ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシで少子化が進む

2020-10-14 | ベラルーシ生活

 10月14日はベラルーシでは母の日です。

 それを受けてベラルーシで少子化が進んでいると発表されました。

 家族と母性支援センター「マトゥーリャ」によると・・・

 ベラルーシでは最近、1年間の出生児の数は平均10万人。(ベラルーシの人口は約950万人です。)

 ところが今年は87602人だった。

 ・・・とここまでニュース記事を読んで私は

「? 今年はまだ終わってないんですが?」

と思いました。どういう計算方法なのかよく分かりません。

 仮に今年1月から9月までに生まれた子どもの数が87602人だったとして、このペースで今年の12月まで子どもが生まれ続けると、全部で11万人生まれることになるので、ふつうなのですが・・・

 昨年10月から今年9月にかけての12ヶ月間に生まれた子どもの数が87602人だったのでしょうか。

 ともかくニュース記事を書いているジャーナリストの記事の書き方がきっちりしていないので、読んでいて困ることがあります。そもそもこのマトゥーリャセンター長の発表、として記事が書かれているのですが、このセンター長の表現がきっちりしていないのをそのまま記事にしているということでしょうか。

 

 次にこの記事によると、いわゆる出産可能な年齢の女性の数はベラルーシでは220万人。時間が経つにつれて、「もう出産できません。」という女性が増えてきますが、代わりに「出産できるようになりました。」という年齢の女性の層が少ないのが問題。

 もうすぐ(どれぐらいもうすぐ? 詳しい数字が記事にありません。)出産可能な女性の数は半分以下の100万人になる。その後もしかすると、50万人にまで減少するかもしれない。

 ベラルーシの人口を維持するためには一人の女性が3.1人の子どもを生涯で出産する必要がある。

 しかし、実際にはベラルーシ人の女性が生涯で出産する子どもの数は平均1.3人である。

 つまり少子化が進んでおり、これからベラルーシの人口は減少するから問題だ・・・そうです。日本と同じ問題を抱えていますね。

 今年(?)新生児数が大幅減(?)になったのは、衝撃的とマトゥーリャセンター長。その理由を、コロナウイルス感染拡大や社会不安によるものではないかと分析していました。

 

 確かにコロナウイルスのせいで、今年は妊娠を控えようと考えた女性や夫婦が増えた可能性はありますね。

 でも私から言わせれば、大統領選挙の後、若い世代に対して「この国の政治や選挙結果が気に入らないのなら出て行けばいい。」と平然と言うベラルーシ人がいることが問題ですよ。「はい、もう見切りつけました。デモ集会に参加したってこの国は変わらないだろうし、無駄な努力したくない。他の国へ行きます。ポーランドやリトアニアはベラルーシからの移民を歓迎しているんだし。」と若い人たちが出て行ってしまい、この人たちは外国で就職し、結婚し、家庭を作り、子育てするのですから、ベラルーシの人口は増えません。

 「国がネットを遮断するから仕事にならない。勤務していたIT企業そのものが外国へ移転することになったので、家族で引っ越します。」という若い世代もたくさんいます。

 こうして外国へ家族で引っ越し。子どもはその国の学校に通い、やがて就職、結婚します。ベラルーシ人だけどベラルーシを外国のように感じて成長します。もうベラルーシへは戻ってきません。

 こうして、ベラルーシから子どもが産める若い人がいなくなり、子どもが産めない世代は国内に残る傾向が続きます。

 今年の新生児数が減少したのはコロナウイルスのせいかもしれませんが、来年以降の減少はコロナウイルスのせいではなく、若い人が外国へ出て行ったのが理由の一つになるでしょう。

 このままだとベラルーシの国内は空洞化が進み、大変大きな問題が起こります。(日本もよその国のことは言えないのですが。)若い世代にとって住みやすく、魅力のある国を作らないと、まず出産できる可能性がある人がどんどん国外へ出て行ってしまいます。今は21世紀なのでスマホとパソコンを持って、若い人は簡単に外国へ移住してしまいます。


ベラルーシ人の平均寿命

2020-10-01 | ベラルーシ生活

 10月1日は国際高齢者の日です。

 それに合わせてベラルーシ保健省は現在のベラルーシ人の平均寿命を発表しました。

 女性は78歳でずいぶん伸びたのに対して、男性は64歳です。

 差がありすぎますね・・・。ちなみに定年退職の年齢は現在男性が63歳で、女性は58歳です。

 退職後の人生が男性は1年だけで、女性は20年あるという計算です。

 日本人からすると、「どうして女性のほうが早く定年退職できるの?」と思われるでしょう。

 これは「女性は出産、子育てをして、未来の労働力を生み出したから、そのお礼として男性より早く年金が国からもらえる。」という考えに基づくものです。

 ちなみに5人以上子どもを産んだ女性は5年早く定年退職できます。53歳から年金がもらえます。(ただしこの法律は将来変わる可能性があります。)

 これも未来の労働力をたくさん産んだから国からのお礼です。

 ちなみにベラルーシでは年金を受け取りながらでも、仕事を続けたり、再就職できます。

 その場合でも年金の額は変わりません。

 一方で働き続けている人は8.7%だけだそうです。

 

 


