ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

パンフレット「自分と子どもを放射能から守るには」食育編 (追加情報あり)

2011-04-29 | 放射能関連情報
 健康的なよい食生活によって放射能性物質が人間の体内へ与える影響を弱めることができます。

① 放射能に汚染されていないことを前提として、より多く食べたほうがいい食品は「リンゴ」「グースベリー(西洋スグリ)」「スモモ」「黒スグリ」「イチゴ」「さくらんぼ」「セイヨウミザクラの実」です。

② 子どもが「種実類(ひまわりの種、カボチャの種など)」をかじっていても、それを止めてはいけません。
 畑になっている「豆類」を取って食べていてもよしとしましょう。

③ 「レモン」「オレンジ」「モモ」「クルミ」をより多く子どもに食べさせましょう。

④ 果肉入りの「野菜ジュース」や「果物ジュース」を飲ませましょう。
 その中でも赤い色をしたものがいいです。「トマトジュース」「グレープジュース」「ざくろジュース」など。

⑤ 子どもには毎日必ず「ココア」を飲ませましょう。
 
⑥ 体の中のヨウ素、カリウム、鉄分を増やすために「豆のスープ」や「そば粥」「米のお粥」「燕麦(オートミール)のお粥」を食べましょう。
 いろんな種類の野菜を使ったサラダに「ひまわり油」を使ったドレッシングをかけましょう。

⑦ おかずやスープ、サラダなどに「パセリ」「ディル」「青ねぎ」を刻んでたくさんふりかけましょう。
 「ホウレンソウ」や「海藻類」をできるだけたくさん食べるように努力しましょう。

⑧ お菓子は体によいものを子どもに与えましょう。特にいいものは「ゼフィール」「マルメラード」「パスチラ」です。なぜなら多くのペクチンをふくんでいるからです。
 おやつに「干しアンズ」「干しブドウ(レーズン)」「プルーン」を与えましょう。なぜなら子どもに必要なミネラル分が多いからです。
 
 最後にとても大切なのは、子どもは定期的に体内から放射能を除去する必要がある、ということです。
 そのためには1年に2-4回、「ビタペクト」のような高ペクチン剤を摂取することです。

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 (訳者から)
 上記のお菓子「ゼフィール」「マルメラード」「パスチラ」についてですが、私が知っている限りでは、日本では売っていません。
 順に解説すると「ゼフィール」は果物のピューレに砂糖、卵白、ゼラチンなどを混ぜて固めたお菓子です。

「マルメラード」はマーマレードのロシア語表記なのですが、日本人が想像するマーマレード(オレンジから作ったジャム)とは違います。固形マーマレードというもので、ジャム状ではありません。オレンジに限らずいろいろな果物(ナシやスイカまであります。)から作って固めたマーマレードで、手でつまんで食べられます。

「パスチラ」はリンゴのピューレやベリー類の果肉に砂糖(または蜂蜜)、卵白をいれて固めたお菓子です。

 さて、こうして見てみると、どうしてベルラド研究所がこの3種類のお菓子を勧めているのか分かります。一つは卵白がたくさん使われていること、それからマーマレードはペクチンが豊富に含まれていることです。
 つまり、こういう名前のお菓子が日本になくても、卵白をたくさん使った食品や、メレンゲを使ったお菓子、マーマレードを食べると同じような効果が得られる、ということです。
 
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 上記でご紹介した卵白について、このパンフレットを作成したベルラド研究所のバベンコさんに確認の質問をしてみました。
 卵白自体は蛋白質を多く含み、子どもの成長のためよいものですが、ペクチンのような放射能排出作用は持っていない、ということでした。
 じゃあ、どうして卵白をたくさん含んだお菓子を子どもに食べさせるよう勧めているのかというと、どうせおやつにするなら、体に悪そうな添加物が入ったお菓子より、体にいいお菓子をあげるほうがよく、さらにペクチンがたくさん含まれているもののほうがいい。
 そういう条件でベラルーシで一般的によく売られている商品を見てみると、一番健康的なお菓子だったのが、上記の3種類のお菓子だったそうです。(でもパスチラはあまり売っていませんね。)
 日本では売ってなくて残念です。
 でも代わりになるものがたくさん日本にもあると思います。
  
 

パンフレット「自分と子どもを放射能から守るには」調理方法編

2011-04-28 | 放射能関連情報
現在、子どもが放射能被爆する原因の90%は食品からです。
しかし簡単な方法で食品に含まれる放射能を減らすことができます。

牛乳
 乳脂肪分が高い乳製品(生クリーム、バター、チーズなど)は含まれている放射能が少ないです。ただし、乳清(ホエー)は危険です。


 中ぐらいの大きさに切り分けます。塩水に酢を加えたものに10-12時間つけておきます。肉をゆでる場合は最初のゆでた水は8-10分沸騰させた後、捨ててください。

野菜
 蒸したり煮る場合、皮を必ずむいておきます。それだけでセシウム137が20-50%減ります。

きのこ
 ゴメリ州スベトラゴルスク区にあるチルコビチ村のベニタケ科きのこは1キロあたり280ベクレルの放射能が検出されています。
 これを水をかえながら20時間3%食塩水につけておいたところ、1キロあたり28ベクレルにまで減らすことができました。


チェルノブイリ原発事故25周年シンポジウムに参加しました

2011-04-26 | 放射能関連情報
 今年の4月26日、チェルノブイリ原発事故が発生してからちょうど25年になります。
 そのため先週からベラルーシ各地でシンポジウムが連日開かれています。
 テーマはもちろんチェルノブイリ原発事故なのですが、それぞれの分野によって、さまざまなシンポジウムが開催されました。科学者向けのもの、医療関係者向けのもの、いろいろあったのですが、その中で
「チェルノブイリ原発事故25年 図書館が社会の中で受け持つ役割」
というシンポが、ベラルーシ国立科学技術図書館の主宰により開催されました。
 参加者のほとんどは図書館関係者。壇上で発表するのもほとんど図書館員。
 ・・・というシンポジウムでした。

