5人家族が住んでいましたが、日曜日の昼間、全員外出していて難を逃れたようです。
 試験飛行中の事故でしたが、私が空軍パイロットだったら、このスホイ30には乗りたくないですよ。


 
 ロシア国防相は今日、フランス、トルコ、英国の国防相と相次いで電話協議し、ウクライナ政府が『汚い爆弾』(ダーティーボム)を使用する可能性について懸念していると伝えました。
 「汚い爆弾」とは放射性物質を含んだ爆弾のことだそうです。汚いというのは放射能汚染のことを指すのですね。
 ウクライナは前からダーティーボムの開発を行っていてすでに製造の最終段階にあるのだとロシア国営メディアは報じています。
 そんなことを言っていたら、前からウクライナは化学兵器を開発していたとか、アメリカがウクライナの研究所で開発していた(ウクライナも同罪)とかロシアメディアが盛んに報道していたような・・・。
 ウクライナ国内に危険な兵器がたくさんあるし、ウクライナにはナチスがいるから、危険だと主張したいのでしょう。


 ロシアのキリエンコ大統領府第1副長官は、特別軍事作戦としてきたウクライナ侵攻を「戦争」だと認める発言をしました。
 作戦から戦争へ本格的に変更したようです。そもそも動員などしているのですから、戦争ですよ。ロシア国民に対しても、これは作戦ではないのです、戦争です、だからこれから国家総動員や食料の配給が始まったり、ロシア国内に戒厳令や外出禁止令などが出ても驚かないようにと前もって言っておいたという感じがします。
 戦争の責任はNATOにあるともロシア側は主張していますが、これも国民に戦争の原因はロシア政府ではなく、外国にあると気をそらせるためでしょう。
 

 今日、ベラルーシの国営メディアは、ミンスク市民に対して、空襲の際にはミンスク地下鉄が防空壕になり、一度に10万人が避難できると発表しました。
 歩いて行ける範囲内に地下鉄の駅がある場合はそこへすぐ避難すること、プラットフォーム、地下鉄車両とトンネルが避難場所になること、各駅に救急医療の担当者が配置されることなどが、広報されました。
 化学的、生物学的、または放射線汚染のリスクがある場合は地下鉄のシャッターが閉められ、また外気を浄化するフィルターのついた通気口があるそうです。
 空襲だけではなく、核兵器がミンスク市内で使用された場合は地下鉄に行くのがいいということですね。
 ちなみにベラルーシで地下鉄があるのはミンスクだけです。


 


2022年10月22日。ウクライナ侵攻から242日目

2022-10-22 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月22日。

 ウクライナ軍は「ベラルーシ国民」に対して警告する動画を公開しました。(「ベラルーシ軍」や「ベラルーシ政府」に対してではないです。)
 両国民は友情で結ばれており、共通の敵と戦い、平和に共存してきたので、もしベラルーシ軍がロシアの侵攻を支持するならば、我々はそれに武器庫を全て動員して対処する。ベラルーシの軍事施設を攻撃するから、要注意・・・といった内容です。
 独裁国家の中にあって、政府に反抗もできない(反抗した人は刑務所に送られたか、外国へ出国)国民に対してこのような警告文を出しても、答えようがないです。
 それに今までとっても仲がよかったでしょ、と言っていますが、第2次世界大戦中、ベラルーシ民間人の大量虐殺にウクライナ人(ソ連軍の中のウクライナ軍)が関与していた事実は思い出さないんですね。(だからと言って、今ベラルーシ軍がウクライナへ攻撃してもいいのだ、と私は言いたいわけではないです。念の為書いておきます。)
 

 次の選挙から、ベラルーシでは外国で投票所を設置しないことになりました。つまりベラルーシ国外に住んでいるベラルーシ人は投票することができません。
 理由はコロナなど感染症流行のため、現地での人員不足などです。
 投票するためにはベラルーシへ帰国する必要がありますが、2020年(大統領選挙)以降に国を離れ、過激派と見なされたベラルーシ人は、30年間入国を禁止される可能性があります。


