ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2024年7月19日。ウクライナ侵攻から879日目

2024-07-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月19日。
 ここ1週間の間にベラルーシ各地で起きた自然災害、豪雨、強風の被害が明らかになってきました。
 全国で合計6名の死者が出ました。
 また停電、断水が続いている地域もあります。
 ベラルーシ大統領は、この自然災害について「戦争のようなものだ。人々は自然災害が緊急事態であることを理解したがらない。自然災害は戦争とちがって機関銃による銃撃はないだけだ。」と述べました。

 災害を戦争だと思って国民も一丸となって復旧作業に当たるべきということです。
 大統領は国民に対して、TikTokに批判的な発言を書き込む前に、救援作業に参加すべきだ。斧やのこぎりを手にとって、倒れて道路を塞いでいる木の撤去作業を手伝ってほしい。その後で批判したい人はネット上で批判していただきたいという内容の発言をしています。
 倒木の数が非常に多くて、その撤去作業のための人手が不足しているようです。
 
 さたに大統領は人手不足解消のために「政治犯」を含む国民を動員する必要があると述べました。自然災害は戦争と同じようなものなのだそうなので、当然、このような発想に行き着きます。
 大統領は国内に2万人以上の政治犯がおり、彼らを「寄生虫たち」と呼び、国のために救援活動(復旧作業)をさせるべきだと内務大臣に今日、伝えたそうです。

 ベラルーシで人口の流出が増えていますが、現実問題として、人手不足が深刻化していることが分かってしまう発言です。
 これまで、このような自然災害が起きると、復旧作業にベラルーシ軍の兵士が(日本の自衛隊員のように)普及作業に従事することが多かったのですが、今回は兵士の動員の話は聞こえてきません。だから復旧作業の人手不足になっているのでしょう。戦争中なので国境警備などに兵士という人手が取られ、災害派遣に回せないということだと思います。

 さらには一部のエネルギー会社や公益事業会社が復旧作業を拒否し、停電している地域に通常より3倍高い料金を要求しているという報告を受けたと大統領自ら述べました。
 災害発生後、困っている人の足元を見て、値段を釣り上げる悪徳業者がベラルーシにもいるんですね。
 これに対して、大統領は内務省に「手錠で引き渡す」よう命じました。

 エネルギー省は停電の復旧作業を休みなく続けているのですが、大統領に対し、災害で被害を受けたすべての送電網は1か月以内に復旧させると約束しました。
 大統領は、崩壊する可能性のある古い送電線は今回取り壊し、新しい送電線を設置する必要があると述べました。

 また大統領は「人々は自然災害が緊急事態であることを理解したがらない。自然災害は戦争とちがって機関銃による銃撃はないだけだ。」と述べました。


2024年7月18日。ウクライナ侵攻から878日目

2024-07-18 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月18日、ミンスクで大雨が降り、道路が冠水しました。全部の駅ではありませんが、地下鉄駅も大量の水が流れ込み、閉鎖されました。
 昨日、7月17日に大雨と雷の警報が出ていたのですが、気温が30度を超えるなど暑いだけで、天気予報が外れたと思っていたのですが、また続けて18日に警報が出て、今日のそれは当たりました。

 昼の12時半ごろ、空が曇り、1時過ぎに各地で大雨が降り始めました。
 昔はこんな豪雨が降ることがなかったため、ミンスクは雨水の排水施設が、日本に比べると全然機能していません。
 排水量が少ないため、町のあちこちで道路が冠水してしまいます。

 日本だったら、近くの避難所に早めに自主的に避難してください、と言うレベルでしょうか。
 ベラルーシの警報はそんな強制力もないので、のんびり海水浴・・・じゃなかった、ベラルーシには海がないので、湖水浴ですね・・・そこへ暑いからと泳ぎに行く人や、普通に出勤して、屋外の仕事をしている人がたくさんいました。
 ミンスク市内で10箇所の道路が冠水のため、通行不可能になり、運転していた車ごと水に浸かって、車の屋根の上から救助要請し、救援隊のボートで助け出される人もいました。
 
 幸い夕方までには水が引いたところも多く、完全にストップしていた公共交通機関もそれまでには運転再開していたので、夕方のラッシュアワーに問題はありませんでした。帰宅困難者は出なかったということです。
 死者はミンスク市内では出ませんでした。