2019年ヨーロッパ競技大会ミンスクで開催中

2019-06-21 | ベラルーシ生活
 日本の選手が出場しているわけではないので、日本では話題になっていませんが、今月21日からミンスクでヨーロッパ競技大会が開催されています。
 ヨーロッパ競技大会は今年で2年目の開催なのですが、今年は来年の東京オリンピックの予選を兼ねている競技もあり、ヨーロッパ人選手としては非常に重要な位置付けの試合となっています。
 参加国50カ国とあって、ベラルーシの国の威信もかけたスポーツイベント(国家事業)です。
 開会式の様子は、YouTubeでニュース映像を見ることができます。
 開会式なので、スポーツ競技はないですが、ベラルーシらしさが出ていて、ベラルーシのことを知らない外国人(西ヨーロッパの人たちも、ベラルーシのこと知らないです。ロシアとごっちゃになっている人が多い。)にとってはおもしろい内容だと思います。
 リンク先はこちら
  ベラルーシ文化に興味がある日本人の方は是非ご覧ください。

 (個人的にはマスコットキャラクターがキツネというのが気になる・・・。今ミンスクの街中はどこを向いてもこのキツネのレーシクだらけ。関連グッズもそこら中で売っています。それにしてもかわいいレーシクとずる賢そうなレーシクといろいろあるのはなぜ?)

 かわいくて健康的なレーシクの画像はないかなーと画像を検索していたら、変な画像を発見してしまいました。このゆるキャラは何? 右側のは、空手→東洋のスポーツ→東洋の強そうな生き物→竜(ドラゴン)かな? と思ったのですが、左のは?

 ベラルーシの空手チームの試合前の気合を入れた集合写真のようですが、謎のキャラが応援してくれていますね。
 記事を読んだら、結局ダリヤ・ドムラチェワが空手の練習をしてみた、というのがメインのニュースでした。ドムラチェワはバイアスロンの選手で、ソチ五輪で金メダルを3個取ったベラルーシでは国民的アスリート。もう引退しました。ドムラチェワ人気に乗っかった記事ですね。私はゆるキャラの方が気になったけど。

 30日まで競技は続きます。S夫は自分に関係があるアーチェリーと射撃の選手を応援していますが、せっかくなので、ベラルーシ選手全員の躍進を期待して、東京五輪につなげてほしいですね。

 
 

うちの子の間違い日本語

2017-08-29 | ベラルーシ生活
 「バイリンガル教育・T家のケース」にも書きましたが、うちの娘は一応日本語ができます。
 しかしやはり突拍子もない日本語の間違いをします。
 日本語を教えるほうも大変ですよ。

 今回はうちの子がやらかした日本語の間違い回答についてご紹介します。

・・・・・・・・・・・

 問い「次の文の中にある間違いを正しい言葉に直しなさい。」

 1番 「暑さ涼しさも彼岸まで」

 正解 涼しさ → 寒さ

 うちの子の回答 「暑さ涼しさも・・・げんかんまで。」

(げ、玄関?!)


 2番「熱気払いにウナギを食べよう。」

 正解 熱気 → 暑気

 うちの子の回答 「熱気払いにウサギを食べよう。」

(ベラルーシ人はウサギ肉を食べます・・・。)


・・・・・・・・・・・・

 問い 下線部の言葉を漢字に直しなさい。「道に車が多くてこんらんした。」

 正解 混乱

 うちの子の回答 混浴

(どうしてこんな言葉が真っ先に脳裏に浮かぶのか・・・)

・・・・・・・・・・・・
 
 問い「泥棒稼業から足を洗って真人間になった。」を読んで訳しなさい。

 うちの子の回答 その1「すもうかぎょうから あしをあらって しんにんげんになった。」

 うちの子の回答 その2「相棒かぎょうから あしをあらって まにんげんになった。」

(ドラマ「相棒」の歴代相棒さんたちの顔が目に浮かんだよ、こっちは。)


・・・・・・・・・・・・

 問い「党の方針に反対した。」を読んで訳しなさい。

 うちの子の回答 「しょうの ほうばりに はんたいした。」

(言ってる本人も意味不明。)

・・・・・・・・・・・

 問い 次の漢字を読みなさい。「再建する」

 うちの子の回答 「さいていする」

(意味不明。)

 
・・・・・・・・・・・

 問い「有志が集まり劇団を旗揚げする」の「旗揚げする」とはどういう意味ですか。

 うちの子の回答 「降参する。」

(旗の色は白とは限らないのですが。)


・・・・・・・・・・・

 問い「員」「士」「者」「家」という漢字は言葉の下につくと、職業や専門を表す言葉になります。例にならって、この4つの漢字が使われている言葉を挙げなさい。
 例 「委員」「弁護士」「労働者」「政治家」

 うちの子の回答 「会社員」「博士」「幸せ者」「山田家」

 (初めの2つの回答は良かったんですけどね。)


・・・・・・・・・・・

 問い 次の(  )に入る言葉を次の4つの選択肢の中から1つ選びなさい。
「家に財布を忘れて買い物を(  )にもできなかった。」
選択肢 1.できる 2.しよう 3.する 4.できない

 うちの子が「この問題、難しすぎる。全然意味が分からないよー。」と嘆くので、私は「文法的にそんなにレベルの高い問題ではないのに・・・。どうして答えられないのだろう?」と不思議に思っていたが、さらにうちの子の話を聞いていると、「財布」という漢字を「昆布(こんぶ)」と読み間違っていたことが判明。
 そりゃ、全然意味が分からんわ。


