ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

母乳について

2011-07-31 | 放射能関連情報
 母乳について複数の方から心配するメールをいただきました。
 前にもこのブログ上でお答えしたのですが、ここで母乳に関してはまとめようと思います。
 以前いただいたご質問は「赤ちゃんに母乳をあげても大丈夫?」です。

 私としてはまずどれぐらい放射能汚染されているのか、いないのか調べてほしい、と言いたいです。それよりも1人1人授乳中のお母さんは母乳を強制的に測定するるぐらいのことを国がしてほしいぐらいです。
 放射能が見つからなければ、あげればよく、見つかったらあげなければいい話です。
 しかし、現状は「母乳の測定ができないので、子どもにあげてもいいのかどうか悩んでいる。」というところでしょう。
 
 私から言える対策としては、お母さんの体に入った放射能が母乳にいってしまうのですから、まずお母さんが放射能の被爆を受けないように努力することです。
 問題なのは食べ物です。こちらのほうが長期にわたる問題になると思います。
 しかし対策方法はあります。それはカリウムとカルシウムをお母さんがたくさんとることです。そうすると放射能のセシウムとストロンチウムが体の中に入ってきません。
 そうすれば母乳のほうにも放射能がいかなくなります。でも汚染された牛乳をカルシウム源としてお母さんが飲まないでください!

 粉ミルクに切り替えるとなると、今度は
「水道水は安全か?」
という問題が出てきて、悩ましいところです。
 水道水は活性炭を使ったフィルターを使ったら放射能を除去できる、と言う学者もいれば、いやできない、という学者もいて、私自身どっちが正しいのか分かりません。
 ベラルーシでもフィルターを開発する話があったのですが、立ち消えになってしましました。
 やはり簡単には放射能を除去できるフィルターはできないのではないかと思います。
 
 私自身の意見ですが、赤ちゃんには母乳をあげてほしいです。(ただし検査をして、放射能が母乳から検出された場合は赤ちゃんにあげないでください。)
 母乳には赤ちゃんの免疫を高める力があります。
 私が問題だと思うのは、放射能そのものの作用より、それによって免疫力が低下し、病気になりやすくなることです。 
 赤ちゃんの免疫力を高めるためにも、母乳をあげてください。そのためにもお母さんがまず被爆しないように気をつけてください。

 放射能の被爆というと、すぐ髪の毛が抜けるとか、白血病になるとか言われていますが、そのような症状で亡くなる人は実はとても少ないです。
 私が問題だと思うのは、放射能そのものの作用より、それによって免疫力が低下することです。 
 それで、簡単に病気(かぜなど)にかかり、さらに重篤化してしまいます。これが問題だと思います。

 母乳を測定するのは大切ですが、日本では基準値がゆるいのが問題です。
 ベラルーシの場合ですが、母乳は食品ではないので、食品の基準値一覧表に「母乳」という項目がありません。
 しかし母乳は「子ども向けの食品」として扱われるので、これが基準値として適用され、ベラルーシでは母乳1リットルあたり37ベクレルが基準値となっています。

 母乳の放射能濃度についのデータはベラルーシにあります。原子力資料情報室発行の「チェルノブイリ10年」と言う本にも載っています。
 ベラルーシ母子健康管理研究所、放射線生物学研究所の研究「チェルノブイリ事故後の母乳中放射能と鉛の濃度」によると、3つの汚染地域と対象地域としての非汚染地域の合計4つの地域に住む母親の母乳を調べました。
 それによるとセシウム137の濃度が、平均で1番高かったのは、非汚染地域の母乳でした。理由としては地表の汚染が低くて「非汚染地域」とされていても、土壌からの農産物へのセシウムの移行率が高かった・・・つまり食品による内部被爆です。
 もう一つの理由は「非汚染地域の住民は食品の放射能汚染への関心が低いから」です。
 皆さんはどう思われますか?
 ただし高汚染地域の母親から1リットルあたり、59.6ベクレルが検出された人もいて、この人が最高の値をこの中では記録しました。
 
 さらにセシウム137のほかストロンチウム90や鉛も全ての母乳サンプルから見つかりました。
 新生児の骨格中のストロンチウム90の濃度は妊娠中の母親の食事中の濃度の2.3倍である、と言う報告もあるそうです。
 授乳中の方も妊娠中の方も食事にはくれぐれも気をつけてください。 

 放射能が含まれる母乳をあげてしまった場合のその後の影響については、ベラルーシではちゃんとしたデータはたぶんないと思います。
 それは具体的に詳しく研究している人がいないからです。そもそも被験者になる人をたくさん集めないといけませんが、心情的に考えて、承諾するお母さんは少ないでしょう。
 後になって
「ほら、あんたが母乳をあげたから、10年後子どもがこんな病気になった。」
というようなことを実験データの結果として、つきつけられるかもしれないからです。
 
 研究そのものも難しいです。上記の風邪がこじれて死んだ、というようなケースも被爆のせいだとするのかしないのかも議論されるでしょう。
 母乳が子どもに与える影響は未知数です。
 しかし言えるのは、できるかぎりお母さんが被爆しないようにして、放射能の入っていない母乳を赤ちゃんにあげるのが、一番だ、ということです。

 それとできるかぎり測定をしてください。そうすれば対策方法も見えてきます。
 (ただ、検査に2万円とか3万円とかするそうですね。少子化に歯止めをかけよう!と国が叫んでいる中で、こんな事故が起きたのですから、もっと国が母親と子どもをケアしてほしいです。子どもを国の宝と思ってほしいです。母乳の検査なんか国が費用を出して、全て無料にすべきと思います。)

 ただし、日本の母乳の基準値は1キロあたり200ベクレルです。(基準が変わっていたらすみません。)ゆるすぎます。
 ですから検査をして、その結果を「大丈夫です。」と言われるだけではなく、具体的にどれだけのベクレルだったのか、きちんと教えてもらってください。
 「大丈夫です。」と言われても、その数値が「199ベクレル」だったらどうしますか?
 私だったら自分の子どもにこのような母乳はあげたくないです。

 ちなみにベルラド研究所では1リットルあたり37ベクレルというベラルーシが決めた基準値すら「ゆるい」と批判しています。
 
 精神的にもつらい、と言うお母さんたちのためにも、授乳中一時的に避難するのも、私はいいことだと思っています。

先天性の異常

2011-07-31 | 放射能関連情報
 5月14日付の記事「低レベルの放射能でも危険があります」でも少し触れましたが、先天性の異常についてです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/2ac51efe091604740fad16a57e40b92f


 チェルノブイリ原発事故が起きた後、先天性の異常を持った子どもが放射能汚染地域でたくさん生まれたらしいが、これから日本で出産してもいいのかどうか悩む方々からのメールが届いています。 
 1996年に原子力資料情報室が発行した「チェルノブイリ10年」という本にベラルーシ遺伝疾患研究所、広島大学原爆放射能医学研究所による「事故後のベラルーシにおける先天性胎児障害」という報告が載っています。

 1986年の事故後、この年は確かにべラルーシで中絶する人が増えました。しかしもともとベラルーシは中絶の件数が多い国です。(理由の多くは、経済的に育てられない、望まない妊娠だった、中絶手術費用が無料か、あるいはとても安いことが多い・・・などです。)
 放射能の影響を恐れて、中絶したという人も1986年にはもちろんいました。
 そのため、本来なら異常を持って生まれてきたはずの子どもが、生まれないことになったので、誕生した子どもだけを対象にして、先天性異常の発生の割合を計算すると、それはあまり正しくないのではないか、という指摘があります。

