ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年1月31日。ウクライナ侵攻から343日目

2023-01-31 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月31日。

 ベラルーシ発の戦車ゲーム「ワールド・オブ・タンクス」を手掛けるウォーゲーミング社の最高事業開発責任者であるニコライ・カツェラポフ氏が、ベラルーシKGBによってテロ活動への資金提供者として認定されていました。ただ同氏が実際にテロ活動を支援したかどうかは詳細不明です。
 またウォーゲーミング社は2022年3月31日に、事業運営の戦略的見直しとしてロシアとベラルーシでのライブゲーム事業から完全に撤退しています。同社が2011年に買収したロシアを拠点とするレスタスタジオに移管しています。
 つまり同社がベラルーシから撤退したことから、政府としては税金を得られなくなってしまい、それに対する報復措置として同氏がテロ支援者認定されたのでは?という見方がありますが、どうでしょう? 同氏は逮捕されてしまうのでしょうか。もっともすでに他の国に移住しているので、身柄を拘束される可能性は低そうです。


 ウクライナのティモシェンコ元首相が、新年をドバイで過ごしたと報じられ、国内で「戦時下で、ウクライナ人同胞が命の危険にさらされているのに、この人は・・・」と批判を浴びています。
 ロシアによる侵攻下で士気に影響しかねず、ゼレンスキー政権も対応に追われました。

 ゼレンスキー政権与党「国民の奉仕者」でも動員令で男性が出国できない中、所属議員のタイ外遊計画が「公私混同ではないか」と批判されました。
 最高検ナンバー2がスペインで休暇を過ごし、ゼレンスキー政権は24日に更迭。内閣は27日、公職にある者が正当な理由なく外国に渡航することを禁じました。
 要するに暖かい国のリゾート地にセレブのウクライナ人が行くだけで、批判され、今ではもう禁止ということです。

 ウクライナのメディアは侵攻開始後、富裕層や政治家が巨額マネーと共に移住したと報道しています。もともとウクライナには汚職がまん延していた過去がありました。ゼレンスキー政権はその撲滅に向けた取り組みをしていたのですが、今は戦争が始まり、そちらが後回しになっています。
 2012年に私がウクライナに行ったとき、夫(ウクライナ人)が宿泊した小さいホテルの従業員と話をしたら、ウクライナが賄賂社会で混乱していることをこぼしていたそうです。大学に入学するのも賄賂、成績も就職も賄賂で、お金がないと人生無理・・・ということでした。経済格差も激しいし、まだましなベラルーシのことを羨ましがられました。

 侵攻開始後、ウクライナでは徴兵対象となる年齢の男性は一部の例外を除いて出国が禁じられました。今回新たに定められた禁止措置は、女性の公務員および地方議員にも適用されます。
 例外が認められるのは、他国にいる自分の子どもに会いに行く場合や病気治療、家族が亡くなった時のみ。
 ただ、ティモシェンコ氏の長女は3人の子ども(あの話題になったイギリス人ミュージシャンの夫との子どもではないです)を連れて、侵攻前にドバイへ移住しています。ティモシェンコ氏からすれば、娘と孫がドバイに住んでいるのだから、これからも会いに行けますよね。ウクライナのセレブの子どもで外国に避難した人はたくさんいると思うので、この法律にあまり意味がないような気がします。


 
 ウクライナの国営電力企業「ウクルエネルゴ」は今日、電力不足が深刻であり、ロシアのミサイル攻撃による被害を受けて、全ての州で終日停電が発生する可能性があると発表しました。
 確かに国内の国民がこんなに生活が大変になっているのだから、特権階級の人だけリゾート地へ行きましたと聞いたら、一般国民は腹が立つでしょうね。


