ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第144回」おまけ画像

2013-02-12 |   ビタペクト配布活動
 雪でまっ白のSOS子ども村です。
 そりすべりをしてみんな寒くても元気に遊んでいます。(^^)

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第144回」

2013-02-12 |   ビタペクト配布活動
 2月11日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第144回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト3を12個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は1993個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1830部となりました。
 今回で通算156回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、1993人の子どもにビタペクトを、1830家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80



 今回はゴメリ州ベトカ(チェルノブイリ原発から約150キロ)から家庭タイプ孤児院の一家が保養滞在に来ていました。この家族を引率していたのはお母さん、そしてその長女です。さらに長女の実子(孫)と12人の里子が来ていました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時25歳)45ベクレル
長女(事故発生時4歳) 35ベクレル
孫 (13歳)     32ベクレル ○
孫  (7歳)     32ベクレル ○
男子(17歳)     13ベクレル
女子(14歳)     38ベクレル ○
女子(13歳)     28ベクレル ○
女子(13歳)     37ベクレル ○
女子(13歳)     23ベクレル ○
女子(12歳)     29ベクレル ○
男子(11歳)     28ベクレル ○
女子(11歳)     32ベクレル ○ 
女子(10歳)     31ベクレル ○
男子(10歳)      0ベクレル
男子 (8歳)     30ベクレル ○
女子 (6歳)     27ベクレル ○

 大きい一軒家に12人の里子と長女一家4人も同居しているそうです。ほぼ毎年新しい里子がやってきて、「卒業」した里子ももう7人いるそうです。17歳の男の子もこの夏卒業の予定で、自立することになります。 

 お母さんに子ども達の健康状態についてお聞きしました。
 8歳の男の子以外みんな元気だそうです。この男の子は生まれつき、神経に障害があり、かかとをつけて歩くことができません。足のつま先で歩いていますが、エックス脚のように両足がなっていて、走ることはできないそうです。3週間前に孤児院からこの家族に引き取られたばかりで、それまで治療らしいものは受けていなかったようです。
 引き取られたばかりですぐに保養にやってきたので、帰宅したらリハビリなどこの男の子の治療について考えてみる、とお母さんは話していました。

 長女は健康、と言っていましたが、季節の変わり目になると原因不明のアレルギー症状が顔に出るそうで、実際炎症を起こしたニキビのようなものが顔にできていました。
 一度病院で調べるほうがいいとSOS子ども村のリリヤ先生は話していました。

 ベトカはチェルノブイリ原発事故発生時、風下に当たり、5年前まで汚染地域に指定されていました。
 当時お母さんは第2子を妊娠中だったそうで、事故が起きたときいたとき、大変不安に思ったそうです。
 そのため当時4歳の長女を連れてブレスト州へ一ヶ月避難していました。その後帰宅し、無事に出産。
 本人も第2子にも特に健康障害はありません。

 現在ベトカは汚染地域ではなくなったこともあり、自主的に避難していた人で戻ってきた人もいるそうです。
 ベトカの住民は保健所でWBC検査を1年に1回受けています。しかし検査結果は数値は知らされず「大丈夫です。」の一言を言われるだけだそうです。
 今回具体的な数値をベルラド研究所で教えてもらい、「とてもよかった。」と話していました。
 おそらく保健所での検査では大丈夫、と言う基準が体重1キロ当たり100ベクレルなどに設定されているのだろうな、と思いました。
 ベルラド研究所やSOS子ども村の見解では子どもの場合は20ベクレルですよ、と話したら、お母さんは驚いていました。

 この一家ではキノコなどは食べる前にきれいに水で洗ったり、水につけたりしている、ということでした。
 他にも自主的にキノコや飼っているブタの豚肉など保健所で検査している家庭もあるそうです。保健所での食品の検査は無料だそうです。
 