 私はミンスク市立児童図書館の中での代表、ということで発表することになり、その準備をしてきた、というわけです。
 国際シンポジウム、と銘打たれていましたが、外国人はロシア人と私の2人だけ。
 ウクライナからも参加者がいたのですが、欠席してしまいました。ロシア人はブリャンスクというロシア国内の放射能汚染地域にある図書館の司書さんでした。
 私は外国人と言ってもミンスク在住なので、あまり国際シンポ、という雰囲気ではありませんでした。
 それからグロドノなどミンスク以外の地域からも参加者がいましたが、ゴメリ州のような汚染地域とされているところからの参加者がいなくて、少々残念でした。

 ともかく、このような機会が福島原発事故が現在進行中の今、日本人の私に与えられたわけで、これはがんばらねば、と準備をしていました。
 しかし母国語で発表するのではないので、早口言葉みたいなスペルの言葉は舌噛みそう(^^;)で、心配していました。

 そして当日4月21日。300人ぐらいの出席者を前にして、スライド投影した画像を織り交ぜながら発表しました。
 私の前に壇上に上る予定だった2人(ウクライナ人とノボポーロツクの人)がいきなり欠席したので、
「あと30分ばかりあるわー。早口言葉の練習しておこう。」
などとのんきに考えていた私は、いきなり出番が回ってきて、びっくりしてしまいました。(そして案の定3回ぐらい噛んでしまった。(汗)

 しかし、チェルノブイリの子どもたちに対するチロ基金のこれまでの活動について、1人15分が割り当てられていたのですが、けっこう詳しく発表することができてよかったです。
 チロ基金の活動の歴史をダイジェストで! という感じでもありましたが、初めてチロ基金のことを知ったベラルーシ人は、面白い内容だったのではないでしょうか。
 発表内容については、ベラルーシ国立科学技術図書館のサイト上で閲覧できるようになりました。
 こちらは画像。

http://www.rlst.org.by/event/940.html

 こちらで、参加者の発表論文内容を読むことができますが、全てロシア語です。(私は11番目。)

http://www.rlst.org.by/event/941.html


 他の参加者についてですが、各図書館がいろいろと努力をされていることがよく分かりました。
 「チェルノブイリコーナー」のように資料を一括してまとめたり、さらにそれをデータベース化して検索できるようにしたりしている国立系の図書館もあります。
 一方で25年経過し、チェルノブイリ後世代が増えつつある現状。青少年向けにチェルノブイリのことを図書館で調べたりすることができるようにしているところもありました。
 またチェルノブイリを環境問題の一つとして組み込んでしまっているケースがとても多く、事故のことを学んだ後は、環境問題全体に視野を広げてみましょう、といった教育的な取り組みが図書館や学校内の図書室で行われており、ベラルーシ人の姿勢が見えたような気がしました。

 原発事故、というと「怖い」「危険」というイメージですが、そればかりをチェルノブイリの後の世代の子どもに語るのではなく、環境問題の一つとしてとらえましょう、という姿勢です。
 ちなみにベラルーシでは中学生の物理の時間で、放射能について(アルファとかベータとか)みっちり勉強し、被爆しないための知識やノウハウも期末試験に出ます。
 大学生になっても学部や理系・文系全く関係なく、必修科目で1年生のときに、さらに詳しく放射能、原発について勉強します。そこでも「被爆しないようにどうしたらいいのか」「原発事故が起きたらどう行動するのか」のノウハウを授業で取り上げています。
 大学生の多くは「中学や高校でこれ、やったのに。またか。」と思いつつも、必修科目なので単位をもらうために授業に出ているそうです。

 日本のニュースで「放射能について」の講演会をすごく広い会場で、専門家を招いて行いました、というのがありました。
 メモをとりながら熱心に聞いているのは、福島県の教職員の方々。校長先生や学校の先生たちです。
 ベラルーシ人がもしこれを聞いたら
「えー、こんなの中学生の授業ですよ。日本人の先生はこんなことも知らないの?」
とびっくりするでしょう。
 25年後、日本の教育現場はどうなっているのでしょうか? 今のベラルーシのようになっているのでしょうか?
(逆にベラルーシ人は地震や津波のことはよく分かっていません。) 


本「自分と子どもを放射能から守るには」基準値

2011-04-25 | 放射能関連情報
 最後にさまざまな食品について、細かく基準値がベラルーシ政府によって定められています。
 1キロあたり何ベクレル以上だと、出荷禁止、販売禁止、何歳以下だと禁止、といった取り決めです。

 しかし、ベルラド研究所の見解を示すと、食品の種類に関係なく、子ども(未成年者)が口にするものは、1キロ当たり37ベクレルを越えてはいけないと考えています。


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 本「自分と子どもを放射能から守るには」の重要と思われる部分の翻訳は以上です。
 しかし、ベルラド研究所は本のほかにパンフレット「自分と子どもを放射能から守るには」という、経費がかからず大量に印刷できるものをちゃんと作っていました。
 本の内容と重なる部分もあるのですが、こちらのほうも続いて翻訳します。

本「自分と子どもを放射能から守るには」農耕作編 2 農作物の種類

2011-04-24 | 放射能関連情報
 土壌改良も大切ですが、放射能を組織内に取り込みにくい農作物を育てるのも一つの方法です。
 その例を示します。

 野菜類で放射能を「取り込みにくい」ものから順に挙げます。

 キャベツ、キュウリ、ズッキーニ、トマト、玉ねぎ、パプリカ、ニンニク、ジャガイモ、食用(テーブル)ビート、ニンジン、大根、丸い形の豆(英語で言うとPea)、大豆、長い形の豆(英語で言うとBean)、スイバ(ほうれんそうに似ている野菜)


(訳者からの注意)
 つまり、この中で一番放射能を「取り込みにくい」のが、キャベツ。
 一番「取り込みやすい」のがスイバ、ということになります。間違えないようにしてください。