 先日はロシアの高官の家族がドバイなどでバカンスを楽しんでいて、それを自らSNSで上げたりしていることが報道されていました。ロシア国民の間に不満の声は出ないのでしょうか。特に兵士やその家族。
 もちろんロシア政府は「リゾート地へ行って遊んではいけません。新しい法律を作ります。」などと身内に釘を刺すようなことはしません。
 ロシア人が外国でショッピングをしていたとか、のんびりビーチで海水浴をしていたとか、ネット上で批判されたり、こういうロシア人を見ているだけでムカつくなどというコメントをする人(日本人を含む)が大勢いますね。
 私の考えでは、これはある意味、ロシア人セレブの心の裏返しのような気がします。この人達自身が、表には出しませんが心のなかで相当「やばい。ロシア負ける。」と焦っていて、もうすぐ自分たちの富が消えてしまうのではないかと非常に心配しているからこそ、「今のうちに」「できるうちに」「買えるうちに」と慌てて外国へショッピングに行っているように思えます。
 外国でロシア人セレブが買いまくる姿が増えれば増えるほど、ロシアの焦りと敗戦への恐怖、心の余裕のなさ、将来への悲観が浮き出てきているのだと思って画像や動画を見ておいたほうがいいです。
 

 ジンバブエを公式訪問中のベラルーシ大統領は今日、会見で「ベラルーシとジンバブエへの制裁は、害悪だけでなく恩恵ももたらした。制裁を受けていなければ、ジンバブエは今も欧米と貿易を続け、天然資源を売っていたかもしれない」「しかし、今は制裁のおかげで、ジンバブエはベラルーシと貿易している。わが国もジンバブエと取引できるのを喜んでいる」「私たちがアフリカに来るのは、平和と科学技術をもたらすためで、破壊のためではない」「ジンバブエがあなた方が必要とするすべてを支援すると約束しました。
 ベラルーシは、農業の機械化を目指すジンバブエに6600万ドル(約86億円)規模の支援の一環として、トラクターとハーベスター(収穫機)数百台を提供しています。
 今回もトラクターをジンバブエ大統領にプレゼント。ジンバブエ大統領からはライオンの剥製をプレゼントされました。
 ロシアとともに経済制裁を受けているベラルーシ。ロシアだけを経済パートナーにしている場合ではないと、アフリカに目を向け始めました。

2023年1月30日。ウクライナ侵攻から342日目

2023-01-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月30日。
 ミンスクは一日中小雪が降っていました。
 今日もベラルーシは特にニュースはありません。

 ロシア外相は今日、ロシアはポーランドおよびバルト諸国との外交関係を断つことに賛成していないと述べました。
 ラトビアやエストニアとは大使をそれぞれ国外退去命令を出しており、エストニアは国防衛連盟が予備役の実戦に即した訓練を実施しています。
 エストニア防衛連盟は志願制の国防組織だそうですが、実質エストニア軍ですよね。兵力は女性や青年組織を含めて約2万6000人。男女差別がないので、女性も対象になりえます。
 ベラルーシも女性軍人がいますが、主力戦力扱いではないです。兵役義務も動員も対象は男性だけです。
 
 NATOも軍事演習をしているし、ロシアとベラルーシの合同演習は2月1日に終了予定ですが、ベラルーシにロシア軍がそのまま駐留する可能性が非常に高いです。去年2月にウクライナ侵攻が始まったときもその直前までベラルーシでロシア軍が軍事演習をしていたので、心配です。

 

2023年1月29日。ウクライナ侵攻から341日目

2023-01-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月29日。

 今日はベラルーシはこれと言ったニュースはないです。
 ベラルーシ大統領はジンバブエを初公式訪問中。アフリカとの経済協力の道を開こうとしています。西側から経済制裁を受けていますが、アフリカがベラルーシの経済問題の突破口となるでしょうか。

