ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシの放射線量 その1

2011-06-30 | 放射能関連情報
 6月20日付の更新した「自分で試してみます」ですが、その後
「Tさん大丈夫ですか?」
というメールをたくさんいただきました。ご心配おかけしてすみません。今日本のほうがよっぽど大変なのに、私のことを心配していただいて申し訳ないです。
  
 私の6月の測定結果である34ベクレルですがこれも大気からの被爆(外部被爆や、呼吸で吸い込んだ)ではなく、食べ物によるものだと思います。
 出所不明のキノコは食べないようにするなど注意していましたし、食品は店で売られているもの(つまり検査してパスしたもの)しか買って食べていないのですが、このような結果になってしまいました。正直言って、お店で売られている食品のことが信じられなくなっている自分がいます。ベラルーシでは食品加工工場では、原材料入荷時と商品出荷時の2回、放射能の検査をすることが義務付けされているのですが・・・。

 今は毎日ビタペクトを飲んで、調理方法にも食べる物にも気を使って暮らしています。再測定でよい結果を皆さんにお知らせしたいです。
 
 他にも今のベラルーシの放射能量はどうなっているのか? といったご質問をいただきましたので、ここで記事にしたいと思います。
 
 まず、普通の一般ミンスク市民は、現在のミンスク市内の放射線量を知りません。知らせている機関もありません。知ろうとする一般市民も非常に少ないです。
 25年も経っているし、放射能汚染地域に指定されていないからでしょう。気にしていない人が多いし、各家庭で線量計を常備しているわけでもありません。
 ちなみにミンスク市民の現在の体内放射能値は、平均すると体重1キロあたり約10ベクレルだそうです。(ベルラド研究所の調査によります。)

  6月上旬、機会があって人の放射線計(ガイガーミュラー管)を預かることがありました。
 それで家の中を測定しましたが、窓を開けていると、風が入るたびに数値が変化しましたが、平均すると0.016マイクロシーベルト/時でした。
 (あくまでミンスク市内の私の家の結果で、他のミンスク市内の数値は分かりません。)


 「ミンスクでは今1mの高さで、どのくらいの線量ですか?」
というご質問をいただいたのですが、分かりません。国も測定をおそらくしていません。していたとしても、公表していないです。ミンスクは放射能汚染地域ではありませんから、調べなくてよい、という考え方です。
 公式の全国土を調査した結果が放射能汚染マップになり印刷もされましたが、2001年度版の地図が最後です。(事故後15年目。)
 湖や河川の調査は土壌とは違う、ということで対象にならず、調査されていませんし、地図にも反映されていません
 それ以降は、各地で部分的に測定をしていますが、全国土にデータを反映させた地図は作られていません。

 この2001年度版地図なのですが、我が家にもあります。これをスキャナーで読み込んでこのブログ上で公開しようと思ったのですが、地図が大きい・・・
 うちのスキャナでは部分的にしかスキャンできませんでした。
 せっかくなので、1枚の地図がバラバラな感じで、しかも切れていたりしていますが、公開しますね。
 この記事につけたのは2001年に測定されたセシウム137の分布状況です。(画像をクリックすると拡大します。)
 ロシア語で分かりにくいと思いますが、ご了承ください。

 黄色の部分は1平方メートルあたり37-185キロベクレル。(1平方キロメートルあたり1-5キュリー)
 オレンジ色は1平方メートルあたり185-555キロベクレル。(1平方キロメートルあたり5-15キュリー)
 赤い色は1平方メートルあたり555-1480キロベクレル。(1平方キロメートルあたり15-40キュリー)
 紫色は1平方メートルあたり1480キロベクレル以上。(1平方キロメートルあたり40キュリー以上)

 となっています。(都市部を表す茶色も使われていますが、紫色と似ていてややこしい・・・。茶色のほうは四角い輪郭線です。)
 地図が大きく、部分的にしかお見せできないのですが、下のほう、真ん中あたりにチェルノブイリ原発の位置が示されています。地図上に「100」とあるのが分かりますでしょうか?
 この100が、チェルノブイリ原発から100キロの地点を表しています。
 これは主にベラルーシ南東部の地図ですが、全体を見るとチェルノブイリ原発から500キロぐらい離れたところにもたくさんのホットスポットがあります。
 ちなみに1987年時点では、ベラルーシの地図上に白い部分(1平方メートルあたり37キロベクレル以下。1平方メートルあたり1キュリー以下)の場所はどこにもありませんでした。


「チェルノブイリ事故当時は、どのくらいあったのですか?」
 そのときはベラルーシの全国土がもれなく放射能に汚染されました。現在チェルノブイリゾーンと呼ばれる放射能汚染地域に指定されている地域はベラルーシの国土の20%ぐらいです。
 以前は指定されていたのに、ある年の調査で外され、住んでよし、とされた地域もたくさんあります。
 実際には低い線量ですが、汚染されている地域がとても多いと思います。絶対に20%以上です・・・。 


「爆発当時はどれくらい汚染されていましたか?」
 以下が国際チェルノブイリプロジェクトにより確認されたデータです。
 「28,000km2が185kBq/m2を超えるセシウム137に汚染した。当時、約83万人がこの区域に住んでいた。
 約10,500km2が555kBq/m2を越えるセシウム137に汚染した。
 このうち、ベラルーシに7,000km2、ロシア連邦に2,000km2、ウクライナに1,500km2が属する。当時、約25万人がこの区域に住んでいた。」
 これには諸説があって、はっきりしない、というのが逆に定説になっているようです。


「今の土壌汚染はどのくらいですか?」
 これも残念ながら、国がちゃんとした調査をしていない(あるいはしているが公表しない)ので、分かりません。
 しかし事故発生から25年目の調査によると、地表から約20センチの深さのところに放射性物質の層ができている、という発表がありました。
 つまり土壌の表面はすでに放射能がない、と言ってもいいぐらいとなり、雨水とともに少しずつ地中深くへしみこんでいっている、という状態です。
 日本はベラルーシよりずっと雨が多いですから、1年にもぐりこむ深さもベラルーシより多いと推測されます。
 このご質問については、後ほど更新する記事も参考にしてください。
 

今のベラルーシの状況

2011-06-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 先ほどの投稿で、ベラルーシへ旅行に行く人は、体内放射能値を測定しましょう! などと書き込みましたが、
「ベラルーシの経済危機はどうなっているのか?」
「治安は? ベラルーシへ行っても大丈夫?」
といったご質問のメールを複数の方からいただいております。

 経済危機は続いております。はっきり言って苦しい状態です。ベラルーシ人にもよると思いますが・・・。
 大統領が「これ以上の大幅な値上げを禁止する。」と宣言し、値上げを希望する業者は大統領じきじきの許可をもらわないといけないんだそうです。
 店には「すかすかの商品棚」があると、買い物客が「物不足か?!」と不安な心理になるので、「すかすかなスペースは絶対作るな」というおふれも出たらしく、とにかく在庫を出してきて、品出し作業を店側がしているので、一見商店には物がたくさんあるように見えます。
 でも、例えば輸入品であるコーヒーや紅茶の棚は3分の2しか埋まっておらず、よく見たら砂糖が土嚢のように積んであって、すかすかスペースになっていないように見せかけていたりしています。お店も苦労しているでしょう・・・。
 輸入品は全て何倍にも値上がりしました。2月には1万6000ルーブルだったコピー用紙が今6万5000ルーブルします。(私個人としてはこれが一番解せない・・・。仕事に必要なんですけどね。)

 それとベラルーシは国内で紙おむつを作っていないのです。うそーと思われるかもしれませんが、本当に全て輸入です。
(生理用ナプキンなんてベラルーシ国内で製造されるようになってから、まだ10年経ってないです。それまでは輸入品しかありませんでした。)
 紙おむつはすごい値上がりしています。計算したら40個入りの紙おむつ3つ買ったら、私の月給がなくなるんですよ。
 今、乳幼児抱えていなくてよかった・・・。とは言うものの、うちは子供が赤ちゃんのころはずっと布おむつ派でしたが。