 ベラルーシの遺伝疾患研究所はそういうことを踏まえ、中絶された胎児をサンプルとして集め、顕微鏡で観察し、異常があるかどうか調べました。
 その結果、事故前のミンスク市の調査結果を基準にすると、放射能汚染地域では胎児の異常が、1986年後半から1992年までの調査結果の場合、有意に5%増加していました。
 多く見られたのは口唇裂、口蓋裂、腎臓異常、尿管異常、多指症だそうです。

 事故後生まれた新生児については高汚染地域(セシウム137が1平方キロあたり15キュリー以上)で先天性の異常が増えました。事故前と比べ79%増えています。
 また高汚染地域では1987年と88年に発生のピークがありましたが、他の地域ではピークはなかったそうです。
 特に増加したのは多指症、複合的形成不全症だそうです。

 1986年12月から1987年2月に生まれた子どもは、事故発生時は胎児だったはずです。しかし他の時期に生まれた子どもと比べて先天性障害はほとんど増えていません。つまり原発事故が起きたとしても、胎児には放射能はあまり影響を与えない、ということです。
(ただ妊娠期間のごくごく初期だった場合は放射能により胎児が影響を受ける可能性があります。)

 胎児のときに母親の体内で被曝するよりも、事故が起こってしばらくしてから、被曝した親の生殖細胞が突然変異を起こすと、より遺伝的影響として先天性の異常が子どもに現れるのではないか? とも言われています。しかしはっきりしないことも多いです。

 私の意見ですが、以上のベラルーシでのデータがそのまま日本のケースとして当てはまると仮定すると、今妊娠されている方が、放射能を心配するあまり「障害児を生みたくないから。」とあわてて中絶されるのは、やめておいたほうがいいと思います。
 それよりも、これから妊娠される方(特にここ1、2年の間)のほうが、妊娠中の経過を注視するほうがいいと思います。


 同じく原子力資料情報室が2006年に発行した「チェルノブイリを見つめなおす・20年後のメッセージ」という本には「遺伝的影響と胎内被曝影響」という記事があります。

 ベラルーシ先天性疾患研究所によると、1987年1月にダウン症の子どもが急激に増え、その後またピークが1990年5月に起きた、とあります。
 つまり1987年1月生まれの新生児ということは(早産の可能性もありますが)1986年4月の事故当時、母親はごく初期の妊娠時期だったと思われます。
 その後急に起きた1990年5月のピークですが、これは事故発生からほぼ4年目です。どうして急にこの時期だけ増えたのか説明はありませんでした。
(事故当時ハイティーンだった年齢の子どもが成人して、出産した結果ではないか、という意見もありますが、このデータだけでは出産したときの年齢が分からないので、何とも言えません。)

 また先天性の障害は放射能に関係なくても起こり、その頻度は6%、とあります。つまりもし、日本で今後
「放射能被曝のせいでうちの子が異常を持って生まれた。賠償してほしい。」
と訴えるケースが出てきても、放射能との関連性は不確定であるとされ、賠償など受けられない可能性のほうが高いと思われます。

 1996年に読売新聞の記者と同行してベラルーシ遺伝疾患研究所の所長さんとお話したときには、
新生児1000人当たりの先天性異常の発生頻度を平均し、グループを「1982年から85年生まれ」と「1987年から1995年生まれ」に分けて推移を調べると、
放射能汚染度が1平方キロメートルあたり「15キュリー以上」の地域だと、3.87から7.07に増えていました。
 「1-5キュリー」の地域では4.57から6.90に、「非汚染地域」とされている地域でも3.90から5.84に増えていました。

 つまりだいたい1.5倍から1.8倍ぐらいに増えていることになるのですが、気になるのは「非汚染地域」でも1.5倍ほど増えている点です。
 これは汚染地域に住んでいなくても、汚染された食品を食べていてはいけない(自分から生まれる子どもに影響が出るかもしれない)ということだと思います。
 
 以上のようなことを読まれると、心配になってしまう人もいると思います。
 しかし、、障害によってはもともとの発生頻度が少ないものもありますから、それがあなたのお子さんに発生する可能性が放射能のせいで発生頻度が2倍になるとしても、確率で言うとかなり少ないほうだと思います。
 つまり今まで1000人に1人の割合で生まれていた先天性の異常が、1000人に2人の割合になったとします。数字だけ見ると倍増していることになります。倍増、と聞くと何だか深刻な感じがしますが、1000人中999人が健康に生まれてきたのが、998人になるだけの話です。
 こうして見方を変えると、そんなに違いはないな、と感じます。そして心配して、子どもを生むのはやめよう、と思うのはやめておいたほうがいいと、私は思います。

 また以上のデータはベラルーシの場合であって、日本にそのまま当てはまるとは限りません。
 チェルノブイリ原発事故が起きたとき、ロシア人の間では
「ベラルーシ人はこれからどんどん死んでいく。ベラルーシ民族は滅亡する。」
と言われました。
 実際には事故が起きて5年後には独立国家をつくり、今も滅亡することなくちゃんと国も民族も存続しています。
 私も日本民族が原発のせいで滅亡するとは思いません。
 
 さらに日本のほうが医学が進んでいますから、もし障害のあるお子さんが生まれても、障害の種類によってはきれいに整形手術(多指症の場合、余分な指を切除したりする)して、治ったりする場合もあるわけです。
 ですので、「将来子どもを生んでいいものかどうか。」と若いご夫婦が悩んでいたりしますが、あまり深刻に考えすぎないほうが(精神的にも)いいかと思います。

 しかしながら、障害児より健康な子どもを生みたい、と思う人の気持ちもよく分かります。
 とにかく今は親になる世代が被曝しないように注意し、対策をとっておくほうがいいと思います。
 それからベラルーシの場合、先天性の異常だけが問題になっているわけではありませんから、とにかく被曝を最小限にするように気をつけてください。

食品の放射能測定 その3

2011-07-30 | 放射能関連情報
 測定器の上部パネルで表示された数値と先に測っていた検体の重さ、検体名などを職員がパソコンに入力します。
 そうすると、1リットルあたりの数値、そして1キロあたりの数値に換算されたものが表示されます。
 今回の検体はベリーで固形物(液体ではない)なので、1キロあたりの数値のほうに注目します。
 さらに検体によって基準値が違いますので、この場合「自家菜園のベリー類」の基準値(1キロあたり)も表示します。
 そして基準値より、多い数値だったら、食べてはいけない。少ない数値だったら食べてもいい、という判断をします。

 測定後、全ての数値をプリントアウトしたものを渡されます。測定料金は日本円にして1件100円ほどでした。(ただし料金が改定されることがあります。)

 この結果の表の見方ですが、ロシア語なので日本人の方にも分かるようにご説明しますと、
1番目の検体はスグリ(間違って職員さんが「ビルベリー」と入力していますが、スグリ(カシス)です。)
 依頼者の氏名、そして検査する個数が1点。重量は0.597キロ。
 測定時間は10分。1リットルあたりの数値は「7ベクレル以下」1キロあたりの数値は「12ベクレル以下」
 基準値は「野生のベリー類とそれを原料とする濃縮果汁食品 1キロ当たり 185ベクレル」なので、
「このスグリを食べてもよい。」という判断です。

 この「7ベクレル以下」という表示「<7」が、分かりにくいと言えば分かりにくいですが、つまり
「とても精密に検査すると、6.9ベクレルとか6.8ベクレルかもしれないけど、7ベクレルは超えないでしょう。」
ということです。

