ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2024年4月30日。ウクライナ侵攻から798日目

2024-04-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月30日。

 ロシアによるウクライナ侵攻を支援しているベラルーシは、今夏のパリ五輪の開会式の入場行進は行えず、選手は中立の立場で出場します。
 今日、大統領は訪問先で「中立の立場で出場することを選んだ者は、相手をたたきのめし、本物のベラルーシ人であることを示せ」と発言しました。
 中立出場についての考えを問われると「決めるのは選手」と答え、「選手が勝利を収めれば、われわれが政治的に彼らをたたく良い手段になる」と述べました。


 ポーランドの外務次官は今日、自国に滞在している徴兵を逃れたウクライナ人を保護しない意向を表明しました。ポーランドはこの問題について、EUに対応を求めています。
 何だか冷たい対応のように思えますが、兵員を確保したウクライナ政府にポーランドが協力している形です。
 ウクライナは軍の動員対象年齢の下限を27歳から25歳に引き下げ、徴兵逃れを取り締まる法律を改正。また国外在住の18~60歳の男性を対象に、パスポートの発給を停止する法令を発布しました。帰国するのはOK。
 国連難民高等弁務官事務所によると、今年2月時点でポーランドでは95万2104人のウクライナ人が難民登録されており、このうち16%に当たる15万2656人が徴兵対象年齢に当たります。
 ポーランドは徴兵対象年齢のウクライナ人男性の扱いについて、現時点でウクライナ政府から正式な要請は受けていないのですが、将来、要請があれば、国内法と欧州法にのっとって行動する、つまり難民指定したウクライナ人男性を帰国させる措置を取る可能性があると示唆しました。
 ポーランド国防相は、ウクライナから徴兵対象者の移送支援を要請された場合、ポーランドは同意するかとの質問に対しては「すべては可能だ」と回答しました。
 ポーランドだけではなくとリトアニアも先週、自国に滞在している徴兵対象年齢のウクライナ人男性の帰国を支援する用意があると表明しています。日本政府の対応は? もっとも日本に避難しているウクライナ人は少ないですが。

2024年4月29日。ウクライナ侵攻から797日目

2024-04-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月29日。
 ロイター通信によると、ウクライナの国境警備隊は今日、ロシアのウクライナ侵略が始まった2022年2月以降、軍の動員を逃れる目的で、国境の川を泳いで渡ろうとするなどした約30人が死亡したと発表しました。
 ウクライナ軍は、兵力の補充が優先課題となっています。そもそもの人口がロシアとはちがうので、18~60歳の男性の出国が原則、禁じられています。つまり徴兵される可能性がある男性が出国できません。
 ウクライナ国境警備隊のSNSによると、ルーマニアとの間に流れるティサ川で4月末、2人の男性の遺体が発見されました。多くのウクライナ男性は戦争に行きたくないんですよ、やっぱり。
 報道官によると、越境を試みた人が死亡する事例はモルドバ国境でも起きています。
 人身売買などに関わる業者が手引きをしており、これまでに約450の業者が摘発されました。
 例外として出国が認められるシングルファーザーなどを装うため、書類を偽造して出国する手口も横行してます。わざと離婚して、子供を父親が引き取り、徴兵を逃れて隣国に出国。母親は女性なので出国できます。そして隣国で家族が合流する、という方法もありますね。
 報道官は、1日約120人が出国を拒否されていると明らかにしています。一か八か国境まで行く人もそれだけいるということですね。

2024年4月26日。ウクライナ侵攻から794日目

2024-04-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月26日。
 チェルノブイリ原発事故発生から今日で38年です。
 昨今はコロナに戦争と心配なことが次々と目の前に起こるので、ベラルーシ人もチェルノブイリの放射能被曝ことは忘れがちになっています。
 しかし、ベラルーシ政府は毎年調査を続けており、その結果が今日までに発表されました。
 簡単に訳して投稿します。

 ベラルーシでは現在も国家予算を使って汚染地域の土壌の除染作業を行なっています。その効果が出ているのか、最近の農作物の放射能汚染度は低くなっています。
 事故から38 年が経過し、セシウムとストロンチウム90の半減期はすでに過ぎました。このことも影響していると思われます。
 一方で国の調査では事故前の放射能レベルに戻るには150年かかるという試算でいるそうです。
 土地の除染に関して言えば、例えば同じゴメリ州内でも、汚染の濃度にばらつきがあり、また汚染している放射性核種もセシウムとストロンチウムのちがいがあり、除染作業の内容も細かく分かれています。

