ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

小川未明の童話がベラルーシ語に翻訳されました

2017-04-30 | 日本文化情報センター
 小川未明の童話が初めてベラルーシ語に翻訳され、文芸雑誌上で発表されました。
 翻訳したのはベラルーシ国立言語学大学の学生、フリスチーナ・アフルィメンカさんです。
 日本文化情報センターは日本語原文の提供をしました。
 翻訳された作品は「二度と通らない旅人」「野ばら」の2作品です。
 掲載された文芸誌は「マラドスツィ」2017年4月号。
 フリスチーナ・アフルィメンカさんが自ら描いた墨絵の挿絵も入っていて、本当にすばらしいです。
 2作品だけですが、ベラルーシではほとんど知られていない、日本の児童文学作家、小川未明の代表的な作品がベラルーシ語に翻訳され、ベラルーシ人に読まれるようになってうれしいで
す。

 7ページに渡り掲載されましたが、そのうちの1ページ、「二度と通らない旅人」の部分を添付画像にしました。 
 
 

チェルノブイリ原発事故から31年

2017-04-26 | 放射能関連情報
 チェルノブイリ原発事故発生から今日で31年になりました。

 今日はセシウム137の半減期と風評について書きたいと思います。

 昨年の今頃は、
「ついにセシウム137の半減期が来るから、きっと内部被爆の数値も下がるに違いない。」
と期待していたのですが、予想は外れました。
 
チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布運動の測定結果を見ていても分かるように、ベラルーシの子どもたちの内部被爆量には変化はありません。
 おそらく生体濃縮が続いていて、事故のとき放出したセシウム137全体から言えば、数は半分になったとはいえ、食品の汚染は続いており、逆に人間の体内に蓄積している・・・ということでしょう。蓄積が絶え間なく続いているので、結局ベラルーシ人は内部被爆し続けており、それが測定すると数値として表れている、ということです。
 放出したセシウムが多すぎて、それが30年後半分になったとしても、食物連鎖の中で回っったり、また自然界からその循環の中に入ってくるセシウムの数が急に減少する、ということはない、ということです。
 結局、ずっと放射能と付き合う生活を送っていかなくてはいけません。
 次の半減期は2046年。劇的な内部被爆の減少はおきているでしょうか?
 一人一人の体重1キロ当たりの内部被爆量として考えると、それは起こらないだろうと思います。
 
 次に風評のことですが、小麦粉について書きたいと思います。
 偶然フェイスブックで「町の一介のパン屋のオヤジ」を自称している廣瀬満雄さんが、「パンと放射能」という記事を2014年に投稿しています。
 この第三回にこのような記述が見られます。
「つまり、東欧のベクレルまみれの小麦粉が、中国の製パン工場で冷凍生地として使用されドンドン日本にも入ってきている、という事です。大手ヤ〇ザキ製パンを始め、いろいろな企業に入っているようです。世界のパン「ヤ〇ザキ」とは、よく言ったものです。ベラルーシ産の小麦粉を使用しているかもしれないのですから。今、関西地方で有名な阪〇ベーカリーの100円パン、良い例かと思います。」

 これをどうして取り上げたかと言うと、ベラルーシは小麦の生産量が少なく、逆に外国から輸入せざるを得ない国だからです。
 とても日本に(あるいは中国に)小麦を輸出する余力がありません。
 
 おそらくこの文章を書いた廣瀬満雄さんの頭の中のイメージでは、「東欧」産の小麦粉が中国経由で日本に入ってきている。→ 東欧の中にあるベラルーシ。→ ベラルーシはチェルノブイリ原発事故の影響で汚染されている。→ そこで作られた小麦粉はベクレルまみれ。
 ・・・となっていて、このような文章になったのでしょう。

 しかし、ベラルーシは小麦輸出国ではなく、逆に小麦輸入大国です。
 どこから輸入しているのかと言うと、カザフスタンです。カザフスタン産の小麦を陸路で大量にベラルーシへ輸入。ベラルーシ国内の製粉所で粉にしています。(製粉されたものを輸入するより、この方が安いから。)

