ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ミンスクのコンサートで日本の歌「さくら」が日本語で合唱されました

2008-07-27 | ベラルーシ文化
 7月20日、トーダルのバースデーコンサートに行ってきました。
 そこではトーダルのほか、友人アーティストが登場して、歌をトーダルにプレゼントするのが恒例となっています。
 今回、その友人ゲストが日本の歌「さくら」を合唱するというので、さっそく行ってきました。

 そもそもこの合唱団はコンピュータ会社の社員が集まって結成したもので、普段は通常業務をこなしながら、就業後集まって練習しているそうです。プロじゃない言えばそうなのですが、舞台に立つこともあるという、上手な合唱団だという評判を聞き、楽しみにしていました。

 どうしてこの合唱団が「さくら」を日本語で歌うことにしたのかというと、合唱団長さんのガリーナさんがトーダルの友人で、「月と日」を聴いて、「さくら」が大変気に入り、自分の合唱団で日本語で歌ってみたい、と言い出したからなのです。
 この話はもう半年ほど前に出ていて、トーダルにその話を聞いた私は、頼まれて「さくら」の楽譜、さらにそれにロシア語のアルファベットで歌詞を書き、日本人が日本語で歌っている「さくら」の歌をCD-ROMに焼き付けたものを渡しました。
「発音とか間違わないように一度私が聴きに行くほうがいいかも。その場合は練習している場所まで行くので、連絡するようにガリーナさんに言っておいてください。」
と私は伝えておいたわけですよ。

 ところが、その後何の音沙汰もなく、どうなってるのかと思っていたら、トーダルから
「今度のバースデーコンサートで『さくら』を初めて歌うので、聴きに来て。」
と電話がかかってきたので、すっかり楽しみにして行ったのです。

 この画像はその合唱団が「さくら」を日本語で歌い終わった直後の様子なのですが、この方々の「さくら」はひどいものでした。
 いきなり、
「さーきゅーらー、さーきゅーらー♪」
と歌いだしたときには、私は固まってしまいましたよ。
 いっしょに来ていた6歳児のY子ですら
「さきゅらじゃないよ、さくらだよ。」
と言ってしまうほど。
 しかし合唱団の皆さんは美声で
「かーしゅーみかあ、きゅーもーかあー♪」
と歌っている・・・

 どうも「U」の発音を全部「YU」にして発音してしまっているようなのです。
 私がロシア語アルファベットで書いた歌詞は・・・どうなっているのか・・・それを全部読み間違えているのか? そんなあほな。読み間違えたとしても、日本人が歌っている「さくら」を聴けばこんな間違いはしないはず。
 だいたい、「さくら」という言葉は「サムライ」や「キモノ」のように世界共通語になっていて、ベラルーシ人でもさくらはさくらと発音し、誰も「さきゅら」なんて言わないのだが・・・どうなってんの?

 合唱団は2番の歌詞はベラルーシ語で歌い、それはすばらしくて、ハーモニーもばっちりでしたが、かえって日本語で歌わないほうがよかったのでは・・・と思いました。
 そして最後にまた「さーきゅーらあああー♪」と歌って終わりました。(ちなみに「ら」の発音は巻き舌の「ら」)

 会場は大きい拍手がどっと起こり、「ブラボー!」の声も・・・・・(合唱団員さんの身内かも。)
 
 いやあ、この発音の矯正をしないかぎり、二度と日本語で歌ってほしくないと私は思いましたね。
 だって、これを聴くベラルーシ人の皆さん、誰がこの日本語の歌詞を教えたと思ってると思います?
 当然私ですよ、私。日本人である私が合唱団に間違った日本語の発音を教えた、ということになってるんですよ。
 
 やっぱり、本番前に私が一度聴きに行って間違いを指摘すればよかったです。でもガリーナさんからはそういういった要請はなかったしなあ・・・
 そのガリーナさんですが、コンサート終了後、普通だったら、私に会って
「合唱の『さくら』、どうでしたか?」「楽譜くださってありがとうございました。」とか一言何か言うと思っていたんだけど、なぜか私の横を素通りして「無視」の状態。

 がっかりですね。こういうベラルーシ人とはいっしょに仕事をしたくないです。
 なぜなら合唱といった芸術にかかわっている仕事をしているわりには、その仕事の内容について真剣に向き合っていないように思えるからです。
 この合唱団長さんが真剣に「日本語版合唱『さくら』」に取り組もうと考えていたのなら、本番前に私に
「発音など、おかしなところがあれば教えてください。」
と頼んでいたはずです。
 最初からこっちが「稽古場に行ってもいいですよ。」と言っていたぐらいなのに。

 結局「発音なんか日本人が聴いておかしいと思おうが、どうでもいいわ。」という考えなのでしょう。聴いた後の感想もどうでもいいのでしょうね。
 こういういいかげんな仕事をしている、というか自分の仕事に真剣に向き合ってもいない人の芸術作品に、他人が真剣に向き合ってくれることもないだろうなあ、と思いました。

 合唱団の合唱のレベルは高かっただけに、もったいない話です。いろんな合唱曲をこれからも歌ってほしいな、と思いましたが、あの発音のままの「さくら」はこれ以上歌ってほしくないです。
 歌っても日本語の歌詞は私から教えてもらったと公言してほしくないですね。
  