 精密に検査をしてみたら、
「7ベクレルだって言ってたけど、6.9ベクレルだったじゃないか!」
と怒る人はあまりいないかと思います。
 大事なのは基準値を超えているか超えていないかなので・・・。

 さて、2番目の検体はさくらんぼです。
 依頼者の氏名、そして検査する個数が1点。重量は0.653キロ。
 測定時間は10分。1リットルあたりの数値は「7ベクレル以下」1キロあたりの数値は「11ベクレル以下」
 基準値は「園芸栽培されたベリー類 1キロあたり70ベクレル」なので、
「このさくらんぼを食べてもよい。」という判断です。

 さらに検査員と所長のサイン、ベルラド研究所の公印が押してあります。

 いやあ、測定を受けてすっきりしました。0ベクレルではありませんでしたが、食べてもよい、という数値だったので家に持って帰って食べました。
 切り刻んだり、ぎゅうぎゅう詰めにしてつぶしたりしないので、測定したものも元通り返してもらえ、もちろん食べられます。
 ベリー類の汚染がこの程度だったので、他にもらった野菜も大したことはないでしょう。

 人によっては
「1ベクレルでも検出されたら、食べたくない!」
という人もいるかと思います。でもそんなこと言っていたら、現在のベラルーシでは食べられるものがとても少なくなってしまいます・・・。
 肉類だったら、塩水につけておくと放射能が減ります。(ベリー類は表面を水で洗うぐらいしか方法はないのですが、そんなに効果はないそうです。)
 肉類を測定してみて「1キロあたり基準値ちょうどの500ベクレルです。」と言われても、水につけて放射能が減るんだったら、食べられるようになるし、私だったら捨てたりせず食べますね。(そしてビタペクトも飲んでおく。)

 とにかく日本でももっと効率よく多くの食品を検査できるようになってほしいです。
 そして日本が定めた基準値が「ゆるい」と思っている人が多いようなので、測定して「食用可」あるいは「不可」と2種類に区別するだけではなく、食品そのものに測定した数値のシールを貼ってほしいです。
 肉類は1キロあたり499ベクレルだと日本では食用可、で流通・販売されますが、人によっては
「うちの子はまだ小さいから、食べさせたくない。」
と思う人もいるでしょう。また逆に
「私は年寄りだから、499ベクレルの肉でも買って食べます。」
と考える人もいると思います。
 また「100ベクレルでした。」という食品を下ごしらえで工夫して10ベクレルにまで下げられる方法を知っている人からすれば、「これぐらいなら、家でこれぐらいに私は減らせる。だから買おう。」という判断の目安になります。

 こうして購買者に詳しい測定値の情報を提供して、それぞれに判断してもらうほうがずっと気分よく食品を買えるようになると思います。
 (ベラルーシでは測定結果を食品それぞれに表示していません。基本的に「売られているものは全て基準値以下」ということになっています。) 
 

食品の放射能測定 その2

2011-07-30 | 放射能関連情報
 すでに日本では食品から放射能が検出され、特に牛肉の安全が大きな問題となっています。 
 牛の全頭検査をする、ということになっていますが、検査する器械の数が少なくて追いつかない状態ですね。

 日本のニュースでも検査の様子が紹介されていましたが、驚いたことが1点ありました。それは肉でも野菜でも、1センチ角に刻んで、さらに専用容器に入れるときにすりこぎのような棒で、ドンドン押し込んでぎゅうぎゅう詰めにしていたことです。
 ぎっしり詰める理由は「空気が中に入らないようにするため。」で、どうして空気が入ったらいけないのかと言うと、その空気に含まれる放射能も検出すると、純粋に牛肉だけの値を測定することができなくなるから、ということでした。

 ベルラド研究所での食品測定ですが、全くぎゅうぎゅう詰めにしませんでした・・・。
「ベリーの間に隙間があるから空気が入っていることになりませんか?」
と尋ねましたが、職員の方は
「ごくわずかな量の空気ですから、大丈夫です。」
と言う答え。
 日本では塊の牛肉を切り刻んでから、容器に入れて空気が入らないようにぎゅうぎゅう詰めにしている、と話すと
「ぎゅうぎゅう詰めにした場合としていない場合との間に、そんなに大きな差が出るほどだとすると、その空気は高度に放射能汚染されている可能性が高い。だとすると、そのような空気を吸いながら検査する人に被曝症状が出る。そんな危険な放射線量のところで、食品の検査をしているんですか? 検査せずに検査員は自分の健康のため避難するほうがいい。」
と言われました・・・。

 つまりぎゅうぎゅう詰めにしてもしなくても、そんなに大きい差が出るとは思えない、と言うことです。
 そしてぎゅうぎゅう詰めにする作業自体が、無駄と言われてしまいました・・・。
 日本の食品検査では測定に1-2時間かかり、今は検査の希望が殺到しているから、追いつかない、と話すと
「ぎゅうぎゅう詰め作業は飛ばして、測定プロセスを簡略化し、効率化をはかれ。」
と言われました。
「肉や野菜を切り刻むのも意味がない。塊ごと測定しても大きな差は出ない。これも時間の無駄。」
だそうです。

 ベルラド研究所の検査ではそんなことは一切していない、ということでした。
 画像は容器に入れたベリーを測定器に入れたところです。測定器械の蓋はまだ閉まっていません。
 (それにしても年季の入った器械・・・。今まで何万件と測定してきたんだろうな・・・。)(^^;)
 
 蓋を閉めてから測定開始。そして10分で終了。
 検出した数値が上部のパネル部分に表示されます。 
 10分だけの測定時間で大丈夫なのか? という意見もあると思います。これに対し、ベルラド研究所は
「長く測定すればするほど、正確な値が出る。しかしベルラド研究所での測定の経験から言えば、最低10分測定すれば、30分や45分、1時間、1時間半とさまざまに異なる時間で測定した場合の結果とほとんど同じだった。つまり測定時間は10分以下だと、不正確な結果になる可能性があるが、10分だったらそれ以上長く測定しても違いはない。」
 ということで、この研究所では測定時間10分、と決めているそうです。 
 測定するのはセシウム137です。 
 
  

食品の放射能測定 その1

2011-07-30 | 放射能関連情報
 私はこのブログ上でお知らせしているように、自分と自分の子どもでペクチン剤を飲むという人体実験(^^;)をしている者です。
 7月21日中間報告をしましたが、引き続きビタペクトTを飲んでいます。
 もちろん食べる物にも注意しています。
 先日夫が友だちといっしょに釣りに行ってきました。帰りに友だちの実家(チェルノブイリ原発から約340キロの場所)に寄ると、そこの家庭菜園で作った野菜やベリー(さくらんぼ)をたくさんもらいました。スグリ(カシス)ももらったのですが、これはこの友人の実家の近くの林の中に生えていたものです、
 うれしい。しかし私は今、人体実験中の被験者である身。放射能に汚染されているかもしれないものは食べられない・・・。
 それで、もらったものの中でも、一番放射能を取り込みやすいと言われているベリーだけ、ベルラド研究所で測定してもらうことにしました。これが大丈夫だったら、同じ菜園で作ったほかの野菜も安全だろう、と思ったからです。
 今回はそのレポートです。
 画像は持っていったスグリの重さを測っているところです。 赤スグリと黒スグリが混ざっています。

 

動物実験

2011-07-29 | 放射能関連情報
 7月27日付の投稿で「あやしい放射線対策」という記事のことを紹介しましたが、その後思ったことがあります。この紹介記事の中で、味噌のことが取り上げられているのですが、こうなっています。

「味噌については、その成分として含まれているジピコリン酸に効果があるとするマウスの実験があると宣伝されている。しかし、寿命が約3年しかないマウスと寿命が80年以上の人では生体維持機構が異なっている可能性があるし、実際に人とは代謝機構などが少し違っていたりするので、マウスでの実験結果がそのまま人では通用しない場合も多い。」

 これを読んで、これが本当ならマウスやラットを使った実験はほとんど全て無駄になってしまうのではないか? と思いました。
 それはそうです。人間とネズミはちがいます。でもそんなことを言っていると、動物実験をすること自体が無駄のように思えてきます。
 最初から何でも人間で実験するほうがいいと思いませんか?
 これは悪い冗談としても、よくテレビの健康番組でもマウスを使った実験の映像を流していますよね?
 これも全部、証拠としては無駄(人間でも同じ効果があるかどうか分からない。)ということになります。
 今後はテレビの健康番組で動物を使った実験を見ても、見る価値がない、と思ったほうがいいのでしょうか?
 