 これらはベラルーシでよく栽培されている野菜です。日本でたくさん栽培されている野菜でも、ベラルーシでは気候が合わず、栽培されていない野菜についてはこの本にはデータがありません。


 次に穀物類で放射能を「取り込みにくい」ものから順に挙げます。

 麦の実、秋蒔きのライ麦の実、麦の茎、ジャガイモ、燕麦の実、秋蒔きのライ麦の茎、大豆の茎や葉、飼料用ビート、とうもろこしの茎や葉、燕麦の茎、丸い形の豆類の茎や葉、アブラナの茎や葉、クローバー、種実のつく多年草、ルピナス、天然の干草用牧草地や牧場に生えている草類。


(訳者からの注意)
 
 つまり、この中で一番放射能を「取り込みにくい」のが、麦の実。
 一番「取り込みやすい」のが、天然の干草用牧草地や牧場に生えている草類ということになります。間違えないようにしてください。

 これも日本でたくさん栽培されている米について、ベラルーシでは気候が合わず、栽培されていないためデータがありません。


 放射能を「取り込みにくい」果実類。

 リンゴの実、ナシの実、アンズの実、イチゴ、サクランボ、ラズベリー、白スグリ。
 あまり食用にはしませんが、ナナカマドの実も汚染度が少ないです。


 逆に放射能を「取り込みやすい」果実類。

 赤スグリ、黒スグリ、西洋スグリ(グースベリー)。
 ビルベリー(ブルーベリー)、クランベリー、クロマメノキ、コケモモも放射能を取り込みやすいので、汚染地域に生えているものは食べないようにしましょう。


(訳者から)
 以上のような情報を知ると、
「もうブルーベリーは食べられない。」
などと考える人が出てきます。しかし、これはベラルーシで放射能に汚染された地域に生えていた場合のデータです。
 またハウス栽培されている場合ではデータの数値が違ってくるでしょう。
 
 さらに栽培している側からすれば、逆に最初の1年は放射能をとても取り込みやすい植物をわざと植えて、その後その植物は処分。(処分の方法も考えないといけませんが。)その土壌に含まれる放射能を減らしたうえで、次に放射能を取り込みにくい植物を栽培すれば汚染度を大幅に減らすことができます。

 あるいは同じ場所で放射能をとても取り込みやすいものと、取り込みにくいものを交互に植えた畝で栽培する方法もあります。
 そして取り込みやすい植物のほうへ放射能がいくようにします。その後取り込みやすいほうは処分。取り込みにくいほうは食用にすれば、汚染度を大幅に減らすことができるはずです。


本「自分と子どもを放射能から守るには」農耕作編 1 土壌対策

2011-04-24 | 放射能関連情報
 土壌汚染の予防方法

 放射能に土壌が汚染されないように予防する方法があります。
 まず土の中のカリウム分を増やしておきます。そうすると土にセシウムが入り込むのを防ぐことができます。
 カルシウム分が多いとストロンチウムが入り込むのを防ぐことができます。
 そこでカリウムとカルシウムをたくさん含んだ肥料をすきこんでおきます。

(訳者から)
 このような予防方法を知っておくのはいいことですが、すでに汚染されている場合はどうすればいいのか、という問題のほうが緊急課題だ、と思われる方もいると思います。
 まず、私から言えるのは、現時点で汚染地域ではないが、近所が危険地域に指定されているような場所は、もしかすると近いうちに汚染される可能性があるので、念のため今のうちに上記のような予防措置をとっておくことがいい、ということです。
 
 すでに汚染されてしまっている土壌の場合は、これこれこういう肥料をすきこんでおくように、というアドバイスがこの本に載っていますが、その肥料(商品名)が日本で手に入るかどうか分かりません。

 またカリウム分やカルシウム分を含む肥料を菜園などにたくさんすきこむのはいいことですが、それらの1成分が極端に多いと、そのような土を嫌う野菜や果物もあると思いますので、注意してください。


本「自分と子どもを放射能から守るには」調理法編 4 乳製品 (訂正情報あり)

2011-04-23 | 放射能関連情報
 仮にここに牛乳の瓶が1本あるとします。
 その中に含まれている放射性物質が100個とします。
 この牛乳を使っていろいろな乳製品を作ると、含まれている放射性物質の数はどのように変化するでしょうか?

 まず、生クリームを作ると放射性物質の数は4分の1から6分の1に減ります。

 カッテージチーズを作ると、放射性物質の数は4分の1から6分の1に減ります。

 サワークリームを作ると、放射能物質の数は4分の1から6分の1に減ります。

 水分の少ない固形チーズを作ると、放射性物質の数は8分の1から10分の1に減ります。

 バターを作ると、放射性物質の数は8分の1から10分の1に減ります。

 この牛乳から作られたトプリョンノエに残る放射性物質の数は0%から10%になります。
 つまりほとんど放射能は残りません。


 (訳者からの注意)

上記の生クリームですが、ベラルーシで売られている生クリームと日本の生クリームはだいぶ違うので、このような結果にならないかもしれません。ベラルーシの市販されている生クリームの乳脂肪分はだいたい10%です。

 ヨーグルトの上にたまる上澄み液のことを乳清、英語ではホエイ、またはホエーと言いますが、ヨーグルト本体よりも、この上澄み液のほうに放射能がより多く溶けていますので、捨ててください。

 それから「トプリョノエ」とは何かご説明します。簡単に言うと加熱して色が白から薄茶色に変化した牛乳のことです。
 画像は近所のスーパーで売られていたトプリョノエの牛乳です。この画像だとよく分からないかもしれませんが、普通の白い牛乳と比べて、トプリョノエはベージュ色をしています。
 
 ベラルーシでは市販されているのを買ってきて飲むのが一般的です。
 つまり工場で大量生産されています。工場では牛乳を殺菌処理した後、密閉した容器に入れ、85度から99度の温度を3時間保ちます。膜が表面にできないように攪拌しながら加熱します。その後温度を下げたものをパックにつめて商品とします。

