高木仁三郎市民科学基金のHPで今中哲二さん(京都大学原子力化が悪研究所研究員)へのインタビュー記事が読めます。
リンク先はこちらです。
以前から懸念事項だったのですが、戦争と原発という二重の問題が起こる可能性について示唆されています。第二次世界大戦中には原爆が使用されましたが、原発はまだありませんでした。
今は原発がある時代で、しかも原発がある地域で戦闘が行われています。人類の歴史初の事態です。日本も原発があり、しかも近くに危険な国があるのですから、人ごとではありません。
高木仁三郎市民科学基金のHPで今中哲二さん(京都大学原子力化が悪研究所研究員)へのインタビュー記事が読めます。
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以前から懸念事項だったのですが、戦争と原発という二重の問題が起こる可能性について示唆されています。第二次世界大戦中には原爆が使用されましたが、原発はまだありませんでした。
今は原発がある時代で、しかも原発がある地域で戦闘が行われています。人類の歴史初の事態です。日本も原発があり、しかも近くに危険な国があるのですから、人ごとではありません。
チェルノブイリ原発事故が発生して35年。当時のことを覚えている人は少なくとも40歳以上でしょうか。
サイエンス誌に、ウクライナやアメリカなどの数カ国の研究者が合同で大規模なチェルノブイリの子供達の遺伝子検査を行った調査の結果が発表されました。
2014年から2018年にかけて、米国立がん研究所の研究チームは、チェルノブイリ原発事故後の1987〜2002年に生まれた130人の子どもとその両親のゲノムの配列を調べました。
対象となったのは、少なくとも片方の親が、事故当時チェルノブイリから70km以内の場所にいたか、事故処理作業員とし従事していた子どもです。
子どもと言っても1987年生まれの人が2018年に調査対象になったのなら31歳になっていますが、あくまでチェルノブイリ事故後に生まれた若い世代が対象です。
この両親世代は調査によると、被曝していたのですが、親と子どもの両方のDNAを調べても、子どもに突然変異は起きていなかったという結果でした。
事故後、障害児が生まれる率が2倍になったというベラルーシの研究所の調査結果もありますが、これは妊娠中に母親が被曝した場合の調査結果です。
今回の新たな調査では、親が被曝、親のDNAが損傷(異常)を受ける、その後その親から生まれた子どもはDNAの異常を遺伝しない、ということです。
事故から時間が経っていれば、それが1年ほどでも、子どもに親からDNAの異常は受け継がれないというのは、よいニュースですね。福島第一原発事故で、被曝したという人から生まれる子どもには遺伝子に問題(遺伝子による病気など)が発生しない、ということです。
今回の調査の中でも興味深いのは甲状腺癌の調査です。
甲状腺がんと診断されたウクライナ人440人を調べた結果、359人がチェルノブイリ原発事故で被曝していた人でした。それによると男性よりまた女性のほうが多く発病しており、事故当時ウクライナの首都キエフに住んでいた人が過半数を占めていました。チェルノブイリ原発事故に近いところに住んでいた人ほど病気になっているのでは?というイメージがありますが、そうではありませんでした。
(こう書くと、非難する人も出てくるかもしれませんが、チェルノブイリ原発事故と照らし合わせると、福島に住んでいた人より、離れた地域に住んでいた人のほうが甲状腺癌になる確率が高いのでは? と思われますね。ただし注意しないといけないのは、上記の調査はあくまで数を問題にしています。首都キエフのほうがチェルノブイリ原発近くの市町村より人口が多いに決まっているので、キエフに住んでいた人で甲状腺癌になった人が多かったというのは、母体数が多かったからとも言えます。だからキエフのほうが、放射能がいっぱい降り注いでいたんだよ、原発の周りには放射能は少なかったんだよ、とは全く言えません。)
今回の調査結果では、甲状腺にかかった人の被曝時の年齢は平均7歳(1979年生まれ。事故当時小学1年生)、そしてがんと診断されたときの年齢はすると平均28歳でした。ということはあくまで平均の話で最大値の話ではないのですが、7歳で被曝して、21年後、28歳のときに甲状腺癌と診断されたウクライナ人が多かったと言ってよいでしょう。でも、そのころ結婚して、子どもを持つようになったとしても、その子どもには、親の被曝の影響は遺伝子としては、遺伝してなかったということになります。
ウクライナ政府は、あと50年か60年かすれば、チェルノブイリ原発周辺の汚染地域に人が住めるようになると発表しました。しかし、やはり周辺10キロ以内は人間の居住は永遠にありえないとも述べています。