 それから動物を使ってなくても、テレビ番組の実験でよく
「このような実験をするのは、今回協力してくれた○○大学の○○先生も初めてです。」
と紹介していたり、実験結果を
「本邦初公開!」
と前ふりしたり、さらには実験をした先生が
「このような結果になるとは・・・!(専門家である私も予想していなかった。)」
と驚いていたりする様子が番組で放映されたりします。

 これも「でもたった1回やった実験の結果ではないか。」とか「被験者は5人だけではないか。」ということで信用してはいけない、ということでしょうか?
 こうして考えると、健康がテーマの教養番組を見て信用していいのかどうか分からなくなります。
 
 「本当に効くのかどうか分からないので、放射能に効くと言われている物をあわてて買ってはいけない。」
というアドバイスも大事だと思います。しかし、テレビの健康番組で「○○がインフルエンザ予防になる。」というだけで、次の日、その○○を買いに行く人は日本にたくさんいます。
 もちろん○○を摂取したからと言って、インフルエンザにならない100%の保証があるわけでもありません。
 要するにテレビの健康番組で放映された結果も、そこまでに至った経緯を、超がつくほど詳しく説明しているわけではないので、そういう場合は、信用するな、ということになるのか? ということです。
 だったら見るに値するテレビ番組なんて、ごくわずかになるでしょう。 

 それから医学的に効果があると確かめられていないといけない、という意見も前出の記事にあります。(以下抜粋です。)

「健康食品に関しては、動物実験などでその効果が証明されたとして宣伝されているものも少なくないが、人で実際に有効性がきちんと確かめられていないと信頼性は低い。もし、本当に高い効果が証明されているのならば、医薬品や治療法としての公的な認定を受けているはずである。健康食品のままであるということは、医学的に効果があると確かめられていないということでもある。」

 では日本で例えばペクチンが放射能排出に有効である、ということを医学的に証明するにはどうすればいいのか、皆さんご存知ですか?
 私が薬品関係の専門家に尋ねたところ、このように教えてもらいました。

 まず被曝している被験者を集める。体内の被曝量を測定する。同時に血液や尿、大便の放射線量も測定する。
 その後病院や保養所のような施設に1ヶ月住んでもらう。3度の食事は全て細かく放射能測定し、含んでいる放射能をチェックする。それ以外の食品を持ち込んで飲んだり食べたりするのは不可。そして毎日ペクチン剤を摂取する。
 こうした状態で施設内で暮らす。
 5日後、10日後、というように定期的に被験者の体内放射能と血液や尿、大便の放射線量も測定する。その変化をグラフにしてどれぐらいの放射能がどのように体外へ排出されたか調べる。
 以上のような実験を、今度は被験者の性別や年齢層を変えたさまざまなグループでも実験。
 もちろん1回ずつではなく、大勢の被験者を使って実験を繰り返す。
 その結果、本当に体内放射能値が減少していれば、ペクチン剤には放射能排出の効果があると、医学的に証明される。

 ・・・ぜひ日本国内の専門家が集まって、以上のような実験を早くしていただきたいです。
 とは言うものの、証明されるまでに、どれぐらいの時間が過ぎていくのでしょうか?
 数年はかかると思われます。
 その間に被曝していく人もいると思います。いまだに福島第1原発から放射能が漏れ続けています。
 
 チェルノブイリの事故が起きたとき、ペクチン剤などベラルーシにはありませんでした。ビタペクトのような商品として開発されたのは2000年です。事故発生から14年経過していました。
 日本はもっと早くに何かできるはずです。

 話は戻りますが、これからは日本での被曝に関する実験を取り巻く状況はよくなりますよ。わざわざ放射線を当てなくても、マウスの代わりにすでに放射線被曝している方がおられるでしょうから、動物実験段階は省略し、すぐに人体で実験できます。動物で実験しても信用できないと言うなら、そんな無駄は省いてさっさと人間で実験してください。
 ただし、私自身は動物実験が無駄とは思っていません。また日本でこのような実験の被験者になる方々の心境を思うと、胸が痛いです。
 ベラルーシやウクライナでは、すでに大勢の人が被験者になっています。それは被曝している国民が大勢いるからできたのです。
 その結果を日本人研究家も貴重な資料だと考えていただきたいです。
 ところがそう言うと、今度は
「日本人とベラルーシ人(あるいはウクライナ人)では体質が違うから、外国人の実験結果はそのまま日本人に通用するとは限らない。」
という専門家が出てくるんですよね・・・。
 そうこう議論している間にも、どんどん時間が経っていきます・・・。

ベラルーシの放射線量 2004年の地図 その2

2011-07-28 | 放射能関連情報
 先ほど投稿した2004年度版の地図のうち、チェルノブイリ原発に近いベラルーシ南東部地域を大きめに撮影しました。
 画像をクリックすると拡大します。分かりづらくてすみません。 

 地図の色の見分け方は
 黄色の部分は1平方メートルあたり37-185キロベクレル。(1平方キロメートルあたり1-5キュリー)
 オレンジ色は1平方メートルあたり185-555キロベクレル。(1平方キロメートルあたり5-15キュリー)
 赤い色は1平方メートルあたり555-1480キロベクレル。(1平方キロメートルあたり15-40キュリー)
 紫色は1平方メートルあたり1480キロベクレル以上。(1平方キロメートルあたり40キュリー以上)

 表示されているのはセシウム137の分布状況です。
 もうベラルーシはこのような地図を作成しないのかなあ・・・。するかもしれませんが、10年おきとかかなり間があきそうです。

 

ベラルーシの放射線量 2004年の地図 その1

2011-07-28 | 放射能関連情報
 このブログで2001年のベラルーシの放射線量を表した地図についてご紹介しました。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/111ec719f2281a1d45937639fe7796c3


 私はこの2001年度版の地図が最後の地図だと思っていたのですが、2004年度版の地図がベルラド研究所の壁に貼ってあったので、撮影してきました。(画像をクリックすると拡大します。)
 2001年度以降はベラルーシはこういう地図を作成していない、と言ったり書いたりしたことがあるのですが、すみません!(><)
(その後、2011年に2010年の測定結果がまとめられた報告書がロシア政府とベラルーシ政府共同で刊行されました。しかし、一般人向けには入手しにくい状態です。)
 