・・・・・・・・・・・・

 文章問題で、要約するとこういう内容のものがあった。
 日本の会社は社員に賃金を払いつつ、社員教育を無償で社内で行う。アメリカでは社員は自分の賃金を上げるため、まず自分がもらった賃金を使ってスキルアップをはかる。日本では社員の教育は会社がするものであるが、アメリカでは自分のお金で自分の教育をするものである・・・。

 これを読んでいたうちの子が「この問題、難しすぎる。全然意味が分からないよー。」と嘆くので、私は「そりゃそうだよな。まだ中学生だし、こんなビジネス関係の文章を読んでも分からないだろうな。」と思っていたが、うちの子が文章を読んでいるのを聞いていたら、文中の「賃金」という言葉を全て「借金」と読み間違っていたことが判明。
 そりゃ、全然意味が分からんわ。

・・・・・・・・・・・・

一月の会話。

うちの子「ねえ、切腹はいつ?」
私「え、切腹?」
うちの子「もうすぐだよね、切腹。」
私「切腹って・・・ハラキリのこと?」
うちの子「ううん、切腹。今年も切腹あるよね?」

 ・・・切腹ではなく節分のことだった。ああ、どきどきした。

・・・・・・・・・・・・

 将棋の駒の一つである「桂馬」を見ながら、
うちの子「ねえ、この一つ目の漢字、訓読みでどう読むの? はしら?」
私「柱に形が似てるけど、柱じゃありません。」
うちの子「あ、分かった。『はげ』?」
 
 私が推測したうちの子の頭の中の思考回路。「桂」→ 訓読みで「かつら」→「はげ」
(危うく桂馬がはげ馬になるところだった・・・)

・・・・・・・・・・・・

 また突拍子もないことを言い出したら、追記します。
 

トラクターがオシャレして踊るショー

2017-05-29 | ベラルーシ生活
トラクターがオシャレして踊るショー 動画ニュースです。
 ベラルーシは平和だな・・・

半年間無職の国民に罰金というニュースの続報

2017-03-24 | ベラルーシ生活
 今からおよそ2年前に2015年4月、「半年間無職の国民に罰金」というベラルーシ発のニュースをご紹介しましたが、その続報です。

 2年前にこの法律が施行されたときは、「日本でもそうしたらいいのに。」という日本人のネット民の声がけっこう多かったですね。本当に日本でニートの方がどう思うのかと考えると気の毒になりますが。
 さて、当のベラルーシ人はというと、これと言って反対する人もなく、静かでした。
 ところが、今年に入ってから、この法律に反対する人が激増。どうして今頃になって?
 理由の一つはいわゆるニートだけではなく、専業主婦も無職なんだから、この罰金(ベラルーシでは税金と言っています。)を払うようになったからです。
 ちなみにこの法律、ベラルーシに居住している外国人も対象です。私、専業主婦でなくてよかった。

 そのためここ最近では、毎週土日になると、ベラルーシ各地で、この税制に反対するデモ集会が行われています。

・・・・・

 3月25日の続報です。
 そもそも3月25日は今から99年前のベラルーシ人民共和国樹立の記念日です。
 しかし、結局ソ連に組み込まれてしまい、このベラルーシ民族の悲願であった独立国家は消滅いてしまいました。
 今でも、あのときベラルーシ人民共和国がうまく続いていたら、と思うベラルーシ人も一定数いるわけで、3月25日は政府に批判的なデモが起こりやすいのです。
 結局、今年は3月24日にミンスク市長が、いかなるデモ、集会も認めない、とけん制したものの、25日ミンスク市中央部から少し離れた場所で降雪の中、抗議デモの行進が始まりました。
 機動隊が投入され、100名を超える身柄拘束者が出ました。外国人も含むと報道されましたが、ロシア人ジャーナリストのようです。

 その時間帯は、現場付近の道路の交通規制、地下鉄3駅は停車しなくなりました。
 ベラルーシの夕方6時現在、交通規制は解除され、町は平穏です。

 ベラルーシに長期滞在、あるいは旅行で滞在を予定している日本人の皆さんへ。
 特に最近はネット上で注目を集めたいからと、不用意にスマホなどでデモの様子を撮影しようとする人が多いですが、上記のように外国人ジャーナリスト、あるいは参加者と勘違いされて、身柄を拘束される可能性があるので、そのようなことはしないようにしましょう。
(実際に拘束された日本人が過去にいます。)
  
 

ベラルーシのスーパーでバナナを買おうとしたらサソリに刺された事件

2016-12-09 | ベラルーシ生活
 11月30日に起きた事件です。
 ベラルーシの都市バラノビッチにあるスーパーマーケット「ユーロオプト」で、バナナを買おうと品定めしていた男性客が、指をサソリに刺されて病院へ搬送されました。
 手当を受けてすぐ退院したそうです。
 サソリは現地の保健所が捕獲し、体長は5センチほど。

 ・・・ベラルーシは寒い国ですからもちろんサソリは生息していません。
 南国から輸入されたバナナの間にサソリが隠れていたようです。
 
 刺されたお客さんは運が悪かったですね。
 しかしベラルーシに住んでいてサソリに刺されるなんて夢にも思っていなかったことでしょう。

 今年のベラルーシで起きた珍事件第1位ですね。

 ・・・と思っていましたが、今日スーパーマーケット「ヴィタリュール」に行ったら、果物売り場のバナナが並んでいるところに紙が貼ってありました。
「こちらのバナナ検査済。サソリはいませんでした。」