 ベラルーシ最大の市場、カマロフスキーで売り場が冠水してしまって、家族連れの買い物客が店舗のテントの下で雨宿りしている映像を見て、これでは商売にもならないし、お客も怪我をするかもしれないから、こういう警報が出るときは、国の命令で全ての店舗は閉店、職場も休業させて、バスなどの公共交通機関も止めて、バスの車両などは車庫に入れ、全てのイベントも中止して、国民全員、雨が止むまで自宅待機させたらいいのに・・・と思いました。
 戦争のときは外出禁止令とか出せるから、特に昼間、大きな自然災害が起こると高確率で予測できるときは、日本のように避難所の指定をしていないベラルーシでは高所にある自宅待機命令を出すほうがいいと思います。

 でも、このような法律がないので、私個人としては自主的に判断、行動するしかなさそうです。ちなみに大雨警報などはニュースだけではなく、国中の携帯電話一斉にSMSで送られてきます。
 

チロ基金提供「私たちのテスト」2024年結果

2024-07-17 | 日本文化情報センター
 チロ基金の支援により、2020年から毎年実施している「私たちのテスト」の今年の結果を発表します。
 
 N1レベル 1名受験。0名合格。1名不合格。
 N2レベル 2名受験。1名合格。1名不合格。
 N3レベル 11名受験。1名合格。10名不合格。
 N4レベル 9名受験。3名合格。6名不合格。
 N5レベル 12名受験。8名合格。4名不合格。

 日本語能力試験とちがって、場所も時間も試験監督の数も限られていますので、5月から7月にかけて、レベルごとに日時を分散して行いました。
 やはり、N1、N2レベルは難しいですね。私としてはN3レベルの合格率が低いのが、問題だと思いました。今後、授業内容を改善すべきですね。N4レベル、N5レベルで不合格だった生徒は7月7日に行われた日本語能力試験で、挽回してくれることを願っています。

 2020年から2023年まで4回連続、ミンスクでの日本語能力試験が中止になったことを受けて、代替試験として始めた「私たちのテスト」ですが、今年ようやく5年ぶりに実施されたので、チロ基金の予算を使ってまで、もう実施しなくていいのではないか?という考えも頭をよぎりました。
 しかし、生徒の間からは、試験前に練習できて、試験当日、マークシート方式の解答用紙を見ても緊張しなかったから、よかったと感謝されました。
 今後は「私たちのテスト」には日本語能力試験の模試としての役割を持たせ、(また日本語能力試験がミンスク会場では中止になるかもしれないですし・・・)来学年度からも実施を継続する予定です。
 また、弊センター日本語教室への入学試験としても利用する予定で、8月31日に追試(入試)が行われる可能性があります。その場合はまた改めてご報告いたします。

 「私たちのテスト」は弊センター日本語教室の生徒は無料で受験できます。そんなに多くの予算は必要ではありませんが、どうしても試験問題の印刷代にお金がかかります。N1、N2、N3レベルになると文章問題がとても多いので、問題用紙で、一人40ページぐらいの量になります。
 チロ基金支援者の皆様には、私からも生徒達からも感謝申し上げます。

 合格証の授与式は9月7日の来学年度初回授業のときに行います。
 そのときに記念写真撮影を行いますので、楽しみにお待ちください。

 

壺井栄生誕125周年記念展示

2024-07-16 |   壺井栄
 今年、壺井栄は生誕125周年を迎えます。それを記念して8月31日まで日本文化情報センターでささやかながらテーマ展示を行なっています。
 
 生誕125年とはちょっと中途半端な数かもしれませんが、本当は5年前の120周年に壺井栄ロシア語訳作品集の翻訳を完成させる予定だったのが、コロナやら大統領選挙のせいで印刷することがなかなかできなかったという事情があり、今年、記念の展示ができるようになってよかったと思っています。
 また昨年、小豆島の壺井栄文学館に完成したロシア語訳の本を寄贈することができて本当によかったです。
 そのときに文学館の様子や小豆島の写真をたくさん撮影できたので、それも今年展示できました。

