ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年8月31日。ウクライナ侵攻から555日目

2023-08-31 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年8月31日。

 ベラルーシ大統領は、今月28日にポーランドとバルト三国がベラルーシに駐留するワグネルの即時追放を要請したことについて、NATO加盟国であるポーランドとバルト三国に外国軍が駐留している限り、ワグネルのベラルーシ駐留に反対するのは不当だと述べました。
 隣国からの要請に対するベラルーシからの回答がこれです。

2023年8月29日。ウクライナ侵攻から553日目

2023-08-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年8月29日。

 ワグネルのリーダー、故プリゴジン氏は2002年に自分の子供2人とともに、児童書を出版していました。タイトルの「インドラグジク」は物語に登場する小人のことだそうです。
 プリゴジン氏が死亡したことで、この本への注目が一気に高まり、フリーマーケットサイトでは、一時450万ルーブル、約680万円もの高値を付けました。
 この本は1000部しか発行されておらず、ロシアの美術館や博物館の館長や有力政治家らに配られたそうで、一般販売はごく一部だったという幻の本。

 画像を見ましたたが、実際にはプリゴジン氏ではなく娘と息子であるポリーナとパーシャの共著になっていました。調べたらポリーナは1992年生まれで絵本を出版したときは10歳。パーシャは1998年生まれで4歳のときに児童書の著者になったということです。実際には4歳の子どもが児童書の執筆者になったとは考えにくいですね。
 パーシャはワグネルのメンバーだそうですが、こんな形で父親が亡くなり、今どのような心境でいるのか、そしてワグネル内での立ち位置はどうなっているのかと思いました。

 

2023年8月28日。ウクライナ侵攻から554日目

2023-08-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年8月28日。

 ポーランドとバルト3国の内務相らは今日、ベラルーシに拠点を移したワグネルへの対応を協議し、
「ワグネルが直ちにベラルーシから退去するほか、不法移民が直ちに国境地帯から立ち去るよう、ベラルーシ当局に要請する」
としました。対ベラルーシ国境で「重大事件」が発生すれば直ちに国境を全面閉鎖するそうです。
 ワグネルのリーダー、プリゴジン氏が死亡したため、ベラルーシを拠点として留まっているワグネル戦闘員が今後どのように動くのか非常に警戒しています。
 ただ残されたワグネル戦闘員が、ウクライナとは逆方向のポーランドやリトアニア、ラトビアへ移動するとはあまり考えられません。
 ちなみにバルト三国のうちエストニアはベラルーシと国境を接していません。
 

2023年8月27日。ウクライナ侵攻から551日目

2023-08-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
2023年8月27日。

 DNA鑑定を行ったところ、ワグネル・グループの創設者であるエフゲニー・プリゴジンの死亡が確認されたことをロシアの連邦捜査委員会の報道官がSNSにて明らかにしました。
 これより先にロシア政府はプリゴジン氏の死亡につい発表していましたが、何をそんなに慌てていたのでしょうか。

2023年8月25日。ウクライナ侵攻から549日目

2023-08-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年8月25日。

 ベラルーシ大統領は今日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏に対し、搭乗機の墜落に先立ち「気を付けろ」と警告していたと明らかにしました。
 墜落事故が起きてから、警告してたのに、と発表したということです。
 ただしこの会話が実際に行われた時期は名言していません。

 墜落へのプーチン氏の関与(暗殺)については、「プーチン氏がやったとは想像できない。あまりに雑でプロの仕事ではない」と否定的見方を示しました。 
 さらに「ワグネル(の戦闘員たち)は生き延び、今も生きており、誰が望もうが望むまいがベラルーシで暮らす」とし、「私たちはプリゴジンと共に、ワグネルがここでどのように機能するかに関するシステムを作った」と主張しました。
 指導者がいなくなったワグネルがどうなるのか。特にベラルーシ国内に駐留している戦闘員たちの今後がどうなるのかベラルーシの人たちは心配しています。