 現在1ドルがおよそ5050ルーブルです。
 日本から旅行など短期間の滞在をされる方は、両替所で多額の外貨をベラルーシルーブルに両替しないでください。
 両替して、買い物などに使い切ってしまえばいいですが、たくさん残った場合、再両替ができないと思ってください。
 現在ベラルーシの銀行では外貨からベラルーシルーブルに両替するのは簡単にできますが、逆の場合は両替所にたまたま外貨があった場合だけです。それとできたとしてもパスポートの提示が求められますので、注意。
 日本国内の銀行ではベラルーシルーブルを日本円に両替することはできません。
 気をつけてくださいね。

 治安についてですが、目立って悪くなったとは言えません。しかし6月1日から学校が夏休みに入り、ハイティーンの子どもたちや若者による、いたずらや不良行為が増えました。(窃盗、けんか、夜間大騒ぎをする、放火や落書きなど器物損壊、乱暴行為など)
 これも経済危機による社会の閉塞感が生んでいる現象なのかもしれません。

 旅行者の方は念のため気をつけてくださいね。治安は悪くなっていない、といっても、何か1回でも被害にあったら、その人にとってベラルーシが治安のいい国かどうか? なんていう事前の一般的な評価なんてどうでもいいことなんですから。
 
 地下鉄は大きい荷物を持っていると、改札口で警官か軍人に金属探知機で調べられます。
 しかし最近はゆるくなっていて、女性や子どもを連れている人はほとんど調べられることなく、改札を通れます。

 経済についてはこれからどうなるのか、全く予想不可能です。私には答えられません。(←当たり前だ。)
 未来を予測できたら本当にいいんですけどね。
 
(追加情報)
 29日にはこのようなニュースも。
 露国営電力企業、ベラルーシ向け電力供給停止(読売新聞) - goo ニュース

【モスクワ=貞広貴志】ロシアの国営電力企業インターラオは29日、ベラルーシ向けの電力供給を停止した。
 12億ルーブル(約35億円)の代金未払いが理由で、ベラルーシの経済危機がさらに深刻化する恐れがある。ベラルーシ政府は29日、近く代金を支払う方針を示した。


ベラルーシに来る予定がある方、ぜひミンスクで内部被爆測定を!

2011-06-29 | 放射能関連情報
内部被曝追跡始まる 30年調査、まず10人が放医研へ(朝日新聞) - goo ニュース

東京電力福島第一原子力発電所の事故による福島県民への放射線の健康影響を見守る調査が27日に始まった。当面は空間線量が比較的高い浪江町、川俣町、飯舘村の3町村の住民120人を対象に予備調査を実施。体内に取り込まれた放射性物質による内部被曝(ひばく)がどの程度あるのかを確認し、本格調査の手法を検討するという。

 調査は30年以上にわたって追跡する見込みで、これほど長期で大規模な取り組みは例がないという。ただし、すべての放射性元素を調べるわけではなくヨウ素とセシウムだけで、骨に蓄積しやすく長い間、体に影響を与えるストロンチウムは調べない。推計の精度も原発の作業員管理の場合より低いと見られるなど、課題も多い。

 内部被曝は放射線医学総合研究所(放医研、千葉県)で計測する。初日のこの日は浪江町の30~67歳の男女10人が早朝、バスで放医研に向けて福島県を出発。正午前に放医研に着いた。

 予備調査で行うのは全身の被曝線量を測る「ホールボディーカウンター(WBC)」による検査など3種類の実測検査と尿検査。このほか、行動調査もする。本格調査の内容を固めるための先行調査という位置づけだ。対象となる約120人のうち約50人が19歳以下の子どもや未成年。

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 測定の開始、よかったです。しかし、この測定の結果を本人に通知するのは、2週間後だそうです。
 ベラルーシ人にこのことを話したら笑われました。

 ベラルーシでは測定には1人あたり3分しかかかりません。
 その代わり甲状腺だけの測定など、内臓の個別の被爆量は測定してもらえません。測定してくれるのはセシウムだけです。
 非常に精密な結果が出るわけではありませんが大間違いな数字は出ません。

 結果はその場でプリントアウトして、本人に直接手渡してくれます。
 血液検査などとちがって、痛みも全くありません。(採尿もしません。)
 費用はベルラド研究所の場合で300円ぐらいです。(料金は改定されることがありますので注意。)

 旅行シーズンに入りましたが、もし旅行やお仕事の関係でベラルーシへ行く機会がある日本人の方が、このブログを見ておられましたら、ぜひともこの機会にミンスクで体内放射能値を測定してください。
 (念のため前もって予約を入れておいたほうが確実です。ベルラド研究所のサイトはこちらです。日本語は通じません。)

http://www.belrad-institute.org/


 日本では今のところ、測定が難しいです。いつ順番が回ってくるやら分かりません。
 測定の結果、ゼロだったら安心でしょう。もし心配な結果が出たとしても、悲観することは全くありません。いろいろな対応策を教えてくれます。
 日本語ではないと困るという日本人が多いのは分かりますが、(^^;)このブログの内容をぜひ参考にしてください!
 
 

ペクチンを多く含む野菜や果物とその目安

2011-06-27 | 放射能関連情報
 このブログではベラルーシからの情報として、ペクチンをよく取り上げています。
 アップルペクチンのサプリメントですが、どれも売り切れていて、買えなかったというメールが日本から届いたのですが、本当ですか?! でも心配しなくても日本のことですから、すぐに新しい製品を作ってくれることと思います。
 それにサプリでなくても、ペクチンは食品から摂ることができます。
 
 それをご紹介する前にペクチンの摂取はベラルーシでは1日9グラムまで、とされていることはお知らせしました。
 もしペクチン剤を飲む場合ですが、再び摂取する場合は、しばらくお休みしてから(最短でも1ヶ月は飲まないこと。)飲み始めますが、そのときは1日3-4グラムまでにするのがいいのだそうです。
 ベルラド研究所が2001年に発表した本「住民を放射能から守る方法と助言、その効果」(執筆者は前所長のワシーリイ・ネステレンコさん)によると、ペクチン剤は亜鉛と銅も排出してしまうので、摂取には注意が必要としています。

 さて、この本ではペクチンを多く含む野菜や果物をたくさん紹介しています。列挙してみますね。

 テーブルビート、にんじん、パプリカ、なすび、かぼちゃ。
 りんご、マルメロ、レモン、みかん、オレンジの皮、すもも、桃、あんず(アプリコット)、グースベリー、ツルコケモモ、ビルベリー(ブルーベリー)、スグリ(カシス)、洋梨、さくらんぼ、セイヨウミザクラの実(ワイルドチェリー)、いちご、瓜、すいか、。

 日本で売られている瓜とベラルーシで売られている瓜はちょっと違いますので、注意。
 かぼちゃもこちらはセイヨウカボチャなどで、日本のかぼちゃとはちがいます。

 このほか上記の野菜や果物の果肉入りジュースやトマトジュースなどを勧めています。
 「しかし、野菜や果物からペクチンを摂るとなると、サプリとちがってどれぐらいの量を摂っているのか分からない。」
という意見もありますよね。

 そこで前に内容を少しご紹介した「ベラルーシの児童における環境不適応症候群とその改善法」という本の中に食材に含まれるペクチン保有量が載っています。
 気になる方はこれを参考にしてペクチンの量をだいたいですが計算してみてください。

 可食部分(皮や種など取り除いた部分)100グラム中に含まれるペクチンの量。単位はグラムです。

グリーンピース 2.5
テーブルビート 1.1
パプリカ 0.6
じゃがいも 0.5
なすび 0.4
きゅうり 0.4
赤にんじん 0.4
トマト 0.3
かぼちゃ 0.3(日本のかぼちゃとはちがいます。)

りんご 1.2
黒すぐり(カシス)1.1
すもも 0.9
桃 0.7
あんず(アプリコット)0.7
オランダイチゴ(ワイルドストロベリー)0.7
ツルコケモモ 0.7
グースベリー 0.7
オレンジ 0.6
洋梨 0.6
ぶどう 0.6
ガマズミ 0.6(ロシア民謡の「カリンカ」の実のこと。日本で生えているものは食べられない種類もあるので注意。)
すいか 0.5
さくらんぼ 0.4
セイヨウミザクラの実(ワイルドチェリー)0.3


 原書とちがって、含有量が多い順に野菜と果物に分けて並べてみました。
 (個人的にはグリーンピース 2.5に「おおっ。」と思いました。)
 
