ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

「十二支のはじまり」脚本が教育専門誌に掲載されました。(その1)

2011-01-28 | 日本文化情報センター
 昨年末にご報告した「十二支のはじまり」についての続報です。
 ベラルーシの教育専門誌「パチャトコーヴァヤ・シコーラ」に「十二支のはじまり」の脚本が掲載されました。

 「十二支のはじまり」に関連した活動報告については以下をご参照ください。
「十二支のはじまり」に音楽。そして「お正月」

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/83c41c2671f31311d580b70610ed1092

 
 2007年にチロ基金が創立10周年を迎えた記念に「十二支のはじまり」をロシア語で上演できるよう脚本を作成しました。
(当時の上演についてはHP「ベラルーシの部屋」をご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/x/repo/hobby_book.cgi


 教育雑誌「パチャトコーヴァヤ・シコーラ」のHPはこちらです。

http://www.p-shkola.by/


 「パチャトコーヴァヤ・シコーラ」とは何かと言えば、ベラルーシ語で「小学校」のことなんです。ちなみにベラルーシで小学校と言うのは1年生から4年生までを指します。
 これは主にベラルーシの学校と一部の幼稚園で定期購読されており、読者は学校の先生だけ、と言ってもいいほどの教育専門雑誌です。
 内容はほとんど教育法。つまり上手な授業の進め方や、分かりやすい説明の仕方など、とても細かい情報を記事にしています。
 そのような中で、学校でのお楽しみ会などにちょっと変わった東洋の演劇をしてはどうでしょうか? と提案する形で「十二支のはじまり」の脚本が掲載されました。
 がんばってロシア語脚本化した私にとっては大変うれしい話です。
 発行部数は約9300部なので、これをきっかけに「十二支のはじまり」の劇を上演する学校がもっと出てくるかもしれません。

 さらに脚本だけではなく、スベトラゴルスクの児童図書館で上演されたときの写真や、その劇のために作曲された音楽の楽譜も一部ですが、掲載されました。
 スベトラゴルスク児童図書館での上演の様子について詳しくはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/98ca83bd966805dffa8eafe4be536f5d




チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第113回」

2011-01-25 |   ビタペクト配布活動
 今年最初のビタペクト2配布活動となりました。

 1月24日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第113回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクトTを5個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2(ビタペクトT)は合計1764個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1520部となりました。
  
 今回で通算123回目のビタペクト2(ビタペクトT)の配布となりました。1520家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクトTを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a



 今回は2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族に話を伺いました。

(家族A)
 ボブルイスク市(チェルノブイリ原発から約200キロ)から来た家族です。お母さんが4人の自分の子どもを連れてきていました。
 この家族は2007年8月にSOS子ども村に1回目の保養滞在したことがあります。そのときの様子はこちらの過去ログ
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第63回」(家族B)をご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/decacd245c32e5211e978d379c6f08f6


 2007年8月と今回の2011年1月の体内放射能測定の結果は以下のとおりです。○印の子どもにビタペクト2(ビタペクトT)を渡しました。

母親(事故発生時12歳)11ベクレル → 9ベクレル
長男(16歳)22ベクレル ○ →20ベクレル ○ 
次男(15歳)33ベクレル ○ → 0ベクレル 
三男(11歳)18ベクレル ○ → 0ベクレル 
四男(10歳)30ベクレル ○ → 0ベクレル 

 この家族には今回ビタペクトTを1個渡しました。
 前回に比べて全員が放射能値が下がり、うれしいかぎりです。
 お母さんも測定結果にとても喜んでいました。

 3年半前と比べて子どもたちの体調などに特に変化はないそうです。15歳の次男は癲癇(てんかん)による痙攣の発作が起こるため、投薬により発作を抑えている状態がずっと続いています。
 お母さんは4年前に糖尿病を発病しましたが、昨年大きい胆石が見つかり、胆嚢炎を起こして、入院しました。近いうちに胆嚢そのものを手術して摘出する予定になっています。
 ビタペクトTを飲めば胆嚢に何かしらいい効果があるのではないか、自分のお金を出してでも買って飲みたい、と話していましたが、逆に飲まないほうがいいと答えました。
 私は医者ではないのではっきりとは分からないのですが、ビタペクトTを飲んだ後に、胆嚢が収縮することがあり、それで痛みを感じる場合があります。特に小さい子どもが痛みを感じやすいため、それで3歳以下の子どもは飲まないことになっているのです。
 このお母さんの場合、胆石を持っているので、もしビタペクトTのせいで胆嚢が収縮した場合、かえって痛みを感じるようになるのではないか、と思ったからです。お母さんは少しがっかりしていましたが、やめておいたほうがいいでしょう。
 病気になったらわらにもすがりたくなる気持ちは分かるのですが・・・。 


(家族B)