 弊館を訪れるベラルーシ人の子ども達にも「二十四の瞳」の紹介をしていますが、小学年の低学年の子どもには、「まつりご」の話をしています。
 これは壺井栄が生まれる少し前の話なので、130年ぐらい前の日本社会が描かれているのかと思うと、驚きますね。
 (小豆島へお遍路に来た父親と子ども二人。道中で父親が死んでしまった後、子どもは乞食になり、1年間物乞いをして生きていたが、何の保護も受けられない。優しい樽屋の一家が引き取ってハッピーエンド。実はこの二人は壺井栄の兄姉に当たる人だった。)
 子供の乞食がそのへんをうろうろして物乞いをしているなんて、今の日本では考えられないですよ。ベラルーシの子ども達には、乞食の子どもは日本にはいません、と話しています。

 「二十四の瞳」は反戦文学として有名ですが、今読み返してみると、貧困問題、男女差別、ヤングケアラー問題、教育機会の不平等、いわゆる親ガチャの当たり外れで人生が変わってしまう、実家が太いとラッキー、でも子どもの希望や考えを古い考えの親が理解してくれないと、やっぱりアンラッキー・・・という今の日本社会でもそこらじゅうに転がっているような社会問題が多く書かれています。
 時代が変わっても問題は消えないのだろうかとさえ思います。
 
 ただ、「二十四の瞳」の世界では戦争時代が重なっているので、どうしようもなく登場人物たちの運命がどんどん狂わされてしまいます。
 戦争が今の日本にないだけ、まだ運が良いのだと思います。日本は平和を大事に守ってほしいです。
 ロシアのウクライナ侵攻という戦争のほとんど当事国になってしまったベラルーシに住んでいる身としては、日本が戦争に巻き込まれると、上記のような社会問題を改善しようとしても、非常に難しくなるので、平和の時代にこそ解決に向けて社会が動いてほしいです。
 130年前には子どもの乞食が物乞いをしていたのが普通だった日本も、今ではそんなことはなくなったのは、先達の努力のおかげだと思いますから。
 壺井栄は反戦だけではなく、社会問題についても文学の力で、広く訴えようとしていた作家だったと感じます。
  

2024年7月14日

2024-07-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月13日から14日の二日間、ベラルーシのゴメリ州で強風と大雨により、大きな被害が出ました。これはベラルーシでは台風とは呼ばないのですが、私の目には台風にしか見えないです。また雹や霰も各地に降りました。
 倒木の被害が最も多く、また各地で停電と断水が起きています。
 レチッツァ地区にあるサマーキャンプ場では、大雨・強風警報が出ていたにも関わらず、場内の屋外ステージでダンスのコンサートを行うため、大勢の子どもが屋外に出ていました。関係者の話では、天気が急激に変化し、一瞬で停電になったということですが、コンサートを延期すべきでしたね。
 逃げ惑う子どもたちのうち複数名が倒木の下敷きになり、13歳の中学生が死亡しました。他にも3名が重傷。
 このキャンプ場の責任者は、イベントの運営に問題があったとして、起訴される可能性が高いですね。
 ベラルーシではこのような災害が起こりそうな警報や注意報を、国中の全ての携帯電話にSMSで一斉に送信しています。
 

 

日本語能力試験ミンスク会場2024

2024-07-07 | 日本文化情報センター
 ミンスクで5年ぶりの実施となった日本語能力試験。
 幸い中止にもならず、無事終了しました。
 弊センター日本語教室からは35名がN2〜N5レベルを受験しました。

 全体では150人ほどだったそうですが、以前と比べると減少しましたね。受験手数料が2年前(このときは本番1ヶ月前にいきなり中止)の料金と据え置きで、インフレが進むベラルーシでは非常に安かったのにも関わらず、受験者数が減ったのは、「4年連続中止であったためそれまでにベラルーシで『日本語能力試験というものがありますよ』と宣伝したのが、すっかり忘れ去られてしまった。」「『どうせまた中止になるだろう』と思って申し込まなかった。」「ベラルーシ人の間で日本語の人気が下がった。」ということだと思います。
 
 さて、合格率はレベルや年によっても変わるのですが、世界の平均がだいたい30%ぐらいなので、弊センターの生徒のうち10人は合格してほしいなあというのが、私の願いであり、目標です。毎年二桁の合格者数を目指しています。
 ところが、今回受験した生徒たちの話を聞くと、
「N4の聴解問題の読み上げるスピードが早くなっていて聞き取れなかった。」「N3の読解問題は難しくなっていた。」「N2の漢字の問題はN1レベルだと思ったぐらいの難しさ。」「N2の読解問題の出題形式が変わった。」
という感想が多く聞かれました。はっきり言って、「T先生の授業のレベルが簡単で受験対策になっていない。」「チロ基金提供の『私たちのテスト(模試)』のレベルが本物の試験のレベルに合っていない。」と言われているような木がしました。