 オーストラリアオープンの女子優勝サバレンカ選手が優勝カップに国名(ベラルーシ)を刻む事を要求しましたが、主催者は拒否。
 国名を前面に出さないということでロシアとベラルーシの選手は今回出場できたので、優勝カップに国名を刻まれなくても仕方ないのでは?と思います。出場できただけでも幸運。優勝カップに国名が刻まれなくても、サバレンカ選手が優勝した記録は永遠に残ります。


 今日のベラルーシ内務相によると、国内で未成年(18歳以下)で犯罪に手を染め、有罪判決を受けて服役中の子どもの数は約200人だそうです。未成年なので刑務所ではなく、更生施設に収容されています。ただ、刑期が始まって収容されてから誕生日が来て、18歳の成人年齢になっても、そのまま更生施設で刑期を全うします。
 そのうち女子は10人。ほとんどが男子なんですね。それでも女子の数は2倍に増えたそうで、以前は5人ていどだったようです。
 そして、この200人が有罪判決を受けた理由の大部分は窃盗ではなく、麻薬関係だというのが、ベラルーシの特徴だと思います。
 最近、青少年の間に麻薬問題が広がっているのは社会問題ですね。去年1年だけで142件の未成年が関係する麻薬に関する犯罪が発生したそうです。

 
 
 

2022年1月28日。ウクライナ侵攻から340日目

2023-01-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年1月28日。

 テニスの全豪オープンでベラルーシ出身のサバレンカが初優勝しました。ベラルーシ大統領も祝辞を送っています。
 ベラルーシとロシアはこの大会に参加できたものの、国旗の使用が禁止されたので、喜びもやや薄れたようにも思います。
 表彰式でサバレンカは「私のチームは、ツアーで最もクレイジーなチームと言える。この1年、私たちは多くの浮き沈みを経験してきた。私たちはとてもよく働いた。あなたたちこそこのトロフィーにふさわしい。私よりもあなたたちのためにあるの」と自身のチームに向け語りかけました。


 国際オリンピック委員会が25日、ロシアとベラルーシの選手について復帰を検討すると発表したことについて、ウクライナ大統領をはじめウクライナ側が大反対し、ウクライナがオリンピックをボイコットすることを表明。スウェーデン選手などからもボイコットの声が出ています。
 そして今度はロシアがそれを、ウクライナ当局が力でアスリートの運命を決定しようとしていると大批判しています。
「自国のオリンピック委員会がアスリートに関する決定を下す権利などない。」とも批判しています。
 残念だけれど、アスリート側は、自国のオリンピック委員会の決定に盲目的に従うしかないです。
 中国はロシア・ベラルーシ選手の五輪復帰を歓迎すると表明。
 パリ五輪はどうなるのでしょう。それまでに戦争が早く終わればいいのにと思います。


 ロシアの国営メディアの報道では、ウクライナがハイマースによりルガンスクの病院を砲撃し、14人が死亡したとしています。
 


 

2023年1月27日。ウクライナ侵攻から339日目

2023-01-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月27日。
 ミンスクはほぼ一日小雪が降っていました。

 ベラルーシの独占禁止規制貿易省 によると今日、ゴメリのドゥルージュバ・パイプラインを通じた石油輸送の関税を9%引き上げることを発表しました。このパイプラインを通ってEU諸国に石油がトランジットされているので、またエネルギー価格が上昇すると思われます。

 国営ロシア通信などによると、モスクワのブヌコボ空港で今日、大統領府が管理する政府専用のミル8ヘリコプターが着陸に失敗し、機体を損傷しました。要人は乗っておらず、乗員にもけがはなかったそうですが、要人が乗る可能性があるヘリコプターが事故を起こすなんてめったに起こらないことが起こりました。


 ロシア外務省はエストニア大使に続いて今日、ラドビア大使に対し2週間以内に国外退去するよう命じたと発表しました。ラトビアもエストニアも今週、ロシア大使に国外退去を求めています。