 それにしても「同じ物を食べているのに、0ベクレルの子が1人いるのはどうして?」とお母さんは不思議がっていました。
 リリヤ先生によると「体質がちがうから。」ということでしが、じゃあ体質が違うってどこがどうちがうの? と質問すると
「もともと肝臓や腎臓、腸の働きがいい人は、体内の毒素を外に出す力が強く、放射能だけではなくそれ以外の体に悪い物質も体外によく出しているからです。」
という答えでした。
 つまり内部被ばく強い体質の人、とは肝臓、腎臓、腸の働きが強い体質の人、ということですね。
 と言うことは肝臓や腎臓の働きをよくすることが大切なのか、と気づかされました。
 
 画像は記念撮影のようすです。子どもたちに折り鶴や折鶴の作り方を説明した紙(千羽鶴プロジェクト)、折り紙用の紙、お母さんにはアクリルたわし、それから古い着物をほどいて巾着袋にして寄贈してくださった方がいたのでプレゼントしました。
 それから日本の絵葉書の裏に子どもたちの名前を書いて渡しました。興味津々で、筆文字のことを「美しい!」と感想を言っていました。
 そして雪がいっぱい降ったベラルーシ。冬の遊びを満喫している子ども達のようすも写真に撮りましたので、次の投稿をご覧ください。

 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書、アクリルたわしや巾着袋など手作りプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。 
 

中国の大気汚染と放射能

2013-02-05 | 放射能関連情報
 今中国の大気汚染が西日本に到達し、微粒子状の物質が各地で増えてきているそうですね。
 研究されたことがないので、確証はありませんが、この微粒子が日本の大気中で放射性物質と結合し、さらに呼吸を通じて体内に入ると、非常に健康に悪い物質になると予想されます。
 どうか西日本の皆さん、気をつけてください。
 とは言うものの、西日本は放射能汚染されていないから大丈夫、と思っている人のほうが多いと思います。
 しかし西日本で放射能汚染されている可能性のあるガレキを焼却処分していますから、油断は禁物だと思います。
 念のため、外出はできるだけ控えるなど、体に悪いものを吸い込まない対策をとってください。


ベラルーシのコーヒー自動販売機 2

2013-02-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 繰り返しになりますが、私は50円のココア代が惜しくて、こういうことをした、というより、お釣りを出す機能もないベラルーシの自動販売機がトラブルを起こした場合、どうなるのか?がとても気になっていたのです。
 こういう事例からベラルーシ社会の姿が垣間見えると思いますので、ご紹介します。

 ベラルーシ共和国税務省内自動販売機システム課に送ったメールの返事が、自販機を設置しているユル・アン・グループ社長から、私の元へ届きました。
 それに対し、私から返事を書いて社長に送り、さらにお礼の言葉も添えてベラルーシ共和国税務省内自動販売機システム課にも転送しておきました。
 さて、社長の言い分はこのようになっています。<>内の言葉は私からの追加説明です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 件名 5000ルーブル返金の件 <この5000ルーブルの部分が大文字になっていました。日本で言うと倍角文字になっている感覚です。>

