ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第103回」

2010-05-11 |   ビタペクト配布活動
 5月10日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第103回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト2を4個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1688個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1420部となりました。
  
 今回で通算113回目のビタペクト2の配布となりました。
 のべ人数になりますが、現時点で1688人分のビタペクト2、そして1420家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by


 今回は3家族が保養滞在していましたが、そのうちの1家族(母親と乳児1人)には体内放射能値が低かったため、ビタペクト2を渡していないため、ここではご紹介しません。この家族は画像にも写っていません。(赤ちゃんが寝てしまったんです・・・。)(^^;)


(家族A)

 ゴメリ州カリンコビッチ(チェルノブイリ原発から約100キロ)から来た家族。お母さんが4人の子どもを連れてきていました。この家族には3個のビタペクト2を渡しました。それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しました。
 
母親(事故発生時21歳)22ベクレル
長男(17歳)21ベクレル ○
長女(16歳)46ベクレル ○
次男(12歳) 0ベクレル
次女 (4歳)22ベクレル ○
 お母さんに子どもたちの健康状態などを聞きました。
 16歳の長女は5年前に肝臓病になりました。今は治っているとのことです。背骨に異常があり、ときどき痛むので、矯正体操をしているそうです。
 他の子どもたちには持病などはないそうです。
 体内放射能値は同じ兄弟なのに0ベクレルの子どももいれば、46ベクレルという高い数値の子どももいます。
 お母さんは
「1年以上、キノコは食べさせていない。牛乳もあまり飲ませていない。どうしてこのような結果が出るのか分からない。」
と話していました。

 お母さんが気になるのは分かるのですが、いちいち口にするものを全て検査できるわけではないので、体内放射能がどうしてたまるのか、確定することは普通はできません。ただ言えるのは、事故が発生して24年経ち、放射能はほとんど全て食べ物から摂取している、ということです。空気や水からだけではこんなに放射能はたまりません。
 とにかく買い物のときに気をつけることと、調理前にできるだけ放射能を除去する作業をするしかありません。(具体的な方法は「チェルノブイリ:放射能と栄養」に書いてありますが、ベラルーシ人の多くにどんどん実行してもらわないと・・・。)
 

(家族B)

 ゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から来た家族。お母さんが5人の子どもと2人の姪を連れてきていました。この家族には1個のビタペクト2を渡しました。
 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しました。
 
母親(事故発生時14歳)8ベクレル
長男(16歳) 9ベクレル
長女(13歳) 0ベクレル
次女(11歳) 0ベクレル
三女 (4歳)18ベクレル
次男 (1歳)29ベクレル
姪 (16歳)10ベクレル
姪 (12歳)32ベクレル ○

 お母さんは1歳の次男の放射能値が高いことを気にしていました。しかしまだ小さいので次男にはビタペクト2を渡しませんでした。
 この男の子は生まれつき肝炎にかかった状態で、生後4ヶ月まで黄疸症状があったそうです。しかし治療の結果改善し、最近の検査でも異常は見つからなかったそうです。
 4歳の三女は咳が出て何も食べないので、病院で超音波検査をしたところ、喉に嚢状の腫れ物が二つできていたため、手術して取り除くように言われたそうです。
 その後もう一度同じ医師、同じ場所で検査すると、腫れ物がなくなっていました。(どうなっているの?)
 医師からは
「もうなくなっているので手術の必要なし。」
と言われました。その後風邪をひいたのですが、再び咳が出て何も食べられないので、また病院に行くと、やっぱり腫れ物が二つできていました。
 しかし、しばらくすると消える(超音波検査の画像に現れなくなる)ため、どうしてよいか分からず、放置されている状態です。
「この子はリンパ腺の形が奇形で、こうなっており、病気になると変わった形に膨らむので、腫れ物と見間違えた。」
と医師から言われたそうですが、他の医者は
「そんな形のリンパ腺の奇形はありえない。」
と言い、結局よく分からないままになっています。
 とにかく下手に喉の部分を切らなくてよかったですね。恐ろしい・・・。

 画像は記念撮影したようすです。(ただ3番目の家族は写っていません。また保養滞在家族とは関係ない子どもが1人写っています。)
 今回も子どもたちに折り紙、折り紙の作り方のコピー、折鶴、ぬりえなどをプレゼントしたらとても喜んでいました。
 お母さんからは日本人の子どものしつけについてきかれました。お母さんは
「やっぱり子どものために厳しくしないとだめだ。」
と話していましたが、もしかして自分の子どものしつけに悩んでいるとか???
 でも子どもがたくさんいると大変ですよね。反面、子どもどうしお手伝いなど協力し合っている姿がすてきでした。


 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。


ベラルーシの新しい法律

2010-05-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 旅行のシーズン始まりましたね。ベラルーシへ旅行に行こうと思っている日本人の皆様へ。旅行で一時的に滞在する人にはあまり関係ないかもしれませんが、ベラルーシに新しい法律ができたので、ご注意ください。

 まず、戸外での公共の場所でのアルコール飲料禁止。
 公園のベンチとか、バス停とか、建物の影などで、アルコールを飲んでいるところを警察に見つかると、罰金刑となります。
 はたまた自宅のベランダで飲むのも外から見えるようだと禁止。

 この法律が施行されてから、外でビールを飲む不良少年少女やウオッカを飲むアル中の姿が激減しました。
 すばらしい。人目など全く気にせず、昼から戸外で何人か集まって、アルコールを飲んで騒いで、ゴミ(空き瓶やつまみであるポテトチップスの袋に干し魚をしゃぶった後の骨など)を散らかすこともなくなりました。
 こんな見苦しい光景がなくなり、本当にうれしいかぎりです。
 まあ、警察が巡回に来そうにない森の奥では、今でも平気でベラルーシ人はやっていると思いますが、人の多い都会ではやめていただきたい。子どもの教育上にもよろしくないよ。

 ちなみにベラルーシでは立ちションはかなりの額の罰金を取られます。これも森の奥ならいいけど、都会ではだめです。