 オデーサを訪問したフランスのコロンナ外務大臣 「ロシアのミサイルに感謝します。お陰で私は初めてシェルターの中での外相会談を経験することができました。コーヒーは温かかったですよ。メルシー。」
 死んでもいい覚悟でウクライナを訪れる人はやっぱりちがいますね。

 ノルウェーの警察当局は25日、ロシア民間軍事会社ワグネルの元指揮官とされ、逃亡先のノルウェーで亡命を申請していたアンドレイ・メドベージェフ氏を釈放したと明らかにしました。身柄の安全は大丈夫なのでしょうか。もしかするとノルウエーではない国に亡命するのかもしれません。

 国際原子力機関の事務局長は昨日、ザポリージャ原子力発電所周辺で大きな爆発があったとし、原発周辺に安全地帯を設置すべきだとの考えを再度示しました。それに対して今日、ロスエネルグロアトム社は同原発周辺の空間線量に異常はないと強調しています。

2023年1月26日。ウクライナ侵攻から338日目

2023-01-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月26日。
 ミンスクは一日中雪が降りました。

 西側諸国がウクライナへの戦車給与を続々表明したからでしょう。今日ウクライナ全土で空襲警報が発令され、現地メディアによればキーウで1人が死亡、2人が負傷しました。国内では計11人が死亡したという報道もあります。飛来したミサイルは55発。そのうち47発を迎撃したとウクライナ軍は発表しています。
 ロシア国防省は今日、アメリカが供与した榴弾砲などをウクライナ各地で破壊したと主張。しかし、ウクライナ側はエネルギー施設などが狙われたと説明しました。
 オデーサではエネルギー関連施設が被害を受け、損壊した建物は全土で計35に上るということです。

 ウクライナが昨年10月、登録を申請していたオデーサが世界文化遺産に登録されました。オデーサはロシアの侵攻で破壊の脅威に直面しており、ユネスコは今回、緊急手続きで登録を決定。紛争や災害、開発などで重大な脅威にさらされている世界遺産が対象の「危機遺産」にも同時登録しました。

 IOCはロシアとベラルーシの選手のオリンピックや世界大会への参加を容認する方向で競技することを発表しました。今日、ベラルーシオリンピック委員会は歓迎とIOCの決定を称賛することを表明。喜んでいますが、ウクライナ側が反発すること様子が目に見えるようです。(次のオリンピックまでに終戦しているだろうとIOCが予測しているということの表れにすぎないのかもしれませんが。)

 森元首相の発言。「ロシアが負けると考えられない。」だから日本がウクライナ支援することを疑問視するという意見ですが、ウクライナに戦車を給与すると決めたアメリカやドイツなども批判していますね。
 日露戦争のときも、諸外国は「ロシアが負けるとは考えられない」と思っていたのでは?


 

2023年1月25日。ウクライナ侵攻から337日目

2023-01-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月25日。
 ベラルーシは暖冬が続いています。
 
 2020年の大統領選挙に抗議して国外へ出国したベラルーシ人が帰国できるよう、専門の委員会が設立されることになりました。
 つまり「政府のやり方に自分は反対だ。この国には自由がない。」などの理由により出国したベラルーシ人に対して、当時大統領はこの国が気に入らないのなら、出て行ってください、国籍も抹消しますね、という発言をしていたのですが、今頃になって、「ああ、あのときは若くて感情的になったんだね。今は大人になって、少しは気持ちも落ちついただろう。帰国したいのなら認めてあげます。この特別委員会に書類を提出しなさい。こんな窓口をちゃんと設立しましたよ。」
ということです。
 何でも、当時の抗議行動(反社会的行為)が(犯罪として見た場合)軽微なものであった場合、そして出国したベラルーシ人がちゃんと反省していること(それを書類で証明する)といった条件に合えば、帰国できる仕組みを作ったそうです。
 これで、じゃあ帰国するかと実際に帰ってくるベラルーシ人がどれぐらいいるでしょうか。特に徴兵の対象年齢に該当する男性は帰国しないと思います。