 2001年と2004年では3年ぐらいしか経っていないので、あまり違いがないですね・・・。
 3年程度じゃほとんど何も変化しない、ということですね。

 地図の色の見分け方は2001年度版と同じで
 黄色の部分は1平方メートルあたり37-185キロベクレル。(1平方キロメートルあたり1-5キュリー)
 オレンジ色は1平方メートルあたり185-555キロベクレル。(1平方キロメートルあたり5-15キュリー)
 赤い色は1平方メートルあたり555-1480キロベクレル。(1平方キロメートルあたり15-40キュリー)
 紫色は1平方メートルあたり1480キロベクレル以上。(1平方キロメートルあたり40キュリー以上)

 表示されているのはセシウム137の分布状況です。

映画「タイタニック」と原発事故

2011-07-27 | 放射能関連情報
 1997年に公開された映画「タイタニック」(ジェームズ・キャメロン監督)はとても有名な映画ですから、多くの人が見たことがあると思います。
 10年ぐらい前になりますが私は最初この映画を見たとき、タイタニックって原発のことだ、と思いました。
 絶対に沈没することはない、と造った人も乗っている人もみんな思い込んでいた巨大客船。もちろん救命ボートの数も足りませんでした。
 一等客室には金持ちが、三等客室には貧しい人が乗っており、船の中に教会も警察もある、という正に社会の縮図。 
 霧の中を高速で進んでいたら、想定外の大きさの氷山が目の前に現れ、避けようと努力はしたものの衝突。大きな亀裂が船体にあいてしまいます。
 これでは沈没してしまう、と分かる人にはすぐ分かります。でも、衝突してすぐのころ乗客の中で「これは危ない。」と思った人はごく少数で、多くの人は音楽を聞きながらお酒を飲んだりして、のんびり指示を待っていました・・・・。

 ・・・・肝心の船長は迅速な命令を出さず、その周りを固める航海士の一人は
「直ちに沈没するものではありません。」
と乗客に言って回っている。
 そのうち船が傾いてきて、敏感な人が
「ちょっと、船が傾いてない? 何だか気分が悪くなってきた・・・。」
よ言っても周りの人は
「そんなことないよ。気にしすぎ! ただの船酔いだよ。」
と相手にしてくれない。
 そういう私はパーサーの一人で必死になって救命胴衣を乗客に配りまくっている。
「早くこれを着てください!」
と言っているところへ別のパーサーがやってくる。
「何この救命胴衣。本当にこんなので命が助かるんですかね? 品質保証のマークはついているんですか? それとも本船での使用の許可はもらっている商品ですか?」
と私が手にしている救命胴衣をじろじろ眺めたり、つついたりしている。私が
「これは他の船でも使われている救命胴衣ですよ。この船に乗っている人には役には立たないんですか? 早く着たほうがいい。」
と言っても
「使用の許可をちゃんともらっているの?」
ときかれる。
「時間があるなら、許可をもらいに申請に行ってもいいですよ。でももうすぐ、この船は沈没するんですよ!」
とこういう無意味なやりとりをしている間にどんどん貴重な時間が過ぎていく・・・・。

 ・・・・もっとも実際のタイタニックの乗客の多くは救命胴衣をつけていても、海水の冷たさに凍死しています。じゃあ、救命胴衣をつけることは全く無駄か、というとそうではありません。
 監督の創作ですが、映画の中でローズは助かりました。それは運よく小さな偶然や条件が重なったからです。もしローズが救命胴衣をつけていなかったら、映画の最後のほうのシーンで水上に浮かんだり、助けを求める笛を泳いで取りに行けたかどうか疑問です。
 タイタニックでは船がどんどん傾き始めるとパニックが起こります。その中には救命ボートに乗ることをあきらめて、美しく死んでいこうとする人もいます。また救命ボートの座る場所を他の人に譲る人もいます。祈りながら天国へ行こうとする人、最後まで楽器を引き続ける人。
 しかしこういう人は少数派で、ほとんどの人は助かろうと救命ボートの周りに群がります・・・・。

 ・・・・船長はふつう
「救命ボートには女性と子どもを優先して乗せるように。」
と指示を出す。しかし残念ながら子どものことを優先して考えない船長もいる。こういう船長の船に乗っていると小さい子どもを抱えた親ほど困り、苦しむことになる。
 しかし船の傾きがひどくなる前に頭がいい人、カンのいい人、知識のある人は沈没するとすぐ分かっている。そして早めに救命胴衣を着せた子どもを救命ボートのほうへ連れて行こうとする・・・・。

 ・・・・私がこのタイタニックの沈没事故を思い出して悲しい、と思うのはやはりどうしても一等客室の乗客のほうが助かっている率が高いことです。もちろん一等客室の乗客でも死亡した人はいますし、二等や三等客室の乗客で助かった人もいます。
 しかし割合で言うと、やはり金持ちほど助かっている割合が高いのです。
 (事故による生存率は一等船客は60% 二等船客は44% 3等船客は25% 乗務員は24%)

 これは100年前の話で現代人の意識は変わったから、もしタイタニックのような事故が今再び起きたとしても、違う結果になる、という意見の人もいるでしょう。また人間なんて時間が経っても大して変わらない、という意見の人もいるでしょう。
 
 原発事故の場合はどうでしょうか? やはりお金持ちのほうが放射能の被曝を受けにくくなるのでしょうか? イエスかノーかどっちか一つ選べ、と言われたら、私はイエスと答えます。
 お金がたくさんあったら遠い外国へ避難することも長期滞在することも比較的簡単にできるからです。
 
 しかし私は絶対にお金持ちのほうが助かって、貧乏な人は助からない、とは簡単に区別できないと思っています。
 映画の中のローズ(一等客室の乗客でしたが、実際には破産した家の娘)もさまざまな偶然、勇気、知恵、助けてくれた人の存在などにより、助かりました。
 また客室の種類に関係なく、平等に多くの人が放射能被曝を避けられる方法というものを専門家の方に考えてほしい、と思っています。
  
 このような話にお付き合いくださり、ありがとうございます。でも私はタイタニックの映画を見るとどうしても、原発を連想してしまうんです。
 この映画のことを駄作のように言う人もいます。理由はいろいろですが、例えば現存している絵画がタイタニックとともに沈んでしまったとしているのはおかしい、という指摘があります。
 でも私が思うには、あの映画はドキュメント作品ではないですし、空想の設定(ローズをとりまく主要人物のほとんどが実在していない。)の部分があってもおかしくない芸術作品です。
 ただ監督がタイタニックそのものや沈没のようすをものすごくリアルに撮影しているので、そこへ観客の目が行きがちになりますが、そこへところどころ比喩的な映像を混ぜているんですよね。
 甘くておいしいお菓子をずっと食べている、と思っていたら、ところどころ小さい塩の粒が混ざっていて「まずい! 不良品だ!」と思う人がいるようなものです。
 私自身はこの映画が100%リアルを目指した作品でなくてよかったな、と思います。
 
 例えば私にはローズすらローズ以外のものに見えてくることがあります。
 若くて活発で魅力的なローズ。どちらかと言うと、ぽっちゃりタイプのローズ。赤い髪のローズ。
 名門貴族の出ですが、実際には一文無しのローズ。
 そのローズが足の親指だけで立つシーンがありますが、つまり重めの体重をあの小さい2点だけで支えている、ということです。
 実に危ない。いつ倒れてもおかしくない。
 実際倒れてレオ様に支えられていましたが、レオ様がすぐそばにいるローズは運がいいですよ。
 最新式巨大客船の運命も実は、小さな点だけで支えられていた程度のものだったのかもしれません。 
 