自宅の真下でロケ その2

2008-07-26 | ベラルーシ生活
 ロケ撮影されたテレビドラマのストーリーはよく分からないけど、ロシア人の俳優さんが登場して、そのうちの一人の女優さんのほうが、我が家のマンションに住んでいる、という設定らしい。
 で、男性俳優が車(黒)で、恋人らしい女性を自宅マンション下まで送ってきて、会話をするシーンを撮影していました。
 私たち一家がいた階段踊り場が高すぎて、会話の内容は分かりませんでした。
 
 でも、俳優さんはしゃべっていたかと思うと、いきなり車のサンルーフから身を乗り出し、女優さんにキス。
 でも女優さんは何かしゃべった後、マンション内に入ってしまい、(その通り道になるため、我が家の車がどかされた予感がしますねえ。)俳優さんは何やら悪態らしきものをつき、(ふられたのか?)その後、車を急発進して走り去る・・・というシーンを撮影していたのですが、車のタイヤ前輪が斜めになっていて、まっすぐかっこよく走り去ることができず、何回も取り直していました。

 S夫は
「ばっかだなあ。最初から前輪を進行方向に向かってまっすぐにして停めておきゃいいのに。もしかして何回もキスしたいんじゃないか、あの俳優。」
と笑い、急発進失敗のたびに、ロケ隊の頭上で私たち一家はくすくす笑っていたのでした。(^^;)

 画像はそのキス画像。(^^;) 何だか盗撮しているような気分になりましたねえ。

 しかしまあ、撮影って大変。この真夏に俳優さんたちは長袖の格好だし。
 しかも後から聞いた話では、撮影は夜中の2時までやっていたそうです。ご苦労さん。
 でも完成したテレビドラマは見たいですねえ。自分の家がどんなふうに写っているんだろう。
 ちなみにNTVからはロケ協力の謝礼がマンション管理局に支払われ、住民のために使われるそうです。
 またロケにやって来そう・・・。ベラルーシに来たらスタッフの宿泊費だっているだろうに、それでもロシアで撮影するより、ベラルーシで撮影するほうが安くつくっていうのは、どうなっているんでしょう? 両国の経済格差がそれだけ大きいってことでしょうか・・・

 

自宅の真下でロケ その1

2008-07-26 | ベラルーシ生活
 先週、自宅のマンションのエレベーターの中にこんな貼紙がはってあった。

「今日と明日の2日間、マンション敷地内でロシアのテレビ局NTVがテレビドラマの撮影をします。ロケ隊は住民の皆さんの邪魔はしませんので、皆さんも撮影の邪魔をしないようにお願いします。」

 いきなり「今日と明日」というのが・・・こういう撮影スケジュールって、もっと前から決まっているのでは?
 ロケ当日は土日であったため、金曜日の晩からダーチャ(夏の週末など過ごすセカンドハウス)に行ってしまい、日曜日の晩に家に帰ってきたら駐車場でロケをしていて、びっくりぎょうてん。自分の駐車スペースに車を停められない住民が続出しました。

 しかも「住民の邪魔はしません」と言っておきながら、ドアのチャイムがピンポンと鳴って
「お宅の車が破損する怖れがあるので、少し離れた場所に移動させてください。」
と言ってきたので、S夫はぶーぶー文句を言いながら、マンションの下へ下りていきました。

 文句を言いながらも、自分の家の下でテレビドラマの撮影なんてめったにないことなので、階段の踊り場から見下ろして見物しました。
 ついでにデジカメ撮影したのがこの画像。
 ロケ現場を真上から見下ろすのは初めてですなあ。
 住民の子どもがきゃっきゃ騒ぎながら、遠巻きに眺めたり、通行人が足を止めたりしていました。
 
 ちなみに写っている白い車の後ろに我が家の車が止まっていたのですが、何でも「白い車に別の車が後ろからぶつかるシーン」を撮るから、あんたのとこの車をどけてくれ、ということでした。(でも本当かなあ?)

 それにしてもなんでわざわざロシアのテレビ局が、ベラルーシに来てテレビドラマの撮影をするのか? うちのようなマンション、ロシアでもいっぱいあるだろうに。
 その理由はずばり、ベラルーシのほうがロシアよりロケ代が安くつくから。
 そんなわけで、ロシアの映画やドラマはしょっちゅうベラルーシでロケされています。
 日本人の皆さんが最近のロシア映画を見たとき、背景に写っているのは実はロシアではなく、ベラルーシということは十分ありえます。
 

 

ロシア語版ブログの画像について

2008-07-19 | チロ基金
 先月ロシア語版日本文化情報センターの公式サイト(ブログ)開設についてお知らせしましたが、新しい画像を見ることができます。
 意外と撮影しているのを忘れていたり、内容が新しくなっているものがありました。

 ビタペクト2の新パッケージと「チェルノブイリ:放射能と栄養」の日本語版表紙とロシア語原書のコピーはこのようになっています。

http://blog.goo.ne.jp/fondchiro/e/93e10f930ef33ab0cc4e78507a87ae5b



 「ノンちゃん雲に乗る」ロシア語版(原作 石井桃子・翻訳 三浦みどり)の表紙の画像はこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/fondchiro/e/5b2f316f7b9da4ab8e0a7c1b5558e4f8



