ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2024年7月29日。ウクライナ侵攻から889日目

2024-07-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月29日。

ロシア大統領報道官は今日、日本政府がロシア全土に渡航中止勧告以上の危険情報を出していることについて、日本が「集団的な」西側諸国と一段と足並みをそろえており、ロシアとの関係発展を望んでいないことを示していると述べました。

 その一方で鈴木宗男参院議員(無所属)が現在ロシアを訪問しており、これに関連して林官房長官は記者会見で、渡航中止勧告以上の危険情報が出されている間はロシアへの渡航をやめるよう国民に求めていると述べました。
 
 ロシア大統領報道官は記者団に対し、日本はロシアとの関係改善を望む国民がロシアを訪問しないよう圧力をかけているとし、「日本はロシアに対し非友好的な西側諸国と連帯している。こうしたことは二国間関係に悪影響を及ぼす」と述べました。
 鈴木氏とロシア政府関係者との間で接触があるかとの質問に対しては、そうした計画はないと述べました。
 何をしに鈴木氏はロシアを訪問しているのでしょう。

2024年7月26日。ウクライナ侵攻から886日目

2024-07-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月26日。
 パリ五輪開催ですね。しかし、ベラルーシは今回はまるで盛り上がっていません。
 個人の中立選手(AIN)として参加するロシアと同盟国のベラルーシ勢は、開会式船の参加は認められませんでした。
 この中立であることを証明するのも大変だったろうなと思います。

 ウクライナの五輪委員会会長は今日の記者会見で、ロシアとベラルーシのAINアスリートについて、「私たちにとって彼らは存在しない。あいさつもしない」と語りました。
 戦争のせいで亡くなったウクライナ人アスリートも大勢いるのですから、そうなるのでしょう。
 ウクライナの青年スポーツ省などは選手の安全を守り、「挑発的な状況」を避けるため、AINの選手と接触を控えるよう求めています。
 ロシアとベラルーシの選手は針の筵のような状態なのでしょうか。それでも五輪に出たいのですから、中立を証明しました。
 私個人としては東京五輪のときに亡命したツィマノウスカヤ選手が気になります。
 彼女はポーランドに亡命し、市民権も得たので、ポーランド選手として五輪に参加します。もし、彼女が何事もなくそのままベラルーシの陸上選手のままだったら、今回は戦争の煽りを受けて、五輪に出場できなかったでしょう。
 亡命したので五輪に参加できるチャンスに恵まれました。今度こそは念願の200メートル走を走り切ってほしいです。
 しかし、これでメダルを取ってもポーランドのメダル獲得にカウントされるんですよね。

2024年7月22日。ウクライナ侵攻から882日目

2024-07-22 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月22日。

 今日、活動が禁止されているベラルーシの野党「統一市民党」党首が釈放されました。釈放されたのはミカライ・カズロウ党首。2022年7月に拘束され、公共の秩序を乱したとして2年半の有罪判決を受け23年2月から服役していた。2年で釈放されたということですね。
 ベラルーシ大統領は今月上旬に政治犯の恩赦を発表し、これまでに19人が釈放されました。


 北朝鮮の朝鮮中央通信は今日、ベラルーシの外相が23~26日の日程で訪朝すると報じました。北朝鮮外務省が招請し、ベラルーシ側が応じたようです。北朝鮮はウクライナへの侵攻を続けるロシアとの関係を急速に深めており、ベラルーシとも連携を進める姿勢です。ベラルーシ側もロシアが北朝鮮との関係を縮めているので、同じような対応をするのが当たり前とい状況なのでしょう。


 在ロシア日本大使館によると、ロシア側の兵士として戦闘に参加していた20歳代の日本人男性が、6月3日に死亡していたことがわかりました。露側の義勇兵で初の死亡者です。
 大使館は日本にいる遺族と連絡を取り、遺体引き渡しなど必要な支援を行うとしています。

2024年7月19日。ウクライナ侵攻から879日目

2024-07-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月19日。
 ここ1週間の間にベラルーシ各地で起きた自然災害、豪雨、強風の被害が明らかになってきました。
 全国で合計6名の死者が出ました。
 また停電、断水が続いている地域もあります。
 ベラルーシ大統領は、この自然災害について「戦争のようなものだ。人々は自然災害が緊急事態であることを理解したがらない。自然災害は戦争とちがって機関銃による銃撃はないだけだ。」と述べました。