 ウクライナ大統領は20日、
「ロシアのテロリストがカホフカ水力発電所に爆発物を設置したとの情報がある。」
と発言。
 つまりまたもやインフラへの攻撃、そしてダム決壊による下流地域が洪水になってしまう危険性があります。
 ところがロシア側は、ウクライナが5ヶ月間も攻撃しているとし、周辺住民を避難させ始めました。
 そして今日、ロシアの国連常駐代表は国連安全保障理事会の会議で、ウクライナ政府によるカホフカ水力発電ダムの破壊を防ぐよう要請する書簡を回覧し、ウクライナの挑発行為を阻止するよう国連指導部に呼びかけたと明らかにしました。
 国連がどのように反応するでしょうか。とにかくロシアは国連を味方に付け、自分たちは爆発物など設置していないと証明したいようです。
 実際に設置されたとしても「テロリスト」によるもので、「ロシア軍ではない」ようですが。
 そして、ロシアが自国軍を撤退させたのも、水没を避けるためであり、略奪物についても避難させるためということになります。


 今後数週間以内に、ロシアからベラルーシへ105億ルーブル(15 億ドル)の融資の手続きが完了する予定です。両国の経済の利益のために使われるとされていますが、つまり経済制裁の影響を解決するために使うということです。


 ウクライナのエネルギー相は今月10日以降のロシア軍によるエネルギー施設への攻撃で、ウクライナの火力発電能力の少なくとも半分が喪失したと明らかにしました。もうすぐ冬なのに・・・。
 ウクライナ全土では20日から電力の供給制限が始まっています。
 施設復旧には数か月かかる見通しで、電力を輸入する可能性があるとも述べました。
 欧米は支援を加速させており、アメリカが施設復旧費として5500万ドル(約82億円)を支援したほか、ベルギーやドイツなどからは発電機や電線などの機器が提供されました。
 ・・・そして、こういう報道があると、おそらくベラルーシ政府から、ウクライナに電力を供給しますよ、という提案が出される可能性があります。そういうことをさらっと言ってのけるのがベラルーシの外交スタイル。ウクライナがどのように反応するかは分かりません。
 それともベラルーシからウクライナへ薪を送るかな・・・

2022年10月21日。ウクライナ侵攻から241日目

2022-10-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月21日。

 ロシアとベラルーシの合同部隊が活動を開始し、国境地帯(おそらくベラルーシの西側と南側)でロシア空軍機による哨戒飛行を行い、それをウクライナを威嚇していると日本のメディアが報道しています。
 ベラルーシKGBは、
「ウクライナ領土からの情報活動やベラルーシ領空を侵犯しようとする試みが毎日のように増加している。」
と主張。だからこちらもロシア空軍の力を借りて、国境地帯を哨戒してもいいだろう。(でもこれは攻撃ではない。)と言いたいのかもしれません。
 そしてウクライナ軍の参謀副長は、
「ロシアとベラルーシの軍事・政治指導部による攻撃的な発言が激化している。」
と非難。さらには、
「北方戦線でのロシア軍による攻勢再開の脅威が高まっている。」
と強調しています。事実をそのまま言っているのか、わざと危機感を感じていることを強調しているのか、よく分かりません。戦争中なので、駆け引きの発言が飛び交っているし、情報操作もありますからね。

 今日、ベラルーシ大統領は、バラノビチ市近くの訓練場を訪問。国内生産の武器や無人偵察機などを視察しました。大統領曰く、ベラルーシはドローン製作の世界的リーダー国なんだそうです。

 取材で、ベラルーシで秘密裏に動員が行われているという噂について質問を受けると、はっきりと否定しました。
 現在行われているのは、毎年実施されている秋の徴兵(兵役義務)の手続きであり、もちろん兵士のリストアップやチェック作業はしているが、それは動員ではないと答えました。


 未確認情報ですが、ポーランドとリトアニアの軍隊が対ベラルーシ国境に移送されています。
  演習を隠れ蓑に軍事装備、人員ともにこの地帯に配備されている模様。
 このような動きを、ベラルーシ側は、向こうの方から攻めてこようとしているから、こっちも合同部隊を作らざるを得ないくなったのだと言える口実にしてしまうのでしょう。


 

2022年10月20日。ウクライナ侵攻から240日目

2022-10-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月20日。

 ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムは今日、ザポリージャ原発があるエネルホダル市から、
「ロシア占領軍が逃げ出し始めている。」
とSNSに投稿しました。
 19日から20日にかけてロシア軍はテレビや冷蔵庫、家具、やかん(電気ケトルのこと?)などの略奪品をバスやトラックに積み込んで運び出したそうです。
 略奪についてはロシア統領が出した戒厳令が隠れみのになり、事実上許容されているとのこと。戒厳令により住民の避難が始まったぐらいなので、電気製品も「避難」させているのでしょう。