 ベラルーシ大統領は、西側メディアが報道したワグネルの戦闘員たちによるキャンプのテント撤去写真についても説明しました。
「ある人は休暇を取り、ある人は郊外に住むことにした。テントはそれほど多く必要ではない」とし、「しかし私たちは彼らの電話番号と住所を知っている。グループの核心はここに残っている」と強調しています。
 また「必要ならば数日間最大1万人の人々がここに留まるだろう」とし「私たちがこの軍隊を必要とする限り、彼らは私たちと共に暮らし働く」と述べました。さらに、「ベラルーシの軍人はワグネルの戦闘員たち、特に特殊部隊の戦闘員たちの経験を積極的に吸収している」そうです。
 特に決定した方針を変更するつもりはない姿勢を明確に打ち出しました。

 23日にプリゴジン氏が乗ったとされる飛行機が墜落した2日後の25日、ロシア大統領は非正規軍を含めすべての軍事任務を遂行する人々にロシア連邦に対する忠誠を誓うことを義務付ける大統領令に署名しました。事実上、ワグネルを直接管轄権に置くための措置とみられます。

 ベラルーシと直接国境を接しているNATO東部戦線のポーランドとリトアニアには緊張状態にあります。
 24日、ポーランド首相はワルシャワで開かれた記者会見で、プリゴジン氏の死亡について「ワグネルの監督権はプーチン大統領に直接渡された」と警告しました。
「ロシアとベラルーシと国境を接する国々を不安定にしようとする挑発、脅迫など多様な種類の攻撃道具として、ワグネルが以前より多くあるいは以前と同じ程度に使われるだろう」という見通しを述べました。

 リトアニア大統領も「私たちはプリゴジンの死が私たちをさらに落ち着かせたり、安保状況を改善させると考えてはならない」と述べました。

 ロシアではプリコジン氏の死を悼む人々が献花するなどしています。
 一定の支持層がロシアの中にいるわけですね。
 日本人の感覚からすると、ワグネル創立者の死を残念がるロシア人は変だと思うかもしれません。しかし、歯に衣着せぬ物言いに好感を持っていたロシア人も少なからずいたということでしょう。
 それは自分たちが言いたいこともなかなか言えなくなってしまった、このロシア社会でそれをしていたプリゴジン氏への羨望や尊敬の気持ちかもしれません。つまりはロシア社会が閉塞してしまっていることの表れなのかもしれません。

2023年8月23日。ウクライナ侵攻から547日目

2023-08-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年8月23日。

 ワグネル・グループのリーダー二人、エフゲニー・プリゴジンとドミトリー・ウトキンが搭乗シたと見られるモスクワ発サンクトペテルブルク行きとみられる自家用機エンブラエル・レガシー600が墜落しました。

 当然のことながら、暗殺説が出ています。
 プリコジン氏、本当に死亡したのでしょうか。何だか信じられないです。
 命を付け狙われていると分かっている人が、飛行機に乗るとき用心深く飛行機中チェックすると思うんですが。
 ある日突然、ひょっこり姿を現しても私は驚かないですね。


2023年8月22日。ウクライナ侵攻から546日目

2023-08-22 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年8月22日。

 日本からベラルーシへ戻り、出勤したらすぐ館長から、「私は決して過激な思想やプロパガンダを発信しているサイトなどに触れません。」と宣言する書類に署名させられました。
 職員全員です。もちろん拒否した人はいませんでした。

 SNSだけではなく書籍など紙媒体のものも含まれていると思います。
 はっきり言って、こういうふうに一筆書かすの、あまり意味がないです。
 というのも、ベラルーシでは政府がいわゆる禁書を指定しており、それを読むのはとっくにできなくなっているのです。
(とはいうものの、禁書指定される前に売られていて、それを買ったから家に置いてあって、それを自宅で一人読んだというのは取り締まれないです。ただし、「この本読んだよ、おもしろかったよ、みんなにもおすすめします」とレビューをネット上に書くとだめですね。)