 このブログ上ではまだ詳細を発表していませんが、5月、6月、7月にN1からN5までの全レベルの「私たちのテスト」を予定しています。このうちN1レベル以外のレベルの「私たちのテスト」は実施済みです。
 今月中にN1を実施し、その後全ての結果をまとめて発表します。
 
 チロ基金支援者の皆さまのおかげで弊教室生徒のために日本語能力試験の代替試験あるいは模試として2020年から行なっている「私たちのテスト」ですが、今後はレベルの高い問題を出題するよう、計画を変更することにしました。

 このようなわけで試験終了後、「難しかった。私、受からなかったと思う。」と暗い表情の生徒が多く、非常に心配ですが、8月下旬のインターネット上での結果発表を待ちたいと思います。
 弊ブログ上でもお知らせいたします。
 
 いつも弊センター日本語教室を支援してくださっている日本の皆様、生徒一同、感謝申し上げます。
 引き続き、寄贈していただいた教材を活用して参ります。結果発表を楽しみにお待ちください。

 

2024年7月3日。ウクライナ侵攻から863日目

2024-07-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月3日。
 今日はベラルーシの独立記念日で祝日なのですが、正しくはミンスク解放記念日で、今年はちょうど80年の節目の年にあたり、国中でお祭りをしています。
 ミンスク解放記念日って何?と思われた日本の方もいるかもしれませんが、分かりやすく言えば、第2時世界大戦中、ミンスクを含むベラルーシの西半分の地域がナチスドイツの占領下に置かれていた時期があったのですが、80年前の今日、ミンスクが占領から解放されたので、7月3日はミンスク解放記念日となったのです。
 
 朝の9時からミンスク市内では軍事パレードが行われました。いつもより始まる時間が早めでしたが、それはパレード終了後、すぐにベラルーシ大統領がカザフスタンで行われる上海協力機構の首脳会議出席に間に合わせるためでした。
 ベラルーシ軍によって行われるパレード、立派でしたね。戦車などの数を見ていると、ロシアの今年の戦勝記念日の軍事パレードより、最新かつ強さをアピールできる軍備を備えているように見えましたね。
 この軍事パレードの様子はベラルーシ国営放送の公式サイトから全編映像が視聴できます。ただ、日本からアクセスできるかどうか私にはよく分かりません。
 はっきり言って、後半は軍事とか戦争は関係ないパレードになっていて、ベラルーシ人が考えているベラルーシのすごいところをそれっとばかりに見せてくれます。
 今年はベラルーシ人宇宙飛行士が、いわゆるオリンピック選手のオープンカーパレードのような状態になっていました。今回はこの人たちを見せずして、
 私個人はベラルーシ軍儀仗隊のパフォーマンスを絶対見てしまいますね。
 ご関心のある方はネット(Youtube)で検索してみてください。ベラルーシ人の頭の中にあるベラルーシを知ることができます。

 そして上海協力機構のことなのですが、1日目の今日はロシア大統領が中国の国家主席と会談をしました。そしてベラルーシの新規加盟が認められる見通しです。
 今回は加盟国に加え、トルコやアゼルバイジャン、モンゴルなど招待国の首脳も交えた「SCOプラス」も開催する予定です。
 ベラルーシとインドの外相会談も行われ、意見交換が交わされましたが、ベラルーシ大統領がインド首相をベラルーシに招待し、首脳会談をする用意があることが伝えられたようです。

 そしてこのインドの外相はロシア外相と会談し、その席上でロシアを旅行していたインド人らが強制的にロシア軍に入隊させられ、ウクライナの戦地に派遣されていることについて「強い懸念」を表明しました。安全かつ早期の帰還を求めたとしています。
 怖くて、男性はロシアに旅行にも行けませんね。何となく、インド人のことを馬鹿にしているのかとも感じます。ベラルーシ人も男性は今、ロシアへ行かないほうがいいようです。