 畜産物に関しては、放射能汚染されていない飼料を家畜に与えることがいい方法であるとベラルーシでは考えられており、「きれいな」飼料が畜産企業に無料で支給されています。

 ベラルーシでは主食のジャガイモとパンとその原料である穀物類を特に測定を詳しく行なっているのですが、2006年(事故から20年後)の時点で800から900のサンプルを測定したところ、そのうちの30%から35%が基準値を超える放射能を含んでいましたが、2023年(事故から37年後)の測定では、基準値を超えたものは5%から8%だけでした。
 主食のジャガイモとパンはほとんど汚染されていない状態に回復したと言っていいでしょう。

 ちなみにアブラナと豆類には放射能が蓄積しやすく、オーツ麦と大麦は蓄積しにくい。一方で、小麦とライ麦は、汚染度は低いもののセシウムとストロンチウム90の両方を蓄積しやすいことが調査によって分かりました。
(ストロンチウムの計測は難しいのですが、ベラルーシ政府はちゃんと測定をしているようですね。)

 ジャガイモは放射能の蓄積はあまり進まない部類のようです。
 ベラルーシはジャガイモが主食なので、基準を厳しく設定しています。他の国、例えばロシアや西側ヨーロッパの国々は基準が甘く、それに比べて我が国は厳しいから国民の安全を守っていると胸を張っているのです。でも実際にはベラルーシ人のジャガイモを食べる量が多いので、基準値を低く設定しておかないと、放射能が体内に溜まりやすくなるからです。

 森の中で自然に生えているベリー類ですが、今でも1キログラム当たり2万ベクレルの測定結果が出た森もあり、非常に危険です。絶対食べない方がいいのですが、ベラルーシ人はベリーを集めて(つまりただで食料調達)するので心配です。
 日本で山菜採りをする人がいるのと同じ感覚です。
 ちなみに今でもひどく汚染されているゴメリ州の地区はホイニキ、ブラーギン、ナロヴリャ、ヴェトカなどで、やはり事故直後から汚染地域としてある意味有名になった地区が多いですね・・・。

 事故が起きてから避難することを拒否して、汚染地域に残って自給自足をしていた人たち(通称サマショール)は高齢化が進み、どんどん少なくなっています。
 代わりに人のいなくなった村に野生動物が棲みつくようになり、その調査も行われています。
 それによると・・・
 汚染地域に棲むクマの数が増えている。ただし避難地域なので、人がおらず、クマによる被害はない。

 ウクライナのほうから移動してきたモウコノウマがベラルーシ領内の汚染地域で繁殖し始めた。(野生の馬です。この馬、サラブレッドのように走るのは早くない、つまりスマートな感じではないのですが、外見が絵本に出てくるお馬さんみたいでかわいいといつも思います。)

 事故が起きたとき、置き去りにされたペット(数日後に避難命令が解かれて、家に帰れるでしょう、などと言われて自宅を離れた人がたくさんいました。)について、ネコはその後野良ネコになったものの、多くが肉食の野生動物に食べられてしまったと予想される。(現場を目撃した人がいるわけではないので、あくまで研究者たちの予想。)

 ペットだった犬は事故後、生き延びたものは野生のオオカミと交配。現在ベラルーシでは、オオカミの数が増えているが、この中にこの交配種が含まれている。

 野生のシカ類よりイノシシのほうが放射能を蓄積している。肉食のオオカミのほうが放射能に汚染されている。

 汚染地域でスズメがいなくなった(放射能にやられた)という噂があるが、スズメは人ともに町へ移動したものと思われる。
 逆にコウノトリの数が減ってきた。
 クロライチョウの放射能汚染度が高い。汚染地域から遠くへ飛んで行こうとせず、地面に近いところで生息している鳥類であるためという予想。

 昆虫の巨大化が見られるが、これは放射能による突然変異(ミュータント)ではなく、地球温暖化により南の地域にいた大型昆虫が北にあるベラルーシへ移動しているかららしい。

 汚染地域に生息する野生のシカ、タヌキ、カワウソなどを解剖してみたが、腫瘍(ガン)ができている個体が見つかった。しかし非常に少数である。これらの動物は高度の被曝を受けているが、全てガンになるわけではない。かと言って、被曝に耐性ができたとは証明できない。