 ベラルーシのスーパーに行くと、いかにもベラルーシ産に見える小麦粉がたくさん売られていますが、それは小麦から小麦粉にした場所はベラルーシだからであって、実際にはベラルーシ人はカザフスタンの小麦から作ったパンを食べています。

 ベラルーシはヨーロッパの国で、パンは主食でしょ? 中央アジアの国から小麦を輸入しているなんて、おかしい! と思う日本人もいるでしょうが、ベラルーシ人の主食は「じゃがいも」そして「黒パン」です。
 黒パンはライ麦から作られます。ベラルーシは寒冷気候なので、寒さに強いライ麦はたくさん生えますが、小麦はほとんど生えないのです。だから暖かいカザフスタンから輸入しなくてはいけないです。
 
 ベラルーシの伝統的な料理には黒パンが必ず添えられていましたが、白パン(小麦粉を練って作ったパン)は食べられていませんでした。
 今では、白パンもケーキもたくさん売られています。
 一方で、ヨーロッパ人なんだから、パンは何でも好きだろう、とベラルーシ人におかずをいっしょに、白パンを出すと、拒否されます。
 黒パンは主食。白パンはおやつのような扱いだからです。
 日本人に「日本人だから米が主食ですよね。」と、味噌汁に焼き魚、漬物、そしてそこへ、「おはぎ」を外国人に出され、
「さあ、このアジのひらきといっしょに、おはぎをほおばってください。」
と言われたら、どんな気持ちになりますか? 
 このように、ベラルーシ人に黒パンを出さないといけないところへ白パンを出すと、断られます。
 もちろんおやつに白パンの菓子パンや、小麦粉から作るケーキなどはベラルーシ人は大好きで、いっぱい食べますけど、こういう食習慣が生まれたのは実は割合最近の話です。

 ベラルーシにとって、小麦粉は輸入品、現地では手に入らない貴重なもの、主食の材料ではなく嗜好品の材料に近い、ということが分かっていただけたでしょうか。
 このようにベラルーシから小麦粉が日本へ輸出されているとは考えにくく、また仮にそうであったとしても、それはベラルーシ産の小麦ではありません。

 東欧をまるごとひっくるめて、チェルノブイリ原発事故のせいで、汚染された地域、という廣瀬さんの(あくまでイメージですが、)考え方も正しくないと思います。

 廣瀬さんが「食品加工メーカーも自主的にベクレル検査をするべき」と提唱していることには賛同できるのですが。

 とにかく、ベラルーシ「産」で、ベクレルまみれ、つまり放射能汚染されている小麦粉から作られたパンが大量に日本人消費者の口に入っているとは、私にはとても思えません。

 「じゃあ、ベラルーシから日本に何が輸入されているのか?」という疑問を持つ人がいるかもしれないので、こちらのブログをご案内します。
「ベラルーシの貿易相手国 」  服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)より。
 2016年12月20日付のこの記事によると
「ベラルーシにとって最大の貿易相手国はロシアであり、以下ウクライナ、中国、英国、ドイツなどと続く。日本は、自動車の輸出などは行われているが、はっきり言ってベラルーシから買うものがないので、ベラルーシ貿易ランキングにおける順位は43位止まりであり、シェアも0.2%にすぎない。」
・・・だそうです。
 日本がベラルーシから買うものってないんですね・・・(^^;)

 私としてはこちらの「乳製品輸出大国としてのベラルーシ 」と言う記事のほうが気になりました。
 これによると、
「2015年にバターの輸出国としてベラルーシは世界3位を占めたという。1位がニュージーランドで43.9万t、2位がEU(1国ではないが)で17.4万t、3位がベラルーシで5.6万t、(中略)ベラルーシはこのほかにも、ホエイパウダー(乳清を粉状にしたもの)で世界3位、チーズ・カッテージチーズで5位、粉乳で5位の輸出国だった。」
 ・・・そうです。
 ちなみに日本は長年ベラルーシから粉乳を輸入しています。もっとも、放射能の検査は日本側はしているはずで、日本の基準値以下だったものだけが、輸入を認められているはずです。
 個人的にはホエイパウダーが気になりますね。ホエイにはセシウムのような水溶性の放射性核種が集まりやすいからです。
 それにしても。ベラルーシの乳製品がこんなに世界中で食べられているんですね。 
 ちなみにバターには原料だった牛乳に含まれていた放射能はほとんど残りません。
 