 ベラルーシで栽培されている野菜、果物と日本のとでは違う部分(種類や栄養成分など)もありますので、あくまでもご参考ていどにとどめておいてください。

環境不適応症候群とその改善法

2011-06-25 | 放射能関連情報
 「ベラルーシの児童における環境不適応症候群とその改善法」には分かりやすい説明が最後にまとめてあります。

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(ステップ1)有害化学物質、放射能が体内から排出されるようにする。
 <方法1> 腸内での吸着を促進するために「ペクチン剤」「活性炭素」を摂取する。
 <方法2> 血管内をきれいにするために、またリンパの流れをよくするために、「ハーブティー」を飲む。(黒スグリの葉、ローズヒップの実など。)
 <方法3> 便通をよくするために「セルロース」を摂取する。
「水分」の補給。(普段摂っている水分よりさらに1日0.6リットルから1.5リットル多く水分を摂るようにする。)
 胆汁分泌促進、利尿作用のある「ハーブティー」を飲む。(これはベラルーシでは薬局で売られています。)
 「適度な運動」をする。
 「サウナ」に入る。
 <方法4>重金属排出を促すため、「マルチビタミン」「マルチミネラル」のサプリを飲む。


(ステップ2)免疫力の正常化をはかる。
 <方法1> 「マルチビタミン」「マルチミネラル」のサプリを飲む。
 <方法2> 抗酸化物質を摂る。「ビタミンC」「ビタミンE」「ベータカロチン(カロチノイド)」「ビタミンA」「セレン」「コエンザイムQ10」など。
 <方法3>「乳酸菌」「乳酸飲料・食品」「ペクチン剤」を摂る。

(ステップ3)平衡感覚をよくする。
<方法>脂質の過酸化を抑え、抗酸化作用のバランスの崩れを治す。
「マルチビタミン」「マルチミネラル」のサプリを飲む。
 抗酸化物質を摂る。「ビタミンC」「ビタミンE」「ベータカロチン(カロチノイド)」「ビタミンA」「セレン」「コエンザイムQ10」など。
「ペクチン剤」を摂る。

(ステップ4)有害化学物質の力を弱める。
<方法1>「ビタミンB群」「アミノ酢酸(グリシン)」「パントテン酸」を摂る。
<方法2>朝鮮五味子などの「ハーブティー」を飲む。「フラボノイド」を摂る。

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 上記の活性炭の飲み方についてです。
 この本ではこのような飲み方を勧めています。

 1日2回か3回。
 食前1-1.5時間前に飲む。
 1日に飲む合計の量は、体重1キロあたり0.1グラムまでを目安として換算する。(例:体重50キロの人は5グラム。)
 6歳以下の子どもは飲まないこと。
 摂取期間は14日以内にとどめる。これ以上の期間飲むと体に必要なビタミン類も体外に排出してしまうため。このような性質が活性炭にはあるので、摂取終了後、念のためマルチビタミンやマルチミネラルのサプリメントを一定期間摂取しておくこと。(活性炭によるビタミン欠乏症を防ぐため。)

 それからペクチン剤についてですが、この本によるとペクチン剤はリンゴ由来、かんきつ類由来、ビート由来のものが挙げられており、環境不適応症候群への予防には12-14日間の摂取、治療には18-21日間の摂取を勧めています。

 ハーブティーですが、この本には作り方まで細かく書いてありますが、日本で手に入れやすいハーブなのか、どうもよく分かりません。しかもハーブティーというより煎じ汁に近いです。(パセリの根っこを煎じて飲む、とか書いてあります。)
 漢方薬の話をベラルーシ人にしても「?」になる人が多いと思いますが、そんな感じです。
 ここでご紹介してもいいのですが、結局手に入らない、ということになりそうなので、省略します。
 絶対ハーブティーを飲まないといけない、というものでもありませんし・・・。

 上記のほか、三大栄養素(蛋白質、炭水化物、脂肪)を食事できちんと摂ることも強く勧めています。
 これは2000年に作成された本ですが、これによると
「ベラルーシの子どもを血液検査したところ、銅と亜鉛が不足していた。」
「ベラルーシの子どもの75-85%がヨウ素不足。」
「ビタミン類を全て必要摂取量以上、ちゃんと摂っていた子どもは全体の9%しかいなかった。」
・・・と書いてあります。
 やはり食育が大事だと繰り返し述べています。

 
 食事のほか適度な運動をする、ということですが、子ども向けにとても細かい指示が出ていますが、日本人向けにはこうアドバイスできます。
 つまり体に悪いものを排出させるために、運動によって汗をかく、血液の循環をよくする、さらに筋肉の衰えを防ぐことが目的ですから、これを満たすことができる運動だったら、何でもいいわけです。軽く汗をかく運動になればいいと思います。
 サウナに入ることも勧めていますが、これも発汗、新陳代謝を促すためだと思います。
 しかし、もう日本も場所によっては真夏日になっていますから、サウナなんか入らなくても、汗が流れている人がいっぱいいそうですね。
 日本はベラルーシと違って暖かい(暑い)のが大きな違いです。せっかくだから、この暑さをうまく利用して、発汗、そして有毒なものは体から出してしまいましょう!
 (でも熱中症対策は必ずしてください。水分をどんどん補給しましょう。) 

 以上の情報が少しでも日本の困っている方のお役に立てれば幸いです。
 私自身は環境不適応症候群の経験がないし、チロ基金の活動でも行っていないので、どれほどの効果が日本人の方にあるのか、分かりません。
 しかし、ベラルーシではこのような対策をしていますよ、ということです。
 

環境不適応症候群の症状と発生メカニズム

2011-06-25 | 放射能関連情報
 「ベラルーシの児童における環境不適応症候群とその改善法」(ベラルーシ保健省と放射線医療・内分泌学学術診療研究所が作成)の内容から、一部抜粋して日本語に翻訳し公開いたします。
 原爆ぶらぶら病によく似た低線量放射線障害の症状が出ているという方のお役に立てれば幸いです。
 (これはベラルーシ人への対策方法なので、日本人の方にそのまま当てはまるとは限りません。この点についてはあらかじめご了承ください。)

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 ベラルーシにおける環境不適応症候群の症例。
「不快な症状」(無気力。意気消沈。疲労度が高い。頭痛。腹痛が繰り返し起こる。)
「緊張感が続く」「脱力感が続く」「その両方が交互に訪れる」
「低血圧」
「不整脈」
「ノイローゼ」
「気管支炎の病気」「呼吸疾患によくかかる」
「神経系統の病気」
「アレルギーの症状」
「消化器官の炎症」(胆管部分の不快感。胃腸炎。)

 これらの症状に対して、このような対応策が考えられます。
「食生活の改善」「適度な運動」「サプリメントや栄養強化食の利用」

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 このうち食とサプリに関する点について、後ほどもう少しご紹介しますね。
 その前に私のほうから一言。
 この本の最初のほうに大事なことが書いてあります。
 それはこのような環境不適応症候群が起こる原因として、放射能を挙げているのですが、それだけではなく有害な化学物質の体内蓄積についても、何度も繰り返し言及している点です。

 例えば、放射能の被爆を受けたとします。これは体に悪いことです。分かりやすく説明するために「マイナス1点」と考えます。
 それから、体に有害な化学物質が体内に蓄積したとします。いろんな物質が体に悪いと思います。鉛、水銀、といった重金属のほか、大気中の煤塵や、アスベストなども体に悪いですね。これが体の中で単独であるとして、これもマイナス1点とします。

 放射能単独でも、体の中にあると悪い。有害な化学物質が一つ体内にあっても、体に悪い。
 ところが、この両者が体内で結びつくと、非常に体に悪いものになり、1たす1でマイナス2点になるのではなく、マイナス5点ぐらいの影響を与えるものに変化してしまいます。そしてこれが低線量放射線障害発生へとつながっていくわけです。
 だから原発事故が発生したので、放射能だけ被爆しなけれいい、放射能のことだけ気をつけていればいい、というものではなく、有害な化学物質も体内に蓄積しないように気をつけなければならないのです。
 
 これが低線量の放射線であっても自覚できるような症状が起こるメカニズムだと思います。
 だから放射能と有害な化学物質の両方を体外に排出すれば、環境不適応症候群の症状が改善するはずである、という考えのもと、この本は書かれています。
 (続きは次の記事をご覧ください。)