 野生動物は人間より平均寿命が短いので、子孫に被曝の影響がどれぐらい出るのか数代先まで早く見ることができるのですが、ベラルーシの研究者にはこれからも詳しい調査を続けて、世間に広く結果を公表してほしいです。

2024年4月25日。ウクライナ侵攻から793日目

2024-04-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月25日。

 ベラルーシ大統領は今日、全ベラルーシ人民会議でウクライナに
「いま交渉を始めなければ国家として存続できなくなる恐れがある。」
と強い言葉で警告し、直ちにロシアとの停戦交渉を開始すべきだと主張しました。
 ベラルーシ大統領はウクライナ国内の戦況に関し、ロシア軍がやや優勢なものの、両国軍とも「手詰まり」に陥っていると指摘しました。大統領の立場での発言なので、多くの情報を得ていると思います。
 ウクライナ軍では兵員不足が進んでいるとし、膠着状態にある今こそが和平合意に最も適したタイミングだとも主張した。とにかくベラルーシはロシアとウクライナの間に立って、仲介役をするのが自分たちの役目だと思っているので、このようなウクライナに対する助言が出てくるのでしょう。
 他にもウクライナ支援予算案を成立させたバイデン米政権が長射程の地対地ミサイル「ATACMS」の供与を含む追加軍事支援に乗り出すことは「紛争を激化させる要因となり、危険だ」と指摘しました。アメリカやNATOがウクライナを戦争に駆り立てているとも主張していますが、これはいつもの意見です。

 また、ベラルーシ大統領は、アメリカが中国に対して、経済面で非協力的で脅しをかけていることを非難。
 さらには、AUKUSの同盟国、アメリカ、オーストラリア、イギリスの他、日本と韓国も名指しで非難しました。
 ロシアのウクライナ侵攻に関しては、その責任はNATOの肩に乗っていると述べました。

 ベラルーシの経済面においては、「以前の苦しかった時代より今の方が豊かになった。今が一番豊かだ、と認めましょう。」と国民に対して言っています。確かに。
 他にも、この30年の間にアスファルト舗装された道路の長さは2倍になり、現在8万キロ。
 ベラルーシの国土は40%が森林地帯なので、林業も安泰。

 教育においては、国内で5万5千人の幼稚園児あるいは保育園児を受け入れられるようになり、いわゆる待機児童はほぼゼロだそうです。
 ベラルーシで学ぶ外国人留学生は3万人で、15年前と比べて2倍に増加。中国人が多そうですが。

 また30年前と比べると、出産時における母子の死亡率が、6分の1(母親)、5分の1(乳児)にまで減りました。
 こういうのを聞くと、今の方がベラルーシは豊かになった、と今が一番豊かだ、と言いたくなる気持ちも分かりますね。
 交通事故も3分の1に減ったそうです。
 


 




2024年4月24日。ウクライナ侵攻から792日目

2024-04-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月24日。

 ベラルーシ大統領は今日、同国内に配備されたロシア戦術核兵器の使用条件は明文化されていないので、ロシア大統領と協議して決めると述べました。
 ベラルーシ大統領は、国防の基本文書である軍事ドクトリンに核使用のメカニズムは「書かれていない。われわれがプーチン氏と決めることだ」と述べ、使用に制約を設けず、同盟国ロシアと合意すれば使えるとの考えを示唆しました。核使用に関しての取り決めが、悪く言えばゆるく、よく言えば臨機応変に使えるということです。ベラルーシは自国を守らないといけませんから、ありとあらゆる手段を想定しています。


 ロシアのイワノフ国防次官が昨日、収賄容疑で勤務中に逮捕され、今日裁判が始まりました。
 裁判所はイワノフ次官が第三者と共謀し、国防省が発注した契約で多額の賄賂を受け取っていたと指摘。その上で同次官を2カ月間勾留するよう命じました。2016年から現職を務めるイワノフ次官は、国防省で不動産管理、官舎、建設などを担当していたので、賄賂を受け取りやすい立場にいたと言えますが、なぜ今この時期に逮捕されたのでしょう。
 ロシアのショイグ国防相の右腕とされるイワノフ次官の逮捕は、昨日開かれた、国防省幹部の会議に出席していたにも関わらず、電撃逮捕です。
 イワノフ次官は、派手な暮らしぶりが指摘され、以前から調査報道の対象となっていたそうです。有罪となれば15年の禁錮刑が科される可能性があります。