「いや、すっごい気になる。」
という日本人消費者の方は、一つ一つ原材料がどこからやってきたのか調べてから購入されることをお勧めします。
 とはいうものの、実際にはなかなか難しいですよね。

 でもまあ、20年以上ベラルーシに住み続けていて、ベラルーシ産のものを食べている私は今のところ健康ですので、ちょっとベラルーシ産の脱脂粉乳が入った日本製食品を日本人が食べたとしても、それが原因で発病する可能性は限りなく低いと思います。


中国新聞紙上でベラルーシの子どもたちが描いた絵が紹介されました

2017-04-18 |   おりづるの旅
チロ基金の活動「戦争と平和の絵本と子どもたちの絵」の記事でもご紹介しましたが、2017年4月17日付の中国新聞紙上で、紹介していただきました。

 この記事に関しては「ヒロシマ平和メディアセンター」のHPから見ることができます。
 こちらがリンク先です。ぜひご覧ください。

 ベラルーシの子どもたちの作品がカラー写真で掲載されているのを見ると、本当にうれしく、今回のこの活動を行ってよかったとしみじみ思いました。
 日本の関係者の皆様に喜んでもらえてよかったと思うと同時に、ベラルーシの子どもたち、つまり戦争を知らない若い世代に平和について、考える機会を与えてくださり、感謝申し上げます。
 このように次の世代につなげ、さらには広い世界に、平和が大切なものであることを伝えていかないといけませんね。

(画像は私がハーモニー絵画教室で撮影したもので、エレーナ先生と今回の作品を描いてくれた生徒さんです。何だか女の子しかいない印象ですが、生徒さんの中には男の子もいます。)
 

コンタクトレンズをベラルーシで買うには

2017-04-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 これもベラルーシで長期滞在を予定している日本人にきかれたことです。
 ベラルーシでコンタクトレンズを買いたいが、どこで売っているのか? という質問です。
(私はベラルーシ何でも質問箱ではないですが、同じような疑問を持つ日本人がこれから増えてくるかもしれないので、このブログ上で書いておきます。)

 ベラルーシでもコンタクトレンズを購入することができます。
 売っているところは、「コンタクトレンズ専門店」「めがね屋で、コンタクトレンズも扱っているところ」「インターネット」「自動販売機」ですね。

 最後の自動販売機ですが、大きいスーパーの入り口のすみなどに設置されていることが多いです。
 もっとも、ベラルーシの自動販売機を信用していない私は自動販売機でコンタクトレンズを買ったことはありません。

 人生初めてコンタクトレンズを買うと言う人は、日本であらかじめ買っておくことをお勧めします。(ロシア語が得意なら問題なく自分の視力に合ったレンズを買えます。)
 こちらの眼科では視力表が、日本でよくあるランドルト環(Cの文字がならんでいるようなもの)ではなく、指し示すキリル文字を読みなさい、という表であることが多いので、ロシア語のアルファベットが分からないと視力も測れません。参照

 One Dayタイプ(1日で使い捨て)のコンタクトレンズも売られています。
 ただベラルーシではソフトのコンタクトレンズしか売られていません。
 
 日本ではハードのコンタクトレンズでも性能がいいので、ソフトのコンタクトレンズは、細菌が入りやすいという理由で、ハードのコンタクトレンズのほうがいいと言われているようですね。
 逆にベラルーシではハードは目に傷がつきやすいなどの理由で、そもそもどこにも売っていません。

 それからロシア語ができなくても、ネットや自動販売機で売られているなら、便利だな、と思われるかもしれませんが、視力そのものの表記の仕方が日本とは違うので、注意が必要です。
 厳密に言うと、日本人が知っている視力、「私、右目が1.0でね。」という数字とコンタクトレンズに表記されている度数は別物です。