低線量放射線障害「環境不適応症候群」

2011-06-25 | 放射能関連情報
 今、本当にいろいろな方から、たくさんのメールをいただいております。
 その中で、関東圏にお住まいの方複数から、福島の原発事故後「疲労感・倦怠感」「体力の低下を感じる」というメールが届きました。これは原爆症の一つである原爆ぶらぶら病にとても似ているそうです。
 他にも「頭痛がする」「喉が痛い」「目の下のクマが取れない」「常に口内炎ができている」「鼻血が出る」などの症状がある、というメールをいただきました。
 福島県在住のお子さんにもそのような症状が出ていると新聞(6月16日付の東京新聞)でも報道されているそうですね。

 SOS子ども村で勤務してる医師、リリヤ先生に尋ねると
「それは放射能のせいです。チェルノブイリの事故の後も同じような症状の人がいっぱいいました。」
とのことでした。
 
 低線量放射線障害である原爆ぶらぶら病ですが、1976年に全日本民主医療機関連合会が国連に出した報告書「広島・長崎の原爆被害とその後遺」によるとこのような症状だそうです。

i. 被曝前は全く健康で病気一つしたことがなかったのに、被爆後はいろいろな病気が重なり、今までもいくつかのない造形慢性疾患を合併した状態で、わずかなストレスによっても症状の増悪を表す人びとがある。(中・高年齢層に多い)
ii.簡単な一般健診では以上が発見されないが、体力・抵抗力が弱くて「疲れやすい」「体がだるい」「根気がない」などの訴えがつづき、人並みに働けない為にまともな職業に就けず、家事も十分にやってゆけない人びとがある。(若年層・中年層が多い)
iii.平素、意識してストレスを避けている間は症状が固定しているが、何らかの原因で一度症状が増悪に転ずると、回復しない人びとがある。
iv.病気にかかりやすく、かかると重症化する率が高い人びとがある。
 
 しかし、この原爆ぶらぶら病の患者は「原爆病」認定患者には指定されていないそうです。
 傍目には無気力で仕事もせずにぶらぶらしているように見えるから、こんな病名がつけられたようですね。

 ベラルーシでは「環境不適応症候群」と言われています。
 そして、ちゃんとその対応策をベラルーシ保健省はまとめて2000年に本として出版しています。
 タイトルは「ベラルーシの児童における環境不適応症候群とその改善法」で、ベラルーシ保健省と放射線医療・内分泌学学術診療研究所が作成し、表紙にはベラルーシ保健省の公印が押してあります。(画像参照)
 本と言うより論文みたいに見えますが、内容は医学に疎いという人でも、理解できるように書いてありました。
 この本はSOS子ども村内にある図書室にあり、リリヤ先生の「環境不適応症候群のことならこれを読むように。」と教えてもらって借りてきたものです。
 
 内容を読んでいくと、いろいろなことが分かってきました。これはベラルーシの事例なので、日本の事例にそっくりそのまま該当するかどうか分かりません。
 しかしもしかすると困っている方々のお役に立てるかもしれませんので、このブログ上で一部抜粋して、まとめたものを日本語に訳して公開します。(ベラルーシ保健省からは翻訳公開の了承は得てませんが、たぶんクレームは来ないでしょう。)
 このようなわけで具体的な対策方法は次の記事をご覧ください。
 

何でも摂りすぎには注意

2011-06-23 | 放射能関連情報
 放射能対策としてカリウムとカルシウムを摂ることをお勧めしていますが、何でも摂りすぎには注意してください。

 腎臓病の方はカリウムの摂取を制限されている場合があると思います。このような場合はもちろん、放射能対策としてのカリウム摂取は控えてください。

 カルシウムを摂りすぎると、亜鉛不足になってしまいます。
 またカルシウムの過剰摂取により、マグネシウムやリン酸などの吸収が妨げられることがあります。
 骨粗鬆症の治療薬を病院などで処方されている方はカルシウム剤を併用した場合、治療薬の吸収が妨げられる場合がありますので、注意してください。

 ペクチンはベラルーシでは1日9グラムまで、としています。
 もしペクチン剤を購入された方で、飲む量が分からないという場合は、1日合計9グラムを越えないようにしてください。


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 カルシウムを摂る場合ですが、カルシウムの吸収をよくするためにビタミンDも摂ることをお勧めします。
 逆にカルシウムの吸収を阻害する物質として、野菜に含まれるシュウ酸や、穀物に含まれるフィチン酸が知られています。
 多量の脂質もカルシウムの吸収に悪影響を与えるといわれています。
 よく考えて、上手に摂取してください。

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 それから腎臓病の方はカリウムの摂取を制限されている場合があるのですが、どのようにカリウムに気をつけるかについて調べると、逆にカリウムが摂りやすい方法も分かってきました。
 例えば、カリウムの摂取制限のため、このようなアドバイスが医師から出されます。

 「生果物は通常の半量にするか、果物の缶詰にしましょう。」 
 「特にバナナ、メロン、キウイフルーツはカリウムが多いため注意。」
しましょう。」
 「海藻類はカリウムが多く含まれていますので、一度に多量にとることは控えましょう。」

 今腎臓病の方で、カリウムの摂取を制限されている方には申し訳ないのですが、これを元にして考えると、カリウムをたくさん摂るためにはこうしたらいいことになります。

「生果物を食べましょう。」
「特にバナナ、メロン、キウイフルーツを食べましょう。」
「海藻類はカリウムが多く含まれていますので、食べましょう。」

 皆さんもいろいろ工夫して楽しくカリウム・カルシウム・ペクチンを摂ってください。

自分で試してみます

2011-06-20 | 放射能関連情報
 私は6月9日にベルラド研究所を訪問して、自分と子どもの体内放射能値(セシウム)を計る機会に恵まれました。

 測定結果は2008年6月17日は体重1キロあたり0ベクレルだったのが
 今回は34.44ベクレルだったので、ショック・・・!!!
 
 今まで何回か測定をしたことがあるのですが、これが最悪の記録ですよ。(涙)
 頭の中で
「どうしてこんな値が? 最近何食べたっけ? この間食べた○○のせい? それとも○○が? いやもしかすると・・・。」
と最近食べた物がぐるぐる回りましたよ。

 しかしすぐに考えるのをやめました。いくら考えても分からないからです。 
 食品一つ一つ調べられるわけでもないので、
「これのせい。」
と確定することができません。もしかすると複数の食材のせいかもしれません。
 震災以来、ストレスがたまっていたので、ストレスのせいで放射能が蓄積しやすい体質になっていた可能性もあります。

 しかしですねえ、私はこのブログでいろんなアドバイスをしているわけですよ。
 その私が34ベクレルなんてだめではないか、とがっくりしました。
 まあ、私は大人なので、50ベクレル以上だとビタペクトを飲め、ということになるので、34ベクレルは気にしなくてもいい範囲です。
 ところがうちの子も測定すると21.05ベクレル。
 20ベクレル越えている。(泣)
 私は何を食べさせていたんでしょうか?(涙)
 
 ベルラド研究所では放射能を測定するついでに体内のカリウム量も測定してくれます。
 性別、年齢別に「ノルマ」が決められており、それを下回る結果だと
「カリウムが不足しています。するとセシウムが蓄積されやすくなります。これから食事でカリウムを採りましょう!」
と測定員さんから、カリウムアドバイスなるものを受けます。

 私はカリウムはノルマ60グラム、今回63.20グラムでOK。
 うちの子はカリウムはノルマ54グラムで、本人は47.80グラムでやや足りていない。
 カリウム食を摂らなくては!!!