2024年4月23日。ウクライナ侵攻から791日目

2024-04-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月23日。

 ウクライナ政府は今日、海外在住のウクライナ人男性に対する領事サービスを帰国手続きを除き停止したことを明らかにしました。
 ウクライナの男性が帰国することを促しています。
 ウクライナ外相は徴兵年齢にある男性に対する「公平な扱い」を回復する措置を命じたとXに投稿。
「動員年齢にある男が外国に行き、国家の存続に関心がないことを示しておきながら、この国からサービスを受けたいというわけにはいかない。国は戦争状態にある。男女を問わず、外国にいても祖国に対する義務は免除されない」と述べました。
 今、日本へ避難しているウクライナ人の心境はいかに・・・。もちろんベラルーシへ避難しているウクライナ人も大勢いますよ。そして今ベラルーシでは、ウクライナ人だけではなく多くの外国人の希望者にベラルーシの国籍を与える方針を打ち出しています。これを希望すれば、ベラルーシ国籍をもらえるので、もうウクライナ軍に徴兵される心配はなくなります。代わりにベラルーシ軍の徴兵義務を果たさないといけなくなりますが、徴兵義務に当たる年齢は18歳以上27歳以下です。27歳以上60歳以下のウクライナ人男性なら、ベラルーシの国籍を得ることで、ウクライナの徴兵を逃れられることになりますね。

江戸川乱歩生誕130年記念朗読会「押絵と旅する男」

2024-04-19 | 日本文化情報センター
 昨年のナイトライブラリーに引き続き、今年も日本文化情報センターは江戸川乱歩ミステリーの朗読会を行いました。
 今回は「押絵と旅する男」です。朗読はベラルーシ人向けにロシア語で行いました。
 江戸川乱歩の作品の多くは青空文庫で読めるので、興味のある方はどうぞ。
 
 明治時代の書生さん風の雰囲気を出すため、朗読をしたY子は男物の袴姿です。(ノリがコスプレですみません・・・)
 さらにこの作品には押絵が出てくるのですが、せっかくなので原作にできるだけ忠実に再現した絵を用意して会場で飾りました。
 この押絵の再現は私が担当しましたが、押絵なんてぶきっちょの私には作るの難しいんですよ。なので、原作を読んだことのある方はすぐ分かると思うのですが、絵の中に押絵で作った男女の人形が配置されています。
 作るのが難しいので、女の人(八百屋お七)の人形は私の親戚の方が20年ぐらい前に作ってくださった作品を活用させていただきました。
 男の人(兄さん)のお人形は洋服の部分は押絵の技術で私が作りましたが、それ以外は紙粘土をこねて作りました。(人形のすべてのパーツを押絵で作れる器用さが私にはない・・・。)私にとっては押絵の勉強になりました。
 背景は私が適当に絵の具で描いたのですが、やっぱり原作のおどろおどろしい雰囲気を再現するのは難しかったですね。
 あと、聞きに来た人に小道具の双眼鏡を借りることができてよかったです。

 朗読会は大成功でした。会場(日本文化情報センター)が狭いので、12人分の席しか用意できず、また話の内容が子供向けではないので、日本文化情報センター日本語教室の生徒の皆さんだけに絞って招待しましたが、皆さん話に引き込まれていました。
 朗読会の後、やっぱり小道具の双眼鏡を逆さに覗く人がいましたね。
 
「押絵と旅する男」は殺人事件が起こる推理小説ではなく、ファンタジーなので怖くないですが、ナイトライブラリーにぴったりの物語だったと思います。
 この話に登場する兄弟が本当は同一人物なのでは? 愛があったから魔法のようなことが起きて会うことができた、結局自分だけ老けてしまい、たぶん死んでしまう運命にあるだろう兄さんがかわいそう、などの意見が出ました。
 江戸川乱歩の推理小説は、当然推理、つまり論理的に事件の真相を暴くものが多いですが、「押絵と旅する男」のような幻想小説の場合は、論理も常識もないですね。
 この物語はいろんな解釈ができるのですが、つまりあやふやで、「よく分からなかった。」という感想を持つ人が多いと思います。はっきりしないので、駄作だと思う人もいるかもしれませんが、このよく分からない話と思わせたい、というのが江戸川乱歩先生の狙いなのだろうなという感想を私は持ちました。