2024年7月2日。ウクライナ侵攻から862日目

2024-07-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月2日。
 輪番制のEU議長国に就任したハンガリーのオルバン首相は今日、ロシアの侵略後初めてウクライナの首都キーウを訪問しました。
 ウクライナ大統領と会談し、共同記者会見の席上でロシアとの和平協議実現に向け、一時休戦の検討を呼びかけるなど持論を展開しました。内容は当然ロシア寄りで、ウクライナ大統領はこの呼びかけに無反応。

 ハンガリーは天然ガスなどを依存するロシアとの協力関係を重視しており、ウクライナのEU加盟や、軍事・財政支援に否定的な態度を続けています。はっきり言って自国の利益が一番大事という立場です。確かに自分の国がいちばんかわいいので、戦争中こそうまく立ち回らないといけないと思っているのは分かるのですが、EUの足並みが揃わなくなっていて、何のための同盟とか連合なのか分からなくなっています。
 国連を一旦解体せよ、という声も上がっていますが、EUもそういう時期なのかもしれません。ウクライナ侵攻で、このような同盟国の立場がそれぞれ炙り出されていますね。
 ともかくウクライナからしたら、ハンガリーの首相が今わざわざキーウを訪問してもなあ、という感じだったのかもしれません。こういうの今の日本語で塩対応とか言うのでしょうが、実際には塩以下だったのではないですか。

2024年7月1日。ウクライナ侵攻から861日目

2024-07-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年7月1日。
 ウクライナ保安局(SBU)は今日、前日に計画されていたクーデターを阻止したと発表しました。
 SBUによるSNS「テレグラム」への投稿によると、首謀者らのグループは6月30日に首都キーウで暴動を起こし、その隙に議会を掌握して軍、政府指導部を追放する計画だったとされます。同グループとロシアの関係は不明。
 SBUによると、これまでに容疑者4人が特定され、すでに2人が拘束されました。有罪となった場合、最大で禁錮10年の刑が科されます。ベラルーシの現行の法律では、クーデターを計画しただけで実行しなくても、死刑判決が出せます。
 検事総長室は、首謀者が定員2000人のホールを借り、軍兵士や民間企業の武装警備員から議会襲撃チームを募っていたと述べました。どうしてこんな目立つことをするのでしょう。
 SBUによれば、首謀者はキーウや東部ドニプロなどから数人の共犯者を集めていたそうです。

2024年6月29日。ウクライナ侵攻から859日目

2024-06-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年6月29日。
 ロシアの政府寄りの青少年団体「最初の運動」代表は「北朝鮮と青少年の交流を計画している」とし「28日に招待されている状態であり、まだ日程を決めていないが、暫定的に7月24日から8月2日までロシアの青少年を北朝鮮の『松涛園(ソンドウォン)』キャンプに送る計画」と明らかにしました。
 松涛園は北朝鮮最大のキャンプ場「松涛園国際少年団野営所」のことだそうで、ロシアのアルテック青少年キャンプ場ような場所だと説明しています。
 同代表は「申請者はかなり多いとみられる」とし「ロシアの青少年が指導者と共に北朝鮮を訪問するだろう」としていますが、この「ロシアの青少年」の中に実際はロシア人ではなくて、ウクライナの占領地域から連れてきたウクライナ人が含まれるのではないでしょうか。
 つまり、ロシアの考えでは、ウクライナ占領地域の住民はウクライナ人でも、ロシア国民扱いなので、ロシアの青少年を北朝鮮のキャンプに送ることができるということです。

 ちなみにEUはクリミア半島にあるアルテックについて、ウクライナの青少年を連れてきて再教育する機関だとし、制裁対象に含めています。
 また北朝鮮の青少年もロシアでのキャンプに招待するなど相互に青少年交流を進めていく予定だそうです。
 北朝鮮の子どもたちとロシア(ウクライナ人)の子どもたちが、これからどのような交流をしていくのでしょうか。

2024年6月27日。ウクライナ侵攻から857日目

2024-06-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年6月27日。

 ロシア連邦捜査委員会の委員長は今日、「ロシア国籍を取得したものは軍に登録し、必要があれば特別軍事作戦に参加しなければならないとする法律の適用を始めた」と述べました。
 そのうえで、国籍を取得しながら軍への登録を行わなかった3万人を特定したとして、このうち1万人を軍事作戦に送り込んだと明らかにしました。多くは旧ソ連を構成していた、中央アジアの国々などの出身者とみられています。
 ベラルーシの法律では、ロシアとの二重国籍を認めているので、ロシアの国籍を持っているベラルーシ人も大勢います。このような人たちも、ロシア軍に登録されて、戦線に送られてしまうのでしょうか。