このような意見もあります

2011-07-27 | 放射能関連情報
 以前にも科学ライターが書いたというペクチンに関する記事について公開しましたが、同じような内容の記事をお知らせします。
「あやしい放射能対策」

http://synodos.livedoor.biz/archives/1796844.html


 この記事を書いた片瀬久美子さんと言う方は、ずっと前にツイッターで
「ベラルーシの部屋というブログで紹介されているペクチンは放射能には効かない。」
と何度もつぶやいていたそうです。
 私のブログ、名指しで批判されていたんですね。知らなかったです。
 そのころは「ペクチンなんか効くわけない。」という論調だったそうです。

 それに比べるとこの上記のサイトでは、ペクチンに関してはトーンダウンしていますね。
 ペクチンが効果薄、と判断しているわりには、根拠としている論文がIRSN(フランス放射線防護原子力安全研究所)だけ挙げているというのも貧弱です。
 このフランスの論文のほうが誤っているという専門家の方もおられます。
 またIRSNに批判されたベルラド研究所が、
「じゃあ、そちらのやり方を使った方法で共同の実験をしませんか?」
と提案したところ
「ペクチンは効かないと言ったら効かない。だから実験する必要はない。」
といった返事が来たことがあるそうです。
 片瀬さんにはぜひベラルーシを訪問され、ベルラド研究所と共同でペクチン剤を使った実験をしていただきたいです。そうすればもっとはっきりすると思います。

 片瀬さんの記事の中で
「ペクチンによって必要なビタミンやミネラルが吸着されてしまい栄養欠乏になる副作用の懸念が指摘されていることである。放射線対策としてとくに子どもや妊婦にペクチンを摂らせすぎるのは心配である。」
 というのは正しい指摘です。
 ですから、内部被曝の検査をして、体重1キロあたり何百ベレクル、といった結果が出ない限り、チロ基金とSOS子ども村の決定として、子ども1人あたりビタペクトTを1日1タブレット(ペクチン保有量は961ミリグラム)ずつ飲ませています。これは半分の量に当たります。
 もし体重1キロあたり100ベレクル以上、というような子どもだったら、ビタペクトTを1日2タブレットずつあげるところですが、2002年から今まで2000人以上の子どもたちと会ってきて、そのような高い値の内部被曝の子どもに会ったことが私はありません。
(体重1キロあたり20ベクレル以上の子どもにビタペクトをあげています。)

 またビタペクトは純粋なペクチン剤ではなく、各種ビタミンが配合されています。これもペクチンによって必要なビタミンやミネラルが吸着されてしまい栄養欠乏にならないように、(ちゃんとペクチンのことが分かっている)ベルラド研究所が最初から配合しているからです。

 このブログでもお知らせしているように、ペクチンの摂りすぎはよくないこと、また日本人の方がペクチンサプリを購入した場合、マルチビタミンやマルチミネラルのサプリも購入して併用することを呼びかけているのは、以上のような理由があるからです。

 また繰り返しになるのですが、ペクチンは放射能の排出には効かない、という日本人の専門家の方は、もう少しチェルノブイリ事故の汚染地域で行われていることにも目を向けていただきたいです。
 歴史上、原発職員でもないごくふつうの一般人が大勢、放射能の被曝の危機にさらされる、という事態は、今回の福島第1原発事故をのぞけばチェルノブイリ原発事故が1番の大事故だったわけです。
 そのチェルノブイリ原発事故の汚染地域は、現在のベラルーシ、ウクライナ、ロシアにまたがっています。
 この3国の保健省、つまり日本でいうところの厚生労働省に当たる国の機関が、10年も前から自国民の健康のため、内部被曝対策としてペクチンの効果を認めているという事実が、何を意味しているのか、日本人の専門家の方にも少し考えていただきたいです。
 
 またチェルノブイリの子ども達がペクチン剤を無償で飲めるように、多くの寄付が長年にわたり、ヨーロッパ各国や日本、アメリカなどからの支援団体からベラルーシやウクライナに寄せられていることも、なぜなのか考えていただきたいです。

(ちなみにベラルーシ保健省も1日に摂取するペクチンの上限を1日9グラムまでと定め、きちんと提示しています。これもちゃんとペクチンのことが分かっているからです。) 

 私が心配しているのは「あれもダメ。これもダメ。」と科学者といった頭のいい人から言われると(もっとも原発で放射能漏れ事故なんか起きない。大丈夫大丈夫。と言い続けていた人の中にも科学者という職業の方がいましたが。)
「じゃあ、どうしたらいいの?」
と不安になる一般人(特にお母さん方)が出てくることです。

 そして「鼻血が出た。」「体調が辛い。」「もしかして放射能のせい?」
と訴えると
「放射能を気にしすぎ。精神的なものからくる症状です。」
 だからしっかりせよ! と叱咤されるわけです。
 放射能を精神的なストレスに感じないようにするためにも
「料理に工夫をして、放射能を食品から減らそう。」とか「ペクチンがチェルノブイリ汚染地域では対応策として使われている。だから方法はある。」といった「放射能とともに生きる暮らし」に頭を切り替えるほうが、「放射能を気にするな。忘れましょう。」あるいは「だまされるな。全部怪しい方法だ。」とアドバイスするより、私はずっといいと思うのですが・・・。 
 

ドイツのホールボディカウンター(WBC)による内部被曝検査情報

2011-07-26 | 放射能関連情報
 木下黄太さんのブログでもご紹介されていますが、ドイツでもホールボディカウンタによる内部被曝をしてくれる機関があります。こちらのページをご参照ください。

http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/9a6c8421709cb5b9455fd18e50d7f094


 上記のブログでとても詳しく紹介されていますが、気になった点があります。
 
「実際に受けた人によると、WBCは20ベクレルまで検出できるレベルのもの。
精度はかなりよい機械という情報です。核種はセシウムを。丁寧な対応だったそうです。」

 これは体重1キロあたり20ベクレルまで検出されるもの、ということでしょうか?
 私のブログでも公開しましたが、放射能汚染地域ではないところに住んでいる私ですら体重1キロあたり34ベクレルという結果でした。
 体重1キロあたり20ベクレルまでしか測定できないのは、ホールボディカウンタとしてはおかしいです。

 ベルラド研究所のホールボディカウンタは精度は超がつくほど精密ではありませんが、何千ベクレルまで測定できます。
 ちなみにベルラド研究所が今までに40万人ちかく測定してきて、最高の記録が体重1キロ当たり7050ベクレル(!)の女の子だったそうなので、それぐらいまでは測定できるホールボディカウンタを使っている、ということですよね。

 ドイツで測定を希望される方は、念のためこの点を確認されるほうがいいと思います。
 
・・・・・・・

 追加情報です。
 上記の内容について20ベクレルが上限ではなく、下限のことをさしているのではないか、というご指摘をいただきました。
 ただ、ベラルーシにあるベルラド研究所のWBCはそんなに精密に測定できるタイプのものではありませんが、下限は5ベクレルなのです。
 つまり5より少ない数字だと0ベクレルで表示されてしまうことがあるのです。
 ドイツで使われているWBCのほうがベルラド研究所で使われているWBCより精密なはずなのに、20ベクレル以下の場合、不検出になることがあるというのはおかしいと思います。
 下限が20ベクレルではなく、2ベクレルだったら、
「ああ、やっぱりドイツ製。精密だな。」
と納得できるのですが・・・。
 もっとも、子どもの場合、体重1キロ当たり20ベクレルを、大人は50ベクレルを「注意レベルとしましょう。」とベルラド研究所が提唱しているので、ドイツで測定して20ベクレル以下だったので「不検出」になっても、一応安心してよいのだろうとは思います。
 どちらにせよドイツで日本人も測定してくれるのですから、ありがたいことですね。
 もしドイツで測定された、と言う方がおられましたら、情報お待ちしております。