 今回は残念な測定結果でがっくりしていましたが、気を取り直し、これを機会に・・・やってみます。新企画。(^^;)
 私と子どもは6月20日からSOS子ども村で子どもたちが飲んでいるように、毎日ビタペクトを飲み始めました。
 食事も全て、このブログで公開しているパンフレット「自分と子どもを放射能から守るには」に書いてある調理法、食育を全部実践することにしました。
 そして本当にビタペクトが効いているのか、ベルラド研究所が勧めているアドバイスは有効なのか、自分と子どもの体で人体実験します!(←大げさ)

 6月20日もSOS子ども村でビタペクトを配りましたが、保養滞在家族の子ども対では細かい測定はできないし、ちゃんと飲んでいるのかはっきりしない子もいるし、あやふやな部分も多いんですよね。
 私は8月末に子どもを連れて、再測定に行きます。
 それまで毎日ビタペクトを飲み続けます。(子どもも)

 リアリティーショーじゃないけれど、まめにブログで「今日は何食べた」と1日3食更新している人がいますよね。
 私はネットにアクセスするのが大変なので、そこまで詳しく何を食べたかは報告しませんが、パンフレット「自分と子どもを放射能から守るには」に書いてある物を中心に食べていると思ってください。
 
 画像は今回の測定結果の表です。ロシア語だから分かりにくいと思いますが、セシウムが「34.44」とあります。
 8月末の測定結果も同様にブログで公開します。お楽しみに!
(これで再測定のとき、放射能値が増えていたら最悪ですね、私。)


追加内容です。
 ビタペクトTを飲み始めて一ヶ月が経過した7月21日に再測定に行ってきました。
 その測定結果はこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/deb9b5adb8f71e2863e42dcd8e68c04c


 

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第119回」

2011-06-20 |   ビタペクト配布活動
 6月20日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第119回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクトTを9個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1829個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1580部となりました。
  
 今回で通算129回目のビタペクト2(ビタペクトT)の配布となりました。延べ人数ですが、1829人の子どもにビタペクト2(ビタペクトT)を、1580家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクトTを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a



(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


 今回はゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)に住む2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族に話を伺いました。
 2家族と分けていますが、どちらもゴメリ市にある多子家庭と障害児を支援する会の会員の子どもたちです。 

 
(家族A)

 お母さんが2人の娘、2人の姪、1人の子どもを引率していました。この家族には4個のビタペクトTを渡しました。 
 この家族はちょうど1年前にSOS子ども村に滞在したことがあります。そのときのようすは、こちらをご覧ください。
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第104回」(家族A)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/4996cd66afa6da48c0351b85ebdb0909


 また次女と三女は2009年9月に、祖母に引率されてSOS子ども村に保養滞在していました。そのときの様子はこちらの記事をご覧ください。チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第96回」(家族A)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/f09ebd298248eb3f7f5c1299bdf04770


 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。次女と三女は2009年9月測定分も示してありますが、それ以外は2010年6月の結果と2011年6月の結果を表示してあります。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。

母親(事故発生時14歳)9ベクレル → 10ベクレル
次女(15歳)29ベクレル ○ →(2010年は保養滞在していません。)28ベクレル ○ 
三女(13歳) 23ベクレル ○ → 22ベクレル ○ → 34ベクレル ○
姪 (11歳) 15ベクレル → 0ベクレル
姪  (5歳) 23ベクレル ○ → 30ベクレル ○
女子(11歳) 11ベクレル → 43ベクレル ○
 
 ビタペクト2を去年飲んでも結局、数値が上がっています。
「ちゃんとビタペクト2を飲んだんですか?」
ときくと去年SOS子ども村滞在中はちゃんと欠かさず飲んでいた、しかし家に帰ったとたん、残りを飲むのを忘れた。特に夏休み中は遊びに忙しく忘れがち。その後学校が始まり、思い出して残りを飲むようになった。
 ・・・という返事が返ってきました。

 確かに3週間の保養期間では全部最後まで飲みきれなくて、残りは家に持って帰って飲み続けないといけないのですが、そこで摂取が中断してしまうことも多いです。
 特に自分のお母さんといっしょにSOS子ども村に滞在した子どもはまだいいのですが、親戚だとか、ただ引率されてきた場合、帰宅後、その親がビタペクトを子どもから見せられても何なのかよく分からず、さらに引率した母親が、ちゃんと説明しなかった場合、飲むのを忘れてしまうケースが多いようです。
 もちろん私から引率したお母さんに、
「よそのお子さんのお母さんにもビタペクトが何なのか話しておいてほしい。」
と言っているのですが、忘れてしまっている場合もあるでしょう。
 やはり親の監視の下、最後まで飲みきらないと効果が出ないと思います。
 今回は比較的年齢が高い子が多く、特に女の子が多かったので、リリヤ先生からも
「将来、みなさんは母親になって、子どもを生むのですから、健康な子どもが生まれるようにちゃんとビタペクト飲みなさい。」
と言われていました。
 小さい子どもの場合は、親がしっかりしてないと、お話にならないのですが、あるていど大きくなったら自分で自己管理できるようにうながすのも大切です。

 11歳の女の子は測定したとき
「なんで私だけ40ベクレル越えているの?」
とショックを受け、SOS子ども村に帰ってきてから、1人泣いていたらしいです。あーあ。
 この子は両親がおらず、おばあちゃんに育てられているそうですが、自分の家の畑でとれたものばかり食べているそうで、また近くの森のキノコを集めては食べているそうです。
 
 お母さんは
「でもビタペクト2のおかげで、うちの子は今年の冬、全く風邪をひきませんでした。こんなことは初めてです。」
と感謝していました。ビタペクト2を飲んだため、放射能が減り免疫力が高まったのだと思います。
 しかし、その後春には風邪をひいてしまったそうです。そして結局6月にはまた放射能が蓄積されています。
 1年に2回ぐらいビタペクト2を飲むほうがいいのだとは思うのですが、難しいところです。
 お母さんに
「どうしてまたこんなに放射能が増えてしまったのでしょうか?」
と尋ねましたが、
「2月に娘2人は黒海沿岸に保養へ行った。そこで被爆したのかも。」
という答え。リリヤ先生は
「そんなことはありませんよ。そこは汚染地域じゃないんですから。ゴメリで食べたもののせいです。」
と話していました。

 お母さんの話によると、次女は背骨が湾曲しており、常に痛みを感じているので、マッサージを受けたり、矯正体操をしているそうです。さらに去年矯正のためのコルセットをはめたのですが、今度はかえって骨盤のほうにゆがみが出てきたので、コルセットを外してしまったそうです。
 じゃあ、どうしたらいいのか、というと手術して背骨の歪みを治すよう医者に言われていますが、決心が親子ともついていないようでした。 
 三女は心臓が弱く、さらに慢性胃炎を患っています。1年前と状況は変わっていないそうです。胃炎なのにビタペクト2(食物繊維が多い。)を飲んで大丈夫だったか、尋ねましたが、ビタペクト2による痛みなどは全くなかったそうです。
 姪2人は免疫力が異常に低く、風邪をひいていないときのほうが時間で言うと少ないそうです。4歳の姪は慢性中耳炎で、夏でもちょっと風が当たると、すぐ中耳炎になるので、外出しているときは、耳を覆う帽子をかぶらないといけません。
 こちらも1年経って、症状は変化ないそうです。
 

(家族B)
 おばあちゃんが孫、8人の子どもを引率していました。この家族には5個のビタペクトTを渡しました。 
 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。

祖母(事故発生時28歳)14ベクレル
孫  (3歳) 0ベクレル
女子(15歳)24ベクレル ○
女子(14歳)0ベクレル 
女子(12歳)27ベクレル ○
男子(11歳)0ベクレル
女子(11歳)25ベクレル ○
女子(11歳)16ベクレル ○
女子 (7歳) 0ベクレル
男子 (6歳)19ベクレル ○ 

 このうち女子(14歳)0ベクレルと男子(11歳)0ベクレルは姉弟です。それ以外はみんな別々の家族の子どもです。
 このおばあちゃんは多子家庭と障害児を支援する会の会長さんです。家族Aのお母さんは
「私の秘書よ。」
と笑っていました。
 子どもたちの健康状態についてですが、まず女の子で(11歳)25ベクレルの子は、学校の体育の時間にろくぼくから背中から落ちて、腎臓が破裂したそうです。こういうことがあるんですね。治療はしましたが、機能障害が残っています。
 14歳の女の子も生まれつき腎臓に機能障害があるそうです。
 6才の男の子はよく風邪をひいています。この子だけ、ゴメリ市在住ではなく、ブダ・コシェリョフの近くの町(チェルノブイリ原発から約150キロ)エレネツに住んでいます。
 ブダ・コシェリョフは移住者の町になっています。もちろん以前から住んでいる人もたくさんいますが、そこにたくさんの移住者用の住居がたくさん建築され、汚染地域から多くの人が移り住んできたそうです。