 日本文化情報センターで続けている絵本の翻訳活動についてですが、最近翻訳した絵本の画像はこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/fondchiro/e/5b26fd8b69ae2133625b007ac69f6116



 また日本文化情報センターで行われているテーマ展示の最新のテーマはこちらで知ることができます。

http://blog.goo.ne.jp/fondchiro/e/b5c9601b25aaa94bbcb7eb21cbbc654b



チロ基金のメールアドレス

2008-07-13 | チロ基金
 日本文化情報センターのロシア語版新サイト(実際はブログ形式) 
http://blog.goo.ne.jp/fondchiro/

が開設されたのにともない、チロ基金専用のメールアドレスも開設されました。

 このメールアドレスは、チロ基金にご協力してくださっている日本人の皆様に、送信している「チロ基金活動報告更新のお知らせ」を送るときに使用します。

 新アドレスにつきましては、チロ基金協力者の皆様に個別にお知らせいたしました。

 今まで「チロ基金活動報告更新のお知らせ」が届いていたのに、急に届かなくなったという方、お手数ですが、メールアドレス nbjc19990909@yahoo.co.jp までお知らせください。(メールを送信される場合は、半角英数に直してください。)


チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第76回」

2008-07-13 |   ビタペクト配布活動
 7月11日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第76回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト2を9個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1484個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1140部となりました。
  
 今回で通算86目のビタペクト2の配布となりました。
 のべ人数になりますが、現時点で1484人分のビタペクト2、そして1140家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by



今回、2家族が保養のため滞在しており、お話を伺いました。ただ残念なことに(家族B)の引率者である父親はちょうど不在で、この家族についてはSOS子ども村の職員から話を伺いました。


(家族A)

 ブレスト市(チェルノブイリ原発から約440キロ)から来たお母さんと子どもたち。この家族には4個のビタペクト2を渡しました。
 この家族のことを簡単にもう一度ご紹介します。
 3人の子どもたちは背骨に異常が見つかり、休学するよう言われた。
 お母さんは甲状腺の肥大、腎臓結石が見つかった。
 チェルノブイリ原発事故発生当時ブレストで働いていたが、3年後放射能汚染地域であるゴメリ州ジロービン市の授業も同じ建物内でできる孤児院で働いていた。現在はブレスト在住。

 このお母さんには子どもが3人いますが、そのうち下の二人(長女と次女)を連れてきていました。そのほか4人の子どもを引率していましたが、全員ブレスト市の多子家庭協会の会員です。
 ブレストの多子家庭協会の話をうかがいましたが、2001年に創立され、127家族、約500人の子どもが現在会員になっているそうです。(ベラルーシでは1家族に16歳未満の子どもが3人以上いると、多子家庭協会の会員になれます。)
 母の日や子どもの日には、イベントを行い、みんなで楽しんでいるそうです。国から予算も出ていますが、イベント開催には企業のスポンサーがつくそうです。またドイツから古着の援助をもらったり、ドイツへ保養に行ったりしているそうです。ずいぶん活発に活動していますね。

 この家族の放射能値測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しました。

母親     0ベクレル
長女10歳 13ベクレル
次女10歳 22ベクレル ○
女子14歳 19ベクレル ○
女子14歳  0ベクレル
女子11歳 23ベクレル ○  
女子11歳 25ベクレル ○
 
 このお母さんは2003年に娘二人と息子1人、子どもたちのいとこ2人を連れて、SOS子ども村に滞在したことがあります。このときの様子は(そのときの様子はHP「ベラルーシの部屋」内、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第4回」をご覧ください。ブレスト市出身のお母さんとその子どもたちです。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2003/no4.html


 このときの測定結果は、子ども3人とそのいとこ2人がビタペクト2を飲んでいます。
 娘二人はその後ほぼ毎年SOS子ども村へ保養に来ています。毎回放射能値を測定しているので、追跡調査をしてみました。

 2004年の滞在の様子はHP「ベラルーシの部屋」内、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第19回」をご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2004/no19.html

ここで「末っ子の男の子は0ベクレル」とありますが、女の子の間違いです。すみません。

 2005年の滞在の様子はHP「ベラルーシの部屋」内、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第33回」をご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2005/no33.html


 2006年の滞在の様子はHP「ベラルーシの部屋」内、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第47回」をご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/logs/2006/index.html


 その結果、2003年、2004年、2005年、2006年、2008年の測定結果の推移はこうなりました。(○印は測定結果後、ビタペクト2を飲んだことを表しています。)
長女 48ベクレル○ → 21ベクレル○ → 29ベクレル○ → 22ベクレル○ → 13ベクレル
次女 27ベクレル○ → 0ベクレル→ 20ベクレル○ → 0ベクレル → 22ベクレル○

 また上記「女子11歳 23ベクレル ○」の女の子も2004年と2006年にSOS子ども村へ保養に来たことがあります。
 以前の結果は、それぞれ22ベクレルと16ベクレルで、ビタペクト2を渡しています。
 今回の結果は23ベクレルなので、ビタペクト2を毎回渡しても、結果は変わりがなかった、ということになります。ただこの子は2年おきにビタペクト2を飲んでおり、体質的、食生活的にも1年に1回飲んだほうがいいように思いました。
 