 今年は江戸川乱歩生誕130周年記念の年で、日本国内では関連の企画やイベントが行われています。
 遠いベラルーシからもささやかながら、そのお祝いイベントに加わってみました。日本人だけではなく、ベラルーシ人もロシア語で作品を読んでいます。
 

2024年4月17日。ウクライナ侵攻から785日目

2024-04-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月17日。

 広島市は今日、原爆の日の8月6日に開く平和記念式典にロシアとベラルーシの代表を招待しないと明らかにしました。もう3年連続なので、驚きません。8月6日までに停戦になっても招待しないでしょう。


 ウクライナ北部の都市チェルニヒウで今日、ロシア軍によるミサイル攻撃があり、少なくとも9人が死亡、20人が負傷しました。
 同州知事によるとミサイル3発が市中心部に着弾し、少なくとも9人が死亡、約20人が負傷し、多数のビルと民間インフラが破損した。車数十台が破壊されたそうです。チェルニヒウ州はベラルーシと隣接しています。
 私はチェルニヒウ市に4回行ったことがあるのですが、文化的なきれいな町並み、時間もゆったり流れている感じで良い思い出しかあありません。
 ロシアからのミサイル攻撃を受けているなんて、想像するだけで悲しくなります。

 チェルニヒウへの攻撃を受けてウクライナ大統領は、支援が十分であればロシアの攻撃を防げた可能性があったとSNSで述べました。西側からの兵器の供給不足が続いており、焦りが見えます。


 ウクライナからロシア側に連れ去られた子ども161人の居場所が、ドイツで確認されました。
 ウクライナからロシアを経由してドイツへ移動したのか、あるいはウクライナからドイツへ避難し子どものうちロシアに連れ去られたと誤認されていたということでしょうか。謎です。
 ウクライナ警察長官が今日、ドイツ警察のトップと会談した際に明らかにしました。ドイツにたどり着いた経緯は明らかにしていません。

 ウクライナ政府は、2022年2月にロシアによる全面侵攻が始まって以来、18歳未満の子ども約1万9500人がロシア側によって連れ去られたと主張。そのうちウクライナへ帰還したのは400人弱で、ウクライナ警察は2千人超を行方不明者として登録しました。
 ドイツで見つかったとされる161人の子どもたちは、ロシアが占領するウクライナ領やベラルーシ、ロシア本土に連れ去られたということです。ベラルーシ経由でドイツに行ったということですか? 今ベラルーシとドイツの間には飛行機も国際列車もないし、どうやって子どもを移動させたのでしょう?
 バスで移動? でもこんな出来事もありましたよ。2024年3月29日の記事。モルドバの子どもはなかなか越境できませんでしたが、もしウクライナの子どもがこんなに厳しい国境を越えようとしたら、すぐニュースになるはずですよね。

2024年4月16日。ウクライナ侵攻から784日目

2024-04-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月16日。

 ベラルーシ発の統計ニュース。
 今日ベラルーシスポーツ観光省副大臣は記者団に対し、昨年500万人以上のロシア人観光客がベラルーシを訪れたと語りました。
 ちなみにベラルーシへ昨年訪れた観光客は合計580万人です。このうち500万人がロシア人で、80万人がその他大勢なんですね。
 さらにコロナ前の2019年には100万人以上のベラルーシ人が外国旅行をしましたが、2023年にはわずか40万人強だったそうです。その代わり、ベラルーシ人がベラルーシを観光する国内旅行がは大幅に増加しています。
 2019年に国内旅行(数を把握するため、旅行会社を通じてのツアーのみですが)したベラルーシ人は2023年、組織されたグループ、つまり旅行会社を通じてベラルーシ人が全国を旅行した回130万ツアー数。それに対して2023年は170万ツアーに達しました。
 また2023年には25万人以上のベラルーシ人が旅行会社をツアーを通じてロシア旅行をしています。
 最近ベラルーシ人に人気の観光地は黄金の環やコーカサス地方だそうです。
 戦争中でも戦争当時国でも関係なく旅行に行く人は行くんですね。