 会長さんのお話によると、この会は2年前に設立され、現在約180家族が会員として所属しています。最近は経済危機で、以前は会員に配っていた古着なども支援も来なくなり、大変苦労している、というお話でした。 

 写真は記念撮影のようすです。(保養とは関係ない子が1人写っています。)
 今回もみんなに折り紙、折鶴、絵葉書などをプレゼントしました。
 昆布は去年もあげたのですが、「おやつ昆布」を見て去年来ていた子どもたちは
「これ、おいしいんだよね!」
と喜んで食べていました。初めて見た子どももつられて食べたい、食べたいと取り合いでした。
 他にも去年、サラダに入れたりしてたくさん食べたそうです。よかったです!(^^)

 最後になりましたが、ビタペクトTの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や昆布など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

東京都内を計測した方からの情報

2011-06-19 | 放射能関連情報
 東京都内にお住まいの方からメールをいただきました。お住まいの地域を中心に放射能の計測をされた記録です。
 ご了解いただきましたので、抜粋してこのブログ上で公開いたします。

 ご注意!
 食品の計測、特に食材が蓄積している放射能を測定するには、専用の測定器が必要です。
 また空間線量はこの以下の内容でもありますように、風が吹いただけで、細かく変化します。
 ここで公開した測定値は絶対ではありません。あくまで、ご参考ていどに留めておいて下さい。

・・・・・・・・・・・・・・・

 東京都内(文京区)に住んでおりますが、日常生活のなかで放射線量を調べるなんて異常だと思いつつ、知らないと暮らし辛いので、計測したいと思っておりました。

 今日ガイガーカウンタ(GM管)を友達が貸してくださったので早速試してみました。
 まずは子どもたちが一日も早く安全な場所と危険な場所を感覚的に理解できるようになればと思い、近所を一周ました(^^)

 本日(6/5)は、白山通りの(とあるお店)~西片交差点~菊坂~本郷三丁目交差点~東大本郷キャンパス~清水橋~帰宅しました。
 白山通りのお店で商品にかざしてみました。
 掃除が行き届いているようでバックグラウンドが安定(0.08マイクロシーベルト/h) していたので「数値↑」の反応が分かりました。あくまでもご参考までに…:

 福島産ブロッコリ、栃木産ニラ、茨城産白菜がくっきり(-_-;)
 白菜キムチは弱い反応。
 ヨーグルト売場と牛乳売場に近づくとぐ~っと「↑」。
 複数のカップヨーグルトが反応あり、残念。
グリコのリンゴヨーグルトが先ほどは無反応でした。
 牛乳はこの店で大丈夫そうな品に出会えず。
(我が家の冷蔵庫にある大山の白ばら牛乳は無反応でした。)

 街全般については風通しのよい高台は基本的に0.08~0.11で(「きれい」と言ってよいかしら。)、
 よく言われるとおり吹き溜まりは高い。そして、やはり気になる変な風?がありまして…
 きれいなはずの場所でフーッと0.16~0.26に上がる現象を確認しました。
 今日はまずその対策を考えねばと思いました。
 今の時期マスクは目立つので抵抗がありますが。これから購入せねばなりません。

 ふだんザリガニを釣ったりする東大の三四郎池周辺は 0.20〜0.30でした。

 この6月5日の計測に使った機材はこちらです。(X,γ,β線検知)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B004XK92ZC/ref=s9_simh_gw_p60_d5_i3?pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_s=center-1&pf_rd_r=1ASW5704VZ81CD6A0J5M&pf_rd_t=101&pf_rd_p=463376736&pf_rd_i=489986
※感度は問題ないと思いますが、なぜか .08μSV/h 未満は表示されませんでした。


 その後、利用しているものはこちらです。(NUCTEST社。同じくX,γ,β線検知)
http://item.rakuten.co.jp/goodsadvisory/10001235/
 小さくてコンパクトな上、感度もよく買物にも便利です。ただし、あまりメジャーではないようです。

※こちらだと水拭きしたテーブルなどでは .02μSV/h でも表示されます。感度も良好。
8月末にロシア製の RADEX がさらに 3000台入荷され、34000円(送料別途1500円)で販売されるようです(楽天市場)。これからは RADEX が普及版になるかと思っています。

 東京都心部はせわしく、立ち止まっていると怪しくみえるので、2分以上は
 とどまっていられないのが弱点です。そのため測定箇所が多少ずれたりバックグラウンドの
 汚染もあるので、数値についてはおおまかな目安としていただければ幸いです。


 6/12(日) 正午すぎから NUCTEST社のカウンターを持って日比谷〜銀座を回ってきました。
 帝国劇場→日比谷公園→(みゆき通り)→銀座中央通り(松坂屋、和光、三越伊勢丹、松屋があるメインストリート)→柳通り(Pertierの角を西に曲がる通り)→帝国劇場のエリアを一周しました。

 我が家の近辺と同じく0.08μSV/hより小さい値はでませんでしたが、基本的に屋内や風通しのよい場所は、それくらい(+.03以内)でした。
 ところで、上記のエリアでホットスポットらしきものがありました。みゆき通りと銀座中央通りです。.14~.24程度。
 でも柳通りに入ると数値はぐっと下がり、そのまま国際フォーラムを通過して帝劇まではほぼ.08~.11程度で落ち着いていました。


 食品について追加情報。

【鶏卵】
 6/14、青森産の卵を扱っている店まで行ったのですが、残念ながらNG と判断しました。
 店内のバックグラウンドは .04μSV/hくらいを表示していたところ、卵にははっきり反応して .16 をマーク! 
 公式発表では福島、茨城、千葉以外の鶏卵は大丈夫ということになっていると思います。
 飼料は輸入でしょうし…とこれまで私も青森なら大丈夫かと油断していました。

【加工品(キムチ)】
 加工品全般にはまだ至りませんが、中国産のキムチが大丈夫だったのでビタミン補給のために購入しました。以前でしたら化学調味料もイヤだし、中国製は農薬が不安だったりして絶対に買わなかったのですが、いまや放射能は体内で長期間被曝をさせる猛毒なので、化学調味料や農薬よりも放射能の怖さが凌駕しました。

【昆布、ワカメ】
 乾物を調べました。新物が出回る前に買っておきたかったこともあり急いで出かけました。
 当然というか、昨年までの品はまず、大丈夫だと思います。包装にカウンターを当てるとちょっと反応があるのですが、不安定でしたので店内の付近のモノやホコリに反応していたのではないかと思います。場所を移動してカウンターを当てると .02〜.04 でした。


 すでに食生活自体が変わってきています。
 牛乳が怪しくなってから、それまで常備品だったヨーグルトを一度も買っていません。
(Tさんのブログの情報に助けられています。乳製品は大好きなのですが、乳清を避ければ、バターやチーズは引き続きいただけるかな、と思いました。)

 玄米に味噌をつけ、基本の野菜は菅谷昭先生にならって、タマネギ、人参、ジャガイモ。
 ときどき沖縄産などの野菜に出会えると、有難くいただいています。


 6月18日、雨の中がんばって江東区の夢の島までまいりました。
  一つには熱帯植物園でのプチリゾート気分になればと思い、もう一つは第五福竜丸展示館の市民講座での勉強が目的(講師は立命館大学の安斎育郎先生)。
  熱帯植物園はガラス張りで外気をかなり制限しているため放射能から守られたのか、ガイガーくんは .02〜.04μSV/hでした。
(第五福竜丸展示館内は .08〜.20をマーク。死の灰で被曝した船体のせい?)