 娘二人もビタペクト2を飲んで、効果が出ているときと、効果が1年以上持続していないときがありますね。
 お母さんのお話では相変わらず、背骨の歪みで悩んでいるようでした。また他の子どもに関しても、女児11歳25ベクレルの子どもはアレルギー体質、胃腸炎を抱える子どもが増えている、という話でした。
「医学については素人である私たち一般人がまずしなくてはいけないのは、食育です。」とも話していました。全くそのとおりですね。
 「チェルノブイリ放射能と栄養」のコピーももう何度ももらっている家族ですが、「もっとほしい。多子家庭協会の会員に配りたい。ビタペクト2も多くの子どもに飲ませたい。」
と話していました。


(家族B)

 ミンスク州ラトムカ(チェルノブイリ原発から約340キロ)から来た家族。この家族は家庭タイプ孤児院で、両親と2人の実子、15人の養子を育てている一家です。
 ところが、昨年12月に母親が病死。成人して独立した子どももいますが、父親が一人で残った子どもの面倒を見ています。それを知っている地元の多子家庭協会の勧めで、SOS子ども村に保養滞在することになりました。
 しかし全員の子どもは連れてこられず、そのうちの6人が父親と滞在していました。
 ぜひこのお父さんと話がしたかったのですが、子どものうち1人をミンスクの専門学校に入学させたい、ということで、入学試験に行っており、会うことができませんでした。ベラルーシは9月が新学年の始まりで、夏である今が入試シーズンです。
 体内放射能値を測定したときも、このお父さんと進学希望のこの子どもの二人はベルラド研究所に行けず、測定していません。
 測定したのは5人の子どもですが、全員に1個ずつビタペクト2を渡しました。
 渡した子どもたちの体内放射能値の結果はこのとおりです。

男子16歳 18ベクレル ○
女児15歳 18ベクレル ○
女児14歳 25ベクレル ○
女児9歳  20ベクレル ○
男子8歳  21ベクレル ○

 ミンスク州に住んでいても測定した全員がビタペクトを飲まないといけない値が出たので、少々残念ですね。
 ただ子どもたちはとても元気で、仲がよく、とても全員養子で、血のつながりがないようには見えませんでした。

 今回も子ども達に折り紙や竹とんぼ、シャボン玉セットなどをプレゼントしました。
 ベラルーシも夏本番で、竹トンボやシャボン玉を外で飛ばして、子どもたちは楽しそうに走り回っていました。
(記念撮影も外でしましたが、うちの子が混じっています。)

 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、手作りの竹細工を寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

ベラルーシに対する渡航情報(危険情報)

2008-07-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
7月4日にミンスク市内で発生した爆発事故発生にともなって、日本外務省が行ったベラルーシに対する渡航情報(危険情報)の見直しの内容について、このブログでもお知らせします。
 ベラルーシへ渡航する予定の日本人の皆様、ご参考になさってください。

・・・・・・・・・・


●首都ミンスク

:「十分注意してください。」(新規)

●ベラルーシ南東部
    :「十分注意してください。」(継続)

☆詳細については、下記の内容をよくお読みください。

1.概況
(1)2008年7月4日、首都ミンスクの中心部で、独立記念日を祝う野外コンサートが行われていた会場において、爆弾の爆発があり、一部報道によれば50人余りが負傷しました。

多くの人が集まる公共の場所及び施設等では周囲に注意をするとともに、滞在時間をなるべく短くする等、十分な注意が必要です。



(2)治安は他のCIS(独立国家共同体)諸国と比較すると良好な状態にあると言われていますが、人口約970万人の国で年間の殺人事件件数(未遂を含む)が2005年1,048件、2006年961件、2007年には800件近くと人口比では非常に高い発生率を記録しています。また、スリや強盗、車上荒らし、置引き等には常日頃から注意が必要です。

(3)2006年3月19日の大統領選挙後、ベラルーシでは野党勢力の動きが活発になり、集会やデモが行われています。最近では2008年3月25日に、約3千人規模の野党集会が行われました。また、2008年9月28日にはベラルーシ下院議員選挙が行われる予定であり、デモや集会が行われる可能性があります。

不測の事態を避けるため、集会やデモに興味本位で参加したり、近づいたりすることは控えてください。



(4)南東部は1986年に起こったチェルノブイリ原子力発電所事故による放射能汚染の影響が深刻な地域があります。

2.地域情勢

(1)首都ミンスク

:「十分注意してください。」

(イ)2008年7月4日午前1時ごろ、ベラルーシの首都ミンスクの中心部で独立記念日を祝う野外コンサートが行われていた会場において、爆弾の爆発があり、一部報道によれば50人余りが負傷しました。その後ベラルーシ当局は爆弾爆発事件の容疑者らしき人物を拘束したとの報道も一部にはありますが、詳細は不明です。ベラルーシに滞在されている方や同地への渡航を検討されている方は、このような事件が発生したことに留意の上、十分な安全対策をとるよう努めてください。