 お母さんと9人の子どもの家族。同じくボブルイスク市から保養に来ていました。この家族には4個のビタペクトTを渡しました。

母親(事故発生時16歳)0ベクレル
男子(11歳)0ベクレル 
男子(11歳)36ベクレル ○
女子(8歳)30ベクレル ○
男子(8歳)35ベクレル ○
女子(6歳)25ベクレル ○
男子(5歳)0ベクレル 
男子(4歳)0ベクレル 
男子(3歳)0ベクレル

 この家族には11人子どもがいるのですが、年長の2人を除いた9人をお母さんが連れてきていました。そのうち最年少の生後10ヶ月の女の子は測定していないので、上記のリストに入っていません。
 このうち11歳の男の子2人、8歳の男の子と女の子は双子です。
 同じ物を食べているはずですが、測定値に大きな開きがありました。

 5歳の男の子は生まれたとき、6本指だったそうです。チェルノブイリ原発事故発生直後には多く見られた奇形(この言い方、あまり好きじゃないんですが・・・)の一つです。
 事故が起きてから25年近く経過しているので、この子が6本指で生まれてきたのは、の放射能が直接の原因ではない、という意見もあると思います。しかし、では何が原因で起こるのか? ときかれるとまた答えに困る問題です。
 ともかく、この男の子は手術をして、6本目の指を切除したため、今は普通の5本指になっています。
 しかし、甲状腺が機能障害を起こしており、全く甲状腺としての働きをしていないため、ホルモン剤を毎日飲んでいます。おそらく一生飲まないといけないでしょう。
 また生まれる前に、直腸がうまく貫通せず、生まれたとき直腸が形成されていませんでした。要するに排便ができない状態です。人間は胎児のときにおしりの外側と内側から穴が空いてきて、それがつながって貫通したときに、直腸になります。この子の場合はそれがうまくいかないまま、生まれてきた、ということです。
 そこで、生後すぐにミンスクの小児外科センターで直腸を貫通させる手術を受けたそうです。(この小児外科センターにはチロ基金から腹腔内視鏡手術器具を寄贈しています。この男の子の手術にも寄贈した器具を使ったかもしれませんね。)
 その結果、ちゃんと排便ができるようになりました。
 しかし聴力が弱く、右耳に補聴器をつけています。身体障害児の認定を受けていますが、お母さんはとても心配していました。

 11歳の男の子は喘息を持っており、さらに食物アレルギーであるそうですが、原因になっている食べ物が何なのかまだ分からない、ということでした。
 赤ちゃんのときに粉ミルクを飲んだときからアレルギーが始まり、気管支炎を起こし、さらにその後喘息が始まったそうです。
 ビタペクトTは体内の放射能だけではなく、重金属も体外に排出するので、もし重金属が原因のアレルギーである場合、アレルギーが治ることがあります。(花粉症などには効きません。)
 今回この男の子にはビタペクトTを渡したので、飲んでみてアレルギーが治るかどうか試してみてはどうですか? と話しておきました。私自身はあまり期待はできないと思ったのですが、お母さんは喜んでいました。
 他の子どもたちは比較的健康だということでした。 

 今回もいつものように子ども達に折り紙、折り紙の作り方などをプレゼントしました。
 そして北海道にお住まいのSさんから羅臼昆布のプレゼントもありました。おやつ昆布です。みんな興味津々でした。生後10ヶ月の女の子は歯が生えてきたので、昆布をおしゃぶりの代わりにかませるといいですよ、と話したら、
「日本人の知恵ですね。」
お母さんたちは目を丸くしていました。おやつ昆布を食べてみて、子どもたちは
「魚の味がする!」「日本の海の味かな?」
と大騒ぎしていました。

 最後になりましたが、ビタペクトTの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や昆布など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

ビタペクトT

2011-01-22 |   ビタペクト配布活動
 チロ基金の「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布」活動についてです。
 ビタペクト2を製造しているのはミンスクにあるベルラド研究所です。ベルラド研究所は2000年に、カルシウムを加えた「ビタペクト」を開発、製造していました。

 その後、カルシウムを除いた「ビタペクト2」を製造するようになり、チロ基金は長年にわたり、寄付金で購入、ベラルーシの子どもたちに無料で配布してきました。
 カルシウムを除いた理由は、サプリとしてのカルシウムがベラルーシでは大変高価で、これを加えるとビタペクトそのものの価格が上がり、一般的なベラルーシ人には購入しにくいものになってしまうからです。
 
 「ビタペクト2」は粉状だったのですが、ベルラド研究所は2010年末、粉を固めたタブレット型のビタペクト2を製造するようになりました。これは「ビタペクトT」と言います。
 このTというのはタブレットの頭文字のTを表します。 

 成分的にはほとんど違いはなく、タブレットにして飲みやすく、さらに1回分の摂取する分量を分かりやすくするためなのですが、その結果、ベルラド研究所は「ビタペクト2」の製造は中止し、2011年現在完全に「ビタペクトT」のみの製造に移行しています。