  熱帯植物園の数値を見る限り、東京の外気も汚染を無視できないほど強いのでは? とふと思いました。

プルトニウム対策には鉄分補給を

2011-06-18 | 放射能関連情報
 ベルラド研究所が発表した論文によると、人間の体内に鉄分が不足していると、プルトニウムが蓄積されやすくなるので、それを防ぐために鉄分を摂っておくとよいそうです。
 プルトニウムは毒性が強い放射性物質です。消化器官からは吸収されませんが、呼吸器官に入って蓄積すると、肺がんの原因になると言われています。

 しかしプルトニウムは重くて原発から30キロ以上は飛んでいかないそうです。
 チェルノブイリ原発事故では30キロ圏内は立ち入り禁止で、人は住んでいません。少数の戻った人が暮らしていますが、本当は規則違反です。しかし、ベラルーシ政府、ウクライナ政府は目をつぶっており事実上居住を黙認されています。
 そんな理由から、一般人に対するプルトニウム対策はこちらはされていません。

 日本の場合、福島の原発から20キロ圏内は強制的に避難する区域になっていますが、20キロと30キロの間は
「計画的避難区域」あるいは「緊急時避難準備区域」に指定されているところが多いです。あるいは何の指定もされていない区域もあります。
 つまりプルトニウムが飛んでくる可能性があるところに住んでいる人がいるということです。

 30キロ圏内で暮らしている方は念のために、鉄分を摂っておいて、プルトニウム対策をされるほうがいいと思います。もしこのブログを読んでいたら、今日から鉄分補給を実行してください。
 もしご親戚や友人知人の方が、この範囲内の地域で生活されている場合、ぜひ教えてあげてください。
 ただしあまり鉄分を大量に摂りすぎるのは体によくありません。また鉄分補給には鉄剤がとても有効ですが、飲み方や量を守ってくださいね。

 30キロ以上離れたところに住んでいる方は、プルトニウムは心配されなくても大丈夫と思います。
 

避難(移住)と保養滞在について

2011-06-18 | 放射能関連情報
 
 保養滞在(放射能デトックス)についてのご質問メールを多くいただいておりますので、ここでまとめてお答えしようと思います。
 被爆した人が放射能に汚染されていない地域へ保養滞在すると、体内の放射能値が少なくなります。
 チェルノブイリの子どもたちも夏休みになると、ヨーロッパ各地、アメリカ、日本などに保養に行きます。
 またベラルーシ国内の非汚染地域にある保養所(SOS子ども村もその一つ)へ行きます。  

 日本人の場合はどこへ行ったらいいのでしょうか?
 放射能汚染地域ではない海外へ行くのも一つの選択です。しかし外国で長期滞在するのは難しいという人もいるでしょう。
 
 日本国内となると、どこへ避難するかというのが問題になります。中部大学の武田先生は、日本海側を勧めています。
 とにかく非汚染地域でないと保養の意味がありませんから、非汚染地域であればそこでいい、ということになります。

 次に期間の目安ですが、滞在が長ければ長いほど効果があります。
 私見ですが、1週間ぐらいではあまり大きな効果はでないでしょう。
 新陳代謝のサイクルなどを考えると短くても2週間はほしいところです。ベラルーシでは保養期間は3週間以上が普通です。
 しかし、保養に全く行かないよりは、短期間でも行くほうがいいです。

 経済的に無理だ、とか仕事を休めないとか、小さい子どもだけ行かせるのは不安だ、とかいった意見があるのも事実です。
 まず非汚染地域に住んでいる親戚の方がいればお願いしてみるのはどうでしょうか? 
 あるいは滞在期間中の滞在先を前半と後半で替えるのもいいと思います。(少々面倒くさいですが。)

 夏休みにまとめて、というのが難しい場合は、毎週日曜日に非汚染地域へご家族で行くのもいいと思います。
 1週間に1日だけでも、繰り返せば大きな結果を生み出すと思います。
 気分的にも気晴らしになればいいですよね。避難とか保養しなくては・・・!とか考えると、気が重くなりますが、楽しい家族の日帰り旅行と思えば、精神的にもいいですよね。
 放射能はストレスが大好きです。だからストレスを持ち続けないようにするのも放射能対策になります。
 冬休みや春休み、GWなど大型連休を利用するのもいいと思います。

 またせっかく保養へ行ってもその間の食事がめちゃくちゃだったり(栄養バランスが悪い、など)、生活習慣がきちんとしていない(睡眠不足、運動不足など)実は放射能に汚染された食品を食べていた、という状況だったりすると、保養に来た意味が全くなくなってしまいます。
 気をつけてくださいね。
 また保養に行ったから、と油断して日々の食生活が乱れるのは禁物です。
 普段から放射能対策をした食事(放射能を減らした調理方法、高カリウム、高カルシウム、高ペクチン)を続けてください。

 ベラルーシの場合ですが、ベラルーシの子どもが例えば体重1キロあたり20-100ベクレルぐらいの被爆量だった場合、海外へ一ヶ月保養滞在すると、50ベクレル以下ぐらいに減ります。(個人差があります。)
 しかしその後、もともと住んでいたベラルーシ国内の汚染地域に住み続け、食事などにも親が気をつけていないと、1年後には元通りになってしまいます。
 またベラルーシから日本へ飛行機で行くと、宇宙からの放射線を浴びる時間が長くなりますから、約10時間のフライトで、1週間ぐらい放射能汚染地域で暮らしていたのと、同じ量の放射能を被爆してしまいます。
 つまり一ヶ月の保養滞在のはずが、実際には、2週間か3週間しか滞在しなかったのと同じ結果になってしまいます。
 
 もし日本人の方が海外へ保養滞在する場合は、あまり遠方へ飛行機で行かないようにしてください。
 保養の効果がその分減ってしまい、たくさんのお金と時間を使うのにもったいないです。

 ベラルーシの国内の保養ですが、例えばSOS子ども村の場合はこのようなプログラムになっています。
 滞在期間はおよそ3週間。到着後すぐに体内放射能の測定。
 体重1キロあたり20ベクレル以上だと、チロ基金からビタペクトを無料支給。滞在中から飲み始める。
 平行してマルチビタミン剤の配布。滞在中毎日飲むことが義務付けされています。 
 さらに果肉入りフルーツジュースを支給。滞在中、毎日飲むことが義務付けされています。
 食育の授業。教育ビデオを見ながら、放射能対策のための調理方法などをレクチャーしてもらっています。
 そのほか、気分転換のための楽しいプログラム(サーカス、遊園地、動物園、手芸工作、SOS子ども村内のスポーツ大会参加などなど。)や精神的な支援プログラムとして、キリスト教教会へのミサに参加。
 希望者には心理カウンセリング。医療相談など。
 これも希望者にはミンスクにある専門病院への受診、精密検査などの依頼をSOS子ども村が代行。

 ・・・とこのようなプログラムで、体内放射能が体重1キロあたり30-50ベクレルぐらいだったのが、0ベクレル、あるいは20ベクレル以下に下がります。
 他の保養所では、1日6回の食事(ただしうち1回は飲み物だけの場合もあります)、マッサージ、プールがあるので水泳などを行っているところもあります。
 
 もっとも、このような保養滞在をして体内放射能値が下がっても、帰宅後、教わったことを実行せず汚染された食品ばかり食べていれば、1年後には元の放射能値に戻ります。
 
 普段から気をつけていれば、長期の保養滞在など無理にしなくてもいい、と個人的には思います。
 また保養滞在するのなら、最大限の効果が出る方法でしないといけないし、その後に保養の効果をなくしてしまうような
生活をしてしまっては、保養の意味がなくなる、と思います。
 ベラルーシでは保養などに一度も行ったことがなくても、病気にならず元気な人もいるのですから、保養に絶対行かなくては! と堅苦しく考えないほうがいいと思います。
 ご家族の方が反対しているのに、あるいはお子さんが転校したくないと言っているのに、無理に引越しされるのも、精神的にどうか・・・と思います。
 それより日ごろの生活を注意して過ごしましょう。
 
 しかしながら、できることであれば、日本の旅行代理店がこれから
「激安ツアー! 放射能デトックス保養プラン! お子様割引有! 測定済みの食材をつかった安心な放射能対策食(放射能を減らした調理方法、高カリウム、高カルシウム、高ペクチン)1日4食つき。放射能測定を滞在1日目と最終日に実施。体内放射能が減っていなかったら、費用全額お返しします!」
 ・・・というようなツアーをこれからじゃんじゃん組んでほしいです・・・。
 
 

避難についてベラルーシの基準など

2011-06-18 | 放射能関連情報
 放射能被爆を避けるための避難について、また保養滞在(放射能デトックス)についてのご質問メールを多くいただいております。
 まず避難についてです。
 すでに強制避難しないといけない地域が指定されています。この地域に住んでいる人はすでに避難、あるいは近いうちに避難することになっています。
 ここで問題なのは、避難する地域に住んでいるわけではないので、強制的に避難させられるのではないけれど、放射能が気になるので、自主的に避難すべきかどうか悩んでいる、という点です。
 最終的にはご自分で判断されることだと思います。ここではベラルーシの例をご紹介します。