 特に多くの人が集まる公共の場所及び施設等では周囲に注意するとともに、滞在時間をなるべく短くするように心がけてください。

(ロ)2008年9月28日にベラルーシ下院議員選挙が行われる予定です。投票日前後に野党勢力によるデモや抗議集会が予想されます。不測の事態を避けるためにこれらの集会等に興味本位で近づいたり参加したりすることは控えてください。

 ミンスク市内で、特に集会やデモが予想される場所は1.自由広場、2.十月広場、3.スポーツ宮殿、4.ヤクブ・コラス広場、5.独立広場及び独立大通り、6.バンガロール広場、7.アカデミア・ナウーク駅周辺等が挙げられます。
(2)南東部
  :「十分注意してください。」
   1986年、隣国ウクライナ(当時、ソ連邦)のチェルノブイリ(ウクライナ・ベラルーシ国境より10Km)で発生した原子力発電所事故の際、風向きの影響で放射能汚染物質の相当量(ベラルーシ政府は約70%と発表)がベラルーシに流されました。事故から20年以上経た現在でも放射能汚染の影響は深刻で、チェルノブイリ原発に近い南東部(ゴメリ州及びモギリョフ州)の一部には、立入禁止地域に指定されている場所や放射能値が1平方キロメートル当たり15キュリー以上(自然界での放射能値は通常1平方キロメートル当たり1キュリー以下)の地域がありますので、同地域に渡航・滞在を予定されている方は、健康管理や食物に十分注意してください。

(3)その他の地域
   上記(1)、(2)以外の地域には危険情報は発出されていませんが、2005年9月14日及び22日にビテプスク市(ベラルーシ北東部)で爆発があり、22日の爆発では42人が負傷する事態が起こりました。政府はテロの可能性を否定しているものの、2件とも「ベラルーシ人民解放軍」という組織が犯行声明を出しており、テロの可能性も排除できません。このため、警備の手薄な地方へ渡航される方は、このような事件に巻き込まれないよう注意してください。

3.滞在に当たっての注意
  滞在中は、下記の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、外務省、在ベラルーシ日本国大使館、現地関係機関等から最新情報を入手するよう努めてください。

(1)渡航者全般向けの注意

 (イ)ベラルーシに入国するにビザ(査証)が必要です。日本又は各国にあるベラルーシ大使館や総領事館において必ずビザを取得してください。鉄道でベラルーシ領を通過するだけであってもビザ(この場合は通過ビザ)が必要となります。ベラルーシに入国する場合、1日当たり約14米ドルに滞在日数を乗じた金額、トランジットの場合は約68米ドル以上の金額を所持している必要があります。また、自動車でトランジットとしてベラルーシに入国する場合は、指定された国際ルート以外の通行は認められません。

 (ロ)2006年11月より出入国カードが導入されました。入国審査に当たって、記載した出入国カードを提出してください。出国部分は返却されるので、滞在中はパスポートとともに携行し、出国までなくさないよう保管してください。ただし、ウクライナやポーランドなど近隣諸国から陸路で入国する場合、出入国カードが渡されない場合があります。出国の際にトラブルになる可能性があるので、入国の際は必ず受け取るようにし、必要事項を記入の上、提出してください。なお、出入国カードは、各国のベラルーシ大使館で事前に受け取ることができます。

 (ハ)ベラルーシ入国の際に、空港等で健康保険に加入する義務があります。滞在日数に応じて保険料が設定されており、現在7日間の滞在で4米ドルとなっています。この保険は国内保険という考え方であるため、事前に海外旅行傷害保険に加入している場合でも、すべての外国人はベラルーシの健康保険に加入しなければなりません。

 (ニ)ロシアからベラルーシに鉄道で入国する際は国境での入国審査が事実上行われておりません。このため、鉄道で入国される方は、特に以下の点に御注意ください。
  (a)ビザ:ビザを取得せず入国すると、不法入国の容疑で連行される可能性があります。最近では鉄道でロシアからベラルーシを経由し、ウクライナに向かっていた日本人が、ウクライナへ抜ける際の出国審査でベラルーシのビザ(通過ビザ)を取得していなかったことが発覚し、20日間拘束された例があります。
  (b)健康保険:健康保険も加入する義務があります。目的地に着き次第、滞在日数分の保険を保険会社(ベルゴスストラフ)で購入してください。

 (ホ)ベラルーシに72時間以上滞在する場合には、入国後72時間以内に各地に点在するオビール(外国人在留登録所)において在留登録を行う必要があります。登録を行っていない場合、不法入国の疑いで連行される可能性がある上、空港で出国を許されないなどトラブルの原因となりますので、十分注意してください。登録の際には本人と身元保証人のパスポートがそれぞれ必要となります。ただし、ホテルに滞在する場合は、ホテルが身元保証人となって登録を代行しますので問題ありません。また、年間を通じ90日以上滞在する場合は、内務省から短期居住許可証を取得する必要があります。

 (ヘ)1万米ドル相当額以上の現金をベラルーシ国内に持ち込む場合は、税関申告書に金額を明記し、空港内の赤ゾーン(申告)で必ず申告してください。出国の際に未申告が明らかになった場合、全額没収の可能性があります。1リットルを超えるアルコールや、200本を超えるタバコ、6個以上の宝石及び2個以上の腕時計は課税の対象となります。