 さらに交通標識のようなマークが印刷されていました。
 映画「ゴーストバスターズ」のマークの中のゴーストがサソリの絵になっているデザインでした。(笑)

 この店のセンスには驚きましたわ。
 
 

ミンスクのショッピングセンターで大量無差別?殺人事件発生

2016-10-08 | ベラルーシ生活
 10月8日ベラルーシ時間の夕方5時半ごろ、ミンスク市内のショッピングセンター「ヨーロッパ」の敷地内で、無差別と思われる殺人事件が起こりました。
 容疑者の男はマスクで顔を隠しており、ギターケースを持っていましたが、そこに凶器を隠していました。
 ギターケースからチェーンソーを取り出すと、ショッピングセンター内の店舗で働いていた女性店員にいきなり無言のまま襲い掛かりました。女性はその場で即死・・・・・。
 店内にいた買い物客は、何が起こったのかすぐに分からず、映画のロケか何かかと思ったそうです。

 次に男はチェーンソーを投げ捨て、ギターケースから斧を取り出しました。そして店内にいた女性客を切り付けました。
 その後も男は斧を振り回しながらショッピングセンター内を走り回りました。
 店内はパニック。買い物客たちは「みんな逃げて! 店を閉めて! 変質者がいる! 警察に通報して!」と叫びながら、店内を走ったり、外へ逃げ出そうとしました。

 このショッピングセンターで勤務してる警備員と店員が容疑者を取り押さえ、その1分後には警察が到着。現行犯逮捕されました。

 容疑者はなんと18歳。(17歳という報道も。生年は1998年だそうなので、誕生日が来たら18歳になる? べラルーシは18歳が成人年齢なので、現在17歳か18歳なのかで量刑が微妙に変わってきそうですね・・・。) 
 取り調べに対して取り乱す様子もなく、容疑を認めているそうです。

 被害は女性店員一人が死亡。もう1人の女性は46歳の買い物客で、胸と肩の二箇所を斧で切り付けられ、重傷。さらに怪我人がいるそうですが数を確認中だそうです。

 共犯者がいた、という目撃者の証言もありますが、その後の警察の発表では犯人は1人だけだそうです。 

 ショッピングセンター内で働いていた店員の証言ですが、
「1階で働いている店員の多くが店内のいすやゴミバケツといったものを手に取りました。そのうち1人の男性が容疑者に向けて投げたゴミ箱が、頭に命中したのです。容疑者は床に倒れ、他の店員や警備員たちが一斉に容疑者を押さえ込み、動けないようにしたのです。」

 すごい! ベラルーシの店員さんって勇気ありますね! さすがベラルーシ男子!
 取り押さえるのが遅れていたら、もっと被害が増えていたかもしれません。

 警察が防犯カメラで確認したところによると、容疑者が店内に入ってから、その場で逮捕されるまでおよそ7分。
 週末の夕方でにぎわうショッピングセンターで起こった事件。その場にいた人にとっては、気が遠くなるほど長い時間に感じられたことでしょう。
 
 センター内の薬局にある薬品ケースの中に隠れていた人や、トイレから出たとき犯人と出くわしたが、以前柔道を習っていたので、とっさに守りの姿勢を取ったら、幸い手に軽い怪我をしただけですんだと言うお掃除のお姉さん(!)もいるそうです。 

 亡くなられた女性店員さんは本当にかわいそう。つくづく運が悪かったとしか言いようがありません。

 犯人の目的は何でしょうか? まだ取り調べ中で詳しいことは分かっていません。
 麻薬をしていたのではないかとも言われていますが、ギターケースに凶器を二つも隠し持ち、人出の多そうな場所と時間帯を狙っているようであることから、反抗は計画的で、麻薬や飲酒は無関係と思います。

 もしかするとテロかもしれません。最近のテロの手口、ロンリーウルフですね。
 でもヨーロッパの田舎ベラルーシでテロを起こしてもアピール力が弱いですし、それにシリアで空爆をしているのはロシア軍で、ベラルーシ軍ではありませんので、それに対しての抗議と考えるのも無理があります。

 比較的治安がいいと言われているベラルーシですが、実際には意外と殺人事件が多く発生しています。(数の上では日本のほうが多いです。)しかし殺人の動機の多くは金銭目的、麻薬がらみ、飲酒の上での暴行が殺人に発展・・・という場合がほとんどです。

 今回のように別に恨みがあるわけでもない無関係の人や弱者に向かっての無差別で、しかも大量の被害者を出す事を目的とした殺人事件はベラルーシ史上初めてだと思われます。
 残念ですね。 
 ある意味、ベラルーシも日本に似てきましたね。


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 この事件について詳細が明らかになってきました。(10月9日追記。)
 容疑者ですが、やはり17歳の未成年であることが発表されました。氏名などは明らかにされていませんが、人種はベラルーシ人で、大学1年生だそうです。裕福な家庭に育っており、両親所有の別マンションで1人暮らしをしていたそうです。大学に入学した今年9月から1人暮らしを始めて今1ヶ月ぐらいだったということでしょうか。

 ショッピングセンター内部に入ったときには、すでに作動させたチェーンソーを手にしていたそうで、それを見た買い物客ら数人は驚いて逃げ出しだそうです。

 そのうちの1人が犠牲となった女性店員でしたが、次に取り出した斧で倒れた女性を3回切りつけたそうです。

 さらにショッピングセンター内にいた46歳の買い物客にも斧で切り付けました。
 またもう1人が怪我をしていますが軽症で、自宅療養しているそうです

 亡くなった女性店員は43歳で、ショッピングセンター内のめがね売り場で働いていました。この女性はもともと孤児で、施設育ちだったそうです。
 21歳の息子さんがいますが、聴覚障害を持つ障害認定者だそうです。