 ベラルーシでは強制的に退避しないといけない地域は年間外部被ばく線量が20ミリシーベルト以上の地域です。
 5ミリシーベルト以上20ミリシーベルト以下の地域は自主的に移住、あるいは避難するということになっています。
 5ミリシーベルト以下の場合は避難や移住はしなくてよい、ということです。

 この自主的に移住、あるいは避難する地域ですが、移住先避難先の住居は個人で確保せよ、という条件だったので、実際には移住した人はとても少なかったのです。
 
 6月6日のNHK「あさイチ!」で(自主)避難のことが取り上げられていました。
 私がショックだったのは、自主避難した人について、「逃げた」とか「神経質だ」といったことを言う人がいることです。
 逃げられない人が逃げられる人のことを羨ましく思っているのかもしれない、という考え方や、みんな避難したら、地域の復興ができなくなる、という意見があるのも分かります。
 
 ベラルーシの場合は自主的に避難できた人は少数でしたが、残った人たちが、避難した人をあれこれ言うことはありませんでした。
 はい、みなさんご自由に、という感覚です。政府も隣人もです。
 日本のほうがベラルーシよりこういう点では自由がないのかもしれません。

 震災後日本人の心理状態が大きく変化し
「日本人一丸となって復興させよう!」「家族の絆・ご近所の絆の再確認」
とかすばらしい言葉、キャッチフレーズのような言葉が、マスコミにもどんどん登場しました。
 史上まれな大震災発生後、日本人が一帯感を持って困難を乗り越えようという精神を持ったことは、すばらしいことだと思います。
 しかしこういうことを書くと、非難されるのを覚悟して書きますが、このような「日本人一丸精神」がまちがった方向に動くのは危険だと思います。
 被爆の危険を恐れず復興に尽力している大勢の人が、放射能のことを心配して避難する少数派の人を、裏切り者や臆病者、将来戻ってきても白いカラスのように思ってしまう傾向にどうしてもなってしまいます。

 今の日本は戦中のようです。
「神国日本が戦争に負けるはずがない。」というのが当時は常識でした。
「自分は戦争に行きたくない。自分は助かりたい。命が惜しい。」などと言うと、非国民扱いです。 
 日本人が一丸になって戦争に協力するのが当たり前でした。隣組という、一見いいようで、実は隣近所の人同士でお互い監視させる制度もありました。
 戦後、常識は非常識になり、戦争を生き延びた人たちは命の大切さを後の世代に語っています。

 今回の震災で「命の大切さ」を多くの日本人が再確認したり、「助かった命を大事にして生きていこう!」といったメッセージがマスコミからもどんどん流されています。
 それなのに、自分の幼い子どもの命を大切にしたいから、自主避難(つまり費用は自分持ちが普通。)する人は周囲から「神経質だ」とか、「どうして自分たちだけ・・・自己中だ」とか言われてしまうのでしょうか? 
 
 避難された人のほとんどは小さいお子さんを抱えているから心配なのだと思います。
 引越しするのは今の日本では自由な権利のはずです。江戸時代の農民じゃないんですから・・・。
(ちなみにベラルーシは引越しが難しい国です。今住んでいる町の範囲内、例えば、市内の北区から南区に引越しするのは自由ですが、別の市に引越しするには、その理由を証明しないといけません。引越しの完全な自由がまだ認められていない国なんです。)

 どうかお子さんを持っている人たちの自主避難を、責めたりしないでください。
 町が復興しても病気の子どもだらけになった場合、今必死で復興していることの意味が半減します。
 (↑これは復興に尽力されている地域のお子さんが、全員そのうち放射能で病気になる、と言っているわけではありません。誤解を招きたくないので、念のため申し上げておきます。)
 
 私のこの投稿を読んで不愉快な気分になる方もおられると思いますが、あえて、全体主義的な思想に今、日本人の精神がさらされており、個人の自由・権利を独裁国家などではなく、普通の隣人が縛ろうとする社会になってしまう危険性があると、ここで言いたいです。
 絆を大切にして、お互い助け合い、震災から立ち上がろう! という姿勢、愛国心の再確認、一つの目標に突き進む日本人の姿は本当に美しいです。
 このような日本人の姿をベラルーシ人は絶賛しています。
 しかし、私自身の心の中ではひっかかるものもあるのです。

 以前このブログでもお知らせしましたが、岩波書店から発行された
「チェルノブイリの祈り」という本をぜひ多くの日本人の方に読んでほしいです。
 著者はベラルーシのジャーナリスト、スベトラーナ・アレクシエービッチです。
 お近くの図書館でも借りられると思います。
 これはチェルノブイリ原発事故後、10年のときに集めた証言集です。さまざまな立場の人が、事故当時を振りかえったり、今の(10年後の)気持ちなどを語っています。
 個人的には自分が会ったことのある、ベルラド研究所の前所長、ワシーリイ・ネステレンコさんの証言が、いつも心に刺さります。この方がご存命でしたら、今の日本の状況について、何と言っていたでしょうか?
 この本は日本語で読めるのですから、ぜひ日本人の方に目を通していただきたいです。 
 

ベラルーシのテレビ番組に出演しました

2011-06-17 | チロ基金
 6月17日にベラルーシのテレビ局第1放送のテレビ番組「人生は人生」にVTR出演しました。
 トーク番組なんですが、今回のテーマは「望郷の思い」でした。

 スタジオに芸能人が登場し、特にその中には外国生活が長かった人や、二つ国籍を持っていた人などもいました。
 結局、ベラルーシに戻ってきたり、国籍をベラルーシ国籍に選んだり、そしてまたそれはなぜか、といったテーマでスタジオは盛り上がっていました。
 そこへ5月中旬に撮影していた私のVTRが登場。
 前半はベラルーシへやってきたいきさつについて話すインタビュー映像が流れ、次にチロ基金の活動について紹介されました。
 話の流れでいうと、
「やっぱり故郷のベラルーシを離れがたい。」
とスタジオは盛り上がっていたのに、そこへのこのこ私が登場して
「日本を離れてベラルーシへやって来ました。」
と話しているから、変な流れになってしまったのでは? と思ってしまいました。

 スタジオでは司会が、ゲストに
「日本に行ってみたいと思いませんか?」
と尋ねると
「日本は遠すぎるのでいやだ。」
と答えていました。何せ5分ほど前には
「いろいろ外国生活していたが、やっぱりベラルーシが一番だ。」
と言ったばかりなので、当然かと思います。
 さらには
「日本とベラルーシの伝統文化の両方が家の中にあればいいのよ。」
というゲストの意見。司会は
「なるほど、一つの部屋は和室、もう一つの部屋は洋室、というわけですね。」
というようなことを言っていました。(すみませんが笑ってしまった。うちには和室はないです。)

 で、ここからが本題です。
 VTRを作った人は今回の震災の映像をちゃんと挿入してくれていました。
「今までチェルノブイリの子どもたちに助けの手を差し伸べていた日本人に、今度は助けが必要になろうとは・・・。」
 私がチロ基金の活動として支援物資の箱詰め作業をしている様子や、ネットを使って放射能関連の情報を発信している姿なども放映されました。
 その後スタジオでは、べラルーシに日本文化情報センターが設立されたことについて、
「両国をつなげる川ですね!」
とあるゲストが感想を述べ、別のゲストの有名歌手は
「日本に支援をしたい。」
と話していました。(本当?! ぜひお願いします。)

 このほかにもベラルーシへ移り住んだアゼルバイジャン人のお話や、イギリスに語学留学後、カナダで働いていたけど、恋しくなってベラルーシへ戻ってきた人のお話も紹介されていました。

 私としては日本の今回の震災のこと、今までチェルノブイリの子どもたちを支援してきた日本人の方々のことが紹介されてよかったです。(あ、HPベラルーシ管理人のさばさん、写真で登場しましたよ。(^^))
 さらに日本への支援活動についても、ちゃんと取り上げてもらえてほっとしました。支援物資のために寄付を寄せてくれたベラルーシ人の方々にはテレビのことを宣伝していたので・・・。
 チロ基金は本当に小さい川なのですが、これからも多くの人に支えられながら、流れ続けようと思っています。