 1月23日午後8時ごろ、お電話いただいたときには、電話料金としてココア代を返すことを約束し、これで解決したと思っていました。
 ところがその日の夜遅く午後10時に<私の夫が電話したのは午後9時半です。>あなたのご主人が電話をしてきて、こんな金額<この金額、という部分が倍角文字になっていました。>を翌日返金する要求しました。
 それで5000ルーブルという金額でもないと非常に困るお宅なのだと理解しました。このような悲劇的な状況を作り、申し訳ありません。<ていねいに謝っていますが、もちろん嫌味です。>
 その夜は眠れませんでした。夜遅く電話をしてきて、しかもご主人の口調はやさしげだったからです。<これも嫌味です。> 
 5000ルーブルがないことにより、さらなる悲劇が起こるのではないかと心配になり、翌日私は時間がたっぷりあったので<これも嫌味です。>自ら銀行の窓口に立ち、携帯電話の番号に5000ルーブルを電話料金として入金しました。
 このことを連絡しなくてすみません。
 設置している自販機はイタリア製です。「nestalo kofe」はイタリア語です。今後ロシア語に変更します。
 Tさんは自動販売機システム課へのメールに「5000ルーブルは大きな金額ではありませんが・・・」と書いていましたが、これを読んで<ここに笑い顔の顔文字が3つありました。>腹の皮がよじれました。
 また「私のほかにもこの自販機でコーヒーを買おうとお金を投入した人もいると思います。このようにしてお金を集めているのでしょうか。」とも書いていましたね。確かにこの国(ベラルーシ)では詐欺師がたくさんいますよ。でもこんなわずかな金額をだましとろうとする者はいません。
 それから「陳情書を書こうと思ったのですが、企業名が分かりません。」とも書いていましたが、私はベラルーシの法律にのっとり、へんんきんを迫る<この迫る、の部分が倍角文字になっていました。>ご主人にわが社の事務所へ来て申請書を作成するよう提案しました。
 しかしご主人は断った。それでも私はあなたの言葉のみを信じて、返金したのですよ。
 敬具
 いつでもお電話ください。
 ユル・アン <社長の本名をここで公開しても意味がないですし伏せておきます。>

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 このメールの文章を読んで皆さんはどう思いますか?
 私はやはり日本語でもロシア語でもやっぱり文章に人柄が出ると思いました。
 社長という肩書きの人が、こんな嫌味だらけの、倍角文字をはさみこんだ文章を顧客にメールで出すわけですよ。
 ベラルーシ人の社長が全員こんな人だとは思わないでくださいね。
 でもこんな人もいると、勉強になりました。

 ちょっと調べたのですが、ユル・アン・グループのHPを見ると、自動車関連の企業で、自動車用の窓の日よけや、洗車をしている会社で、自販機のことはHPのどこにも載っていません。
 自動車関連のほうがおそらく儲かっていて、自販機部門はおまけの部門扱いなのかもしれません。
 しかし行列作ってコーヒーを買っているわけでもなし、コーヒーの自販機をイタリアから輸入して、場所代も払って、1杯70円や40円のコーヒーを売って利益があるのかなあ、と思いました。

 私の娘が新体操を練習している施設にはもう一つコーヒーの自販機がありますが、これは別の企業が設置したものです。売っている商品は似たようなもので、値段は微妙に違います。
 この自販機のほうも表示が(たぶん)イタリア語です。
 外国から輸入した自販機の液晶表示部分はロシア語に訳しなさい、という規則はベラルーシにはないみたいですね。
 でもイタリア語が分かるベラルーシ人なんて少ないと思いますよ。

 さて、社長はこのメールを私に送った後、返金したという証拠を自動販売機システム課担当者に求められ、電話料金として入金したときのレシートの画像を私と自動販売機システム課担当者に送信しました。
 そもそも私はメールを自動販売機システム課に送ったのですが、その担当者からも31日私に直接メールが来ました。
 とても簡単に「拝啓 T様。この自動販売機を設置したのはユル・アン・グループという企業です。レシートの画像を転送します。」とレシートの画像がこちらからも送られてきました。
 画像で見るとかなりしわがよっていますが、レシート、捨ててなくてよかったね、社長。
 この画像では私の電話番号など個人情報にかかわることが記載されていますので、一部加工してあります。

 こんなに早く事態が収束するとは思ってもいませんでした。しかしこれまた私の予想ですが、担当者から電話がかかってきて、まさか税務省に5000ルーブルぽっちのことで、ロシア語もへたくそな外人が訴えてくるとは思っていなかった社長は、すごくあわてたと思います。
 電話口で「頭のおかしい夫の異常さ」を言い募り「お金はとっくに返した!」などと弁明したと思います。
 その怒り矛先がこっちにきて、あのような嫌味文章になったのだと思いますが、この社長の浅はかなところは、私に直接メールをしたら、それをまた私が税務省に転送する可能性があることを、考えていないことです。
 考えていたら、もう少し別な文章を書いていたでしょう。