 災害を戦争だと思って国民も一丸となって復旧作業に当たるべきということです。
 大統領は国民に対して、TikTokに批判的な発言を書き込む前に、救援作業に参加すべきだ。斧やのこぎりを手にとって、倒れて道路を塞いでいる木の撤去作業を手伝ってほしい。その後で批判したい人はネット上で批判していただきたいという内容の発言をしています。
 倒木の数が非常に多くて、その撤去作業のための人手が不足しているようです。
 
 さたに大統領は人手不足解消のために「政治犯」を含む国民を動員する必要があると述べました。自然災害は戦争と同じようなものなのだそうなので、当然、このような発想に行き着きます。
 大統領は国内に2万人以上の政治犯がおり、彼らを「寄生虫たち」と呼び、国のために救援活動(復旧作業)をさせるべきだと内務大臣に今日、伝えたそうです。

 ベラルーシで人口の流出が増えていますが、現実問題として、人手不足が深刻化していることが分かってしまう発言です。
 これまで、このような自然災害が起きると、復旧作業にベラルーシ軍の兵士が(日本の自衛隊員のように)復旧作業に従事することが多かったのですが、今回は兵士の動員の話は聞こえてきません。だから復旧作業の人手不足になっているのでしょう。戦争中なので国境警備などに兵士という人手が取られ、災害派遣に回せないということだと思います。

 さらには一部のエネルギー会社や公益事業会社が復旧作業を拒否し、停電している地域に通常より3倍高い料金を要求しているという報告を受けたと大統領自ら述べました。
 災害発生後、困っている人の足元を見て、値段を釣り上げる悪徳業者がベラルーシにもいるんですね。
 これに対して、大統領は内務省に「手錠で引き渡す」よう命じました。

 エネルギー省は停電の復旧作業を休みなく続けているのですが、大統領に対し、災害で被害を受けたすべての送電網は1か月以内に復旧させると約束しました。
 大統領は、崩壊する可能性のある古い送電線は今回取り壊し、新しい送電線を設置する必要があると述べました。

 また大統領は「人々は自然災害が緊急事態であることを理解したがらない。自然災害は戦争とちがって機関銃による銃撃はないだけだ。」と述べました。


 今日、ベラルーシでのテロ行為や傭兵活動の罪に問われたドイツ人男性のリコ・クリーガー氏(29)が死刑を言い渡されました。
 ドイツ政府は同氏を巡りベラルーシ当局と緊密に連絡を取っているそうです。ベラルーシ政府側もドイツ政府との対話に応じる姿勢を見せています。
 同氏は2023年11月から拘束されているそうです。ドイツ赤十字の職員で、救急医療技術者として勤務し、独ベルリンの米大使館で武装警備員を務めた経歴を持っています。
 そんな人がベラルーシで傭兵活動、スパイ活動、テロ行為、銃や爆発物に関する違法行為のほか、過激派部隊を設立し、車や通信回線を故意に破損させた罪に問われました。
 さらにベラルーシ当局の意思決定に影響を及ぼし、市民を威嚇し、治安を乱す目的で爆発を起こした罪でも有罪になりました。
 そんな爆発とはいつあったのか、よくわかりません。
 ドイツ赤十字は取材に対し同氏が勤務していたことを認める一方、外国滞在はDRKでの業務とは無関係だと述べています。

2024年7月18日。ウクライナ侵攻から878日目

2024-07-18 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月18日、ミンスクで大雨が降り、道路が冠水しました。全部の駅ではありませんが、地下鉄駅も大量の水が流れ込み、閉鎖されました。
 昨日、7月17日に大雨と雷の警報が出ていたのですが、気温が30度を超えるなど暑いだけで、天気予報が外れたと思っていたのですが、また続けて18日に警報が出て、今日のそれは当たりました。

 昼の12時半ごろ、空が曇り、1時過ぎに各地で大雨が降り始めました。
 昔はこんな豪雨が降ることがなかったため、ミンスクは雨水の排水施設が、日本に比べると全然機能していません。
 排水量が少ないため、町のあちこちで道路が冠水してしまいます。

 日本だったら、近くの避難所に早めに自主的に避難してください、と言うレベルでしょうか。
 ベラルーシの警報はそんな強制力もないので、のんびり海水浴・・・じゃなかった、ベラルーシには海がないので、湖水浴ですね・・・そこへ暑いからと泳ぎに行く人や、普通に出勤して、屋外の仕事をしている人がたくさんいました。
 ミンスク市内で10箇所の道路が冠水のため、通行不可能になり、運転していた車ごと水に浸かって、車の屋根の上から救助要請し、救援隊のボートで助け出される人もいました。
 
