ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

アルバム 「トーダルが撮ったニッポン」を公開しています

2008-04-22 | ベラルーシ文化
 画像や動画を公開できるサイト「フォト蔵」で、初来日したベラルーシ人歌手トーダルが自ら撮影した画像や、「みつばちマーサのベラルーシ音楽ブログ」内の「トーダル"アリガトゴザイマシタア!"日本滞在記」では紹介しきれなかった画像を公開しています。
 
 題して・・・「トーダルが撮ったニッポン」

http://photozou.jp/photo/show/180896/8665898


 まだ公開している画像がわずかなのですが、これから少しずつ更新していきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
 日本人と同じ感覚ではないベラルーシ人トーダルが、日本で何を気に入ったのか、これを見たら分かると思います。
ベラルーシで日本文化を紹介する仕事をしている私には大変参考になりました。

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第74回」

2008-04-19 |   ビタペクト配布活動
 4月18日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第74回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト2を2個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1470個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1120部となりました。
  
 今回で通算84目のビタペクト2の配布となりました。
 のべ人数になりますが、現時点で1470人分のビタペクト2、そして1120家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by



今回、2家族が保養のため滞在しており、お話を伺いました。

(家族A)
 
 モギリョフ州クリチェフ地区(チェルノブイリ原発から約240キロ)から来た家族。お母さんが3人の子どもと、同じ村に住む子ども5人を引率してきていました。
 このうち10歳の息子と12歳の引率してきた男の子にビタペクト2を渡しました。
 10歳の男の子の体内放射能値は74ベクレル。12歳の男の子は43ベクレルでした。これはチロ基金がこの活動を始めてから、一番高い放射能値の結果でした。他の子どもたちは全員0ベクレルでした。
 兄弟は0ベクレルなのに、どうしてこの10歳の子だけ、こんなに高い放射能値が出たのか、とお母さんは心配していました。
「この間、この子だけ予防接種をしたからですか?」
と質問していました。医学の専門家でもない私でも「それは無関係です。」と説明できました・・・。
 家族全員同じものを食べているのに・・・ともお母さんは話していましたが、これはやはり放射能をためやすい体質なんだろうな、と思いました。
 3兄弟の中でその男の子だけが疲れやすいそうです。
 12歳の男の子は持病などはなく、元気だという話でした。


(家族B)
 ゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から来た家族。お母さんと6人の養子です。(ベラルーシでは「家庭タイプの孤児院」と言います。)この家族は体内放射能値は全員0でした。
 このお母さんのお母さんも、家庭タイプの孤児院をしており、たくさんの養子を育ててきました。その娘さんも成人して結婚後、自分も家庭タイプの孤児院をしており、今回保養滞在に来ました。 
 子どもたちの健康状態も良好だそうで、本当によかったです。この調子ですね。

 このうちの一人の男の子は2005年6月におばあちゃん(自分の養母の母親)に連れられて、SOS子ども村に滞在しました。
(そのときの様子はHP「ベラルーシの部屋」内、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第32回」をご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2005/no32.html


 当時の体内放射能値は37ベクレルでしたので、ビタペクト2をこの男の子に渡しました。その結果、3年近く経過した現在、0ベクレルになっていました。
 お母さんは大変感謝していました。私としても、ビタペクト2をあげた子どもの体内放射能値が下がっていることが分かると本当にうれしいです。

 今回も子ども達に折り紙や竹とんぼ、竹の知恵の輪などをプレゼントしました。
 折り紙や竹とんぼに子どもたちは目を輝かして、
「早く作りたい! ちょうだい!」
と、うずうずしていました。
 竹の知恵の輪は難しいだろうと、思っていたのですが、意外と短時間で子どもたちは外していました。ベラルーシ人はやっぱり器用ですねえ。

 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、手作りの竹細工を寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。


チロ基金の活動「第4回 医療器具寄贈」その3

2008-04-08 | チロ基金
 画像は今回購入した手術器具です。
 上の2種がドイツの医療機器製作会社カール・シュトルツ社製の鉗子2種です。大きさが少し違うタイプのものを1種ずつにしました。
 握る部分(グリップ)部分は取り外しができ、上から2番目の鉗子は取り替え用です。

 2種とも以前に寄贈したものと同じ大きさです。普通このような小さい器具は古くなるとだんだん細かい作業がしにくくなります。 
 以前寄贈したものは、大まかな作業に使用し、今回購入した新しいものは、細かい作業に使用するそうです。
 2年の耐久年数を過ぎても、まだ壊れることなく、以前寄贈した器具もまだ使っているそうですが、これは先生たちが大切に使っているからでしょう。

 画像の下の2種はロシアの医療機器製作会社PPP社製の製品です。ロシアでもこのような腹腔内視鏡手術器具を製造するようになったんですね。
 一つは鉗子ですが、グリップの形状がドイツのカール・シュトルツ社製のものと異なります。

 一番下の「網」ですが、これはどのように使うかというと、たとえば、腫瘍などを切り取る手術をしたとします。切り取られた腫瘍を「網」に入れて体外に取り出します。
 この二股に分かれた先端部分にビニール袋のような網を取り付けます。その中に腫瘍などを入れます。管は二重構造になっていて、手前の部分から内側の管を引っ張ると、袋をつけた先端部分が外側の管の中に入っていきます。
 その結果、袋の口がすぼまり、腫瘍を中に閉じ込めた状態で、体外に出すことができるのです。
(すごいですね!)