 さて、私が社長へ出した返信をご紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<前略>

 私の主人が午後10時に電話してきた、とありますが、お電話したのは午後9時半です。そのとき「水曜日までに返金してほしい場合はうちの会社の事務所に来て、申請書類を作成し、サインをして経理に提出してください。」と言いましたね。その後話がまだ終わらないのに主人が消費者の権利を守る協会のことを言い出したとたん、そちらが一方的に電話を切りましたね。
 私は御社へは行きませんでしたし、当然申請書も書いていませんから、30日に返金されると思っていました。
 24日に申請書も出していないのに、返金していたこと、どうして連絡してくれなかったのでしょう。連絡さえしてくれていれば、30日に税務省にメールを送ることもなかったでしょう。

 設置している自販機はイタリア製で表示はロシア語に変更されるそうですが、ぜひお願いします。私たちはイタリアに住んでいるのではありませんから。<これは私からの嫌味です。>
 
 「Tさんは自動販売機システム課へのメールに「5000ルーブルは大きな金額ではありませんが・・・』と書いていましたが、これを読んで<ここに笑い顔の顔文字が3つありました。>腹の皮がよじれました。」そうですが、問題は金額のことではありません。
 社長がご自分で選んだ自分の仕事についてどのような態度を取るのかそれが知りたかったのです。返金の額ではなく、このような事態になったとき、ベラルーシではどのようになるのかのほうに興味があったまでです。
 おかげで貴重なベラルーシの社会勉強をさせていただきました。今回の事例は日本人にもお知らせしたいので、私のブログでご紹介させていただきます。

 また「確かにこの国では詐欺師がたくさんいますよ。でもこんなわずかな金額をだましとろうとする者はいません。」と書いておられましたが、日本には、塵もつもれば山となる、ということわざがあります。
 ともかく、このメールは礼状として自動販売機システム課にも転送しておきます。

 「しかしご主人は断った。それでも私はあなたの言葉のみを信じて、返金したのですよ。」とありますが、私の言葉を信じてくださってありがとうございます。
 私の夫はベラルーシ人で私たちはベラルーシに住んでいます。夫はベラルーシはいい国で、ここで働いている人はみな誠実な人ばかりなのだ、ということを外国人である私に見せたかっただけのことと思っています。

 いつでもお電話ください、とのことですが、逆に御社の自販機が空港のような24時間購入できるような場所に設置されていないことを祈ります。真夜中に苦情の電話がかかってきて、起こされては困りますからね。<はい、これも私からの嫌味です。>
 御社のご成功とさらなるご繁栄をお祈りしております。敬具

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 ここで日本人向けの注意点です。
 ベラルーシのコーヒー自販機に示されているお客様苦情受付用の電話番号は、社長の携帯電話番号だったりするので、24時間コーヒーが購入できるとしてもトラブルが夜中に起こった場合、電話をしても社長が就寝中だと、苦情に対応してくれないし、もともと携帯の電源が切られている可能性があります。

 まとめて言えば、日本人の短期滞在者(旅行で来た人)がベラルーシのコーヒーの自動販売機で商品を購入するときは、トラブルが起きても、返金される可能性は少ない、ということです。
 返金してもらうには、①トラブル発生時、苦情受付の電話に誰かが出てくれる。
②ロシア語で事情を説明できる 
③1週間ぐらい待たされても平気である。
④ベラルーシルーブルでの返金を受け付けられる携帯電話に加入している。
⑤あるいは自販機設置企業に赴き、ロシア語で返金を要求する申請書を作成できる能力がある。
 ・・・などの条件がないとお金は返ってきません。

 (ベラルーシ国内にベラルーシ人の友達がいれば、その人の携帯電話代として返金してもらい、友だちからその金額をもらう、という方法でお金が返ってきますけどね。)