 幸い夕方までには水が引いたところも多く、完全にストップしていた公共交通機関もそれまでには運転再開していたので、夕方のラッシュアワーに問題はありませんでした。帰宅困難者は出なかったということです。
 死者はミンスク市内では出ませんでした。

 ベラルーシ最大の市場、カマロフスキーで売り場が冠水してしまって、家族連れの買い物客が店舗のテントの下で雨宿りしている映像を見て、これでは商売にもならないし、お客も怪我をするかもしれないから、こういう警報が出るときは、国の命令で全ての店舗は閉店、職場も休業させて、バスなどの公共交通機関も止めて、バスの車両などは車庫に入れ、全てのイベントも中止して、国民全員、雨が止むまで自宅待機させたらいいのに・・・と思いました。
 戦争のときは外出禁止令とか出せるから、特に昼間、大きな自然災害が起こると高確率で予測できるときは、日本のように避難所の指定をしていないベラルーシでは高所にある自宅待機命令を出すほうがいいと思います。

 でも、このような法律がないので、私個人としては自主的に判断、行動するしかなさそうです。ちなみに大雨警報などはニュースだけではなく、国中の携帯電話一斉にSMSで送られてきます。
 

2024年7月17日。ウクライナ侵攻から877日目

2024-07-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月17日。
 
 夏のバケーションシーズン真っ只中の今、ベラルーシは、入国ビザを免除する対象をヨーロッパ35カ国に拡大しました。
 イギリスやフランス、ドイツなどヨーロッパの35カ国に対して、入国ビザの免除を発表しました。入国から30日以内、年間で90日まで滞在でき、ロシア以外の第三国への乗り継ぎも可能になります。
 ベラルーシ外務省は、対象国拡大の目的について「この国は開放的であり平和主義の原則に従う」と強調し、「近隣の西側諸国の人為的な障害や制約を受けているが旅行者の移動の自由を向上させるためである」と述べました。
 期間は、2024年7月19日から2024年12月31日まで。これを聞いて、よーし、今からベラルーシへ行こう!と思うイギリス人やドイツ人やフランス人が増えるとはとても思えません。
 日本人もビザなしでベラルーシに入国できますが、ただし空路のみで滞在期間は30日以内です。

 ちなみに陸路でベラルーシへ入国するには、入国審査の長い行列に並ばなくてはいけませんが、最近リトアニアから入国した知人にきいたところによると丸2日間かかったそうです。
 ベラルーシからリトアニアに出国するのは1日かかったそうです。

 逆に隣国ラトビアは7月16日からベラルーシナンバーの車の入国と輸入を禁止しました。ベラルーシのナンバープレートが付いた乗用車は、ベラルーシとラトビアの間だけでなく、ロシアとラトビアの国境でも運転することは不可能になります。

 またリトアニア政府の発表によれば、7月18日午前0時から、ベラルーシで登録されたナンバープレートを付けた乗用車の入国を禁止すると報じました。
 ただし8月16日までは、リトアニアで有効なビザまたは一時滞在許可書を所有する者が個人使用の車両で入国することは可能である旨の例外措置があるそうですが、今日はもう17日ですね・・・。

チロ基金提供「私たちのテスト」2024年結果

2024-07-17 | 日本文化情報センター
 チロ基金の支援により、2020年から毎年実施している「私たちのテスト」の今年の結果を発表します。
 
 N1レベル 1名受験。0名合格。1名不合格。
 N2レベル 2名受験。1名合格。1名不合格。
 N3レベル 11名受験。1名合格。10名不合格。
 N4レベル 9名受験。3名合格。6名不合格。
 N5レベル 12名受験。8名合格。4名不合格。

 日本語能力試験とちがって、場所も時間も試験監督の数も限られていますので、5月から7月にかけて、レベルごとに日時を分散して行いました。
 やはり、N1、N2レベルは難しいですね。私としてはN3レベルの合格率が低いのが、問題だと思いました。今後、授業内容を改善すべきですね。N4レベル、N5レベルで不合格だった生徒は7月7日に行われた日本語能力試験で、挽回してくれることを願っています。