2024年4月11日。ウクライナ侵攻から779日目

2024-04-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月10日。

 前日の10日、ベラルーシから隣国のポーランドに、一度に220人以上の外国人(ベラルーシ人ではないですよ。)が不法入国を試みて、国境の柵を乗り越えようとする様子が監視カメラで捉えられました。集団は複数のはしごを準備していたほか、入国を阻止しようとするポーランドの国境警備隊に対して、石などを投げつけ抵抗したということです。
 結局、集団は不法入国を諦めベラルーシ国内へと引き返しましたが、現場には木に釘を打ち付けた武器などが残されていたということです。
 この人たちが今、ベラルーシ領内にいるのはまちがいないですが、どこでどうしているのでしょうか。 


 ウクライナのトリピリスカ火力発電所は今日、ロシアのミサイル攻撃で破壊されました。
 ゼレンスキー氏は米公共放送PBSのインタビューで「ミサイル11発が飛来した。最初の7発は迎撃に成功したが、残りの4発がトリピリスカを破壊した。」と語り、すべてのミサイルを迎撃できなかったと不満を表しています。

 ロシア大統領は今日、ベラルーシ大統領と会談し、「我々のエネルギー施設に対し最近相次いだ攻撃に対応する義務があった」とし、「エネルギー施設の攻撃はウクライナの非武装化という目標と関連したもの」だと述べまし。


 ウクライナ議会は動員逃れへの罰則強化などを盛り込んだ軍への動員に関する改正法案を賛成多数で可決しました。
 法案では、18歳から60歳の男性は最新の個人情報を軍に登録することや兵役に関する書類の携帯を義務付けることなどが盛り込まれています。
 また、動員に従わない人は車の運転を禁止するなど、動員逃れへの罰則も強化されています。
 当初、法案に盛り込まれていた「動員された兵士は3年後に動員を解除される」とする条項は削除されました。
 法案はゼレンスキー大統領が署名した後、1カ月後に発効します。
 ウクライナも兵士不足が深刻化しているようです。

2024年4月8日。ウクライナ侵攻から776日目

2024-04-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月8日。
 戦争中で国が大変なときでも関係なく自然災害は起こります。
 ウラル山脈、シベリア、カザフスタンの地域で雪解けが急速に進み、主要な河川が増水、過去70年間で最悪の洪水が発生しました。
 ウラル川で5日、堤防ダムが決壊。ウラル山脈の南に位置するオルスク市全域が水没。下流の約50万人の都市オレンブルクでも水位が上昇し、10日にピークに達すると予想されています。
 記録的な洪水に見舞われているロシア南部とカザフスタンで、合計10万人に対して避難命令が出されました。
 それだけでも驚きなのに、オルスク市で今日、被災した一部の住民が市庁舎前に押し寄せて地元当局の対応の鈍さに対する抗議の声を上げました。これはロシアでは異例のことですね。
 プーチン大統領は中央政府は洪水を監視しているとしていますが、オルスクでは当局の対応に不満を持った少なくとも100人の市民がプーチン氏に支援を訴えたほか、地元当局者に「恥を知れ」と罵声を浴びせました。

 トボル川流域のクルガン市の人々は直ちに避難するよう警告されています。この地域には約80万人が住んでおり、トボル川の一部の水位はわずか2時間で約74センチも上昇。タス通信によると、
 オレンブルク、クルガン、そして西シベリアの主要産油地域であるチュメンで非常事態が宣言されました。

 プーチン氏は非常事態省のクレンコフ長官に現地で事態を注視するよう指示し、同長官は9日、オレンブルクに向けて出発しました。非常事態省はまた、救助隊を増援していると発表しています。 
 戦争中で人手(特に男手)が足りないときに大変です。早く近隣住民は避難してほしいですが、そうすると今度は「避難しろと言われてもどこへ行けばいいのか?」という問題が出てきていると思います。

2024年4月6日。ウクライナ侵攻から774日目

2024-04-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月6日。
 ベラルーシ初の宇宙飛行士を乗せたロシアの宇宙船ソユーズMS-24が国際宇宙ステーションから地球へ無事帰還しました。

 乗組員はロスコスモスのオレグ・ノヴィツキー宇宙飛行士(ロシア人宇宙飛行士ということになっていますが、実際にはベラルーシ出身)、ベラルーシのマリーナ・ワシレフスカヤ宇宙飛行士、NASAのローラル・オハラ宇宙飛行士です。オハラ飛行士は帰還までに地球低軌道で204日間を過ごしたということです。
 ワシレフスカヤ宇宙飛行士は3月26日からの短期滞在でしたが、ベラルーシの歴史に輝かしい足跡を残しましたね。
 他にも訓練中のベラルーシ人宇宙飛行士がいるので、これからもベラルーシ人が宇宙へ飛び出すニュースが続くかもしれません。おもしろいのは訓練中のベラルーシ人宇宙飛行士は全員女性ということです。