 ウクライナ軍の報道官は今日、AFP通信に対し、東部ドネツク州の激戦地ソレダルから撤退したことを認めました。ロシア側の報道では、ロシア軍が勇ましく戦闘を続けていることが全面にニュースになっています。

 ここ数日中にロシア大統領がベラルーシ大統領に電話することを約束しました。ロシアとベラルーシ共同で大学を設立するそうですが、それ以外にもベラルーシに参戦するよう圧力をかけてくるのでは、と心配になってきます。
 そのベラルーシ大統領は今日アラブ首長国連邦を訪問。同国の企業がベラルーシ北部の土地を利用して大規模なプロジェクトを立ち上げようとしているからだそうです。ロシアとウクライナが戦争で疲弊しつつある横で、経済的発展を遠望しているベラルーシです。

 アメリカ政府は今日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに主力戦車「エイブラムス」31台を供与すると発表しました。
 ロシア政府は反発。大統領報道官は「他のすべての戦車と同じように(攻撃で)燃え尽きるだろう」と記者団に述べました。

 

 

2023年1月24日。ウクライナ侵攻から336日目

2023-01-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月24日。
 今日は雨も雪も降らず、ミンスクはすでに晩冬のような景色が広がっています。日本のほうが大雪で寒そうです。

 ベラルーシ大統領は今日、ロシアの侵攻を受ける隣国ウクライナから互いに領土を侵さないことを約束する不可侵条約締結の提案があったと述べました。詳細は不明。
 同大統領は「なぜそうした提案をウクライナがしたのか理解できない。」と懐疑的。どのように回答したのかどうかもはっきりしません。
 そして、ウクライナに対して
「ウクライナ領土に軍を送るなと言いながら、他方でベラルーシの過激派を武装させている。」
と批判もしています。
 ポーランドとリトアニアについては「狂ってしまった」そうなので、ベラルーシとしては厳しく対応せざるをえないとしています。


 ロシア大統領報道官も今日、不可侵条約締結の提案について「何の情報も持っておらずコメントできない」としています。

 ロシア外相は訪問先の南アフリカで「ウクライナで起きているのはハイブリッド戦争ではなくもはや本物の戦争だ。欧米はロシアの全てを破壊しようとしている」と主張、ウクライナへの軍事支援を続ける欧米を強くけん制しました。戦争という言葉はもう堂々と使っていいのですね。 


 ベラルーシ国防省報道官はスロニムにある長期保管庫から装備の取り出しを開始したと発表しました。倉庫に入れていた武器をいよいよ表に取り出しています。


 ベラルーシ大統領が署名したので、今年2月から5月の間に徴兵が始まることになりました。年齢が18歳から27歳までが対象です。去年の秋の徴兵後、18歳になった男性に徴兵義務の呼び出しがありそうです。最も延期できる権利もあるので、そのような条件下(学生である。結婚して子どもがいるなど)にある場合は徴兵されません。


 ドイツ有力誌シュピーゲル電子版は今日、ショルツ首相がロシアの侵攻を受けるウクライナへのドイツ製主力戦車レオパルト2の供与を決めたと報じました。当然ポーランドなど保有国による供与も認められます。とうとうドイツも決めましたね。

 82歳のデヴィ夫人が22日にウクライナ入りし、23日、ウクライナの首都キーウや民間人虐殺があった近郊ブチャの病院などを訪れ、国内避難民へ防寒着やおむつなど支援物資を届けました。
「(市民らは)暖房もなく電話も通じにくい厳しい状況です。日本はもっと積極的に支援しなければと思います」
と取材で語りました。
 ただのお金持ちではないですね。今はタレント扱いで紹介されていますが、元インドネシア大統領夫人としての人脈を活用して、自分にできることはしようと思ったことの表れだと思います。
 虐殺のあった教会などを自分の目で見たそうですが、どのように思われたのか話を聞いてみたいです。
 日本政府はデヴィ夫人に対して退避を呼びかけました。影響力が強い人ですから、真似をする日本人が増えても危険ですし、ウクライナ情勢は流動的ですから、当然ですよね。しかし日本のウクライナ大使館はデヴィ夫人の行動力、支援に大変感謝しています。
 