 フィンランド首相はロシアとの国境沿いに約1335キロメートルに及ぶフェンス(柵)を建設する案について述べました。また鉄のカーテンが作られます。

 ベラルーシの対リトアニア国境地帯では、自転車が越境に使われることが増え、自転車の盗難が急増したと報道されました。家の近くに置いているとすぐになくなり、リトアニア側で見つかるそうです。


 今日、ウクライナ軍の参謀総長は、ロシアとベラルーシの合同部隊が西側からの物資や軍事装備を遮断するため、ベラルーシから西ウクライナの方向に向けて攻撃を行う危険性があると指摘しました。
 可能性はありますが、そうなってほしくないです。


 現在、ベラルーシでは1年に2回(春と秋)に行われる徴兵が行われています。これはロシアで行われていた動員とは違いますので、ご注意ください。ベラルーシは徴兵義務があります。(ちなみにウクライナはありません。)
 今回の徴兵で1万人が兵役に就く予定です。今年高校や大学を卒業した人が中心ですね。
 平和な時期なら、普通に兵役に就くのですが、今は戦争中。さすがに心配している人が多いです。


 ロシア大統領は今日、国防相とともに部分的動員令を先月発動して以降初めて、招集兵の訓練所を視察しました。
 兵士を激励。また動員兵の装備について兵士たちにリュックサックを開けさせて所持品を見せました。大統領向けというより、国民向けに、動員兵は装備もばっちりですと報道したかったのでしょう。


 ベラルーシ国防省はロシアの防衛産業企業でT-72戦車と装甲兵員輸送車を最新化するために、ベラルーシ軍の戦車をロシアへ移送したと発表しました。他にもロシア製の戦車などをベラルーシ国内に移送して、ベラルーシで装備点検、改良などをするそうで、要するに、両国の軍備を両国協力しながら、メンテナンスもして、さらに両国の要所に配備するということです。


 ベラルーシKGBは、ウクライナ軍情報部にデータを送ったウクライナ人スパイと、そのスパイにスカウトされたベラルーシ人2人を拘束し、またウクライナ軍に協力していた中佐も拘束されたと発表しました。


 今月6日、ベラルーシ大統領がインフレ対策として「今日から」物価の値上げを禁止すると決定してから2週間。露独立系メディア、メドューサは今日、 ベラルーシ当局が、パンとソーセージを値上げした罪ですでに20人を逮捕したと報道しています。


 ウクライナのエネルギー相顧問は、ロシア軍のミサイルや無人機による攻撃で、
「国内の発電能力の少なくとも40%が失われた。」
とし、計画停電を20日と21日、実施することに国民の理解を求めました。

日本語能力試験2022年12月ロシア会場中止決定

2022-10-20 | 日本文化情報センター
 日本語能力試験の公式HPではまだ更新されておらず、今日も「検討中」の表示のままですが、今年12月に予定されていた日本語能力試験、ロシア会場は中止と昨日決定されました。
 ロシアの日本語学習者が気の毒ですが、ベラルーシから越境受験しようとしていたベラルーシ人も望みが絶たれました。

 ウクライナ会場の試験が夏に中止決定されていたので、ロシアでも実施できないだろうと思っていましたが、それならそれで8月の時点でロシアでも中止を決定しておいてほしかったです。
 それなら8月末9月初めにかけて、第三国での受験申込みができていました。
 日本の主催者側もぎりぎりの10月20日までに戦争が終わらないかと待っていたのでしょうが。
 日本語能力試験は中止するのに、ロシア人への観光ビザ発給は戦争中の夏に日本外務省は再開しています。
 ベラルーシ人には再開されていません。
 ロシア人日本語学習者の中には、お金とツテを使って、日本会場での試験の申込みを9月にして、12月観光ビザで日本に入り、試験を日本国内で受験しようとしている人もいるでしょうね。
 しかし、ベラルーシ人にはお金があっても、ビザが出ないので、このような方法で問題の解決ができません。
 来年の7月のベラルーシでの試験も、どうせないだろうと私の生徒はみんな悲観しています。