 もし、コンタクトレンズの処方箋がある場合、あるいは今までコンタクトレンズを買ったことのある人は、そのケースに、Dが「- 4.00」といった数字(度数)が表記されているはずです。
 この数字を元にして、ベラルーシでコンタクトレンズを購入しましょう。

 専門店の場合は店員さんにこの数字(マイナスの後の数字)きかれますし、自動販売機でも、この数字によって、商品が並べられていて、間違えないようにボタンを押さないと自分の視力に合ったコンタクトレンズが買えません。
(ちなみにこのマイナスとは近視のことです。プラスで表記されているのは遠視。)

 視力と度数は別物なのですが、ベラルーシ人の視力をきくと、度数で答えるので、
「右がマイナス5。」
といった返事が返ってくるので、日本人の多くは「?」になります。

 カラーコンタクトレンズもベラルーシで売られています。これは専門店あるいはネットで購入可能です。

ベラルーシの歯科事情

2017-04-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 ベラルーシの歯科事情はどのようなものか、ご質問をいただきましたので、このブログ上でご紹介したいと思います。

 ちなみにベラルーシの全般的な医療事情については、日本外務省HPをご覧ください。

 ここではベラルーシに滞在中、歯が痛くなったら、どうしたらいいのか、という点について書きます。
 まず、旅行や留学などで、ベラルーシへ入国する場合、ベラルーシの医療保険に加入しなければ、入国できません。ホテルに滞在するときは、予約しておいたホテルにチェックインするときにホテルの従業員が代行してくれます。
 そうでない場合、主に空港で保険に入ることになります。自分で空港内の窓口へ行ってください。空港職員が、「保険に加入しましょう。」と言ってくれることもあります。
 保険料は1日1ドルぐらいで安いです。

 そしてベラルーシ滞在中に病気や怪我をして、治療を国立あるいは公立の病院など医療施設で受けることに鳴った場合、必ずこの保険証を提示してください。それによって、治療費が無料になります。(ただし、薬代などは有料。)

 したがって、急に歯が痛くなったとき、そして国公立の病院あるいは診療所の歯科に診てもらうときは、保険証を見せると無料になります。

 しかし、歯の病気で死ぬ人はいないため、夜間などは歯科は開いていませんので、注意。

 次が問題なのですが、ベラルーシには現在前述の公立の病院・診療所内の歯科のほか、私立の歯科医院がたくさんできています。
 ここでの歯の治療は、保険が利かず、全て有料です。

 さあ、公立の歯科、私立のデンタルクリニック、どちらへ行けばいいのでしょう。それぞれ一長一短あります。ベラルーシで歯科治療を受けたことのある日本人の体験談などもご紹介します。

<国公立の病院・診療所内の歯科>

(長所)保険に入っていれば無料。麻酔を使った治療も受けられる。
(短所)居住地域によって、行くべき病院・診療所が決まっているので、患者が選ぶことはできない。
 無料なので、近所の住民がたくさん来るので混んでいる。要予約。突発的な歯痛が始まったので、駆け込んでも、予約しないとダメとか、今込んでるから待って、とか言われてずっと待たされる可能性あり。 
 設備が古い。日本のようなハイテクな医療レベルではない。(例:口の中ににたまった唾液を吸引してくれるような装置がついていない。)
 医者は愛想が悪い。英語は通じないと思っておいたほうがいい。治療方法など説明などはしてくれない。
(体験談)詰め物はその日のうちに取れた。前の患者の抜いた歯がそのへんに血まみれで転がっていたのを見て、気絶した日本人がいる。
(アドバイス)ハンカチあるいはタオル類を持参するとよいと思います。