東京新聞社説 新美南吉 拾った「らっぱ」の使い道

2023-01-24 |   新美南吉
 一昨日の東京新聞社説「拾った『らっぱ』の使い道」で新美南吉文学と戦争との関わりについて書かれています。
 ネット上で読めますので、ぜひ御覧ください。リンク先はこちらです。

 今から110年前に生まれ、第二次世界大戦中に亡くなった作家で、学校の教師もしていたわけですから、戦争については言いたいこと、表現したいことが数多くあったと思います。
 新美南吉の日記などには、教育現場にも戦時色が濃くなってくると、戦争反対の教師は立場が悪くなってきたり、心の中で反発しつつも、反戦の姿勢を表すために着なかった国民服をとうとう着ざるをえなくなってきたり、仕方なく、お国のために・・・と言った言葉を生徒にかけたりしたことが書かれていて、心の中が非常に揺れていることが感じられます。
 新美南吉は学校で英語の授業も担当していたので、戦中、英語の授業がなくなってしまったことにも大いに不満を感じていたでしょう。
 そばで戦争が起こり、今、同じような気持ちになっています。でも、ベラルーシはよっぽどましな情勢なので、何とか自分ができることは続けていこうと思っています。
 
 
 
 

新美南吉童話感想画展2023 ミンスク市立中央児童図書館 2

2023-01-24 |   新美南吉
 ハーモニー絵画教室の生徒の皆さんが自分の描いた絵を見に来てくれました。
 しかし、絵より本を読もうとする子どもが多かったです。絵を描くのも好きだし、本を読むのも好きな子どもばかり来たのだろうかと思ったぐらいです。
 
 ベラルーシ人向け日本文化情報センターブログでも絵画展についてお知らせしています。リンク先はこちらです。

 会場であるミンスク市立中央児童図書館のサイトでも紹介しています。リンク先はこちらです。


 新美南吉生誕100年だった2013年に翻訳プロジェクトを少しずつ進めて、もう10年なんですね。感慨深いです。
 10年前にベラルーシでまいた小さい種があちこちで育って花が咲いたような気持ちでいます。




 

新美南吉童話感想絵画展2023 ミンスク市立中央児童図書館 1

2023-01-24 |   新美南吉
 今年、生誕110年を迎える作家、新美南吉を読んでその感想画を描いてくれたハーモニー絵画教室のみなさん。
 ロシア語訳作品集「ごんぎつね」をチロ基金が出版したときも感想画を描いてくれましたが、その後も日本のお話をテーマにした絵を描くことを授業で取り入れているそうです。
 ハーモニー絵画教室のエレーナ・ブラト先生のご指導のおかげで、また南吉童話、そして詩「明日」をテーマにした作品ができたので、寄贈してくださいました。
 ただ、今回の展示は日本の昔話もテーマの一つに加えたので、いろんな絵が混ざっています。展示会の名称も翻訳すると「日本のお話の知恵」というまじめなものです。ブラト先生が提案したのですが、とにかく日本のお話を読むと、賢くなれる、考える力がつくといった教育効果があるように思われているようです。
 
 作品を現在ミンスク市立中央児童図書館3階貸し出しコーナーで展示しています。
 書架の上に立てているので、小さい子どもには少々見づらいのですが、本を借りに来るついでに目に入るので、多くの来館者に見てもらえる可能性が高いです。

 