 (ト)ベラルーシでは、身分証明書の携行が義務付けられていますので、常にパスポートを携行するようにしてください。滞在中、警察官等から提示を要求された際に、身分証明書を携行していない場合、不法入国等の疑いで警察署等へ連行される可能性が非常に高いので注意してください。

 (チ)食料品の残留放射能については、ベラルーシの調査機関が危険性の有無を厳しく検査しています。そのため、現在では一般生活において過度に健康への影響を心配する必要はありません。しかし、市場の周りなどで販売されている出所の分からない食品については注意してください。

(2)観光旅行者向けの注意事項

 (イ)公用語はベラルーシ語とロシア語となっていますが、首都ミンスク市を始めとする都市部で一般に使われる言葉としてはロシア語が定着しています。地下鉄や道路標識等はベラルーシ語で表示されています。最近ではホテル等で英語が通じるところも増えつつありますが、市場や商店等ではほとんど英語は通じません。

 (ロ)公共交通機関やエレベーター等、一般人と一緒になる場所では特に荷物や所持金に注意を払うことが必要です。比較的治安は良好とはいえ、非欧米系の外国人は町中でも目立ちやすいことを念頭に置いて行動してください。日本人がスキンヘッド・グループなどの組織的な犯罪組織の被害に遭ったとの報告はありませんが、怪しいグループを見かけた際は、目を合わさない、極力近寄らないなどの注意が必要です。

 (ハ)通貨はベラルーシ・ルーブルで、2008年7月現在のレートは1米ドル=2,120ベラルーシ・ルーブル、1ユーロ=3,330ベラルーシ・ルーブルとなっています。ホテルやデパート等に多くの両替所が設置されていますので、そこで米ドルやユーロから両替するのが一般的です。また、市内各所に設置されているATMから、VISA、Masterカードなどで現地通貨を引き出すことも可能です。トラベラーズチェックの認知度も広がりつつあり、銀行で換金することが可能となっています。ミンスク市内には日本円の両替可能な銀行もありますが、為替レートはよくありません。また、首都以外の地方都市における日本円からベラルーシ・ルーブルへの両替はほぼ不可能です。

 (ニ)近代的な医療設備の整った病院は少ないため、ベラルーシで十分な治療を受けることは期待できません。持病のある方はもちろんのこと、健康な方であっても、下痢止めや胃腸薬等を用意しておくようお勧めします。また、念のため、出国前に緊急救援アシスタントサービスが付加されている海外旅行傷害保険に加入しておくようお勧めします。

 (ホ)衛生上、水道水はほとんど問題ありませんが、飲料には適していないので、フィルターを通して飲むか、市販のミネラルウォーターを購入されるようお勧めします。また、ミンスク郊外にある井戸水についても、十分注意する必要があります。

(3)長期滞在者向けの注意事項

 (イ)現地に3か月以上滞在される方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後遅滞なく在ベラルーシ日本国大使館に在留届を提出してください。また、住所その他の届出事項に変更が生じたとき又はベラルーシを去る(一時的な旅行を除く)ときは、必ずその旨を届け出てください。なお、在留届の届出は、郵送、FAXのほか、インターネット(http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )によっても行うことができます。

 (ロ)常に連絡できる体制を維持し、緊急事態時に速やかな行動がとれるよう日頃から配慮しておいてください。

 (ハ)不測の事態が発生した場合は、すぐに在ベラルーシ日本国大使館に連絡するようにしてください。


(問い合わせ先)
 ○外務省領事局海外邦人安全課
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140

 ○外務省海外安全相談センター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902

 ○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/

 ○在ベラルーシ日本国大使館
  住所:Pr. Pobediteley 23/1, 8th floor, 220004, Minsk,
      Republic of Belarus
  電話: (375-17) 203-6233
  FAX : (375-17) 211-2169
  窓口受付時間帯
・ 9:00~13:00 14:00~17:45(一般窓口)
・ 9:00~12:30 14:30~17:15(査証窓口)
・ 13:00~14:00(昼休み)


 日本外務省HP内にある在ベラルーシ日本大使館のページはこちらです。

http://www.by.emb-japan.go.jp/j/index.html


 滞在が留学などで3ヶ月以上になる場合は日本大使館に滞在届を提出しなければなりませんが、実際にはベラルーシに訪れる日本人の滞在期間は三ヶ月より少ないことがほとんどです。
 短期の滞在だけど治安を気にされる方は、「たびレジ」に登録しておいてはいかがでしょうか。

ミンスク市内中央部で爆発事件  続報

2008-07-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 7月4日午前0時半ごろ、ミンスク市内中央部で発生した爆弾爆発事件の続報です。
 その後の調査の結果、現場となったコンサート会場で、爆発しなかった爆弾1個が発見されました。「爆弾」というより「爆破装置」のようです。
 4日に爆発したのも爆弾ではなく、このような爆破装置だった可能性が高いです。
 ちなみに爆発したものは時限爆弾ではなく、衝撃を与えると爆発する仕掛けになっていたようです。そういう爆破装置を、大勢の観客が集まるコンサート会場の、観客の足元に置いたわけです。音楽を聴きながら、踊ったりする人もいるわけで、そういう人がうっかり足で蹴飛ばしたら、爆発するように仕掛けていたのです。
 卑劣な犯行ですね。