2024年6月25日。ウクライナ侵攻から855日目

2024-06-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年6月25日。

 ロシア外務省は今日、EUが5月17日、ロシアのノーボスチ通信やイズベスチヤなど、プーチン政権の影響下にあるとされる3メディアにEU域内での放送活動の禁止を決定したことへの対抗措置として、EU域内の81メディアに対し、ロシア国内では閲覧できないよう接続を規制すると発表しました。ウクライナ侵攻に関し、「不正確な情報」を発信しているからだそうです。
 規制対象には、独シュピーゲルや仏ルモンドなどの有力メディアが含まれています。
 ロシア外務省は「EUでのロシアのジャーナリストに対する政治的な抑圧や、ロシアメディアへの不当な禁止には対抗すると警告してきた」と批判。「ロシアメディアへの制限が解除されれば、決定を見直す」そうです。


 6月23日の記事投稿の続きになるような内容ですが、ドイツの保守派が在独ウクライナ人に対し、働かないなら帰国するよう求めたのを受け、オレクシー・マケイェウ駐独ウクライナ大使は今日、独テレビチャンネル「フェニックス」で、保守派らの発言は「いささか人間味に欠け、非常に大衆迎合的だ」と批判しました。
「安全な場所があると言うのは、ウクライナに行ったことがない人だ」とし、ウクライナには「毎日」ロシアの爆弾が降り注いでいると付け加えました。
 保守派を批判するだけではなく、マケイェウ氏は労働・社会相と連名で、在独ウクライナ人に就労を呼び掛ける通知を送付しました。このように行動に移しているところがすばらしいですね。日本の厚生労働省も各国大使館と共同で、日本に住んでいる外国人に対し、きちんと日本で就労しましょうと呼びかけてみてはどうでしょうか。
 
 マケイェウ氏はさらに、ウクライナ人は他の外国人よりも早く仕事を見つけていると述べました。ドイツは移民大国ですが、やはり同じ移民や難民でも、宗教が同じキリスト教で、言葉もヨーロッパの言語で食生活も外見も近いウクライナ人のほうがよっぽど早く仕事が見つかるのでしょう。

 一方でマケイェウ氏は、ウクライナ人が能力にふさわしい求人がないために、働く意欲をそがれている人も多いと訴えました。
 つまり高スキルのウクライナ人が、ドイツでは外国人なので、単純作業の仕事をさせられて、やる気がなくなっている、ということでしょうか。

 ドイツ政府によると、ウクライナ侵攻が始まって以降、約100万人のウクライナ人を受け入れましたが、労働・社会省によると、そのうち仕事を見つけたのは約17万人だけだそうです。
 現在ウクライナ成人男性のうち、ちょうど就労年齢に当たる人は国外への出国が禁止されていますから、この100万人の中には女性や子供が多いと思うのですが、子供は就労できないし、小さい子供を抱えた母親は仕事ができないでしょう。100万人のうち仕事をしているのは17万人だけ、少ないなあ、ウクライナ人、支援を受けるだけじゃなくて働けよ、と思うドイツ人が出てくるのは当然ですが、この数字は私には意地の悪い印象操作のように感じられます。

 ドイツ政府は今年、在独ウクライナ人支援に55億~60億ユーロ(約9400億~1兆260億円)の予算を割り当てています。そして保守派はこれがドイツ人の負担になっていると言いたいわけです。
 今、ドイツの労働市場が「売り手市場」で、多くの業界が人手不足問題に直面する中、政府はウクライナ人に就労を促そうとしています。そして仕事をしないのなら、帰れ、というのが保守派の主張です。
 言語の壁があるから、仕事ができないというウクライナ人もいるでしょうが、だったらドイツ語を勉強すべきだと思いますし、ドイツ国内に難民支援の一環で、ドイツ語教室がたくさんあると思うのですが。