2023年1月23日。ウクライナ侵攻から335日目

2023-01-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月23日。

 今、リトアニアに大量のウクライナの貨幣フリブニャを持ち込もうとする人が増えているそうです。多額の場合はっもとっもとの出どころを申告しないといけないのですが、なぜか説明できない人が多く、その内訳もウクライナ人だったりうベラルーシ人だったり、ポーランド人だったりといろいろのようです。リトアニアに行こうとしている人は気をつけましょう。


 ノルウェー警察は、ロシアの民間軍事会社ワグネルの元戦闘員で、ノルウェーに亡命を求めていた男性を逮捕し、勾留を検討していると明らかにしました。男性の弁護士は逮捕の背景には安全対策上の問題があり、ロシアへ送還されることはないと述べています。
 ワグネルは裏切り者(途中でウクライナ側についた戦闘員)を私刑していますよね。しかもハンマーで頭を割るという残酷な方法。この亡命を求めている男性もノルウエーの刑務所の中にいるほうが、ロシアからの追手(暗殺)から守られるからわざと逮捕されるほうがいいですよ。


 ホワイトハウスは20日、財務省がワグネルを国際犯罪組織に指定し、来週同社や世界各地に広がる支援網に追加制裁を科すと明らかにしましたが、それに対しワグネル創設者が今日、アメリカ政府へ公開書簡を送付。「われわれがどのような罪を犯したのか」と反論しました。


 ロシア外務省は今日、エストニアの駐ロシア大使に2月7日までの国外退去を求めました。エストニアがロシアのウクライナ侵攻を背景に在エストニアのロシア大使館員数の大幅削減を求めるなどした非友好的政策への対抗措置としています。
 またエストニアとの外交関係を臨時代理大使レベルに格下げすることも発表しました。エストニアも報復としてロシアの駐エストニア大使を国外退去にすると明らかにしました。
 ロシアとエストニアの関係はますます悪化しましたね・・・。
 ラトビアもロシアの駐ラトビア大使に2月27日までに退去するよう伝えました。ロシアも報復措置をラトビアに対して取るでしょう。


 ドイツ製の戦車レオパルト2は、ドイツ以外にポーランド、フィンランド、カナダなど15か国が保有。
 それらの国がウクライナ支援のため自国の戦車を供与するにはドイツの許可が必要、あるいはドイツ自身が給与すればよいのですが、ドイツは躊躇しています。
 ウクライナ大統領は、事は急を要するのにと苛立ちを隠さず、ウクライナではレポパルトの訓練を始め、ポーランドなどもドイツに早く腹をくくれと急かしています。アメリカは自国製のハイテク戦車を供与するからとドイツに申し出たら、ようやくドイツも重い腰を上げ始めたようなので、よっぽど自分たちが矢面に立ちたくないのか。
 そして今日、ようやくドイツがポーランドに対して供与の許可を出す方針であることを発表しました。
 この戦車、自在に操れるようになるのにかなり訓練が必要だそうです。
 ウクライナは訓練をとにかく早く始めたいのでしょう。


 ロシア大統領報道官は、昨年10月に発令された部分的動員に関する大統領令は、必要な数の動員だけでなく、他の措置も含まれているのため法律として引き続き機能していると、記者団に語りました。
 そう言えば、あの動員令ですが、一部が非公開でしたよね。

 ノルウェー軍制服組トップのクリストファーセン司令官は22日、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う人的損失について、ロシア側の死傷者は18万人、ウクライナ側は兵士10万人が死傷、民間人も3万人が死亡したとの試算を明らかにしました。ロシアのほうが人口はずっと多いですが。
 ウクライナ軍は激戦地ソレダルから撤退したようです。しかしロシア側にもワグネル戦闘員を中心に死傷者が多数出ている模様です。ウクライナ軍は敗退しているのではなく、撤退したのはあくまで態勢立て直しのためということにしているでしょう。  