 では家庭ではどうやって作ればいいのでしょうか?
 一度沸騰させた牛乳を、熱湯消毒しておいた水筒に入れ、5時間ほど放置しておく、という簡単な方法があります。
 もう一つの方法は牛乳を湯煎にかける方法です。40分から1時間かけて弱火でかき混ぜながら加熱してください。色が薄茶色に変わったら完成です。
 素人判断ですが、この最後の方法のほうが、放射能がより減ると思われます。

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 ここから先は訂正情報です。
 私自身この記事を更新した後、どうして密閉した容器に入れて過熱した牛乳から放射能が減っていくのか、よく分からないと思っていました。
 この本の筆者であるバベンコさんに質問してみました。するとこのようなことが分かりました。
 一言で言うといろんな方法で作るトプリョノエがあるのです!
 まず上記の牛乳を湯煎にかける方法は、ちゃんと普通の牛乳がトプリョノエになります。しかし、この方法では放射能は牛乳が汚染されている場合、やっぱり残ってしまい、効果がありません!
(素人判断などするものではないですね。すみません。)

 上記の工場で大量生産されている方法ですが、これでも元の牛乳が汚染されている場合、放射能が残ってしまいます。
 上記の家庭で水筒に入れる方法でも、元の牛乳が汚染されている場合、放射能が残ってしまいます。
 しかし、全部トプリョノエという名前です。

 じゃあ、どうしたら、放射能が激減するトプリョノエになるのか教えてくださいと頼みました。
 するとまず汚染されている牛乳をクリーム分離器にかける。(ない場合は、気長にかき混ぜる。相当時間がかかると思いますが。)
 そうすると乳脂肪分と乳清に分離します。できるだけ時間をかけて、きれいに分離するほうがいいそうです。
 出てきた乳清はできるかぎり捨てます。残った乳脂肪分(生クリーム)をさらに泡だて器でかき混ぜます。(あるいは攪拌器で攪拌する。)
 その後それを沸騰させないように注意しながら、気長に加熱します。色が薄茶色になると完成。
 これが放射能のほとんど残らないトプリョノエになるそうです。

 じゃあ店で売っている商品としてのトプリョノエはどうなのか?
 と尋ねると、検査をして放射能がない(あるいは暫定基準値以下)牛乳で、作ってあるから、密閉容器に入れる方法(放射能が減らない方法)で製造しても、ちゃんと安全なトプリョノエが完成する。だからお店で売ってもよいのだそうです。
 なるほど・・・。

 おかげで私はすっきりしましたよ。しかし家で放射能が減る方法でトプリョノエを作るのは大変だと思いました。
 (日本の企業よ、商品化してください。)

 このブログで間違った情報をご紹介していてすみませんでした。おわびして訂正します。


チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第116回」

2011-04-20 |   ビタペクト配布活動
 4月18日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第116回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクトTを10個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2(ビタペクトT)は合計1795個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1550部となりました。
  
 今回で通算126回目のビタペクト2(ビタペクトT)の配布となりました。延べ人数ですが、1795人の子どもにビタペクト2(ビタペクトT)を、1550家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクトTを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a




(家族A)
 
 ピンスク(チェルノブイリ原発から約280キロ)から来た家族。この家族に6個のビタペクトTを渡しました。子どもは全部で8人いますが、そのうち7人だけが保養に来ていました。
 この家族は2009年5月、2010年7月にもSOS子ども村に保養滞在しています。そのときの様子について詳しくは過去ログ「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第90回」(家族A)をご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5605baafc47f087d39d977d760920c4d

ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第105回」(家族A)をご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/7437295375f3748d57670e7dad042869


 2009年と2010年、そして今回(2011年)の体内放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトT(ビタペクト2)を渡しました。

母親(事故発生時14歳)  0ベクレル → 9ベクレル → 17ベクレル
男子(14歳)27ベクレル ○ → 26ベクレル ○ → 39ベクレル ○
女子(11歳)21ベクレル ○ → 36ベクレル ○ → 21ベクレル ○
男子(10歳)32ベクレル ○ → 29ベクレル ○ → 34ベクレル ○
女子 (8歳)26ベクレル ○ → 33ベクレル ○ → 23ベクレル ○
男子 (8歳)                      18ベクレル ○
女子 (7歳)22ベクレル ○ → 32ベクレル ○ → 19ベクレル ○
女子 (4歳)(2009年は測定なし)30ベクレル ○ → 17ベクレル 

 こうして結果を見てみると、9ヶ月前にビタペクト2を飲んで、放射能値が減った子どものほうが多いのですが、増えている子どももいます。
 たとえば14歳の男の子は39ベクレルと高い値です。どうしてなのかと言えば、成長期に入り食べる量が増えたからで、さらに食べたものの中に放射能が多く含まれていたからだろう、ということでした。
 ピンスクはブレスト州にあるのですが、ベルラド研究所によると食べ物がかなり汚染されているそうで、牛乳1リットルに100ベクレル以上の放射能が検出されたこともあります。
 たしかに中学生ぐらいになると牛乳をがぶがぶ飲めるので、3歳の妹よりは放射能をたくさん取り込んでしまうと思います。 

 子どもたちの健康状態ですが、11歳の女の子は生まれつき腎臓が一つしかありません。また肩のあたりの骨と関節が歪んでいて腕を上げることができません。一昨年の秋にミンスクの専門病院で検査入院しました。その結果、もし歪みの程度が進んで、麻痺状態が起こるほどになったら、手術して肥大した骨の部分を削るように、と言われて退院したそうです。
 その後お母さんは手術を希望しましたが、結局病院からリスクが高すぎる、と断られ、別の病院を当たってみるかどうか悩んでいるそうです。

 8歳の男の子と女の子は双子です。この男の子は一昨年は歩くことができませんでしたが、その後車椅子に乗って生活してます。 
 小学生用の紙おむつをしていますが、ときどきドイツからの支援で紙おむつをもらっているそうです。
 そうするとしばらくは紙おむつを買わなくていいので、家計的にはその期間助かる、というお母さんの話でした。