 普通の日本人なら「そこまでしなくても、50円ぐらいいいや。」になって終わり、でしょう。
 そして「ベラルーシの自販機ってさー最悪。お金入れても商品が出てこないんだよな。」という旅の思い出、そしてベラルーシのマイナスな印象が出来上がっていくわけですよ。

 なので、自販機は言葉ができなくても購入できると言う面では外国人には大変便利なものですが、トラブルが起きたときのことを考えると、少々高くても、カフェなどの対面販売をしている場所でコーヒーを買うほうが確実です。
 「コーヒーください。」ぐらいなら、ロシア語をちょっと勉強すればできるし、英語で注文しても、それぐらいベラルーシ人に通じますよ。それに紙コップのコーヒーなんてベラルーシではただのインスタントなので、味にこだわりのある人からすればまずいと思います。

 そういう私は自販機でココアを買うのはやめした。この一件依頼、水筒を持参しています。
 前から5分ぐらいで飲み終わってしまう飲み物のために、出てきてはすぐ捨てられる紙コップのことが、「あっと言う間にゴミになってしまう。環境問題として考えると、もったいない・・・。」と思ってはいたのです。
 でもこれを機会にユル・アン・グループのでなくても自販機を利用するのはやめました。

 以上、ベラルーシの自販機についてご紹介しました。(自販機を通してベラルーシ社会が垣間見えましたか? 個人的には例の社長の下で働いている従業員に同情します。)
 トラブルが起きなければそれでいいのですが、日本人の皆さんは気をつけてくださいね。


ベラルーシのコーヒー自動販売機 1

2013-02-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 日本ではいたるところに設置されている自動販売機。しかしベラルーシではまだとても少ないです。日本人が慣れ親しんでいる缶入りの飲料が出てくる自動販売機はまだありません。(私が知っている限り)
 そんな中でベラルーシで最も多いのがコーヒーの自動販売機です。と言っても缶コーヒーが出てくるタイプではなく、紙コップに入って出てくるタイプです。
 さて、このベラルーシの自動販売機で、貴重な経験ができましたので、ここでお知らせします。

 まずベラルーシの自動販売機の注意点ですが、何と言っても「お釣りが出ない」ことに気をつけてください。商品の金額より多いお金を入れても、お釣りは出ません。
 さらに「(今のところ)ベラルーシには紙幣しかなく、硬貨はない」ことも注意点の一つでしょうか。
 また「使用できる紙幣が限られているので注意」してください。使える紙幣についてはロシア語と数字で自販機に表示してあります。
 そして「ベラルーシに設置されている自販機はベラルーシ製ではない」のも問題です。
 そのため自販機は外国から輸入されているため、表示がその外国の言葉のままになっていることがあります。
 またその外国では硬貨が使用されていたり、お釣りが出るシステムがあるので、硬貨投入口があったりお釣りの受け取り口があいていたりしますが、ベラルーシではただの穴ぼこです。

 私の体験談というのは、1月23日水曜日夜8時ごろ、私の娘は新体操を習っているのですが、その練習が終わりました。
 運動をした後、のどが渇いたと言うと、冬場は練習場の1階にあるコーヒーの自動販売機で「ココア 5000ベラルーシルーブル」を買って飲ませるようにしています。(そうです、ココアにはカリウムが含まれています。)
 私自身はこの自動販売機でコーヒーを買って飲んだことはありません。コーヒーの値段は高い物は7000ルーブル、安いものは4000ルーブルです。どうせ紙コップにインスタントコーヒーや砂糖がさらさらと投入され、そこへお湯がどぼっと入るだけのコーヒーですから、飲まないことにしています。
 でもココアなら家でもお湯で溶かして飲んでいるのだから、いいだろうということで、自販機のココアを子どもに買っているわけです。