 明後日の告別式は、ショッピングセンター側が費用を全て負担するそうです。

 容疑者は取調べ中に「現場へ行く3時間前に飲酒した。そのほうが度胸が出ると思ったから。」と話しているそうですが、警察で呼気チェックをしてもアルコール成分は検出されなかったそうです。
 犯行の動機について容疑者は
「人間を切断してみたかった。」
と話しており、犯行数日前にチェーンソーや斧、マスクなどを購入したそうです。 

 しかし予想以上に抵抗にあったとも話しました。(頭にゴミ箱が命中していますからね。)
 つまり、もし邪魔されなかったらもっと多くの人を襲うつもりだったということです。

 精神鑑定をこれから受けるそうです。

 これからどんな判決が出るのでしょうか。
 
 亡くなった方のご冥福をお祈りします。
 

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10月10日の追記です。

 容疑者は2年前に精神科に通院していたことが分かりました。
 父親はミンスク市内に住んでいますが住居は別で、母親と容疑者の姉妹は外国暮らしをしているそうです。
 15、6歳のときに精神科に通っていたことのある息子を、1人暮らしさせて、親は保護者としての責任を果たしていたのでしょうか。大学生とはいえ未成年なのに。

 最初の計画では自分が通う大学で、無差別大量殺人をしようと考えていたそうです。(ちなみに私立大の法学部に在籍。)

 できるだけたくさんの人を殺して逮捕されるときには自殺しようと思っていたが、果たせなかったと話しているそうです。  

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 10月11日の追記です。
 マスコミの取材に容疑者の父親が応じました。
 それによると・・・「息子はとてもよい子だった。法律家になりたいと言ったから大学の法学部に入学したのに・・・。 
 しかし中学生のころ思春期のせいなのか反抗期なのか、当時の担任の先生とうまくいかなくなった。
 その後転校して、問題はなくなった。」
 どうもそのころ、容疑者の少年は自殺未遂をしたらしいです。そのため精神科に通院していたようです。その後に転校したということですね。

 父親の話では顔ににきびがたくさんできて、本人はかなり気にしていた。(外見にコンプレックスがあった?) 
 そこで「病院の皮膚科に行き、薬をもらって飲んでいたがにきびは治らなかった。
 今年の夏、そのことを医者に言うと、別の薬を処方された。それはスイス製の薬で強力なタイプ。その副作用のせいで精神状態がおかしくなり、今回の犯行を犯したと私は思う。」と父親は話しています。

 人をたくさん殺したくなる副作用があるニキビ薬を処方した医者が悪くて、うちの息子は悪くないということですね。

 息子と別に暮らしているのはなぜかと言う質問にはノーコメント。
 この人の奥さんと娘は外国暮らしをしているし、この父親にも少々問題があるように私には思われました。

 父親はミンスク市内の一軒屋で暮らしているそうですが、どうやら親の遺産としてもらった住居らしく同じように遺産をもらう権利があるおじさんが、同じ住所に住んでいるそうです。
 ところが、一軒の家をきれいに半分に区分けして境界線に柵まで作り、男性二人がそれぞれのテリトリーで暮らしている状態。一軒の家に住んでいるのに、お互いの行き来はほとんどなかったようです。
(私だったら、こんな状態で親戚と暮らすより、自分の息子と暮らすほうを選ぶけど。)

 マスコミはこのおじさんにも取材。容疑者の少年を親戚であるにもかかわらず1回しか会ったことがないと語り、事件が報道されて初めて、少年の母親とその姉妹が外国で暮らしていることを知ったそうです。

 家庭環境にも原因があるのかなという印象を受けました。

 10日の追記には私立大学の法学部に在籍と書きましたが、9月の入学後、ほとんど授業に出席しなかったので、退学処分を最近受けていたことが分かりました。

 それで最初は大学構内で無差別大量殺人を計画したがうまくいかなかったので、ショッピングセンターにした・・・そうです。
 じゃあ動機は自分を退学にした大学に対する恨み?
 でもそれが、大学でなくてもいいや、誰でもいいや・・・に変わったということでしょうか。

パナソニックのテレビがベラルーシで製造されることに

2016-09-10 | ベラルーシ生活
 せっかくなので明るいニュースもどうぞ。

 日本のメーカー、パナソニックがベラルーシでテレビの製造と販売を開始するそうです。
 来月にはベラルーシ国内でベラルーシで組み立てられたパナソニックのテレビが販売される予定。
 もうすぐ! 思わずテレビを買い換えようかと思ってしまいました。(現在我が家で使っているテレビもパナソニック)(^^;)

 さらにベラルーシを拠点にして、周辺国への売り込みも計画中だそうです。
 やっと日本企業もベラルーシの利点に気がついたか・・・とも思いましたが、不利な点もいろいろあるので、クリアーしないといけない問題もありますね。
 でも将来的にもっと日本企業がベラルーシに進出してほしいなあと思います。