(家族B)

 ミンスク州クループキ市(チェルノブイリ原発から約340キロ)から来た家族。お母さんには5人実子がいますが、上の2人は同行していません。このほか孫を1人と現地の多子家庭協会の会員の子ども2人を引率していました。
 この家族には4個のビタペクトTを渡しました。それぞれの体内放射能値はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。

母親(事故発生時19歳)21ベクレル ○
男子(13歳)23ベクレル ○
女子(11歳)16ベクレル 
男子(5歳)17ベクレル 
孫・男子(3歳)12ベクレル 

女子(13歳)21ベクレル ○
女子(18歳)26ベクレル ○ (この2人は姉妹。)

 お母さんは成人なのに、どうしてビタペクト2をあげることになったのか、よく分かりません。と言うのも、放射能を測定する場所はベルラド研究所ですが、測定にかかる費用はSOS子ども村が負担しています。そして普通子どもは20ベクレル以上だとビタペクト2をあげることにしていますが、19ベクレルや18ベクレルでも年齢(成長期であるかどうかなど)おまけであげることが多いです。
 あげるかあげないかは、SOS子ども村専属で働く医師、リリヤ先生が決めるのですが、今回はちょうどリリヤ先生が不在で、尋ねることができませんでした。
 お母さんは「自分より子どもに飲ませたい。」と希望したので、お母さんにビタペクトTをあげています(丸印がついている)が実際には、11歳の女の子と5歳の男の子が半分ずつ分けて飲むことになりました。

 11歳の女の子は1年前に糖尿病を発病。甲状腺も異常があり、検査入院していて、退院後、すぐにSOS子ども村へ来たそうです。
 お母さん自身は喘息を持っており、3歳の孫(長女の子ども)はよく風邪をひき、しかも長引くことが多いそうです。

 引率してきた姉妹のうち13歳の女の子は胃潰瘍をわずらっており、毎年夏休みになると3ヶ月かけて療養所生活を送っているそうです。
 他の子どもは比較的健康状態はいい、ということでした。

 住んでいるクループキ市はミンスク州にあり、放射能汚染地域ではありません。しかしお母さんの話によると、糖尿病の子どもが増えてきているそうです。
 
 今回もいつものように子ども達に折り紙、折り紙の作り方などをプレゼントしました。また日本文化についての簡単な紹介もしました。絵葉書に名前を筆ペンで日本語で書いてあげたら、とても喜んでいて、
「自分でも書けるようになりたい!」
と日本語にとても興味を示していました。
 そして羅臼昆布のプレゼントもありました。家族Aには前回も昆布をあげていましたが、尋ねてみると、家族Aの子どもたちは
「海草が好き。」
という子どもがほとんどだったのに、家族Bのほうの子どもは
「海草をは嫌い。」
と話していました。やはり慣れが大事だと思い、ヨウ素を摂ることの大切さなど改めてお話しました。

 最後になりましたが、ビタペクトTの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書、昆布など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

本「自分と子どもを放射能から守るには」調理法編 3 肉類 

2011-04-19 | 放射能関連情報
 放射性物質のセシウムは動物の肝臓(レバー)や腎臓にたまりやすいです。
 ストロンチウムは硬骨部分にたまりやすく、一度蓄積すると分離させることができません。つまり骨を出汁にしたスープは飲まないほうがいいということになります。
 
 一方で食用に飼育されている家畜より、野生の動物のほうが何十倍、何百倍と汚染されています。
 狩猟などで汚染地域に生息する野生の動物や鳥類の肉を子どもに食べさせるのはやめましょう。

 肉類の調理方法ですが、まず小さめに肉をぶつ切りしておきます。それから2%の食塩水に12時間肉をつけておいてください。
 長くつけておけばつけておくほどいいのですが、それでは体にいい栄養素まで水に溶け出てしまいます。
 水に酢を少し加えると、たんぱく質の流出を防ぐことができます。
 しかしこの方法だと、味が落ちてしまいます。
 味を取るか、放射能を取るか?
 皆さんの判断に委ねられます。
 
 肉を煮る場合はまず10分間煮沸し、その後水は捨ててください。そして水を入れ替えて、調理の続きをしてください。
 

本「自分と子どもを放射能から守るには」調理法編 2 きのこ類 

2011-04-18 | 放射能関連情報
 きのこ類はよく洗って2%の食塩水に数時間つけましょう。
 ベルラド研究所ではこのような実験を行ったことがあります。
 3回水をかえながら、20時間きのこを水につけておいたところ、含まれていた放射能が10分の1にまで減りました。
 
 長時間水につけていられない、という方には他の方法もご紹介しましょう。
 きのこを多めの水につけます。そこへ酢を大さじ1杯加えます。それから15分から1時間かけて煮ます。
 15分以上煮るときは、15分おきに水をかえます。
 こうすることによって放射能を10分の1から12分の1に減らすことができます。

 きのこを家庭で干して干しきのこを作る場合は、洗わずに干したりするとかえって放射能値が上がることがあります。
 必ずきれいに洗ってから干しましょう。
 きのこの笠の部分に放射能性物質がたくさんついていることが多いので、笠の上部の表面を薄くそぐほうがいいです。

本「自分と子どもを放射能から守るには」調理法編 1 植物系食材 (訂正情報あり)

2011-04-16 | 放射能関連情報
 調理方法によって食品から放射能を除去するにはどうしたらいいのでしょう。
 その方法をご紹介する前に、言っておかないといけないことがあります。
 それはあまりにもひどく汚染されたものは、いくら調理方法に工夫をこらしても、やはり放射能が残ってしまい、食べられない、ということです。
 例えばゴメリ州のある地域では、1キロあたり32万ベクレルが検出されるキノコが採れます。これを調理して10分の1に減らすことができても、3万2000ベクレルになるだけです。これでは食べられません。
 このようなことをふまえたうえで、この本を読み進めてください。