2023年1月22日。ウクライナ侵攻から334日目

2023-01-22 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月22日。

 キルギス共和国の国防相バクティベク・ベクボロトフ中将がベラルーシに到着したと、ベラルーシ国防省が報じました。
 これに先立ち1月14日にはベラルーシ国防相がキルギス国防相と電話会談しており、今回は(ロシアと合同軍事演習中の)ベラルーシで対面会談です。
 会談後、軍事分野における二国間協力の計画に署名しました。

 今日はこれと言ったニュースがありませんでした。
 嵐の前の静けさでなければよいのですが。

2023年1月21日。ウクライナ侵攻から333日目

2023-01-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
2023年1月21日。
 ミンスクはどんどん雪が溶けています。

 ドイツが戦車「レオパルト2」をウクライナへ供与するのをためらう。
 バルト三国の外相が戦車給与をドイツに求めてツィート。
 イギリスやフランス、ポーランドなどが戦車の給与を決定。
 ロシアの国連常駐代表が、NATOがウクライナに武器給与を始めてから民間人犠牲者の数が増えたと牽制。
 ベラルーシではロシアと合同軍事演習中。これが終わるのが2月1日で、その後、動きが出てくるのではと懸念されています。
 ウクライナは西側に武器の給与を急ぐよう依頼。
 おそらくウクライナは武器を大量に受け取ったら攻撃態勢に入ると思います。ロシアは北(ベラルーシ)、東、南の三方から同時に攻撃しようとしているでしょう。
 双方とも戦車を使うのなら、また気温が下がって地面が凍って固くなるほうがいいと考えているでしょう。
 ただ、当たるかどうか分からないのですが、長期の天気予報を見たら、2月もほとんど気温が下がらないようなのです。地面が固くなるほど凍るとは思えない暖冬が続くようです。
 
 
 

 

2023年1月20日。ウクライナ侵攻から332日目

2023-01-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月20日。
 道のあちこちにできている大きな水たまりを避けて歩きながら出勤です。

 こちらではまた麻薬の密輸のニュースです。
 大量の麻薬をベラルーシに輸入しようとしたリトアニア人がベラルーシとリトアニアの国境の検問所で逮捕されました。自動車の後部座席付近に秘密の隠し場所を作って、その中に73キロの麻薬を隠していたそうです。10年の禁固刑になる可能性があります。
 このように、普段より増して麻薬をベラルーシへ密輸しようとするケースが増えています。ベラルーシ国内で需要が高まっているということでしょうか? 世相を反映しているのかなあと思います。


 世界陸連の監視機関の独立監視部門「インテグリティー・ユニット(通称AIU)」は19日、2021年の東京オリンピックで、ベラルーシ女子陸上のツィマノウスカヤ選手を強制帰国させようとした疑いのある同国代表チームのコーチを、不適切行為などで告発したと発表しました。
 国際オリンピック委員会と世界陸連は2021年10月、ベラルーシ代表のコーチを務めていたユーリ・マイセヴィチ氏とアルトゥル・シュマク氏の調査を開始していました。
 今回、東京五輪のベラルーシ代表ヘッドコーチだったマイセヴィチ氏を3件(マイセヴィチ氏が誠意をもって行動せず不誠実に行動したこと、選手の尊厳を守らず言葉や精神的な嫌がらせに当たる行動を起こしたこと、そして陸上競技全般の評判を落としたこと)の不適切行為について告発しました。
 どちらにせよ、コーチはベラルーシ国内では政府から擁護されているし、今オリンピックにベラルーシとロシアの選手は参加できそうにないので、ベラルーシ側は痛くも痒くもないでしょう。
 ツィマノウスカヤ選手は現在もポーランドの市民権を獲得。ポーランド代表として2024年のパリ五輪出場を目ざしています。


 ウクライナのエネルギー相は今日、ロシアが支配するザポリージャ原子力発電所について「状況は確かに悪化している。残っているウクライナ人専門家の精神状態だけでなく、機器の状態も悪くなっている」と述べました。
 原発職員には同情します・・・。