 問題なのはお釣りが出ないことなので、きっちり5000ルーブルを紙幣の投入口に入れました。ちなみに自販機が故障などしている場合は、投入口のランプが赤になり、お金が入れられないようになっています。
 そのときは青いランプがついていて、お金もすっと飲み込んでくれたのですが、「ココア」のボタンをいくら押しても何も出てこない・・・
 同じ5000ルーブルの商品や4000ルーブルの商品のボタンを押しても何も出てこない・・・。
 そしてベラルーシの自販機には取り消しボタンもない。お釣りが出てくるシステムにもなっていないから当然か・・・。
 自販機の前面には小さい液晶画面があり、そこにはこのように表示されていました。
「nestalo kofe」
 ・・・ロシア語でも英語でもないし、これは何語? とにかく意味が分かりません。

 こうしてお金は吸い込まれたものの何も出てこない自販機に困ってしまいましたが、自販機の前面にこのような表示がありました。
「商品の品質についてのお問い合わせは8-029-669-29-69までお電話ください。」

 ベラルーシに住んでいる人はすぐ分かるのですが、これは携帯電話の番号。
 不安に思いながらも電話してみると男性がもしもし、と出てきました。事情を説明すると
「そこに液晶画面があると思いますが、何と書いてありますか?」
「nestalo kofe・・・とありますが。」
「それはコーヒーが売り切れた、という意味です。」
 しかしこの自販機を叩いてもお金は出てこないのだから、どうしたらいいのか・・・というより、こういう場合ベラルーシではどのように対処するのかのほうに興味がわいてきました。
 男性が言うには
「5000ルーブルですが、かけてきたこの携帯電話の番号に電話料金として入金しておきます。返金は来週の水曜日(30日)になります。」
と男性は説明し、電話での会話はここで終わりました。

 つまりベラルーシではコーヒーの自動販売機の返金を苦情を言ってきた携帯電話の料金として返す、という方法なのです。

 ここで問題なのは、ベラルーシに住んでいてベラルーシの携帯電話の会社と契約して携帯電話を使っている人ならいいけれど、日本人の旅行者などそうでない場合はどうやってお金を返してもらえるのか? ということです。
 それに苦情も全部ロシア語で言わないと行けません。

 ココアをあきらめて帰宅した後、夫にこの話をすると
「どうして1週間も待たないといけないのか?」
と言い出しました。そこで夫が私の携帯電話からその男性のところへ電話をしました。
 男性は
「うちの会社では毎週水曜日に経理の者が自販機の売り上げを調べるので、水曜日しか返金できない。」
と説明しました。しかし夫は納得せず
「どうして次の日に調べることはできないのか。金額の問題じゃない。」
と尋ねると男性は
「水曜日までに返金してほしい場合はうちの会社の事務所に来て、申請書類を作成し、サインをして経理に提出してください。」
と言いました。

 5000ベラルーシルーブルと言うのは、日本円にすると50円ぐらいなのです。しかし金額はともかくお金はお金、という考えもありますし、50円ぐらい自販機にとられたからって、嘆くほどのこともない、という考えもあります。
 しかし50円のためにどこにあるのか分からない会社の事務所を探して尋ねるだけで、時間の浪費、そして交通費のほうが50円以上になってしまいます。
 こんなことを言われて、返金の申請書類を作りに行く人は、まあいないでしょう。つまり返金なんかしたくない、と言う心が表れているわけですよ。
 さらに男性は「もう夜遅くて眠いのに・・・。」とぶつぶつ言い始めました。
 夫が
「そんなのおかしいでしょう。消費者の権利を守る協会に連絡してもいいんですか。」
と言い終わらないうちに男性は一方的に電話を切りました・・・。

 消費者の権利を守る協会というのはベラルーシにもできた消費者からの苦情を受け付けるセンターのことです。
 このように電話での会話が終わってしまったので、とりあえず30日に本当に電話料金という形で返金されるのかどうか、ようすを見よう、ということになりました。