自分の夫と子どもでも試しています

2011-07-24 | 放射能関連情報
 「自分で試してみます」の記事ですが、夫と子どもの検査結果も公開します。特に夫のほうはビタペクトTを飲んでいませんので、比較対象群として(一人しかいないけど)ご覧ください。
 ただ生年などプライバシーに関わる部分がありますので、結果の用紙の上下をトリミングしてあります。ご了承ください。

 上の結果が夫の検査結果です。Cs137の欄をご覧くださいね。(画像をクリックすると拡大します。)
 6月9日の結果は体重1キロあたり11.64ベクレルでした。夫はビタペクトTを全く飲んでいません。
 7月21日の再測定の結果は16.28ベクレルで、増えてしまいました。
 
 子どもの結果は先日の投稿「自分で試してみます・中間報告」でもあるように体重1キロあたり21.05ベクレルから16.82ベクレルに下がっていました。
 子どもは私といっしょに6月20日から毎日欠かさずビタペクトTを飲んでいます。
 
 以上の結果から
「ほーら、ビタペクトTを飲んだ人はセシウムが減ったのに、飲まなかった人は増えたぞ。」
と大きい声で言うつもりはありません。
 なぜなら夫は食事内容がちがう(昼食は職場で食べている)ので、私と6月1日から夏休み中で、学校給食を食べていない(つまり家で食事をしている)子どもとは食べているものが違うからです。
 私は家でちゃんと放射能抜き調理方法をした食材だけ料理に使っていますが、夫はお弁当を家から持参しているのではなく、職場で出る昼ごはんを食べています。
 ペクチンの効果に疑いを持っている人は
「食べているものがこの3人は違うから、取り込んだ放射能も異なる。一概にペクチンが効いたとは言えない。」
ときっと主張されるでしょう。
 
 私もあくまで私たち家族の結果はこうでしたよ、としか言えません。私は科学者ではないし、調べた人数もたったの3人だけです。
 8月下旬にもまた検査にいきますが、結果の数字についての解釈は、これを見た方のご判断に委ねます。
 
 
 

 
 
 

ベルラド研究所長から日本の研究者へのメッセージ

2011-07-22 | 放射能関連情報
 7月21日に再測定へ行ったときにベルラド研究所の所長であるアレクセイ・ネステレンコさんとお話しする機会がありました。
 そのときに日本の研究者の方へのメッセージをお聞きしましたので、日本語に訳してこのブログ上でお知らせします。(本当に日本の研究者の方が私のブログを見ているかどうか分かりませんが・・・。)


「ビタペクトだけではなく、ペクチン剤が体内の放射能排出に無効である、という意見は日本だけではなく、他のヨーロッパの国々の研究機関からも主張されたことがあります。またベルラド研究所の実験結果について『このような方法は不適切だ。こうしたほうがいい』と方法を教示されたこともあります。その場合、いつもその研究機関に対し『それではそちらが納得できる方法で実験を共同で行いませんか?』とこちらから提案しています。実際には『ではそうしましょう。』という返事をくれた機関はほとんどありません。
 もし日本の研究家、専門家の方々や研究機関で、ペクチンの効果について疑問をお持ちの方、あるいはペクチンを使った実験を行ってみたい、という方、ぜひベルラド研究所と共同研究・実験を行いませんか? 日本で放射能漏れをともなう原発事故発生したのですから、日本の方々に納得いただける方法でペクチンに関する研究や実験をいっしょに行いたいです。」


 ・・・以上です。ベルラド研究所側からのこの提案に賛同される日本の研究機関や専門施設がありましたら、直接ベルラド研究所にお問い合わせください。
 
 またベルラド研究所では平日午前10時から午後5時まで希望者に対し、ホールボディカウンタを使った体内放射能値(セシウム137)の測定を行っています。
 国籍などは問いません。またパスポートなど身分証明書の提示も不要です。
(血液検査や尿検査などは行いません。また甲状腺のみ、といった一つの内臓などを特定して測定することはできません。)
 測定の最低検出限界は体重1キロ当たり5ベクレルです。つまり5ベクレル以下の数値だと、0ベクレル(不検出と同じ意味。)として表示されることがあります。

 料金は大人9000ベラルーシ・ルーブル(現在のレートで換算して144円。)子どもは7500ベラルーシ・ルーブル(120円)です。(ただし料金は改定される可能性があります。)
 測定にかかる時間は約3分。結果は測定後すぐその場でお渡しします。旅行など限られた時間でベラルーシに滞在する方でも大丈夫です。
 できたら事前に予約をいれておいてください。(ときどき子どもの団体測定の予約が入っているときがあります。)
 予約はメールかお電話で。英語またはロシア語でお願いします。
 ベルラド研究所のサイトはこちらです。

http://www.belrad-institute.org/


 ・・・とのことです。わざわざ検査のためだけにベラルーシへ行くのは大変ですが、旅行や出張などでベラルーシへ訪れる方で、ご自分の体内放射能値が気になる方は、ベルラド研究所まで足を伸ばされてはどうでしょうか?

(画像は所長さんです。)
 

自分で試してみます。中間報告

2011-07-21 | 放射能関連情報
 6月20日付記事で「自分で試してみます」という投稿をしました。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/e22000289d0423d33679fc71be5a7be6


 これに6月9日にベルラド研究所を訪問して、自分と子どもの体内放射能値(セシウム)を計る機会に恵まれ、その結果私は体重1キロあたり34.44ベクレル、子ども21.05ベクレルだった、というご報告でした。
 しかし私とうちの子は6月20日から毎日欠かさずビタペクトを1タブレット(約2.2グラム)ずつ飲み続け、そして食生活もパンフレット「自分と子どもを放射能から守るには」に書いてある物を完璧に守るという生活を続けてきました。
 
 こうして一ヶ月が経過し、私も子どももビタペクトを半分ずつ飲みました。(約70グラムずつ)
 容器をのぞくとまだ半分残っています。
 全部飲み終わるのはまだ一ヶ月先。
 その再測定(8月下旬)まで、待っていられなくなった私は(だって『ペクチンなんか効かない。』という科学ライターや『ベルラド研究所が発表した論文は根拠が弱い。』とか言う医者先生がいますからね。)今日、7月21日、中間報告として再測定に行ってきました。

 その結果はこうです。(画像は私の測定結果です。クリックすると拡大します。)
 私の測定値は体重1キロあたり34.44ベクレルから20.00ベクレルに下がっていました!
 うちの子は体重1キロあたり21.05ベクレルから16.82ベクレルに下がっていました!
 
 ビタペクトTを半分(約70グラム)飲んだだけでこれだけの効果がありました。バンザーイ!
 ありがとう、ビタペクト! ありがとう、ペクチン!

 この調子で最後まで(残り半分)飲みきろうと思っています。
 8月下旬には全部ビタペクトTを飲み終えた後の結果を公表いたします。

 (8月に放射能が増えていたら最悪。なので引き続きがんばります!)