35年前、避難対象地域に指定され、立ち退きを要求された村にいまだに住んでいる人(サマショール)の人が100人ほどいます。
完全に自給自足生活で、事故前絵も事故後もずっと同じところに暮らしているのですが、特に病気にもならず、元気なおばあさんが多いです。今はほとんど女性ばかりのようですね。
近くに病院もなく、医薬品もないです。こういう帰村者の家へ取材に行って、動画に上げている人もいるのですが、マスクをしていて、おばあさんに、今コロナウイルスが流行っていますから、と説明しています。
この村は少なくとも事故直後は放射能汚染されていたから、立ち退き命令が出たと思うのですが、今はコロナウイルスに感染するリスクがとても低い場所だなあ、と思いました。こういう取材でやってくる人からコロナウイルスをうつされないでね・・・とも思いました。
残念ですが、10年後、20年後にはこの高齢者の村民はいなくなってしまうと思います。そして30年後、40年後に正式に人が住んでよい村に戻るようです。そのときにこの村はどうなっているのでしょうか。
さすがにご夫婦ともども亡くなっていまい、無人になた家も紹介されていましたが、屋根に穴があいて、崩れかかっていました。ウクライナ政府が50年後に住んでもいいですよ、と発表しても、戻ってくる人はいるでしょうか。
次はベラルーシ発のニュースです。チェルノブイリ原発事故から35年という節目の年を迎えるからか、チェルノブイリ原発事故被害者を救済する法令が改められました。非常に細かい福祉の手が差し伸べられています。今でもちゃんとこのような救済をする姿勢をベラルーシ政府が示しているのは評価すべきだと思いました。
東日本大震災から今日で10年。震災によって亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。
10年後はどうなっているのだろう。復興は? 放射能汚染は? 健康は? と考えていましたが、まさかコロナウイルスという疫病で日本だけではなく世界中が変貌しているとは予想していませんでしたね。
コロナのせいで大人数が集まる追悼式典もしづらいし、悲しいですね。
福島の放射能濃度の低下速度はチェルノブイリよりも早い、という報道(朝日新聞)を見ましたが、つまり事故から10年後の両地を比べてみて、ということですね。
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福島の放射能濃度低下、チェルノブイリより早く 筑波大
東京電力福島第一原発事故で福島県に広がった放射性物質の状況は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986年)と比べて、土や河川の放射能濃度の低下スピードが大幅に速いという結果を筑波大などの研究チームがまとめた。28日、科学誌に発表した。
筑波大の恩田裕一教授らは、福島第一原発から80キロ圏内を中心に放射性物質の分布などを調べた210本以上の論文を検証。チェルノブイリ原発事故による周辺地域の汚染と比較した。
その結果、福島はチェルノブイリと比べ、地表の放射性セシウムの量が早く減ったことがわかった。地表にある量が少ないほど空間線量率も低くなる。福島では除染などが行われた一方、チェルノブイリは大半の地域で活動が少なかったからだという。
こうした地表の放射性セシウムは、河川に流れ出す「供給源」でもある。土についた状態で川を流れる放射性セシウムの濃度について、事故後1年間で福島とチェルノブイリで比べたところ、福島のほうが1・6倍早く低下していた。チームは、地表の放射性セシウム濃度の低下が要因だと分析している。
また、水に溶けた状態の放射性セシウム濃度について、沈着量の違いの影響を除いて比べると、福島の河川のほうが欧州の河川よりも100分の1程度低かった。淡水魚の放射性セシウム濃度は河川の水に溶けたセシウム濃度と相関関係にあるため、福島と欧州の淡水魚の濃度を比べても同様の差があるという。
筑波大の恩田さんは「放射性セシウムの実態などを明らかにした」と成果を強調する一方、「福島の長期的な研究データを蓄積し、公開する財政的な見通しがない」として、国として研究を継続する必要があると訴えた。
論文はウェブサイト(https://doi.org/10.1038/s43017-020-0099-x)で読める。(福地慶太郎)
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やはり、違いが出たのは気候だと思います。日本は台風が多い、梅雨もあるので、地表に放射能が固定されなかったっことが大きいと思います。また海に落ちた放射能(正確な測定は非常に難しいと思いますが)は人に影響を与えないですね。