 チロ基金はこれからもビタペクト2無料配布活動を続ける予定ですがビタペクト2ではなく、「ビタペクトT」の配布と変わります。
 これからは「ビタペクトT」を配布しますが、活動自体の名称は今までと同じく「ビタペクト2」のままで統一します。ご了承ください。

 また「ビタペクトT」は現在ベラルーシの一部の薬局でも販売されることになりました。これで、個人で買うこともできるようになったのですが、薬局で買うと割高な金額になってしまいます。
 チロ基金は直接ベルラド研究所でまとめて購入しているため、割引価格で売ってもらっており、助かっています。

 画像は「ビタペクトT」です。中身をお皿に入れてみました。
 ビタペクトも進化したなあ、というのが私の率直な感想です。
 今後もチロ基金の「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布」活動への変わらぬご協力を日本人の皆様にお願いいたします。

・・・・・・・・・・・

 問い合わせがありましたので、ビタペクトTの成分をお知らせします。

ペクチン
ビタミンB2 
ビタミンB6 
ビタミンB12 
ビタミンC 
ビタミンE 
ベータカロチン 
葉酸 
セレン 
亜鉛 
カリウム
乳糖
クエン酸
ポリエチレングリコール(固化剤。タブレット状の形を保ちます。)
ステアリン(固化剤。タブレット状の形を保ちます。)
アスパルテーム(人工甘味料)

 また1タブレット(約2グラム)に含まれる成分はこのようになっています。

ペクチン 961ミリグラム
ビタミンB2 0.13ミリグラム
ビタミンB6 0.46ミリグラム
ビタミンB12 0.40マイクログラム
ビタミンC 13ミリグラム
ビタミンE 1.98ミリグラム
ベータカロチン 0.66ミリグラム
葉酸 26.5マイクログラム
セレン 9.9マイクログラム
亜鉛 2ミリグラム


トーダルの伝記本 その2

2011-01-15 | 日本文化情報センター
 この半生記本が出版されるということは1年前から話があったのですが、なかなか進みませんでした。それは出版業界が不況のためスポンサーを見つけるのが大変だったからです。
 私は去年の夏にエラさんからほとんど内容が完成している原稿を見せてもらっていたのですが、チロ基金の活動も詳しく紹介されているのを見て、チロ基金がこの本が出版されるためにスポンサーになりました。
 スポンサーと言っても要するに日本文化情報センターの広告を載せてもらったのです。
 チロ基金としては初めて広告を出しました。画像はその広告のページです。エラさんの息子さんがデザインしてくれました。
 テレビのCMではないので、これで日本文化情報センターの存在が広く知られる、ということはないのですが、トーダル君の音楽をきっかけにして日本文化に興味を持つベラルーシ人が増えたら、と思いました。
 近いうちに出版記念パーティーをしたいと出版社の方は話しています。スポンサー(^^;)の1人として出席しましたら、またブログ上でご報告しますね。 
 

トーダルの伝記本 その1

2011-01-11 | チロ基金
 2010年年末にベラルーシの音楽家トーダルの伝記本が出版されました。
 伝記と言ってもご本人はちゃんと生きております。(^^;)
 半生記を綴った本、と言ったほうがいいですね。
 本人は内容について直接執筆しておらず、3人のジャーナリスト、音楽評論家が共同執筆者になっています。
 内容は主にトーダルの生い立ちや、インタビュー記事、今までいっしょに音楽活動をしてきた関係者の人たちの紹介、ヒット曲の歌詞などから構成されています。
 そして当然のことながら、CD「月と日」誕生のいきさつ、2008年の日本公演のことなど、かなり詳しく多くの紙面を使って紹介されています! 写真もたくさん掲載されています。 
 本の最後には代表曲の歌詞が紹介されているのですが、その中に「月と日」収録曲である「村祭り」「われは海の子」「故郷」の歌詞も載っています。
 さらにトーダル君の音楽活動には関係のないチロ基金の活動についてまで、親筆者の1人でジャーナリストのエラ・ジビンスカヤさんのご厚意により、この本で紹介されているのです。どうもありがとうございました!
 
 (画像は本の表紙です。タイトルを日本語に訳すと「ベラルーシの言葉は歌うことから」。それにしても最近のトーダル君、ひげもやもやになりましたね。あ、私は個人的にはひげの生えている人が好きです。(^^;)
 エラさんはひげがなかった頃、と言っても、けっこう最近の写真を指差して「若い頃の写真ですね。」と言っていた。今はもう若くないのか? トーダルより年上の私の立場は一体・・・;)


 CD「月と日」について詳しくはこちらです。(HP「ベラルーシの部屋」内)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/songs/index.html


 トーダルの日本公演について詳しくはこちらです。 

http://blog.goo.ne.jp/mitsubachimasa