 2020年から2023年まで4回連続、ミンスクでの日本語能力試験が中止になったことを受けて、代替試験として始めた「私たちのテスト」ですが、今年ようやく5年ぶりに実施されたので、チロ基金の予算を使ってまで、もう実施しなくていいのではないか?という考えも頭をよぎりました。
 しかし、生徒の間からは、試験前に練習できて、試験当日、マークシート方式の解答用紙を見ても緊張しなかったから、よかったと感謝されました。
 今後は「私たちのテスト」には日本語能力試験の模試としての役割を持たせ、(また日本語能力試験がミンスク会場では中止になるかもしれないですし・・・)来学年度からも実施を継続する予定です。
 また、弊センター日本語教室への入学試験としても利用する予定で、8月31日に追試(入試)が行われる可能性があります。その場合はまた改めてご報告いたします。

 「私たちのテスト」は弊センター日本語教室の生徒は無料で受験できます。そんなに多くの予算は必要ではありませんが、どうしても試験問題の印刷代にお金がかかります。N1、N2、N3レベルになると文章問題がとても多いので、問題用紙で、一人40ページぐらいの量になります。
 チロ基金支援者の皆様には、私からも生徒達からも感謝申し上げます。

 合格証の授与式は9月7日の来学年度初回授業のときに行います。
 そのときに記念写真撮影を行いますので、楽しみにお待ちください。

 

2024年7月16日。ウクライナ侵攻から876日目

2024-07-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月16日午前8時40分頃、自爆型ドローン1機がウクライナ側から侵入したことを受け、ベラルーシ軍のジェット戦闘機1機とヘリコプター1機が緊急発進しました。ドローンはベラルーシの領空内を300キロ余り飛行した後、モギリョフ州内に到達しました。攻撃はなかったのでよかったですが、ドローンがベラルーシの領空に侵入するのは今月11日以降で4回目だそうです。
 あれ、7月13日にベラルーシ大統領は、ウクライナとの国境における緊張が解消されたとして、ベラルーシ軍を国境から常駐する場所へ撤退させるよう命じたばかりなのに?
 ウクライナとの国境の緊張は続いているじゃないですか。どうなっているのでしょう・・・。


 ロシアの独立系メディア「ザ・ベル」が16日に報じた内容ですが、世界70か国の移民当局のデータを集計した結果、おととしのウクライナ侵攻開始後、65万人以上のロシア人が出国したまま帰国していないことが明らかになりました。
 出国先として最も多かったのはアルメニアで11万人、ほかにもカザフスタンが8万人、ジョージアが7万4000人と旧ソ連の構成国が続いています。言葉の壁が低いしビザも不要だからでしょう。
 また、イスラエルが8万人、アメリカが4万8000人とともに上位に入っています。ユダヤ系や優秀な頭脳を持った人材はこのような国へ移住しますね。
 ロシアではIT業界などで人材不足問題が起こっているそうです。
「ザ・ベル」は、旧ソ連崩壊後の混乱期に160万人が国外脱出した時以来の規模だとしています。ベラルーシも同様です。

壺井栄生誕125周年記念展示

2024-07-16 |   壺井栄
 今年、壺井栄は生誕125周年を迎えます。それを記念して8月31日まで日本文化情報センターでささやかながらテーマ展示を行なっています。
 
 生誕125年とはちょっと中途半端な数かもしれませんが、本当は5年前の120周年に壺井栄ロシア語訳作品集の翻訳を完成させる予定だったのが、コロナやら大統領選挙のせいで印刷することがなかなかできなかったという事情があり、今年、記念の展示ができるようになってよかったと思っています。
 また昨年、小豆島の壺井栄文学館に完成したロシア語訳の本を寄贈することができて本当によかったです。
 そのときに文学館の様子や小豆島の写真をたくさん撮影できたので、それも今年展示できました。

 弊館を訪れるベラルーシ人の子ども達にも「二十四の瞳」の紹介をしていますが、小学年の低学年の子どもには、「まつりご」の話をしています。
 これは壺井栄が生まれる少し前の話なので、130年ぐらい前の日本社会が描かれているのかと思うと、驚きますね。
 (小豆島へお遍路に来た父親と子ども二人。道中で父親が死んでしまった後、子どもは乞食になり、1年間物乞いをして生きていたが、何の保護も受けられない。優しい樽屋の一家が引き取ってハッピーエンド。実はこの二人は壺井栄の兄姉に当たる人だった。)
 子供の乞食がそのへんをうろうろして物乞いをしているなんて、今の日本では考えられないですよ。ベラルーシの子ども達には、乞食の子どもは日本にはいません、と話しています。