 ここでまた問題です。
 例えば日本人が私と同じような目に合って、何とか苦情が言えたとしても、経理が電話料金として返金してくれるまでの間に帰国(ベラルーシを出国)する場合は、やはりお金は返ってこないということです。
 ベラルーシルーブルを他の外貨に両替して、なんて親切なことはしてくれないでしょう。

 次の新体操の練習日に例の自販機のところへ行ってみると、コーヒーが追加されたようで、ちゃんと販売をしていました。
 よく観察すると、自販機の側面にシールが貼ってありました。
 それによるとベラルーシの自販機は、全てベラルーシ共和国税務省の中にある自動販売機システム課によって、一台一台登録されており、この自販機の登録番号がシールに記入されていました。
 さらに何か問題がある場合はベラルーシ共和国税務省内自動販売機システム課に連絡できるようになっており、そこの電話番号とメールアドレスも表示されていました。(ちなみに自販機を設置した会社の名称は自販機のどこにも表示されていませんでした。)
 私はそれらの情報を全てメモし、30日を待ちました。
 そして30日、電話料金の残金をチェックしましたが、入金はされていませんでした。
 つまりお金を約束どおり返さなかったということです。

 いくらなんでも経理の人が仕事を終えているであろう夜7時に私はまた例の男性に電話をしましたが、誰も出ませんでした。
 仕方ないので、30日の夜ベラルーシ共和国税務省内自動販売機システム課にメールを送りました。
 自動販売機システム課のHPをみると、文書でも電話でもメールでもFAXでも陳情書を受け付けるが、その場合企業の名称や営業者氏名を明記すること、とありました。
 しかし自販機に設置した企業の名称はどこにも書いていないし、電話に出た男性は名乗らなかったので、陳情書は書けません。
 金額も大したことないので、返金を要求する陳情書を書きたいというつもりもなく、「こういうことがありましたけど、いいですか?」という感じでメールを送ったのです。

 送った後も、ベラルーシの役人も忙しいから、たった5000ルーブルのコーヒー代が返ってこなかった、というような話、ちゃんと対応してくれないだろうと、期待していませんでした。
 ところが! 翌日31日には急展開があったのです。
 
 現場を見たわけではないので、私の予想もまじっていますが・・・31日朝、私のメールを読んだベラルーシ共和国税務省内自動販売機システム課の担当者は、電話番号と自販機の登録番号から、この自販機を設置した企業を特定。
 それはユル・アン・グループという個人経営の企業でした。私と夫がかけた電話番号(自販機前面に記載されていた「お客様お問い合わせ番号」)の持ち主はこの企業の社長だったのです!
 社長の名前とミドルネームの頭文字をくっつけてこの企業名にしていました。

 ベラルーシでは自販機のお客様お問い合わせ電話番号が、社長の携帯電話の番号なんですね!

 自動販売機システム課担当者は社長に電話をして、これこれのメールがきていますが、どういうことですか? と質問したことでしょう。
 結果を先に言うと、「社長は私と主人が苦情電話をかけた翌日の1月24日、自ら銀行の振込み手続きをして、私の携帯電話番号に5000ルーブルを入金(返金)していた」のです。
 しかし、このことを私には全く連絡していなかったのです。
 馬鹿ですねー。
 24日に私に電話をして、返金しましたよ、と連絡さえしておけば、私も30日に税務省にメールなんか送らないし、31日に税務署から社長に電話がかかってくることもなかったでしょう。

 しかし問題はお金のことではないのです。
 次に起こったことは、(これも私の予想だけど)税務省に苦情メールが来た、ということを知った社長がそれに対して自ら返事をしたいと言い出し、担当者が私のメールを(送り主の私の許可なく)無断で社長に転送したことです。
 
 31日私がメールチェックをすると、自動販売機システム課からではなく、社長から返信がきていました。
 それについては次の投稿をご覧ください。

(画像は問題の自販機です。この自販機には「GPE VENDORS」と企業名らしきロゴが入っていますが、これは設置した企業名ではなく、自販機を製造した企業の名称です。)