 カール・シュトルツ社製の鉗子2種はグリップ付きで530$、取り替え用鉗子を150$で購入しました。
 PPP社製の製品は鉗子と網を合わせて500$の価格で購入しました。
(合計1180$になりました。)

 予想以上にいろいろな器具が購入できてよかったです。見本市がミンスクで開催されて本当に助かりました。

 その後、4月8日に小児外科センター内で、寄贈式典を行いました。
 この手術器具を毎日のように使用するスヴィルスキー先生とアレクサンドロビッチ先生は大変喜び、
「ご協力してくださった日本人の皆さんに、医師一同、心から感謝しているとお伝えください。」
と話していました。

 チロ基金が代表して多くの日本人の方々から募った寄付金で購入した医療器具が、ベラルーシの子ども達のため使われるようになったこと、深く感謝しております。ご協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。


チロ基金の活動「第4回 医療器具寄贈」その2

2008-04-08 | チロ基金
 4月上旬にミンスク市内の商品見本市で、大掛かりな医療器具の展示会が行われることを知った、小児外科センターの先生たちは、モスクワにあるドイツの医療機器製作会社カール・シュトルツ社ロシア事務所に連絡しました。
 すると、ミンスクの商品見本市にちょうど、購入したいと思っていた手術器具をこのカール・シュトルツ社ロシア事務所が、見本商品として出品することが分かったのです。
 交渉の結果、見本用の商品なので、割引してくれるうえ、展示会の最終日に販売してくれることになりました。

 画像は医療器具の展示会の様子です。たくさんのブースがあり、国内外のさまざまな企業が医療器具を展示していました。
 このカール・シュトルツ社ロシア事務所のブースで、同社製の鉗子2種を購入しました。
 またロシアの医療機器製作会社PPP社のブースでは、鉗子1種と網を購入しました。
 

チロ基金の活動「第4回 医療器具寄贈」その1

2008-04-08 | チロ基金
 2008年4月8日、2002年9月、2004年1月と9月に続いて、第4回の医療器具寄贈活動を行いました。
 寄贈先は今まで同じく、ミンスク市立第1病院内小児外科センターです。(今までの小児外科病棟、から小児外科センターに名称を改めました。)
 寄贈した医療器具は腹腔内視鏡手術器具4点です。ドイツの医療機器製作会社カール・シュトルツ社製の鉗子2種、ロシアの医療機器製作会社PPP社の鉗子1種と網を購入しました。

 購入のため、チロ基金の集まった寄付金、合計1180$を充てました。
 この寄付金を寄付してくださったのは、日本ユーラシア協会大阪府連、八千代ライオンズクラブ、Nobu-sanの皆さんです。
 高額の寄付金をチロ基金に寄付してくださり、深く感謝しております。ベラルーシでは貴重な手術器具を、手術に必要な子どもたちの治療に使えるようになりました。
 
 今回は寄付をしていただいてから、手術器具の購入に大変時間がかかりました。
 それは、ベラルーシの関税の法律が厳しくなったのと、急激にドル安が進んだため、ドルで購入しようとしても(ベラルーシ・ルーブルに両替するとしても)ベラルーシ国内の医療器具輸入会社が、値段をつけることができなくなったからです。
 つまり、今日、この手術器具を購入したいと、この輸入会社に申し出ても、それがベラルーシに到着するころ、レートが変動して値段が変わってしまうため、値段がつけられない状態になってしまったのです。そのため、この会社では一時的に輸入自体が止まってしまいました。
 仕方がないので、別の方法がないか調べているうちに、時間がどんどん過ぎてしまったのです。
 しかし、ようやくいい方法が見つかりました。それは4月上旬、ミンスク市内で医療器具見本市が開催されたことから、解決の糸口が見つかったのです。

 画像は4月8日に行われた寄贈式典のときの記念撮影。ミンスク市立第1病院内小児外科センターにて。スヴィルスキー先生とアレクサンドロビッチ先生とプレゼンテーターのY子です。

第1回 医療器具寄贈についてはこちらです。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/medical/index.html


第2回と第3回 医療器具寄贈についてはこちらです。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/med_2004/index.html




「ノンちゃん雲に乗る」作家・石井桃子さん、101歳で死去

2008-04-03 | チロ基金
 戦後の日本児童文学を代表し、また外国児童文学を日本の子どもに紹介し続けてきた作家、石井桃子さんが4月2日亡くなられました。

「ノンちゃん雲に乗る」作家・石井桃子さん、101歳で死去(読売新聞) - goo ニュース

 チロ基金はロシア文学翻訳家の三浦みどりさんの尽力のおかげで、ロシア語版「ノンちゃん雲に乗る」をベラルーシの子どもたちに紹介することができました。
 詳しくはHP「ベラルーシの部屋」内「ノンちゃんをベラルーシの子どもたちの手に」運動についてご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/books/non.html


 心からご冥福をお祈りします。
 石井桃子さんはもうご自分のお仕事は続けられませんが、膨大な作品は永遠に残ります。ロシア語版「ノンちゃん雲に乗る」も、ベラルーシでずっと読み継がれていくと思います。