<私立のデンタルクリニック>
(長所)施設がきれい。医者は愛想は振りまかないが、まだまし。説明もしてくれるほう。ただし、基本的に全てロシア語だと思ってください。
 設備も日本ほどではないが、新しい。器具や充填物も外国製のものを選び、わざわざそれを謳っているところも多い。
(短所)保険に入っていても有料。平均的ベラルーシ人の感覚からするとものすごく高い。治療の内容にもよるけれど、日本の保険適応料金と同じぐらい。
 しかし、最近の傾向として「タダでも公立の歯科に行ったところで、結局無意味だ!」と不満に思っているベラルーシ人のお金持ち(あるいは医療にかかるお金は惜しくないと言う考えのベラルーシ人)は最初から私立のデンタルクリニックへ行く。そのため、混んでいる。予約を入れておいたほうがいいですが、突発的な歯痛のため、駆け込んだとしても、臨機応変に対応してくれる。
 麻酔を使う治療を認可されていないクリニックがほとんど。麻酔医がいて、レントゲン撮影ができるような施設があるところだったら認可されていると思うが、私立のクリニックは小規模経営が多いので、期待できない。
 そのため、麻酔が必要な抜歯はしてくれないため、クリニックが抜歯をしてくれる公立の病院を紹介してくれる。(結局国公立の歯科へ行かなくてはいけない。)

 保険に入っていれば、抜歯は無料。しかし、
「今から歯を抜くけれど、それについて患者の私は賛成ですよ。後から『なんで抜いたんだ、歯を返せ。』などという文句は病院に対して決して言いません。」
といったことがロシア語で書いてある書類に署名させられます。
 もちろん、その後の「麻酔が切れていない間は熱い物は飲まないようにしましょう。云々」といった説明は全部ロシア語です。

(体験談)国公立、私立に関係なく、歯が痛くても、鎮痛剤など薬は処方してくれません。
 自力で近くの薬局へ行き、
「私は歯が痛いんです。鎮痛剤をください。」
と言って購入してください。ただ単に「鎮痛剤をください。」と言うより、歯が痛いことも言い添えるほうが、適当な薬を薬局で選んで「歯痛ならこれがいいですよ。」と勧めてくれる。
 が、この一連の会話はロシア語(あるいはベラルーシ語)でしか通じないと思っておいたほうがいいです。
 紙に書いておいて、見せるのもいい方法ですね。歯が痛いときなんかしゃべるのも苦痛ですから。

 ベラルーシの医療従事者はみんな英語を勉強したことがあるので、英語は通じるはずなのですが、お互い発音が訛っていたりして通じなかったり、あるいは英語でしゃべるのが面倒くさいと思われる場合(愛想が悪い。目の前に困っている外国人がいても、どうでもいいや、と思う人)英語で説明してくれません。
 もちろん、ベラルーシ人の医療従事者にも、優しい人、英会話が得意な人もいますので、運よくそういう人に当たったら、ラッキーと思ってください。

 こちらが英語もロシア語も不得意と言う場合、治療にどうしても不安と言う場合は、通訳さんを雇うほうがいいです。もっとも医療通訳は内容によっては難しいので、治療の内容によっては通訳さんが誤訳したり、通訳ができなかったりします。

 歯痛で死ぬ人はいない、と言うことになっていますが、病気や怪我によっては日本外務省HPにあるように、帰国して治療を受けることや、一時帰国するときに治療や検査を受けておくことも考えておいたほうがいいです。

  ちなみに日本外務省HPでは
「薬局は各地にあります。しかし,簡単に医薬品を購入できない可能性が高く、一般的な常備薬(整腸剤,胃薬,目薬,鎮痛薬,総合感冒薬,湿布,体温計,バンドエイドなど)は日本から持参することを勧めます。」
とありますが、常備薬は簡単に買えます。ただ、日本人が考えているところの医薬品がベラルーシにないのが問題です。
 例えば、目薬ですが、日本人が疲れ目にちょっとさすようなお手軽が目薬はベラルーシにはありません。アンプル入りのものすごく本格的な眼病用の目薬ならあります。
 整腸剤は活性炭です。
 処方箋なしで買えるとある鎮痛剤は、ベラルーシ人にはよく効きますが、私には全く効きません。
 湿布は日本人に肩こりが多いので、日本薬局にはいろんな種類の湿布がありますが、ベラルーシではほとんど選択の余地がありません。
 体温計は売っていますが、婦人体温計はないです。
 バンドエイドはまともなものが売られていますが、個包装ではなかったり、めくりにくかったりします。傷口の大きさに合わせて切り取って使うタイプのものもあります。これを知らない日本人が見たらびっくりします。

