今日の日本時間午前10時から、昨年12月に実施された日本語能力試験のオンライン結果発表が始まりました。
ベラルーシでは4年連続、中止されているので、今回は日本文化情報センターの日本語教室の生徒7人がロシアへ受験のため出発しました。
結果は、2名が合格、5名が不合格でした。
以前の投稿で心配していた、「認定証をモスクワからベラルーシへ郵送してもらえるのに、ペテルブルグで受験した場合はベラルーシから取りに行かないといけない」という問題ですが、結局ペテルブルグで受験した3人は3人とも不合格だったので、郵送問題はもう考えなくてもよくなりました。この悩みはなくなったと言えばなくなりましたが、今回、不合格者が多いように思え、みんな落ち込んでいます。
一方で、日本語能力試験の合格率はレベルにもよりますが、平均で30%ぐらいなので、7人受験して2人が合格というのは平均レベルのような気もします。
ただ、不合格者のほとんどが試験当日、寝不足だったのが原因だったと私は思っています。
いつもロシアへ越境受験に行く生徒には、「早目に出発して、試験の前日の夜はよく睡眠を取ること」と言い聞かせているのですが、ベラルーシ人にとってはロシアはとても物価が高い国なので、宿泊費を浮かそうと考え、試験が始まる12時間前(土曜日の夜)に夜行列車や夜行バスに乗って、当日(日曜日)の朝7時に到着。そのまま試験会場に行って、午前10時から試験開始。終わったら半日観光して、夜に夜行列車か夜行バスに乗って、次の日(月曜日)の朝、ミンスクに到着。そのまま職場へ出勤、あるいは学校や大学に登校する人がいるんですよ。
このように夜行バスの中でほとんど寝ることもできないまま、試験会場へ直行するので、睡眠不足でテスト問題がよく理解できないまま試験が終わってしまう・・・というパターンが多いのです。(今回合格した2人は前日の宿泊場所を確保していて、ちゃんと睡眠を取っていました。ちなみにこの2人のうち1人と同行して同じ宿泊施設で寝ていたのに不合格だった人もいます。)
こういうふうに無理をするベラルーシ人が毎回出てくるので、いつも試験の前の日にちゃんと寝るようにしましょうと言っているのですが、宿泊費節約をどうしても優先してしまうのです。
そこをチロ基金が支援してあげなよ、という日本の方もいるとは思うのですが、今回不合格だった人は全員N4受験者で、正直言って、N4に合格してもレベルが低くて日本での就職や留学には有利にならないのです。
低いレベルの場合、わざわざ戦争中にロシアへ行かなくても、「
チロ基金提供私たちのテスト」を受験料無料で受けられるのだから、そのほうが安上がりだし(健康にもよいし)いいのに、と勧めていたのです。
しかし、どうしても本物の日本語能力試験の認定証を手にしたい、というベラルーシ人は私がいくら止めても自分で受験の申し込みをしてしまいます。
だから、合格したらいいのですが、不合格だとがっかりですし、どうしても
「ベラルーシで日本語能力試験をしてくれたらいいのに・・・。」
と恨めしく思ってしまいます。
今年の7月のミンスク会場はどうなるでしょうか?
それまでに戦争が終わりそうにないので、ベラルーシ人は悲観的に考えています。
私の正直な意見は・・・「低いレベル(N4、N5)の認定証を持っていても、それが将来役立つとは思えないので、ミンスクで試験が実施されなくても、悲しまずにチロ基金提供の無料テストを受けるほうが、心身ともに経済的にも楽。」
「N1、N2、N3レベルの認定証は持っていると、将来人生が変わるチャンスになるかもしれないので、越境受験する意味がある。しかし、前日は宿泊場所を確保して睡眠不足にならないようにしましょう。」・・・です。
今年も5月から7月にかけて、各レベルの「私たちのテスト」を実施します。
(場所が狭い、試験監督の数が確保できないという理由で、日本語能力試験のように1日だけで全レベル実施というのはできないのです。)
チロ基金支援者の皆様のおかげで、今年も「私たちのテスト」は実施できます。生徒教師一同、がんばります。
また改めてご報告いたします。
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続報です。
2024年3月中旬、モスクワで受験し、合格した生徒の認定証が無事、ミンスクへ転送されてきました。
詳細は
こちらです。