 政府がいうところの過激な思想やプロパガンダを発信しているサイトなどですが、これもとっくに政府が過激派認定して、ベラルーシ国内でアクセスできないようブロックをかけているのです。
 なので、署名しろとか誓えとか言われる前に、そんなサイト、ネット上で閲覧できないように政府が対策しているんですけど・・・と私は思いました。
 ちなみにこのベラルーシ政府が言っている過激派というのは、ベラルーシの国家転覆を狙っているテロリスト集団やそれに類似した言動をしている人たちのことです。

 もちろん、知識のある人はブロックをかいくぐって禁止されているサイトにアクセスしているのでしょう。でも私はそんな知識も技術もないし、そこまでして過激派思想に触れたいと全然思わないです。
 

2023年8月21日。ウクライナ侵攻から545日目

2023-08-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年8月21日。
 
 在ベラルーシ米国大使館は、アメリカ市民に対して、即座にベラルーシを退避すべきとの警告を出しました。
 リトアニア政府が8月18日、ベラルーシとの2つの国境検問所を閉鎖したことが理由だそうです。まだ4箇所の検問所が開いているのですが。
 リトアニアとラトビアとの残りの国境検問所を経由するか、飛行機で発つことを検討するようベラルーシ在住のアメリカ人に呼びかけています。
 リトアニア・ラトビア・ポーランドの政府は、ベラルーシとの国境検問所をさらに閉鎖する可能性があるとしています。
 さらにアメリカ国民はベラルーシから陸路でポーランドに入国することは許可されておらず、ロシアやウクライナには渡航しないよう警告しています。

 現時点ではラトビアとは2カ所の検問所が開いています。

 今日、リトアニア政府は、ベラルーシに渡航しないように、自国民に強く勧告しました。ベラルーシ滞在のリトアニア人には、既に退避勧告が出ています。
 しかし、ベラルーシ政府側はリトアニア・ラトビア・ポーランドの3国からベラルーシへは、90日間以内のビザ無し入国を認めており、逆にどんどんベラルーシへ入国するよう宣伝しています。時折、国営ニュースで、今月はこんなに多くの隣国人がベラルーシに入国した。ベラルーシ国境近くの商店で食料品を買い込んでいる、一番人気なのは塩。隣国ではそんなに塩が高いらしい。物価の安いベラルーシへ買い出ししている。・・・などと報道しています。
 塩のような生活必需品が高いからわざわざ大勢の人がベラルーシへ買いに越境してくるなんて、その国の経済はどれだけ混乱しているのか? それに引き換えベラルーシ経済は安定していますよね、と言いたいわけです。

 しかし最近、ベラルーシに滞在、あるいは入国しているリトアニア人に対して、ベラルーシ当局による「攻撃的、かつ挑発的な行動」が増えているとシェンゲンビザ・ニュースが伝えました。
 例えば、リトアニア国民は捏造された罪状によって不法勾留される危険性がある。
 国境検問所で、当局への協力を強制する脅迫や、心理的な圧力などを含む尋問を受けている。
 リトアニア内務省によると「国境での尋問中、スマート・デバイスが旅行者から奪われる。電話、コンピューター、連絡先、通信、その他の情報がチェックされ、それらは後に旅行者に対してだけでなく、旅行者の家族、親戚、知人に対しても使用される可能性がある」だそうです。

 戦争中なので外国人へのチェックが厳しくなっているのは当然でしょう。しかし、ベラルーシは入国するのは大歓迎なのです。ベラルーシ国営ニュースが言いたいことと、シェンゲンビザ・ニュースが主張したいこと、この両方を客観的に理解して判断しなくてはいけません。