 「二十四の瞳」は反戦文学として有名ですが、今読み返してみると、貧困問題、男女差別、ヤングケアラー問題、教育機会の不平等、いわゆる親ガチャの当たり外れで人生が変わってしまう、実家が太いとラッキー、でも子どもの希望や考えを古い考えの親が理解してくれないと、やっぱりアンラッキー・・・という今の日本社会でもそこらじゅうに転がっているような社会問題が多く書かれています。
 時代が変わっても問題は消えないのだろうかとさえ思います。
 
 ただ、「二十四の瞳」の世界では戦争時代が重なっているので、どうしようもなく登場人物たちの運命がどんどん狂わされてしまいます。
 戦争が今の日本にないだけ、まだ運が良いのだと思います。日本は平和を大事に守ってほしいです。
 ロシアのウクライナ侵攻という戦争のほとんど当事国になってしまったベラルーシに住んでいる身としては、日本が戦争に巻き込まれると、上記のような社会問題を改善しようとしても、非常に難しくなるので、平和の時代にこそ解決に向けて社会が動いてほしいです。
 130年前には子どもの乞食が物乞いをしていたのが普通だった日本も、今ではそんなことはなくなったのは、先達の努力のおかげだと思いますから。
 壺井栄は反戦だけではなく、社会問題についても文学の力で、広く訴えようとしていた作家だったと感じます。
  

2024年7月14日。ウクライナ侵攻から874日目

2024-07-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月13日から14日の二日間、ベラルーシのゴメリ州で強風と大雨により、大きな被害が出ました。これはベラルーシでは台風とは呼ばないのですが、私の目には台風にしか見えないです。また雹や霰も各地に降りました。
 倒木の被害が最も多く、また各地で停電と断水が起きています。
 レチッツァ地区にあるサマーキャンプ場では、大雨・強風警報が出ていたにも関わらず、場内の屋外ステージでダンスのコンサートを行うため、大勢の子どもが屋外に出ていました。関係者の話では、天気が急激に変化し、一瞬で停電になったということですが、コンサートを延期すべきでしたね。
 逃げ惑う子どもたちのうち複数名が倒木の下敷きになり、13歳の中学生が死亡しました。他にも3名が重傷。
 このキャンプ場の責任者は、イベントの運営に問題があったとして、起訴される可能性が高いですね。
 ベラルーシではこのような災害が起こりそうな警報や注意報を、国中の全ての携帯電話にSMSで一斉に送信しています。
 

 

2024年7月13日。ウクライナ侵攻から873日目

2024-07-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月13日。

 ベラルーシ大統領は、ウクライナとの南部国境で軍隊を視察し、ウクライナとの国境における緊張が解消されたことを発表しました。そして、ベラルーシ軍を国境から常駐する場所へ撤退させるよう命じました。
 ウクライナ国境との緊張が緩和ではなくて解消ですよ。あら、そうなの?という印象です。
 どこか別のところに軍を配置したいのかもしれません。でも、あまり詳しいことを公にしないほうがいいのでしょう。



2024年7月9日。ウクライナ侵攻から869日目

2024-07-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月9日。
 今日の首脳会談後に記者会見したインド外務省高官が明らかにしたところでは、ロシア大統領は、訪問中のインド首相の要請に応じ、民間業者にだまされるなどしてロシア軍に加わり、ウクライナに派遣されたインド人全員を早期に除隊させることを決めました。
 今年に入り、人身売買ネットワークに「海外で高額報酬の仕事がある」と釣られてロシア軍に入隊させられる問題が表面化。複数のインド人がウクライナの前線で死亡しており、入隊した若者が助けを求める動画が注目を集めていました。
 またロシアを旅行中になぜかロシア軍に連れて行かれたインド人もいましたね。
 よかったですね。それにしてもインド人のことをロシア人は馬鹿にしているのかと思います。人種差別ですよ、これ。私はそう思います。
 怖くて外国人はロシアに行けないですね。こういうことを平気でする人種には近づきたくないです。言い換えれば、ロシア人はベラルーシ人のことも馬鹿にしてるんじゃないかと思います。ロシアのために戦え、犠牲になれ、それで当然、という考えです。



 

2024年7月8日。ウクライナ侵攻から868日目

2024-07-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月8日。

 ロシアで動員された兵士の妻らは今日、敷物や食料を持参してモスクワの国防省の建物の前に座り込み、兵士の帰還を求めるためベロウソフ国防相に面会を要求しました。
 しかし、独立系メディアによると、取材に訪れた記者が拘束され、通行人らもパスポートをチェックされる様子が映されています。

 ちなみにロシアやベラルーシではパスポートは旅券、というより身分証明書です。
 ソ連時代、国が広かったので国内移動用(旅行用)パスポートを所持していないといけませんでした。今でも国内を移動するときはパスポートを持参します。