 
 

仙台市役所より (追加の内容があります)

2011-07-18 | 放射能関連情報
 仙台市 市民局 市民協働推進部 交流政策課の方よりご連絡いただきました。

 仙台市役所HPにて、私が撮影した仙台広場などの画像が紹介されています。
「ミンスク市からの支援」

http://www.city.sendai.jp/koryu/1198687_2446.html


 この夏にはミンスク市へ仙台市の高校生を保養滞在のため招待する話が出ています。
 私としては今、経済危機真っ只中のベラルーシへ日本人が行くのは大丈夫かな? と少々心配なのですが、反面日本では難しい体内放射能の測定などベラルーシでは簡単にできることができたら、本当にいいなあと思います。
きっとミンスク市役所は、大歓迎していろいろな交流プログラムを用意してくれるでしょう。
 ミンスク市民との交流はもちろん大切ですが、せっかく遠いところを来るのですから、日本ではまだできないことで、ベラルーシではできることをするほうがいいと思います。
 ミンスク市役所から電話があったときに、私のほうから訪問団メンバーの体内放射能を測定することをお願いしておきました。 今の日本ではなかなかできないですから。

 測定は1回だけではなく、到着後すぐに計測し、さらに帰国直前にもう一度測定して、その結果を比べることができたら一番いいです。
 これで、ベラルーシでの滞在中、体内の放射能値が減ったかどうか分かります。
 ミンスク市役所が私の要望をきいてくれるかどうか分かりませんが・・・。
 せっかくなので、保養所では放射能対策メニュー(カリウム・カルシウム強化メニュー。高ペクチンの食事)を出してほしいです。
 仙台市役所からも、この点について強くミンスク市役所側へ要望してほしいです。
 ベラルーシの専門家よ、日本人の子どものために今こそ、知恵を結集させてください!

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 以上は6月18日の書き込みです。
 以下は7月18日の追加内容です。仙台市役所からこのような連絡をいただきました。
 体内放射能の測定については、ミンスク市役所側からも提案があったそうです。(私はミンスク市役所を見直しましたよ。)

 しかし仙台市役所側は辞退したそうです。その理由は・・・

「原発事故による放射能について、仙台市内の学校は健康に影響はないと仙台市が発表しているにも関わらず、なぜ市が募集する事業で検査を行うのか、という反発の声」
「海外での検査に対する不安の声」
「日本から来たことを理由に放射能汚染を疑われているように子供が感じるのではないかという保護者からの批判的な意見」
 があったからだそうです。

 このような意見が出るのも理解できますが、体内放射能の測定を渇望している日本人も大勢いるのに、と思いました。
 こちらをご覧ください。
 木下黄太さんのブログ「福島第一原発を考えます」から7月12日付の記事
 「北海道がんセンターのWBCについて」

http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/2e1cf6075fbe53c76ba8495f5bc0beeb


 この記事のコメント欄に書き込まれた方の7月15日付記事より抜粋します。
「北海道への帰省予定にあわせ、北海道がんセンターへホールボディカウンターの予約電話をしましたが、すでに多く集まり過ぎて予約を一旦締め切っているそうです。
 13日現在、キャンセル待ちも受付けておらず、今後の再開予定も未定とのこと。また、まめに問い合わせてみます。
3・11から4カ月以上経ってから内部被ばくを測定しても遅いくらいだが、「自分の体の現状を把握しておきたい」という欲求は日々増すばかりです。多くの被ばく者が同じ思いで過ごしていることと思います。
 今回、予約はとれませんでしたが、北海道がんセンター様の英断と、誠実なご対応への感謝をお伝えしました。現場も戦場かと思いますが、日本人の危機です。ぜひ、検査を継続して頂きたいと願っています。」

(ちなみに「3・11から4カ月以上経ってから内部被ばくを測定しても遅い」ということはないです。ベラルーシは25年経った今でも、事故後に生まれた子どもも測定していますよ。)

 仙台市民からの「海外での検査に対する不安の声」というのにはがっかりですね。放射線検査に関してはベラルーシのほうが日本より進んでいますよ。(今のところ)
 わざわざ1万キロも移動して、ベラルーシへ来るのにもったいないなと思いました。
 仙台市は他の都市とも姉妹都市提携を結んでいます。しかし、その中で(私が知っている限り)ミンスク市だけが保養滞在の申し入れをしたことにも、意味があると思ってほしかったです。
 
 しかもこういう仙台市のケースだと団体行動が求められますから、一人だけ抜けて測定しに行くわけにもいかないですよね。
 まあ、日本国内でもっと自由に測定ができるようになればいいだけの話なんですけどね・・・。
 人間には自分のことを知る権利があると思いますが・・・。 

 それにしても、仙台市は市内の学校にすでに放射能の安全宣言を出しているんですか?
 そうだったら、ミンスク市側が保養滞在を提案した時点で、
「大丈夫です。こちらは安全ですから、保養に行く必要はない。」
と断ればいいのに。
 日本からベラルーシへ行くとすると飛行機での移動になりますから、飛行中に宇宙から降ってくる放射線で被爆します。
 飛行時間が長いですから、これは高汚染地域に1週間滞在したのと同じぐらいの被爆量になってしまいます。
 でもヨーロッパなどに飛行機で行き来している日本人が、放射能のせいで病気になったりしないのは、非汚染地域に降り立って、生活を始める、つまり保養滞在と同じことをしていて、少しずつ放射能が出て行くからです。
 しかし今は、ベラルーシも日本も「放射能に問題のある世界でも少数派の国」になっているわけですから、(仙台市は汚染地域ではない、というのが仙台市役所側の考えらしいですが。)この二つの点を往復するなら保養にならないですよ。
 だからせめてベラルーシへ保養目的で行くのであれば、日本ではできないことで、ベラルーシではできることをしないと・・・と思っていました。

 ともかく仙台市は仙台市の学校は安全、と思っていて、ミンスクは仙台は安全じゃないだろう、と思ったから保養滞在を提案し、さらには体内放射能値の測定も申し出てくれたわけですが、明らかにお互いの考えが食い違っています。
 今回、私は滞在訪問団のために通訳をしてほしいと頼まれたのですが、多忙を理由に断っていました。(本当に忙しいんです。)しかし、両者のこのような食い違いの中で、通訳をすると間に挟まって苦労するのが見えています。断ってよかったな、と思っています。
 9日間も時間的に制約されてしまいますからね。こんな時間があったら、このブログ上で放射能のことを心配されている方々に少しでも役立つ情報を発信するほうがいいというか、私の役目だな、と思いました。
 
 こういうことをブログで公開すると仙台市民の方から
「仙台市は学校は安全って言っているのに、不安を煽るようなことを書くんじゃない。」
と言う批判がくるんだろうな・・・と思いながら、これを書いています。

 安全だと言っている仙台市のことを信じている市民の方のほうがやっぱり多いのかな、と思いました。
 本当に安全だといいのですが・・・
 安全だろうと予測できても、念のためさまざまな対策を取っておくほうを私はお勧めしたいです。福島第1原発から離れたところに住んでいても、食品は全国に流通していますから・・・。
 チェルノブイリ原発事故当時、情報を隠し、国民のために何もしなかったソ連政府。その後どのような結果を招いたか、考えてほしいです。

 話は変わるのですが、福島県にある都市にも姉妹都市があると思います。そのような都市から保養滞在の申し出があればいいですね。別にベラルーシやウクライナでなくても、非汚染地域で一時的に気分転換したり、その地の施設にあるホールボディカウンターで測定したり、ペクチン剤など飲めたらいいのに・・・。
 現状が変わらない限り、日本で体内放射能の測定の順番を待っていたら、何年もかかってしまうでしょう。
 
 日本の旅行会社もこういうツアーを組めばいいのに・・・。もちろん観光もして、楽しい旅行も同時にすればいいと思います。 もっとも、アップルペクチンサプリはフランスのパリでは売り切れ状態で、入手困難になっていると聞きましたが、これを教えてくれた人はパリ在住ではないので、本当? と思いました。
 リンゴ由来でなくてもペクチンやカリウム、カルシウムを摂るように心がけてくださいね。