2023年8月16日。ウクライナ侵攻から540日目

2023-08-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年8月16日。

 ベラルーシにある日本大使館から在留邦人に一斉メールが届きました。
「ロシアによるウクライナ侵略の影響は、今後も先行きが不透明ですので、ベラルーシに滞在中の邦人の皆様におかれましては、必要かつ急を要する用務等がない場合には、航空便や陸路による至急の出国を検討されるよう改めてお願いいたします。」

 こういうメールがときどき届きます。それで、この陸路による出国を勧めているものの、今日は以下のようなニュースがあったので、やっぱり陸路の出国に注意してくださいとベラルーシ在留邦人に言いたいようです。

「リトアニア内務省の発表によれば、リトアニアとベラルーシの間にある6つの国境検問所のうち、Sumskas国境検問所(ベラルーシ側:Лоша(ロシャ))とTverecius国境検問所(ベラルーシ側:Видзы(ヴィズィ))の2つの検問所で、業務を一時的に停止するとのことですので、陸路での出国を検討されている場合は、ご注意下さい。」

 今日は私は大文字焼きを見ていました。翌日17日はベラルーシへ戻ります。私には必要とする用務がベラルーシにあるからです。
 
 
 今日付の北海道ニュースにロシア特派員の記事が載っていました。それによると
「軍事侵攻前の2021年はロシアに2200人の日本人がいましたが、2022年は1320人。今では900人で、2年前の半分以下です」(日本政府関係者)
・・・だそうです。
 ベラルーシに住んでいる日本人は100人を越えたことがなく(80人に達したこともないはず。日本人会もありません。作ろうという声すら上がらない。)今は何人ぐらい住んでいるのか私にはよく分かりません。
 ロシアは大きい国なので、あちこちの地域に住んでいる人を全部合わせると900人もいるんですね。コロナが始まる前の2019年はもっと大勢の日本人がいたのでしょう。

 他にもこの記事によると・・・
 日本は「非友好国」に指定され、両国間の関係も悪化。日本企業の撤退も相次いでいる。
 経済制裁に加え、国際送金が困難になったのも理由の一つ。日本で作ったクレジットカードが使えなくなった。
 日本人コミュニティーの象徴とも言えるモスクワ日本人学校も小さくなる一方。
 モスクワ日本人学校の生徒数は侵攻前の112人から8割減少し、いまや27人。校長と教頭をのぞき、日本から派遣されていた13人の教員はロシアの侵攻直後から全員退避していて、教室に先生がいない。教員が日本からオンラインで指導している。
 50の国や地域に90校展開している文科省認定の日本人学校の中で、レベル3(渡航中止勧告)の都市はモスクワだけ。

(ベラルーシには日本人学校はありません。日本語補習授業校すらなし。ウクライナにはあったんですが。コロナの影響で2021年から休校中。)

 日本の文科相は「渡航をやめるよう勧めている場所に教員は派遣できません」
 そりゃそうですね。

 学費で運営しているため、生徒が減ったことで、2023年度予算は2000万円の赤字。このままだとモスクワ日本人学校の運営は立ち行かなくなるそうです。
 日本人の子どもが義務教育を受ける機会がなくなってしまいます。それでいいのでしょうか?
 もっとも日本人学校がない国や地域に住む日本人の子どもも世の中たくさんあります。ベラルーシもそうですが。
 現地の子どもに混じって現地の学校に行くしかないでしょう。
 お金があればインターナショナルスクールに通うこともできますが、ロシアの場合、これも休校していそうですね。

2023年8月14日。ウクライナ侵攻から538日目

2023-08-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年8月14日。

 ポーランドでは、毎年恒例の「国軍の日」軍事パレードが8月15日に行われます。
 前日の今日、ポーランド内務省は、ロシア人スパイ2人を拘束したと発表しました。2人は公共の場所でURLが印刷されたビラ300枚を配布しましたが、それにアクセスすると、ワグネルの勧誘するサイトにつながったそうです。
 他にもワグネル・グループを支持する3000点以上のプロパガンダのグッズなどを所持しており、それはモスクワで受け取ったものだとしています。
 ポーランドの国軍の日という軍の祝日の前に、ワグネル勧誘のビラを配るよう命令を受けたのでしょう。
 ポーランドでワグネルに入りましょうと勧誘して、どれぐらいの効果があるのか・・・。