 参加者らは、面会が実現するまで泊まり込みで抗議を続けるとしていましたが、集まってきた「愛国者」を名乗る人たちと激しい口論になり、現在は解散したということです。

日本語能力試験ミンスク会場2024

2024-07-07 | 日本文化情報センター
 ミンスクで5年ぶりの実施となった日本語能力試験。
 幸い中止にもならず、無事終了しました。
 弊センター日本語教室からは35名がN2〜N5レベルを受験しました。

 全体では150人ほどだったそうですが、以前と比べると減少しましたね。受験手数料が2年前(このときは本番1ヶ月前にいきなり中止)の料金と据え置きで、インフレが進むベラルーシでは非常に安かったのにも関わらず、受験者数が減ったのは、「4年連続中止であったためそれまでにベラルーシで『日本語能力試験というものがありますよ』と宣伝したのが、すっかり忘れ去られてしまった。」「『どうせまた中止になるだろう』と思って申し込まなかった。」「ベラルーシ人の間で日本語の人気が下がった。」ということだと思います。
 
 さて、合格率はレベルや年によっても変わるのですが、世界の平均がだいたい30%ぐらいなので、弊センターの生徒のうち10人は合格してほしいなあというのが、私の願いであり、目標です。毎年二桁の合格者数を目指しています。
 ところが、今回受験した生徒たちの話を聞くと、
「N4の聴解問題の読み上げるスピードが早くなっていて聞き取れなかった。」「N3の読解問題は難しくなっていた。」「N2の漢字の問題はN1レベルだと思ったぐらいの難しさ。」「N2の読解問題の出題形式が変わった。」
という感想が多く聞かれました。はっきり言って、「T先生の授業のレベルが簡単で受験対策になっていない。」「チロ基金提供の『私たちのテスト(模試)』のレベルが本物の試験のレベルに合っていない。」と言われているような木がしました。

 このブログ上ではまだ詳細を発表していませんが、5月、6月、7月にN1からN5までの全レベルの「私たちのテスト」を予定しています。このうちN1レベル以外のレベルの「私たちのテスト」は実施済みです。
 今月中にN1を実施し、その後全ての結果をまとめて発表します。
 
 チロ基金支援者の皆さまのおかげで弊教室生徒のために日本語能力試験の代替試験あるいは模試として2020年から行なっている「私たちのテスト」ですが、今後はレベルの高い問題を出題するよう、計画を変更することにしました。

 このようなわけで試験終了後、「難しかった。私、受からなかったと思う。」と暗い表情の生徒が多く、非常に心配ですが、8月下旬のインターネット上での結果発表を待ちたいと思います。
 弊ブログ上でもお知らせいたします。
 
 いつも弊センター日本語教室を支援してくださっている日本の皆様、生徒一同、感謝申し上げます。
 引き続き、寄贈していただいた教材を活用して参ります。結果発表を楽しみにお待ちください。

 

2024年7月5日。ウクライナ侵攻から865日目

2024-07-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月5日。
 
 今月からEUの議長国を務めるハンガリーのオルバン首相は今日、モスクワを訪問しました。ロシアのプーチン大統領と会談し、ロシアがウクライナで続ける「特別軍事作戦」について協議しましたが、この二人、仲が良さそうですから、どのような内容だったのか簡単に想像できますね。
 オルバン氏は以前から即時停戦を主張しており、「平和のミッション」継続のためにモスクワに来たと説明しています。
 同氏は2日にもキーウを訪問して、ゼレンスキー大統領と会談しています。一時的な停戦を検討するよう持ちかけましたが、ゼレンスキー氏は当然、賛成していません。
 プーチン氏との会談ではオルバン氏は欧州諸国がロシアとの対話を望んでいないと指摘し、「欧州でロシアとウクライナの双方と対話ができる国は減っており、近くハンガリーだけになるだろう」と話しましたが、自分の存在意義を高めたいだけのような気もします。。

 オルバン氏の訪露を巡っては、EU内で批判の声が強まっていますが、一国が勝手にロシアを訪問するなという感じなのでしょうか。ミシェルEU大統領はX(ツイッター)に「持ち回りの議長国にEUを代表してロシアと交渉する権限はない」と投稿しています。
 議長国になった国の元首だからと言って、EU全体の意見を代表して言えるわけでもないのにという状況なのでしょうね。ハンガリーにEUもかき回されたくないのでしょう。