 いろいろ調べていたら、ロシアの試験会場の一つで、ペルミの会場は、2022年12月の試験でまだ中止が決まっていないときに、
「中止ではなく、実施するとなっても、N3、N4、N5レベルはペルミ会場では行いません。N1とN2レベルだけ実施します。」
と公表していました。
 N1とN2レベルは就職活動や入試のときに必要なレベルだからでしょう。
 全てのレベルをしなくてはいけないという決まりがあるわけではないのなら、来年7月のミンスク会場での試験でも、N1、N2レベルだけでも実施してほしいです。
 欲を言えばN3も。N4とN5は日本語学習の目標としてはいいけれど、これに合格しても、就職や留学に有利になるわけではないです。だからチロ基金が予算を出して、「私たちのテスト」を実施しています。受験料は無料ですよ。チロ基金が合格者に渡している表彰状ですが、もちろん日本語能力の認定証の代わりにはなりません。しかしN5、N4レベルだと、日本語能力試験の公式認定証でも就職有利になるわけでもないし、チロ基金の「私たちのテスト」と持っている価値は大差がありません。
 でもN1、N2だと、日本語能力試験の公式認定証を持っていることで、その後のベラルーシ人の人生が変わる可能性が大いにあります。
 とにかく戦争によって、みんな人生を狂わされています。

2022年10月19日。ウクライナ侵攻から239日目

2022-10-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月19日。
 ミンスクは風が強かったです。

 ロシア大統領は、ロシアが一方的に併合したウクライナの4州(ヘルソン州、ザポリージャ州、ドネツク州、ルハンシク州)に戒厳令を敷く大統領令に署名し、明日20日午前零時に発効することが決まりました。
 国際社会は認めていないけれど、ロシア領にしているので、戒厳令も出せるわけですね。

 そして大急ぎで住民を避難させています。この4州の住民は、ロシアからしたら、ロシア国民なわけなので、反攻してきたウクライナ軍に奪われたくないのでしょう。
 住民がどう思っているかは二の次です。
 1週間で5万人から6万人を「安全なところへ」移動させるそうです。

 ヘルソン州の状況は緊迫していると総司令官に任命されたばかりのスロヴィキン将軍の初仕事が住民の退避(強制移住)になっています。
 この総司令官、任命された頃、アルマゲドン将軍というあだ名があると報道されていましたよね。


 ザポリージャ原発について、IAEAは一時、遮断されていた外部電源が復旧したと発表しました。よかったです。が、また同様の状態が起こりそうで怖いですね。
 またIAEAは同原発の副所長が、解放されたと明らかにしました。よかったです。と思ったら、
 ウクライナの原子力企業エネルゴアトム社長は今日、同原発の職員約50人が、ロシア側の拘束下にあると訴えました。
 同社長は、ロシアが2月にウクライナ侵攻を開始して以降、
「150人以上の原発職員が捕らえられた」と説明。「一部は後に解放されたが、今なお安否が分からない人がいる。約50人がいまだ捕らわれの身だ」
と語りました。その上で「(ロシアは)定期的に職員を拉致している」とも述べています。こんな状態で原発で事故が起こらないようにするのは至難の業でしょう。心配です・・・。


 イスラエルはウクライナに武器を提供しないこと明らかにしました。
 ウクライナに武器提供したら、ロシアはイスラエルと断交するとまで、ロシア側は厳しい態度を見せていたので、ロシア系が多いイスラエル政府は、ウクライナへの武器支援は見送った模様です。
 逆にロシアにイラン製のドローンが多数使用されていることから、ウクライナ政府の間で、イランとの断交を求める声が上がっています。
 イスラエルにはウクライナ系の人も多いし、今はロシアから動員逃れのためにイスラエルへ入国しようとしているユダヤ系ロシア人もいるし、イスラエルの中で人々はどのような思いで暮らしているのでしょう。


 

2022年10月18日。ウクライナ侵攻から238日目

2022-10-18 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
  2022年10月18日。
 ベラルーシは落葉が始まりました。

 ベラルーシKGBは、KGB所属部隊の1人が外国へ出国したという一部のテレグラムチャンネルについて、現実にそぐわないと述べ、つまりフェイクニュースであると否定しました。
 
 ロシアのエイスクで起きた戦闘機墜落事故。死者数は15人に増えました。
 25人が入院しており、犠牲者総数は44人に。そのうち9人は子どもだそうです。200人に心理カウンセリングを行っているとも報道されています。
 戦地でもなく、夜に住宅街にある家の中でくつろいでいたら、自分の国の戦闘機が墜落して大火災が発生。それで命を落とすとは・・・結局はロシアがウクライナ侵攻を始めなかったら、この人たちは死ななかったはずです。
 ロシア大統領が非常事態相や保健相らを現地に派遣する一方、自身は向かおうとしませんでした。