ベラルーシパラリンピック委員会の関係者がパラリンピック開会式でロシア国旗掲げる

2016-09-09 | ベラルーシ生活
 NHKニュースWEBより。

 パラリンピック開会式でロシア国旗掲げパス剥奪

9月9日 4時02分

7日に行われたリオデジャネイロパラリンピックの開会式で、ベラルーシパラリンピック委員会の関係者が、組織的なドーピングで大会に参加できないロシアの国旗を掲げて入場行進し、IPC=国際パラリンピック委員会は、政治的な活動を行ったとして、この関係者のパスを剥奪しました。

これはIPCが8日発表しました。
それによりますと、この関係者は7日行われたパラリンピックの開会式で、組織的なドーピング問題で大会に参加できないロシアの国旗を掲げて、入場行進したということです。
IPCは「政治的な活動を行った」として、パスを取り上げました。
IPCによりますと、この関係者は、ベラルーシパラリンピック委員会の会長のゲストとしてパスを発行され、開会式の入場行進に参加したということです。
IPCのクレイグ・スペンス広報部長は「今回、ロシア国旗を掲げた人物は、選手やコーチではなかったので、資格を剥奪して終わりとする。IPCは政治的活動を許さないし、再発した場合には何らかの措置を取る」と話しています。

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 9月8日にリオでいよいよパラリンピックが始まりました。
 選手たちの活躍に期待・・・と思っていたら飛び込んできたこのニュース。

 パラリンピック開会式に参加したことのあるS夫は「どんな旗をもっていたとしても選手の自由だ。」とか言っていましたが、実際にはベラルーシパラリンピック委員会の会長の「ゲスト」さんだそうですね。
 何者? と思いましたし、ひょっとしてこのためにわざわざゲストになった人なのか? と思いました。

 開会式にやっぱり他の国の国旗を持って入場するのはよくないですよ。
 (ただでさえ、ベラルーシはロシアの一部だと勘違いしている人がたくさんいるんだから、困るなあ
。)

 IPCの決断は当然だと思います。
 一方ロシアではネット上などで「ベラルーシ、ありがとう!」と感謝する声が多いです。

 確かにオリンピックのほうはドーピング問題で参加できた選手とできなかった選手がいましたが、パラリンピックでは全員出場できず、私としては、ドーピングなどせずまじめに練習していた選手も少しはいたはずでは・・・などと思います。
 そういう選手のためには今回の事件は慰めに多少はなったかもしれません。

 でも、やっぱり旗だけ行進してもしょうがないですよ。
 選手自身が参加できないんだったら。

 結局はロシアの選手のためではなく、IPCへの抗議のつもりの旗ですね。それをロシアじゃなくてベラルーシがしているのが変に感じます。だからこんなことはするべきではありませんでした。
 (選手がやってなくてまだよかったです。)
 
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 追記です。(日本時間では9月10日)

 上記の人物(ベラルーシパラリンピック委員会の会長の友達)の氏名が公表され、現在ブラジルからベラルーシへ移動中だそうです。
 このほかにもさらに1名、ベラルーシパラリンピックチームの役員の1名がパスを剥奪されました。しかしこちらの氏名は公表されていません。もうすぐ帰国するでしょう。
 
 こちらでは「ロシアの国旗を掲げたのは、ベラルーシ選手団の総意だった。」「いやちがう。」「車椅子の選手も複数名ロシア国旗を持っていたが、開会式前に没収されていた。」「ロシア人は喜んでいる。」などなどの話が飛んでいます。

 ロシア国旗を掲げて入場したのは、元ソ連のスポーツ選手でベラルーシのスポーツ省で働いた後、国立オリンピック陸上センターのトップをしているそうです。
 つまりベラルーシのオリンピック出場レベルの陸上選手が練習している施設の長ですね。
 ロシアのパラリンピックの選手が、全員ドーピング疑惑で出場できないことに心を痛めており、抗議の気持ちを表現したとのこと。誰に対する抗議と言えば、IOCなわけですから、開会式そのものを開催している機関に対し、開会式に参加しつつ抗議したのだから、スポーツの場を政治利用している云々というより、やはり礼儀を失していますよ。
 別な方法もあったでしょうに。
 一方で出場停止はロシアの問題。ロシアとベラルーシは別の国家です。この人はベラルーシのスポーツ関係者なのだから、今回の行動はやはり間違っていると思います。 
 
 

ベラルーシ在住ダゲスタン人彫刻家

2016-09-08 | ベラルーシ生活
 先日、日本文化情報センターが入っているミンスク市立第5児童図書館でベラルーシの児童文学家を迎えたイベントがありました。
 そこにゲストとしてベラルーシ在住ダゲスタン人彫刻家であるヒズリ・アサドゥラエフさんが来館しました。
 日本文化情報センターも訪問してくれたのですが、突然私に話し始めました。

 5年前東日本大震災が起きたことをニュースで知り、非常に心が痛んだため、何かできることはないかと考えて自宅に飾っていた自作の彫刻作品をオークションにかけたそうです。
 売れた値段はすぐに日本の被災者のために全額寄付。
 しかし寄付したことは今まで誰にも言わなかったそうです。
 そして今日、ひょっこり日本文化情報センターというところを訪問し、日本人(私)に出会って、急にこの話をしたくなったそうです。