 会場にいたルカシェンコ大統領は爆発があった場所から100メートルぐらい離れたところでステージを見ていました。
 爆発の後は、恐れることなく、爆発が起こった場所に近づいて、負傷者救援の指揮を取ったそうですが、もし、もう一つの爆弾が爆発していたら・・・
 
 負傷者の数はミンスク市警察当局の発表では37人ですが、ニュースなどでは50人以上、としているところもあります。
 爆弾に詰められていたネジやボルトが体に当たったり、騒ぎの中で逃げようとして転倒して、怪我をした人がほとんどです。そのうち胸部(肺)や腹部(肝臓)にネジなど金属片が刺さった3名が重体、あるいは重傷。
 その多くはベラルーシ人の若者で、2人の幼児(6歳と5歳の子ども。まあ、私だったら幼い子どもを連れて夜中の12時過ぎまでコンサートを聞きに行ったりしませんねえ。)、そして負傷者の中にはロシア人画1名、ウクライナ人が3名含まれていました。また会場の警備に当たっていた警官3名も負傷した、という情報もあります。

 爆発が起こったとき、ウクライナ出身で、現在ロシアで活躍している歌手、タイシヤ・ポバリーがステージで歌っていたのですが、その音響が大きく、爆発が起こったとき、爆発音は音楽や観客の歓声のため、よく聞こえなかったそうです。
 会場にはそのとき約15万人の観客がいたと言う情報がありますが、爆発が起こったことにすぐ気がついたのは、負傷者やその近くにいた人で、大きなパニックは起こらなかったそうです。
 コンサート自体はその後も続き、終了したのは午前3時ごろでした。大体、爆発が起こった後も、コンサート自体を続行するべきではありませんでしたね。もう一つ爆弾があったのが後で見つかったのですから。

 容疑者はまだ見つかっていませんが、
「色黒の男がビニール袋を爆発が起こった現場に置いて行った。」
という複数証言があり、重要参考人としてモンタージュ写真を作成するそうです。また、この男が負傷者となって、病院に収容されている可能性も示唆されています。
そのため、警察は入院した負傷者全員の指紋を採取したそうです。

 一方で怪しい人物を見かけた、という証言が多数あり、単独犯ではなく、複数犯である可能性も示唆されています。
 またミンスク市警察当局では爆発事故が起こったのがコンサートの真っ最中だったこともあり、デジカメでステージの様子を撮影していた観客がいたこともあって、不審な人物を偶然画像や動画で撮影していた人がいたら、情報を提供するよう、捜査への協力を呼びかけています。
(その後、13人の容疑者が取調べを受けたと言う報道がありましたが、犯人逮捕に至るかどうかは今のところでは不明です。)
 
 さて、この「色黒」というのは何かというと、ベラルーシでは、非スラブ人、アラブ系やコーカサス周辺国の民族を指すことが多いです。
 本当にこの人物が爆弾を置いたのかどうか分かりません。何となく、
「爆弾」→「テロ」→「ロシアにおけるチェチェン人テロリスト」→「色黒」というベラルーシ人の連想からきた証言のような気がします。
 だいたい、ベラルーシにはロシアにおけるチェチェンの独立問題のような、民族紛争がありません。
 またチェチェン人テロリストがロシアの隣国ベラルーシでテロ活動をすることは、意味がないように思えます。

 もっとも、犯人も捕まっておらず、犯行声明の発表などもないまま、ミンスク市警察当局は、騒ぎを狙った犯行、つまり政治的な目的はない、と考えていること自体が、おかしいと言えばおかしいです。何を根拠に無差別テロではない、と考えているのでしょう?

 ルカシェンコ大統領は、この爆発は(暗殺など)自分を狙ったものではなく、独立記念日という祝日を気に入らないという人物が、善良な市民を狙い、パニックを起こそうとしたものである、と話しています。
 しかし、ボルトなどをたくさん詰めて殺傷力を高めた爆弾で、単なるいたずらにしてはずいぶん悪質です。
 犯人の捜査にはミンスク市警察のほか、ベラルーシのKGB、ロシアの特別捜査官も協力しているそうなので、実際には「単なるいたずら」と考えて容疑者の捜索をしているのではないようです。さらには
「必要とあれば、犯人探しのため、アメリカの特別捜査の協力を受けることもありうる。」
と(あのアメリカ嫌いの)ルカシェンコ大統領が話しています。

 ただ、ベラルーシの首都ミンスクでこのような無差別に不特定多数の群集を狙った、爆弾事件が発生したのは、今回が初めてです。
 7、8年前にミンスクの空港に爆発物をしかけた、という爆破予告電話があって、空港が閉鎖されましたが、実際には何も爆発物は発見されませんでした。
 また、在ベラルーシロシア大使館に手榴弾が投げ込まれたこともありましたが、大勢の群集を無差別に狙った事件ではありません。

