ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年1月19日。ウクライナ侵攻から331日目

2023-01-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月19日。
 今日は正教の祭日、神現祭です。聖水祭とも言われ、寒中水泳する日なのですが、暖冬が続いているので、あまり寒くないと報道されています。そう言われても寒中水泳するつもりは私はありませんが・・・。

 今日、予定通りロシアのラブロフ外相がミンスクで、ベラルーシ外相や大統領と会談を行いました。全外相が急死したため会談が延期になっていたのが、今日になったという状況です。

 昨日ロシア外相は、記者会見で、ウクライナとの停戦交渉をめぐり、
「ウクライナ大統領がロシアとの交渉を法律で禁じている以上、交渉はあり得ない。」
と述べ、停戦交渉は当分実現せず、それはウクライナのせいだと主張しました。
 また日露関係についても言及し、「日本が他の制裁参加国と一緒に接触を凍結した」とした上で、平和条約交渉については「全てはもう過去のことだ」と述べました。やっぱり日本のせいなんですね。
 去年11月から空席となっている駐日大使のポストについて、新たな大使が近く派遣される見通しを示しました。どんな人が選ばれるのか。

 今日のベラルーシでの会談でも、おそらくベラルーシ軍の参戦について話し合われたと思いますが、会談後の記者会見では、この件については言及されず、西側諸国からロシアとベラルーシへかけられている圧を、協力し合って対応していくことを決定したと述べるにとどまりました。

 またロシア人で、ライアンエアー緊急着陸事件で逮捕され、現在服役中のサペガ氏について、ロシア外相は言及しましたが、法的手続きに準ずることを強調。サペガ氏本人がロシア司法局に対して嘆願書を書けば、ロシアに移送される可能性が高いのですが、ロシア外相としては、外交問題に発展させたくないという姿勢を見せました。


 脱走とは違う脱営という言葉があるんですね。
 ロシアの西部飛び地であるカリーニングラードで暮らしていたクラブチェンコ下士ら8人は昨年9月24日ウクライナ特別軍事作戦のために動員されました。それから約1カ月後の11月12日、8人は戦闘投入準備などのためにウクライナ東部ルハンシク州地域にある軍事キャンプに送られましたた。
 当時、主に待避壕を作る作業を命じられた8人は自分たちが12月24日に戦闘一線に投入されるということを聞いて脱営を決心。
 戦闘投入前日、食糧と民間人服などをまとめた後、タクシー2台に分乗し、ロシア西部リペツク州へ。タクシーを利用できるんですね。民間人のふりをしたのか、そうすると現地のウクライナ人(ロシア系ウクライナ人という可能性も。)になりきってタクシーに乗り込み、ロシアまで国境を超えて移動したようです。タクシー運転手も大変ですね。日本ではありえないです。
 8人は翌日バスでモスクワ州ポドリスクに到着した後に警察に自首しました。自首したから脱営なんですね。昨日はやはりリペツク州当局が武装している脱走兵を射殺しているので、脱営した兵士は射殺されない模様です。身柄を拘禁されました。
 自首当時、彼らは民間人の服装をしており、旅行用トランクにカラシニコフ小銃4丁とカラシニコフ機関銃4丁を取り出して警察官に渡しました。
 クラブチェンコ下士の弁護人はコメルサントに「脱営兵の最終計画はカリーニングラードに戻ることだった」としています。やっぱり昨日の射殺された脱走兵のように家族に会いたかったのではないでしょうか。
「彼らが当初から脱営計画を立てていた訳ではなく、準備ができていない状態で戦闘に参加することを望んでいなかった」
とも弁護士は話していますが、おそらく起訴され罪に問われるでしょう。刑務所に入っているほうがまだましとおもったのかもしれません。判決が気になりますね。見せしめのように厳しい刑が科される可能性があります。