 他にもどうやって開封したらいいのか日本人には分かりづらい容器もあります。
 例えばとあるインフルエンザの薬ですが、まずガラスのアンプルの口をナイフで切り、同封の粉薬をアンプルに入れて溶かした後、湯冷ましの水で4倍に薄めたものを、やっぱり同封しているスポイトで、患者の鼻の穴に3滴ずつ、1日3回に分けて入れましょう。使い切るまで溶かした液は冷蔵庫で保存すること。
 ・・・といった使用方法がもちろん全部ロシア語で書いてあるものが、薬局で売られていることもあります。

 このように日本人の感覚では簡単に理解できない医薬品があるので、日本外務省は日本から常備薬を持参することを勧めているのです。


チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第208回」

2017-04-05 |   ビタペクト配布活動
 4月5日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第208目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト3を11個渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2526個、セルロースの合計は85個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2160部となりました。
 今回で通算224回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2526人の子どもにビタペクトを、約76人の子どもにセルロースを、2160家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



 今回はゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から2家族が地元の教会の信者の子どもたちなど14人を引率していました。この家族は2011年11月と2012年5月と2014年4月にもSOS子ども村に滞在しています。そのときの様子は以下をご覧ください。

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第126回」

チロ基金の活動「ビタペクト2(セルロース)&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第133回」

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第162回」

 今回は家族Bにはビタペクト3を渡していません。この家族Bのお母さんは家族Aのお母さんの娘です。
 それぞれの体重1キロあたりの測定結果はこのとおりです。以前の測定結果も矢印で示しています。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

(家族A)

母親(事故発生時14歳) 4ベクレル → 6ベクレル → 9ベクレル → 6ベクレル
養女(11歳)0ベクレル → 22ベクレル ○ → 40ベクレル ○ → 30ベクレル ○
養女(10歳)0ベクレル → 34ベクレル ○ → 33ベクレル ○ → 29ベクレル ○
女子(16歳)27ベクレル ○ → 22ベクレル ○
女子(16歳)29ベクレル ○ → 21ベクレル ○
女子(13歳)14ベクレル → 23ベクレル ○ → 27ベクレル ○ → 27ベクレル ○
男子(17歳)31ベクレル ○ → 20ベクレル ○
女子(14歳)(2012年測定)27ベクレル ○ → 19ベクレル ○
女子(16歳)(今回初測定)32ベクレル ○
男子(14歳)(今回初測定)15ベクレル
男子(13歳)(今回初測定)33ベクレル ○ 
女子(12歳)(今回初測定)31ベクレル ○
男子(12歳)27ベクレル ○ 


(家族B)
 
母親(25歳)33ベクレル
長女 (2歳)22ベクレル


 この2歳の長女はまだ小さいので、ビタペクト3を飲むことができません。
 家族Aの14歳の女の子は20ベクレル以下でしたが、2歳の女の子にビタペクト3は早いので、それをこの14歳の女の子にあげてほしいとお母さんに頼まれました。
 しかし14歳の女の子は「これ、酸っぱいから飲みたくない。」とか文句を言い出し、お母さんから叱られていたのですが、この子が前回飲んだのは、ビタペクト3ではなく、セルロースですね。たぶん勘違いしています。

 12歳の男の子は2012年にSOS子ども村へ保養に来たときに、最高記録である261ベクレルだった男の子の弟です。
 
 この兄弟については、 チロ基金の活動「ゴメリ在住一家への支援活動・第1回」「ゴメリ在住一家への支援活動・第2回」をご覧ください。
 
 今回この弟にとんでもない結果が出ていなくてよかったです。きっとお母さんが正しい食生活を続けている証拠だと思います。
 
 画像は記念撮影した様子です。今回は日本文化情報センターへ遊びに来てくれましたので、センター内での撮影です。小さい子どもは寝てしまって写っていません。図書館内のソファーで寝ていました。 
 年齢の高い子どもは日本について質問をたくさんしていました。着物や漢字、おすしなどに興味津々でした。

 子どもたちに折り紙、折り鶴、日本のシールなどをプレゼントしました。
 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。