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 植物系の食材の場合。

 野菜や果物はよく流水で洗いましょう。

・キャベツ 表面の葉を3、4枚取って捨てる。これだけでこのキャベツから検出されていた放射能を40分の1にまで減らすことができます。

・ニンジンなどの根菜 地上部分に出ている茎や葉を取り除く。これだけで放射能を15分の1から20分の1にまで減らすことができます。
 よく洗って皮を剥き、さらに洗ってください。
 ニンジンやカブなどは茎がついていた部分(根っこの上の部分)も1センチから1.5センチ切り取ってください。

・穀物 表面を覆っている殻は脱穀して取り除く。これだけで放射能を10分の1から15分の1にまで減らすことができます。

・野菜を酢漬け(マリネ)にするとさらに放射能が野菜から流れ出て行きます。しかしその漬け汁は捨てること。


(日本人への応用。野菜や果物を何かに漬けて保存すればいいと思います。水分の多く出る漬物もいいと思います。でも漬け汁や出てきた水分は捨ててください。)
  

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 すみません。翻訳に間違いがありました。最初に更新したとき、

 「・ニンジンなどの根菜 地上部分に出ている茎や葉を取り除く。これだけで放射能を5分の1から7分の1にまで減らすことができます。」
 
 としていましたが、正しい訳は「15分の1から20分の1にまで減らすことができます。」です。
 申し訳ありません。おわびして訂正します。

ベルラド研究所発行の本「自分と子どもを放射能から守るには」プロローグ編

2011-04-16 | 放射能関連情報
 ベルラド研究所は「自分と子どもを放射能から守るには」という「親のための手引書」という副題のついた本を2003年に出版しました。この研究所は主にベラルーシ国内にあるチェルノブイリ原発事故汚染地域での研究に大きな実績があり、体内に蓄積された放射能値のデータもふんだんに持っています。
 特にセシウムの研究をしており、ビタペクトを開発したのもこの研究所です。

 「チェルノブイリ:放射能と栄養」はウクライナでウクライナに住む被曝者のために作られた本です。
 「自分と子どもを放射能から守るには」のほうはベラルーシでベラルーシに住む人のために作られました。
 執筆したのは副所長のウラジーミル・バベンコさんです。
 この本の内容を日本語に翻訳してもよい、と著者、そしてベルラド研究所に許可をいただきました。
 しかし、のんびり日本語版を出版するのを待っていられないので、部分訳になりますが、このブログ上で発表します。
 例えば「ベラルーシ国内で食品の放射能値を測定してくれる施設一覧」というものもあるのですが、日本人にはあまり関係がないので、翻訳を省略します。
 またこの本で示されているデータは2003年までのものです。またベラルーシと日本の気候風土がかなり違いますから、参考にならないような部分もあるかもしれません。
 しかし私の目から見て、少しでも日本人のために役立ちそうな内容の箇所は訳します。
 放射能の体内被曝を心配されている日本人の方はどうかお読みください。 

ベルラド研究所より(放射能の海洋汚染について)

2011-04-16 | 放射能関連情報
 ミンスクにあるベルラド研究所へ行ったとき、研究所長をはじめ、研究員、職員の方々から今回の震災の被災者の方々への哀悼の言葉をいただきました。
 所長のネステレンコさん(2代目)とお話したのですが、福島第1原発事故の放射能漏れを大変憂慮されていました。
 とにかくデータをたくさん取って調べないといけないし、それを国民にオープンにすることが大事だと話していました。
 しかしチェルノブイリ原発事故の経験を参考にして対策を考えるのも大事ですが、そのときの状況が全て日本のケースに当てはまるわけではありません。
 例えば海洋汚染。ベラルーシには海がないので、放射能が海産物に与える影響はチェルノブイリのときにはデータがありません。
 しかし、川や湖、池などは汚染されました。それを海の場合に応用して考えるとこうなる、ということでした。
 海のほうが放射能性物質は拡散され、薄まる可能性が高い。
 しかし放射能性物質の種類によっては、比重の重いものは、遠くまで流されず、近海に溜まる。
 比重の軽い物は遠くへ流されるが薄まる。
 ベラルーシの場合、池や湖の底の部分に放射能性物質が溜まっており、水面に近い部分はあまり放射能はなかった。
 特に水底のぼこぼこした穴の底にたまっているので、そこを住処とする魚は汚染度が高かった。
 今の日本の近海もそのような状態になりつつあるのではないか?

 さらに時間が経つとどうなるのか?
 水底の穴の部分や、海底の岩のぼこぼこ部分に放射能が溜まるが、そこに海草や藻が生える。これらの海草は放射能を吸収しながら成長する場合がある。(海草の種類によって吸収度が異なるだろう。比較的安全な海草もあれば、これは危険だ、という海草もあるだろう。しかしベラルーシには海草に関する放射能のデータがないので、何とも言えない。)

やがて海草や藻を食べる草食の魚が放射能を体内に取り込んでいく。さらにそれを肉食の魚が食べる。こうして食物連鎖によって、放射能の濃度が高くなる。
 もっとも肉食魚に高い放射能がたまる状態になるには時間が必要で、いますぐこうなる、という話ではない。
 肉食魚によってはたくさんのエサ(他の魚)を必要としてすぐ成長するものもいるし、そうでないものもいる。

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 海底の様子を「ここにへこんだところがある。」「ここにはこういう魚が棲んでいる。だからこれは危険だ。」と詳細に調査するのは困難です。それに魚は泳いで居場所を変えてしまいます。
 地上より汚染度地図を作りにくいです。海の上のこの地域にこれだけの放射能が流出した、と発表はできても、海中や海底でどのように分散していくのか、調べるのは大変です。