ロシア語訳作品集「二十四の瞳」を小豆島の壺井栄文学館に寄贈しました 5

2023-08-04 |   壺井栄
 画像は二十四の瞳映画村内にある銅像「せんせいあそぼ」です。
 他にもロケに使われた学校校舎など施設がたくさんあります。映画の世界が満喫できます。
 うどん屋さんもあって、大石先生と12人の子どもたちの気持ちになっていただきました。(作中のうどんはもっと素朴なものだったと思いますが。)
 お土産物屋では「まつりご」でトシと仙吉が遊んでいた紙風船を買いました。

 「二十四の瞳」を知らなくても楽しめますというのが二十四の瞳映画村の宣伝になっているようですが、映画村のほうが最初のきっかけで、その後壺井栄の本を読むことにした人も大勢いると思うんですよね。
 このような場を心を込めて創っている小豆島の方々のパワーには圧倒されました。
 去りがたかったです。でもロシア語版「二十四の瞳」を寄贈できてよかったです。聖地に大事な物をお供えしてきたような気持ちになりました。
 

 
 

ロシア語訳作品集「二十四の瞳」を小豆島の壺井栄文学館に寄贈しました 4

2023-08-04 |   壺井栄
 二十四の瞳映画村内にはブックカフェ書肆海風堂があります。
 そこでちゃんとロシア語訳「二十四の瞳」が読めるのです。 
 2021年に仙台で出版されたロシア語訳「二十四の瞳」(以下、仙台版と表記します。)がスタッフの皆さんのお計らいで目立つところに飾られていました。
 翻訳者の二人もとても喜んで本と記念撮影しましたよ。
 やはり出版した本が寄贈先でちゃんと保管、閲覧できるようになっているのを知るのは翻訳者として本当に嬉しいことです。
 今回寄贈したミンスク版のうち1冊はこのブックカフェ用の控えになると思います。

 仙台版を自らの手で製本してくださった赤間悟さんは昨年亡くなられ(奇しくもチェルノブイリ原発事故が起きた日付と同じ日)ミンスク版の完成をお見せすることができず残念でした。
 小豆島へもいっしょに行きたかったです。
 聴覚障碍を乗り越え、文学を愛し、長年製本業に携わってきた赤間悟さんが人生最後に手掛けた本が壺井栄「二十四の瞳」のロシア語訳になりました。
 小豆島のブックカフェで本好きの人に仙台版を手にとってもらえたらと願っています。

 書肆海風道には他にもいろんな国の言語に翻訳された「二十四の瞳」が読めます。
 ロシア語で読む人はたくさん小豆島に来ると思えないのですが、多くの言語に翻訳されていること自体が壺井栄文学が世界に広がり、人種を超えて共感を得ていることの現れだと考えています。

 二十四の瞳映画村の公式サイトで、見学に必要な所有時間は約60分とあるのを以前見ていた私は、実際にここへ来てびっくりしました。60分なんてまちがいですよ。
 私だったらこのブックカフェだけで少なくとも半日はいたいのに。
 

ロシア語訳作品集「二十四の瞳」を小豆島の壺井栄文学館に寄贈しました 3

2023-08-04 |   壺井栄
 ベラルーシからロシア語訳「二十四の瞳」を寄贈しただけではなく、壺井栄文学館からミンスク市立中央児童図書館に「二十四の瞳」(講談社の青い鳥文庫版)と短編集「柿の木のある家」(偕成社刊)を正式に寄贈していただきました。ベラルーシの図書館側に提出する書類も作成していただいて、本当にありがたかったです。
(日本文化情報センターは2022年9月にミンスク市立中央児童図書館に移転しました。)
 この画像は大石館長からお受け取りした際の記念撮影です。後ろに壺井栄さんの写真が写っていて、微笑んでくれているみたいで嬉しいです。
 