 アサドゥラエフさん、ありがとうございます。

 ダゲスタン共和国出身の人がこんなことを日本人被災者のためにしてくれていたんですね・・・。

 この事実を知っている日本人はほとんどいない(本人も今まで黙っていたそうなので)と思いますので、このブログ上でご紹介することにしました。

 ヒズリ・アサドゥラエフさんはダゲスタンの出身ですが、1981年からベラルーシ在住で、彫刻の作品はアメリカやオーストラリアにもあるそうです。
 チェルノブイリ原発事故で消火活動に当たった消防士の像も制作しており、これはモスクワにあるそうです。
 ・・・といった情報はウィキペディアで読んだのですが、ロシア語版しかないので、ベラルーシの今年4月のこちらのテレビニュースを映像をどうぞ。

 今年60歳になったのを記念しての彫刻展だそうです。ご本人もインタビューに答えています。関心のある方はぜひご覧ください。(ただしこれも全てロシア語です。)

スティーヴン・セガールがベラルーシへ&ミンスクの社員寮

2016-08-31 | ベラルーシ生活
 アメリカの俳優、スティーヴン・セガールがベラルーシにやってきました。
 ルカシェンコ大統領とも面会。大統領からにんじんをもらいました。
 ベラルーシのにんじんがとてもおいしかったから・・・ではないと思いますが、セガールはミンスクの高級マンションを購入。しかもワンフロアー全ての部屋をまとめて買いました。さすが、ハリウッドスター。
 ベラルーシのマンションなんて安い安い。
 それにしても住居を買うなんてミンスクで暮らすつもりなんでしょうか? ベラルーシなんてハリウッドスターからすればど田舎で大した娯楽もなさそうですが・・・
 「投資目的?」「お金がありすぎて、何に使ったらいいのか分からないのでは。」「いや、静かなベラルーシで静かに過ごしたいんだよ。」「ホテル滞在は嫌いなんでは?」などなど憶測が飛んでいますが、私としては、ベラルーシ人に合気道を教えてほしいところです。ぜひ。

 では次の話題。ベラルーシでは新学期が9月から始まります。学校や大学の卒業式は6月です。7月や8月、9月から新卒の新入社員が働き始めることが多いです。
 ベラルーシはもともとソ連の国、つまり、社会主義国でしたが、その影響があって今でも労働者の国です。
 国立国営の企業であっても、社員寮というものがあります。
 地方出身者がミンスクで就職した場合、社員寮に入れるというのが、当然でした。

 ところが、今年突然新たな法律ができました。
「ベラルーシ国内でミンスク市以外の場所に住居を持っている者は、ミンスクの社員寮に入れない。」
 
 日本でたとえて言うと・・・大阪に実家がある人が東京の企業に就職できた。しかしその企業の社員寮には大阪に実家があるからと言う理由で入れない。自力でアパートを借りるか、大阪から毎日新幹線で通勤しろ。ということです。 
(方法としてはミンスクに住んでいる人と結婚して、ミンスクで暮らすというのもありますが。)

 ちなみにミンスクでアパートを借りようとすると、場所や広さなどにもよりますが、毎月日本円で3万円ぐらいかかります。
 ベラルーシ人の平均月給は4万円ぐらいです。

 地方出身者がミンスクで就職したくても、住むところをどうするかという問題が出てきます。
 何とか家賃を工面する人もいるでしょうが、できなかった場合、そして遠距離の通勤もできそうにない場合、ミンスクでの就職をあきらめるしかありません。

 そうすると、実家のある地元で就職先を見つけようとするでしょう。ここが政府の狙いです。
 以前からそうでしたが、ベラルーシへミンスクへの人口一極集中化が続いており、その結果、ミンスクは人口が増加しているのに、その他の地域では過疎化が問題になっています。農村地域は人口が減少し続けており、学校の統廃合が続いています。
 つまり若い世代が地元に残るよう、仕向けるためにこのような新しい社員寮の法律を作ったわけです。

 日本も東京への一極集中化、地方の人口減少、地方自治体の統廃合などの問題を抱えています。
 こうならないようにベラルーシを見習って、東京の社員寮から地方に実家のある人は締め出し、もとより就職活動の際の書類選考で、地方に実家がある人はすぐ落とす・・・という政策を打ち出すのはいかがでしょうか・・・というのは嘘です。

 実際問題としては、大変ですよ。

 私の図書館の同僚にも就職したばかりの地方出身者がいるのですが、住むところどうしようとぼやいていました。図書館員が住める寮があるので、そこに入居の申請をしようとしたのですが、実家がどこにあるのか証明しなくてはならず、書類集めをしていました。
 その人の出身地にも図書館はありますが、小さい図書館で人手不足ではなく、空きがありません。
 逆にミンスクは図書館員が足りておらず、若い世代が就職すると大喜びなんですが、せっかく仕事を教えて慣れてきたというところへ、住むところがないから、とやめてしまわれると本当に人材がもったいないんです。
 同僚たちは「早くミンスクの男性と結婚しろ。」とその人に言っているのですが、急にそんなこと言われてもねえ・・・。

 本当は社員寮の法律を作るより、地方に魅力的な雇用先をたくさん作るほうが正しいと思うのですが、どちらにせよ、難しい社会問題です。

ミンスクの公園に桜が120本植樹されました

2016-05-12 | ベラルーシ生活
 2016年5月12日、ミンスク市内にある民族友好公園の一角に日本の桜120本が植樹されました。
 その一角は桜の並木道という名称で呼ばれます。

 ベラルーシのニュースはこちら。

 まだ細い桜の木で、来年の春に開花するかどうか分からないのですが、2年後には咲くかも・・・と期待されます。
 日本とベラルーシの友好のシンボルがまた一つ増えました。
 美しく花開いてほしいですね。(^^)