 一番放射能が溜まってしまうと思われる肉食魚ですが、そういう魚は大型のものが多く、普通日本人はうろこも内臓も取ってしまいます。また骨も食べないことが多いです。ストロンチウムは骨に溜まりますから、肉食魚を食べるとき、骨を食べないようにすればいいのです。
 また放射能性物質は内臓(肝臓や腎臓など)に溜まりやすいので、それを取ってしまえば、人間の体の中に放射能性物質が入ってくるのを防げます。
 ただセシウムは筋肉にたまりやすいので、魚の肉を食べると人間の体内に入ってしまう可能性が他の放射能性物質と比べると、高くなります。
 セシウムを魚肉といっしょに食べてしまっても、体内に蓄積しないように、普段からカリウムを摂っておきましょう。
 カリウムが体の中にたくさんあればあるほど、セシウムが入る余地がなくなり、そのまま排出される可能性が高くなります。

 次に重要なのは、小魚です。大型肉食魚から放射能が検出されたという報道が、今からあったとしても、私は心配しません。
 しかし頭ごと、骨ごと食べてしまうことが多い小魚から調理の段階で、放射能を減らすことは難しいです。
 なので、小魚は食べないほうがいい、ということになります。

 しかしそれは放射能が検出されたものだけです。
 安心な海でとれた小魚すら食べないというのはかえってよくありません。
 小魚にはカルシウムがたっぷりです。今のうちに安全な小魚をどんどん食べましょう!
 そして骨の中にカルシウムを取り込んでおいてください。
 骨がカルシウム不足でスカスカだと、そこへストロンチウムが入り込みやすくなります。
 鼻のような軟骨に蓄積されたストロンチウムは排出される可能性もありますが、固い骨の部分に取り込まれたストロンチウムは排出させるのは不可能、と思っておいてください。(ビタペクトでも無理です。)

 さて、ベルラド研究所は「自分と子どもを放射能から守るには」という「親のための手引書」という副題のついた本を出版しました。今回、日本人にも読むように、と20冊あげると申し出があったのですが、全部ロシア語の本・・・。
 日本人には読めないのでお断りし、1冊だけもらいました。ちなみに英語版もないそうです。
 前にどこかのヨーロッパの国の研究者がベルラド研究所に来たとき、
「英語版はないのか?」
ときかれ、ありません、と答え、どうして英訳しないのか、ときかれたので
「チェルノブイリ以外にこんな情報が必要になるでしょうか?」
と逆質問したそうです。(執筆者談。)
「まさか日本語にしないといけないときが来るとは思わなかった。」
とも話していました。
 この本の内容を日本語に翻訳してもよい、と著者、そしてベルラド研究所に許可をいただきました。
 しかし、のんびり日本語版を出版するのを待っていられないので、部分訳になりますが、このブログ上で発表します。
 放射能の体内被曝を心配されている日本人の方はどうかお読みください。 


ミンスク地下鉄駅爆発テロ 容疑者を逮捕

2011-04-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
ベラルーシ、独裁打撃 地下鉄で爆弾テロ 12人死亡200人負傷(産経新聞) - goo ニュース

2011年4月13日(水)08:00
 ■数人拘束、国外組織含め捜査

 【モスクワ=佐藤貴生】ベラルーシの首都ミンスク中心部の地下鉄駅で起きた爆発は、12日までに少なくとも12人が死亡、約200人が負傷する惨事となり、治安当局は爆弾テロと断定、捜査に乗り出した。旧ソ連からの独立以来、同国でこれほど大規模なテロ事件が起きたのは初めて。独裁が長期化するルカシェンコ体制を揺さぶる狙いがちらつくが、当局は犯人像を絞り切れずにいるようだ。

 調べによると、爆発物は11日午後6時ごろ、オクチャブリスカヤ駅プラットホームのベンチの下で無線により起爆されたもようだ。殺傷能力を高めるために金属片が詰められ、帰宅ラッシュを襲ったテロは、最大限の被害を狙って周到に計画された犯行にみえる。

 当局は事件にかかわりがあるとみられる数人を拘束、さらに男2人のモンタージュ写真を作製して行方を追っている。

 オクチャブリスカヤ駅はミンスクの目抜き通りに面し、市内を走る地下鉄2路線が交差する首都の交通網の中心地。大統領公邸も駅から約100メートルの距離にある。治安当局は公邸に近い警備の重要拠点が標的となったことを重視している。

 ミンスク中心部では2008年7月、人混みの中で爆発物が爆発、約50人が負傷する事件が起きたが未解決のままだ。ルカシェンコ大統領は今回のテロとの関連を調べるよう指示した。

 こうしたなか、野党「ベラルーシ人民戦線」は、テロ捜査を口実に反体制勢力を弾圧しないよう政権側を牽制(けんせい)する声明を出した。

 1994年から大統領の座を占めるルカシェンコ氏は、昨年12月の大統領選で4選を決めた。が、政権側の大規模な選挙違反があったとする反体制派の抗議デモが拡大。政権は治安部隊を投入して強制的に鎮圧、反体制派候補の大半の身柄を一時拘束した。反体制派の政権不信は抜きがたいものがあり、国内情勢の不安定材料となりそうだ。

 政治的な敵対関係に加え、大きな被害をもたらしたテロの手法からみて、何らかの武装組織が関与した可能性も捨てきれない。ルカシェンコ大統領は国外の組織の関与も含めて捜査する意向を示した。

 ただ、ベラルーシではロシア南部・北カフカス地方のような武装勢力と政府軍との衝突もなく、イスラム原理主義勢力の活動が活発な地域とは見なされていない。重大な国際紛争とも無縁で、「私たちがこうしたテロと対決するのは初めてだ」(最高検察庁のシベト次席検事)という戸惑いの声も聞かれる。

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 本当にとまどってしまいます。
 そしてついに容疑者3人が逮捕されました。(早い。)
 2005年9月と2008年7月に起きた爆発事件も自分たちがやったと自供しているそうです。
 この2005年の事件と言うのは、ミンスクではなく、ビテプスクで2回起きた爆発事件で、路上に置かれた爆発物が爆発し、通行人2人が死亡した事件です。あまり政治的な背景はなさそう、という見方だったのですが、犯人は捕まっていませんでした。
(ちょうどこのとき、私はCD「月と日」が完成・発売開始・記念コンサートが続いていたので、すっかり頭が浮かれており、この事件のことを知ったのが、一ヶ月ぐらい後でした。(^^;)) 

 これで一連の爆発事件が一挙解決か?・・・だといいですね。ただ、捜査当局は「愉快犯」とみているそうです。
 えー愉快犯? 本当だったらひどすぎる。何が愉快なんでしょうか・・・。
 容疑者の1人は25歳なので、2005年の事件のときは19歳?
 何が目的でこんなことをしたのか、理解できないです。裁判が始まったら、彼らはどういう理由を語るのでしょうか?
 