 その後、館内を案内していただきました。壺井栄さんの写真もたくさん飾られていて感激。
 前々から見たかったのは直筆原稿です。想像通りきれいで読みやすい筆跡でした。

 今回の翻訳プロジェクトで壺井栄の人生についてベラルーシ人に紹介しないといけないので当然いろいろ調べたのですが、私がベラルーシ国内の寄贈式でよく話すエピソードが筆跡のことなのです。
 壺井栄の人生ですが、子沢山の家庭に生まれ、7歳のときに家業が傾き子守の仕事をさせられ、学校の先生になるのが夢だったのに中学2年生以降は進級できず、船での運搬業をしていた父親の手伝いをさせられ、病気になる・・・と私がベラルーシ人に話すと、みんな同情の目つきになってしまいます。
 壺井栄も、私って運が悪いと思っていただろうなと想像します。
 家は貧乏、親は助けてくれないどころか足を引っ張る、健康は損ねた、高い学歴はない、特別美人じゃない・・・というどん底な状況だったのに、
「いや、私の字はきれいなんだ。こんな私にも一つは特技があった。」
と思いついて、きれいに字を書いた紙を郵便局長に見せて直談判、郵便局に就職することができました。
 というエピソードをベラルーシの中高生に話すと、はっと目を上げる子が毎回数人は出てくるんですよ。
 なのでこの話を寄贈式のときいつも話していたのですが、今回、直筆原稿が見られてよかったです。小豆島で本物をしっかり見てきたとベラルーシ人に話せます。
 

ロシア語訳作品集「二十四の瞳」を小豆島の壺井栄文学館に寄贈しました 2

2023-08-04 |   壺井栄
 ミンスク版2冊を二十四の瞳映画村の有本裕幸専務理事と壺井栄文学館の大石雅章館長に寄贈しました。
 画像は記念撮影したときのものです。
 私が邪魔になって壺井栄さんの写真が見えておらず申し訳ないです。 
 皆様、壺井栄文学館のHP
をご覧ください。

 両端に写っているのは、壺井栄の短編作品「坂道」と「妙貞さんのハギの花」を翻訳したアーラ・ラゼルコさんと「ともしび」の一部を翻訳担当した辰巳結重さんです。
 翻訳には25人のベラルーシ人が参加しましたが、その代表としてこの二人も今回小豆島に来ることができ、本当によかったです。

 
 

ロシア語訳作品集「二十四の瞳」を小豆島の壺井栄文学館に寄贈しました 1

2023-08-04 |   壺井栄
 8月5日は壺井栄のお誕生日です。この日に小豆島にある壺井栄文学館に、ミンスクで出版したロシア語訳作品集「二十四の瞳」(以下「ミンスク版」と表記します)を寄贈したいと計画していたのですが、私の事情で前日の4日になりました。でもお誕生日には遅れなかったから良かったと思っています。

 やっと念願が叶って小豆島へ行くことができましたよ・・・。
 出版費用を出してくださったチロ基金支援者の皆様とのお約束もようやく果たせました。壺井栄文学館の方々にも直接お礼が言えました。

 これまで長い道のりでした。しかし瀬戸内海の青い海、小豆島の上に広がる空を見たとたん、今までの苦労も消えました。
 このブログ上で数回に分けてご報告しますね。

 この画像は、渡し船から見た二十四の瞳映画村の入り口です。小豆島は想像以上に海岸線が入り組んでいて、まっすぐ渡し船で海を渡るほうが早いのです。しかも船着き場が二十四の瞳映画村の入り口の真ん前でとても便利。この映画村内に壺井栄文学館があります。
 「二十四の瞳」で大石先生が息子が漕ぐ船に乗って学校へ出勤する気持ちや、自転車で岬の学校へ通うときの気持ちがよく分かりました。