2024年6月24日。ウクライナ侵攻から854日目

2024-06-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年6月24日。

 ウクライナ大統領は今日のビデオ演説で、ソドル統合軍司令官を解任すると発表しました。
 アゾフ大隊幹部のクロテビッチ氏は昨日、通信アプリ「テレグラム」への投稿で、ソドル氏を名指しせず、ある軍司令官を捜査当局に告発したと明かしました。「(作戦上のミスで)ロシア兵よりもウクライナ兵を多く殺した」と批判し、「軍の要員の99%が彼を憎んでいる。私が誰のことを言っているかはわかるはずだ」とも述べました。そして翌日の今日、この大統領の発表です。
 ウクライナメディア「キーウ・インディペンデント」によると、ソドル氏はウクライナ東部戦線の作戦を主導した後、今年2月に統合軍司令官に起用されていました。後任となるフナトフ氏は南部作戦司令部で副司令官を務めた経験があるそうです。

2024年6月23日。ウクライナ侵攻から853日目

2024-06-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年6月23日。

 前回の21日の記事投稿の続きになるような内容になりますが、ドイツの保守政党「キリスト教社会同盟(CSU)」の幹部アレクサンダー・ドブリント氏は、今日付の主要週刊紙「ビルト日曜版」に掲載されたインタビューで、ウクライナ人は「就労しないなら、ウクライナ西部の安全な場所に帰るべきだ」との見解を示しました。
 2022年のロシアによるウクライナ侵攻開始を受け、ドイツ政府はウクライナ人に対し、難民認定申請を必要とすることなく自動的に、滞在許可と失業手当を受給する権利を与えました。
 そして2年が経過。
 現在、保守派は、中道左派「社会民主党(SPD)」所属のショルツ首相に対し、ウクライナ人支援の削減を求めています。
 テューリンゲン州議会の保守政党「キリスト教民主同盟(CDU)」トップは先週、ウクライナ人に長期在留者と同等の福利厚生を与えた決定は「重大な過ち」だったと批判し、「無条件に支援するのではなく、就労させなければならない」と訴えました。
「就労しないなら、ウクライナ西部の安全な場所に帰るべきだ」との見解も示しました。(本当に安全な場所がウクライナの中にあるんでしょうか?)

 ただ支援だけするのは初期だけで、何年も支援を受けっぱなしではだめだと思います。人手不足のところに就労させて、自力で収入を得るようにするほうがウクライナ人もいいと思います。
 ただ、そうすると言葉の問題があるので、就職できないというウクライナ人も出てきます。
 ドイツ語が分からないから、仕事ができない、コミュニケーションが取れない、という問題です。これを言い訳だと批判する人も出てきますよね。

 通訳を多く準備するなどしないといけないようにも思えますが、でも今はスマホで機械翻訳もできる時代なのだから、簡単な仕事の仕方などすぐ指示できると思います。
 逆に言うと、ドイツ語ができるウクライナ人は優先してドイツに避難(移住)させるようにしたらいいと思うのですが。⚪︎⚪︎語ができるウクライナ人は⚪︎⚪︎国に優先して避難できるようにしてほしいです。
 そういうと結局外国語ができる頭のいい人が得をする、ということになって平等ではないという意見が出てくるのでしょうね。でも、人生において努力して身につけた知識のおかげで得をするというシーンが出てくるのは当たり前かと思います。運がいい人、悪い人の境目が知識だったというケースはよくあることだと思います。

2024年6月21日。ウクライナ侵攻から850日目

2024-06-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年6月21日。

 ハンガリー首相は今日、ベルリンを訪問し、ドイツは移民の流入によって「10年前と比べてにおいや景色も変わり」、多彩な多文化世界になったと述べました。
 国のにおいが変わったって・・・深い意味があるのか、それともその言葉通りなのか。

 ハンガリーが7月1日からEU理事会の輪番制議長国を引き継ぐのに合わせて、ドイツ首相と会談するためベルリンを訪れ、国営ラジオの週例インタビューで、ドイツは移民が「数十万人規模」で「通常よりも迅速な手続きで市民権を与えられている」とし、さらに、かつてのドイツは「勤勉な国民」と「秩序」の規範だったが、もはやそうではないと主張しました。
「ドイツは多彩な多文化世界に変わった。この国では入国する移民はもはや客人ではない。」
との見方を示しました。
 日本にも外国人の移民に反対している人が大勢いると思うのですが、そういう方々はこのハンガリー首相の意見に賛同するのでしょうね。
 私は、日本語ができて、日本人とコミュニケーションが取れて、日本の法律を守り、道徳や価値観を尊重し、真面目に働いて所得税や住民税をちゃんと納める外国人はどんどん日本に住んでもらうほうが国益になると思っています。細かく法整備をしないといけないと思います。