 最初のショックがややおさまり、市民の間では
「死刑にしろ!」「人間ではない。」「広場でさらし者にすべき。」「ベラルーシ人であってもベラルーシ人と呼びたくない。」
などの怒り、というか過激な発言もたくさん出ており、それをニュースで流しています。
 (怒るのはよーく分かりますが、こういった発言ばかりでるのもどうかねえ・・・と私は思います。)

 ちなみに「バスが爆発炎上中!」のデマメールを最初に流した人物も逮捕されました。
 こちらに対しても「鞭打ちの刑が妥当。」とかいろいろ言われています。(そんな刑はベラルーシにはありません・・・。)

 ベラルーシではヨーロッパ諸国では珍しく死刑制度が残っている国です。
 裁判が始まる前から、これは死刑確定、と言ってもいいぐらいの雰囲気が蔓延しています。
 それもねえ・・・。本当はみんな別のことで文句を言いたいと思っていたところへ、こういう事件が起こったので、容疑者に対する激しい言葉を吐いて、ストレス解消しているように見えるのは私だけでしょうか?

 さて、ここでもう一つ残っている問題は爆発物そのものです。
 容疑者たちのお手製爆弾であることは間違いないのですが、今回の事件の被害者、目撃者の証言をまとめると、今までのテロ事件史の中で初めて登場するタイプの爆発物だそうです。
 要するに発明品、ということです。専門家もまだはっきりと「こういう仕組みでこういう材料から作る爆発物ですよ。」と言えていないのです。
 ヨーロッパ各国では事件の背景云々、よりもこの「爆発物の作り方」のほうに関心が高まっています。小型なのに強力な威力だったそうです。
 こういうのを素人が家で作ることができるとすると、他の国でも自国のテロに使われたら大変だ、ということですね。
 こんな新発明ができるほど頭がいい割には、防犯カメラにばっちり映っていてそのへんの警戒をしてなかったなんて、この実行犯、間が抜けていると私個人は思いました。


 

ミンスク地下鉄駅爆発テロ 続報

2011-04-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 ミンスクの地下鉄駅構内で起きたテロの続報です。今日13日は国喪の日となり、ベラルーシ全土が喪に服しています。
 もちろんイベントなどは全て中止。
 地下鉄の状況ですが、2本ある路線のうち、オクチャブリスカヤ駅がある線は今も閉鎖されています。14日に再開される見通しだそうです。

 もう1本の路線は運行していますが、入り口に警官が立ち、乗客の体を金属探知機で検査。
 大きめの荷物(リュックサックなど)を持っていると、開けろと言われます。
 女の人でやや大きめのハンドバッグを持っているだけで、開けさせられている人がニュースで映っていて、
「ハンドバッグでもだめなのか。」
と思いました。
 バスを大増発して、地下鉄の運休に対応していますが、ものすごく混雑しています。

 爆発事件の容疑者ですが、今のところ2人が拘束されており、2人とも男性でベラルーシ国籍を持っているそうです。1人は1986年生まれ。現在取調べ中です。
 駅の防犯カメラには怪しい人物が映っていたそうです。
 その人物は乗換駅であるクパロフスカヤ駅で下車。大きな黒いかばんを持っており、その後オクチャブリスカヤ駅へ行きました。
 そこで、ベンチの下にかばんを置いた後、再びクパロフスカヤ駅のほうへ行くかのように、連絡通路に続く階段を上りますが、通路部分で立ち止まり、ベンチのほうを見ていたそうです。
 そして手は上着かズボンのポケットの中に入れられており、何かを操作する動作があったそうです。その直後爆発が起こりました。
 この人物自身は近くにいて怪我をしなかったんでしょうか?

 事故が起きた11日ですが、発生直後に携帯のメールにいろんなデマメールが流されたそうです。
 例えば「モスコフスキー・バスターミナル(ベラルーシのみならずヨーロッパで一番広い敷地面積を持つ。)でバスが爆発炎上中!」というメールが流れ、それを受信した人がびっくりして、自分の家族や知人に「危ないからそこにも行くな!」
と転送し、そこからまた広がる・・・という事態になりました。
 実際にはバスターミナルでは何も起こっておらず、デマだったのですが、テレビ局の取材班が急行して
「ご覧のように平常どおりです。」
と繰り返し実況中継していました。

 迷惑な話です。警察はこのような悪質なメールを最初に発信した者を突き止める、とインタビューで答えていました。
 14日から17日にかけてはミンスク州に住む「青少年」(この言い方だと14歳以上18歳未満が対象と思われます。)で非行行為など前科がある者全員を「総点検」するそうです。名づけて「特別作戦・青少年」だそうです。 
 
 今日は今日で、オクチャブリスカヤ駅から数百メートル離れたところで(中央郵便局の近くだそうなので、どちらかと言うと隣の駅のほうが近い場所ですね・・・。)黒煙が上がっているのが発見され、
「また爆発事故か?!」
と思った市民が一斉に通報。(その場に居合わせ、泣き出す女性も・・・。)
 実際には軽自動車が故障で発火したものだと分かりました。
 パニックが起こりかけました。
 
 ミンスクでは再びテロが計画されている、その場所は13箇所である、といった噂が飛び交っています。
 噂で終わってほしいです・・・。