 ただし2005年にビテプスクで、2回の連続爆破事件が起こりました。1回目はバス停のそばの花壇に隠されていた爆発物が爆発し、2人が負傷。
 2回目は市内の大型オープンカフェのそばの花壇の中に隠されていた爆発物が爆発し、46人が負傷。
 このときはルカシェンコ大統領は、連続テロ事件の可能性があるとして国民に注意を呼びかけました。犯人は捕まっておらず、犯行声明も発表されず、事件は未解決のままです。
 これは3年前の事件ですが、今回の事件と同じように爆発物にネジなどが詰められていたそうで、共通点もあります。

 ベラルーシでは7月3日木曜日が祝日であるため、4日の代わりに6月28日を就労日に振り替え、3日から6日まで4連休になっています。
 連日独立記念イベントが開催される予定ですが、今回の爆発事故を受けて、イベントの開催を取りやめるようなことはしない、と政府当局は発表。ただし、各会場の警備を強化するそうです。
 4日の昼間、ミンスク市内を車で移動しましたが、市内に特に混乱や異常はなく、屋台が立ったりと、予定通りにイベントが開催されていました。
 ミンスク市内の大部分に非常線が張られた、という日本語ニュースサイトによる情報もありますが、そのようなものは私は見かけませんでした。
 
 添付した画像は事故が発生してから約12時間後に撮影した事故現場のコンサート会場です。
 ここにも非常線や立ち入り禁止のロープなどは張られていませんでした。すでに現場検証も終わり、特設ステージを解体する作業が行われていました。

 こちらのニュースサイトで事故発生直後、そして夜が明けてからの現場検証の様子などが7枚の画像で見られます。

http://focus.in.ua/gallery/40149/page/0/0.html



 とにかく、事件の全容が解明されるまでは、しばらく注意が必要ですね。
 この夏、ベラルーシへ旅行に行く予定の方は、以下の日本外務省の渡航情報などご参考にしてください。

http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2008C224


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 さて、ここから先の書き込みは爆発事件から約1年経過した2009年6月末のものです。
 必死の捜査にもかかわらず、今でもこの事件の犯人は見つかっていません。
 現在、ベラルーシでの成人男性全員の指紋が採取されているそうです。さらにはDNAも採取するため、唾液まで集めています。
 今のところ、S夫には順番が来ていないそうで、本人も
「え、指紋なんか集めてるの?」
と知らなかったそうですが、すでに指紋を取られた人もたくさんいるようです。
 もっとも、拒否する権利があり、その場合は「指紋の採取を拒否します。」という書類にサインしないといけないそうです。
 
 こんなことをして本当に爆発事件の犯人が見つかるのかなあ・・・? 国外に逃亡していた場合はどうなるの?
「何も悪いことをしていない一般市民の指紋を、成人男性というだけで採取するのは人権侵害だ!」
と怒るベラルーシ人もいます。確かに。

 でも、私が思うにこれは爆破事件の犯人を捕まえるため、と言うより将来の犯罪を防止するため、あるいは犯人検挙率を上げるためなのではないでしょうか?
(こういうことを言うと、S夫は
「てことは将来、男じゃなく女が犯罪を犯すようになるんだな。捕まりにくくなるから。」と言っております。あのねえ・・・。)

 日本でも犯罪防止、あるいは犯人をすぐに捕まえることができるように
「国民全員に個人番号をつけて、DNAをデータ化せよ。」
といった極論を唱える人もいます。反論すると
「だったら犯罪を犯さなきゃいいだけのこと。それとも何か? 今から犯罪を計画しているとか?」
と再反論されます。
 (しかしDNA鑑定結果だけに頼ってはいけない、という事件が日本でも起こりましたからねえ・・・。)

 こういう国民が管理される社会、日本よりもベラルーシのほうが先に実現するかもしれません。それでベラルーシで本当に犯罪が減るのか、検挙率が上がるのか、知りたいところではあります。  

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 ここからは2009年7月に追加した情報です。
 成人男性だけではなく、女性も指紋を採取されているそうです。ただし女性の場合は、爆発事件が発生した前後に、現場の近くで携帯電話で通話をしたことのある人に限定されています。
 たまたまお祭の会場近くに来ていて、たまたま事件発生前後に友達と携帯でおしゃべりしていただけで、指紋を採取されるのです。
 S夫の知り合いの奥さんは、指紋の採取を拒否しました。
 それはともかく、携帯電話の通話記録って、(日本もそうだけど)いつどこにいたのか調べれば簡単に居場所が分かる、という意味で、国家が国民を管理できるということですよね・・・。
 

ミンスク市内中央部で爆発事故

2008-07-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 7月3日共和国記念日(独立記念日)の式典会場の一つであるコンサート会場で4日未明、爆発事故が起こり、約40名の負傷者が出ました。
 負傷者に日本人は含まれていない模様です。
 場所はパベジーチェレイ大通りとマシェロフ通りの交差地点で、ミンスク英雄都市記念碑のそばに設置された特設ステージで、独立記念のイベントコンサート開催中に爆発が発生しました。
 会場にはルカシェンコ大統領も出席していました。その場で負傷者救援のための陣頭指揮を取ったそうです。
 爆発物はねじやボルトを詰めた手作りの小型爆弾で、ミンスク市警察当局は、テロの可能性は少ないと考えているようです。つまり、騒ぎを狙った愉快犯的犯行ということです。犯人はまだ見つかっていません。
 このニュースについて詳細が分かりましたら投稿します。