 ウクライナ大統領は今日、ロシア軍による10日以降の攻撃で、
「ウクライナ国内にある発電所の30%が破壊され、全土で大規模な停電が起きた。」
とツイッターに投稿しました。ロイター通信などによると、ロシア国防省もエネルギー施設を標的とした攻撃を認めています。今日もキーウでは18日、エネルギー施設が攻撃され少なくとも2人が死亡しました。ジトーミルでは水と電力の供給が遮断され、ハリコフやドニプロでも発電施設などが攻撃を受けています。
 これから気温が下がるので、戦場にいなくてもウクライナの人々の生活は電力不足で厳しくなるでしょう。
 それをロシアは狙っているのでしょうが、回避する方法はないのでしょうか。

 このようにロシアがわざとウクライナのインフラ施設を狙っていると、ウクライナ軍も同じことをロシアに対してすると思います。どちらの国も冬は寒いです。
 またノバカホフカ水力発電所のダムを攻撃する可能性もあります。
 
 10日前にウクライナでの軍事作戦を統括する司令官に任命されたばかりのスロビキン大将は、国営ニュース専門チャンネル「ロシア24」に対し、軍がヘルソンからの民間人退避を準備していると説明しました。
 状況は「非常に厳しい」とし、ウクライナ軍による民間施設の攻撃が「住民の命に対する直接的な脅威となっている」と主張しました。
 肝いりで任命されたばかりの総司令官なのに気弱な発言とも取れます。どうしたのでしょう。


 ロシアはイラン製ドローンで攻撃していますが、それはロシア製の武器や兵器が枯渇しているからだろうといった憶測がされています。
 そこへロシアのメドベージェフ国家安全保障会議副議長は、イスラエルがウクライナへ兵器を提供しようとしていることについて、
「イスラエルはウクライナ政府に武器を供給することを計画しているようだ。非常に無謀な行動だ。両国のすべての関係を破壊するものだ」
と述べました。イスラエル政府は沈黙していますが、おそらく水面下で協議されているのでしょう。
 イスラエルがウクライナに(大統領がユダヤ系でもあり)兵器を提供する可能性は高いのではないでしょうか。ますます戦争のパワーバランスが複雑になってきそうですが。


 キルギス大統領が、隣国タジキスタンとの国境紛争解決のためロシア大統領に介入を要請した。
 タジキスタン大統領が、ロシアに対して属国扱いしないでほしいと演説したのが有名になりましたが、このタイミングでキルギスがロシアに支援要請ですよ。
 ロシアにそんな余力はなさそうです。実はキルギスもロシアから距離を置きたいと考えていて、わざとロシアが困ることを言い出したのではないかと勘ぐってしまいました。


 ロシア国防省は、オデーサ地域のロシア軍が、ウクライナ政府通信センターの宇宙通信ステーションを破壊したと述べました。詳細は不明です。


 世界銀行は17日、ベラルーシ向け融資について、6843万ドルの支払い遅延が発生しているとして主要部門が行った全ての融資を直ちに「不良債権」としたことを明らかにしました。


 ロシアの大統領に近い思想家ドゥーギン氏(娘が爆発された)がミンスクを訪問し、ベラルーシ大統領と会談をしました。
 大統領は同氏こそ、ミンスクを見ただけでベラルーシ全体を理解できる人だと歓迎し、同氏はベラルーシ大統領が長年維持している方向性を支持しており、同大統領の崇拝者だと述べました。
 何だかとても仲の良い友だち同士のようです。


 ベラルーシの国家国境委員会長は今日、ベラルーシとウクライナの間の国境の状況は依然として緊張しており、危険である、と述べました。
「国境警備隊だけがウクライナ側から国境を守っているわけではない。ウクライナ側の警備兵は識別マークなしで歩き回っているため、誰が誰なのかわかりません。」
とも発言しています。
 専門家ではない人(つまり無関係の人)は国境地帯に近づかないほうがいいと助言もしています。
 助言しつつ、兵士なのかよく分からない服装でウクライナ警備兵が国境地帯をうろうろしているので、緊張が高まっていると牽制しています。
 とにかくウクライナ側に問題があって、そのせいでベラルーシ側は迷惑を被っていると言いたげです。
 また国境地帯でもし何か事件などが発生したら、ベラルーシ側はすぐに全てをウクライナのせいにするでしょう。