 

ベラルーシ将棋協会 2

2016-04-17 | ベラルーシ生活
 将棋協会で中心的に活動しているルィセンコさん兄弟(もう将棋歴15年)からお話を聞きましたが、3年前には将棋のヨーロッパ大会がミンスクで行われ、毎年ヨーロッパ各国、また日本での試合に積極的にベラルーシ人棋士が参加しているそうです。
 モスクワで行われた羽生名人の講習会にもベラルーシから参加。羽生名人に直接教えてもらったことがあるなんて本当にすごいです。

 将棋協会には詰め将棋の本などがたくさんあり、壁には日本人棋士のポスターが貼られ、教えるために壁にかけられる大きいサイズの将棋版やマグネットの駒などが貼られており、すばらしい環境。
 ちなみに日本人将棋愛好家の中で、ベラルーシ人棋士、そしてベラルーシ将棋協会は密かに絶賛されている存在です。
 ベラルーシを訪れる予定のある日本人の皆様、毎週水曜日と土曜日に将棋協会で練習をしていますので、将棋がさせる方はぜひベラルーシ将棋協会へ遊びに来て下さい。いつでも日本人大歓迎だそうです。
 ベラルーシ将棋協会の公式サイトはこちらです。(ロシア語しかありませんが・・・)

 日本文化情報センターの将棋クラブは毎週日曜日午前中に練習をしています。(ただし6月、7月、8月はスケジュールが変わりますので、事前に日本語でTまでご連絡ください。)

 それにしても日本の伝統文化の一つである将棋がここまでベラルーシで広まるなんてすばらしいことですね。
 今後もますます広がっていってほしいです。 

ベラルーシ将棋協会 1

2016-04-17 | ベラルーシ生活
 こう言うと驚く日本人が多いのですが、ヨーロッパで最も将棋の競技人口が多いのはベラルーシです。
(住んでいる日本人が一番少ないヨーロッパの国はバチカンをのぞけば、ベラルーシでは? と今ふと考えてしまいました。日本人はこんなに少ないのに将棋人口が多いのは驚きです。)
 
 ベラルーシはもともとチェスをしている人が多い地域なのですが、将棋も浸透してきて、ベラルーシの将棋チャンピオンは世界で10本の指に入る腕前。(ただし日本人棋士は除く。)

 今のところベラルーシの4箇所で将棋クラブが運営されており、そのうちの一つは日本文化情報センター付属将棋クラブ。顧問の先生であるゲオルギー・レスネフスキーさん(4級)を中心に週に1回練習しています。
 まあ、まだ有段者などおりませんですよ、うちのクラブは。しかしベラルーシ将棋協会には有段者がたくさんいるのです。

 先日将棋協会の練習試合を少し見学に行くことができました。
 ジュニアの試合ということで、大勢の子どもがいっせいに将棋をしている姿にびっくり。
 (大人のゲオルギーさん、小学生男子と試合をして負けてました。どうなってんの?!)


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追記です。
 
 この記事を投稿してしばらくしてから、日本の出版社から、ベラルーシについての書籍を出版するので、ベラルーシ国内における日本文化の広がりについて、執筆してほしいと頼まれました。
 そのため、原稿に「ヨーロッパで将棋人口が一番多い国はベラルーシ」と書いて、編集部に送ったら、
「ベラルーシがヨーロッパ一であることの裏付けとなるような資料があれば、確認のために見せてほしい。もしも口コミレベルの話ならば、『ヨーロッパ一多い国と言われることもある』くらいのぼかした表現にした方が無難なのではないか」
と指摘されました。

 編集部、疑ってますね。私、嘘ついてませんよ、ということで、このブログ上でも証拠を発表します。

 まずベラルーシ将棋協会はヨーロッパ将棋協会(FESA)に加盟しています。

 ヨーロッパ将棋協会(FESA)の公式サイト内の2016年12月18日現在のデータをご覧ください。
 リンク先はこちら

 具体的な棋士の氏名はこちらです。
 
 このように、ベラルーシの将棋人口がヨーロッパの中では最も多く、FESAの会長にベラルーシ人が選出されたこともあります。

 上記の表は熱心に将棋をしている人の数だけだと思います。基本的には有段者と有級者だけの数で、「ちょっと将棋ができる」レベルの人は、数に入っていません。
 また上記の表の中で、日本人や中国人の数が少なすぎるという指摘をされるかもしれませんが、それはヨーロッパ将棋協会が把握(認定)している数ですので、ヨーロッパ将棋協会はアジア人の数は把握していない(把握する必要がない)ということだからです。

 こちらはベラルーシ将棋協会の公式サイトで、国内の棋士の紹介です。 
 ここでは段や級は持っていないけれど、ベラルーシ将棋協会の会員として登録されている人もいっしょになっているベラルーシ人棋士一覧表があります。
 全部で500人を超えています。これ以外にも「少しできる」「登録はしていない・されていない」といった人も加えると、もっと数が増えると思います。

 実際にはベラルーシの将棋人口は何人なのか、はっきり言えないと思います。
「今日初めて将棋やってみた。」
というような人も数に入れるのか入れないのか、という条件の設定の問題もありますし。

 でもヨーロッパ将棋協会が正式にカウントししている棋士数でいうと、ヨーロッパで将棋人口が一番多い国はベラルーシと言っていいと思います。

 日本人の皆さん、信じてください。先入観だけでベラルーシを見ないでください。