福島沖で獲れた魚から基準越えの放射能が検出された、という報道も見ましたが、ちゃんと食品の検査を続けて、情報公開をするのもさすが日本と思いました。
それから土地の除染ですが、チェルノブイリの場合はその場で天地替えしていたので、地中が汚染されている状態なんですよね。日本の場合は地表を剥ぎ取って、袋に詰めて、別の所にまとめる方法です。これも除染の効果が大きいと思います。
一方で、集めた汚染物質をどこで処理(長期保管)するのか、また原発から出ているタンクの中の膨大な量の汚染水(実際には処理して放射能はトリチウムぐらいしか残っていないので処理水)をこれからどうするのかという問題が日本にはありますね。
他にも廃炉に向けて相当な時間がかかるので、気が遠くなるばかりです。福島第1原発事故から10年経ちましたが、まだ先が遠すぎて、また20年後どうなっているのかな、とか30年後どうなっているのかな、と想像してしまいます。そのころの日本はどうなっているのでしょうか。
ベラルーシではこの10年の間に、とうとう自国内に原発を建設し、1号炉も稼働開始しました。コロナウイルスの報道の影であまりニュースの中で目立ちませんが、今のところまだ出力をしぼったり、上げたり、二日後にまた低下させたり、ずっと実験をしているような状態です。ロシア企業が建てた原発なので、その費用をこれから返し続けないといけません大きな借金を抱えています。自国内での電力供給がせめてもっとベラルーシ経済のために役立ってほしいのですが、その状態になるまでにまだ時間がかかりそうです。そして何より事故が起きてほしくないです。今のベラルーシには事故対応が迅速にできるかどうか分かりません。コロナ対策の様子を見ていても、政府にあまり期待できないですね。我が家ではとりあえずヨウ素剤だけは常備するようにしています。
2021年3月7日、再び雪が降り一面うっすら雪化粧となりました。
明日は3月8日国際女性デー、しかも今日は日曜日とあって、三連休です。国際女性デーは日本では知名度も低いですが、こちらではひな祭りと母の日とホワイトデーを足して休日にして、前日からイブ状態で浮かれて、臨時の花屋がどっと店開きし、家でも職場でも学校でも男性が女性にお花やチョコレートをプレゼントして、とにかく正月とクリスマスとイースターの次に盛り上がるお祭りなのです。(私の同僚Xさんは、2年前のこの日、彼氏から、オレンジ2個だけをプレゼントされ、花やチョコはもらえなかったので、怒ってすぐにふったそうです。3月8日に女性に花をあげない男は恋人扱いされないのですね。日本でもバレンタインデーに似たようなことが起こりますけど。)
そして国際女性デーというお祭りを良い機会として、反政府デモが起こっています。現在、服役中で特に女性に対して、「ベラルーシ政府は早く釈放せよ。」と訴えています。
これはもちろんベラルーシだけではなく、国際女性デーが祝日になっている国でも行われています。
明日も休日なので、反政府デモ行進が予定されており、チハノフスカヤ氏が参加を呼びかけています。
野党のラトゥシコ氏はメディアのインタービューで、ルカシェンコ大統領が最も恐れているのは国営大企業のストライキであると述べ、ベラルーシ企業への投資をしないでほしいと投資家に訴え、投資そのものができないようになったら、これも現政権に対して打撃になることなどを話しました。
また野党の調査によると、ルカシェンコ大統領(ちなみにベラルーシ野党は、正式な現在のベラルーシ大統領はチハノフスカヤ氏であるとし、ルカシェンコ前大統領、あるいはルカシェンコ氏と呼んでいます。)は「邸宅」をベラルーシとロシアの各地15箇所に所有しているそうです。
これらの邸宅をベラルーシ国民に場所と内部を解放して、見学できるようにしたら?とラトゥシコ氏はルカシェンコ大統領に提案しています。
ロシアではプーチン大統領が建築中とされる通称「プーチン宮殿」がロシアの反体制派運動家のナワリヌィ氏によって、規模や建築費用、内部の様子などが暴露されたので、ベラルーシでも「ルカシェンコ宮殿」15箇所の内部がそのうち暴露されるかもしれません。暴露される前に自分で公開したら、というのがベラルーシ野党の提案なのですが、ロシアに比べると何だか優しいですね。それとやっぱりプーチン宮殿のほうがどこからどう見てもレベルが桁違いに贅沢ですよ。
大統領選挙の二日目前、ベラルーシ原発の第1号原子炉に、今日核燃料を初めて入れる作業が始まりました。
いよいよ原子力の火が灯されるのですね。
これから時間をかけて出力を上げてゆくらしく、急に発電が始まるわけではありません。
また、第1号炉が成功すれば、次は第2号炉、第3号炉と予定されています。