2024年4月3日。ウクライナ侵攻から771日目

2024-04-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月3日。
 今朝のミンスク。うっすら雪が積もりました。気温は1度。

 ロシア国防省は今日、モスクワで先月22日に起きた銃乱射事件以降、ロシア軍の入隊が大幅に増えたと発表しました。
 年初から軍と契約を結んだ10万人余りの入隊者のうち、過去10日間の新規契約者は約1万6000人に上ったということです。
 さらに過去1週間に各都市の選考会場で行われた面接では、入隊希望者の大半が事件の犠牲者のために報復することを入隊の主な理由として挙げたとしています。

 本当でしょうか。本当なら、高給が目当てで入隊を希望するのではなく、感情を理由に発奮して入隊したロシア人が増えたということになります。
 さらにロシア軍への入隊というのはウクライナへの戦地に赴きたいということであり、テロと戦うということでは主な目的ではありません。
 実際にそういう希望者がいるなら、その人達は今回のテロ事件の背後にウクライナがいるというロシア大統領の発言を固く信じている人ということになりますね。 
 ウクライナ政府が関与を否定し、イスラム国が犯行声明を出しているのに、いやウクライナのせいでテロが起きたんだ、ウクライナに報復したいと信じている人がロシアに大勢いることになります。
 日本人の感覚からすると、そんなに自分の大統領の言ってることを信じるの?と思うでしょう。
 
 ただ、上記のロシア国防省の発言は入隊者を増やしたいがために、わざと「希望者の大半が事件の犠牲者のために報復するって言ってましたよ。」と国民に宣伝しているような気がします。
 アンケート調査の結果の数字でもないですし。
 いろいろとイメージづくりをしているのではないでしょうか。
 
 


2024年4月2日。ウクライナ侵攻から770日目

2024-04-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月2日。
 今日、ベラルーシは4月とは思えない気温、24度です。蒸し暑い・・・。しかし、夕方大雨が降って、気温が4度にまで下がりました。1日で気温が20度も下がるのはベラルーシでも珍しいですね。

 毎年4月2日はロシア・ベラルーシ連合条約締結の日です。この時期になるといかにベラルーシとロシアが仲が良いのかさまざまなイベントが開催されます。

 これに先立ち、ベラルーシ人とロシア人の国際結婚の調査結果が発表されました。
 2023年、外国人と結婚したベラルーシ人のうち、半数以上の58.7%がロシア人との結婚でした。
 またベラルーシに居住するロシア人同士の結婚も26件あったそうです。
 それだけロシア人がベラルーシにたくさん住んでいるということですね。

  2019年の国勢調査によると、70万7千人のロシア人がベラルーシに住んでいました。コロナ禍前の数字を出してきていますが、これはどういうことなのでしょう。コロナ禍の影響で人が移動する(帰国する)ことが増えたので、正しい統計が取れなくなったのかもしれません。
 このうち約60万人が都市部に居住しており、残りの11万人は農村部で暮らしています。

 また2023年には17万5千人以上のロシア人がベラルーシの療養所(サナトリウム)など保養施設に訪れています。外国人総数のうちロシア人が93%を占めています。ロシア人にとってはベラルーシが人気の保養先のようです。言葉の壁もないし。

 2023年、ベラルーシとロシアの相互貿易額は6.3%増加しました。主にベラルーシはロシアへ乳製品と肉製品、トラックと乗用車、テレビ、モニター、プロジェクター、トラクターを輸出しました。
 そしてロシアからは石油、ガス、鉄金属などを輸入しています。 2023年のロシアからベラルーシへの投資額は51億ドルに達し、2022年よ​​り12億ドル増加しました。
 ベラルーシにはロシア資本の企業が2,300以上進出しています。
 蜜月関係というより経済制裁を受けている今、両国が助け合わないといけないという状況だということでしょう。


 ロシア中部のタタールスタン共和国でドローン攻撃があり、ウクライナ側はドローン製造工場を攻撃したと主張しています。
 攻撃を受けたのはエラブガ市の経済特区「アラブガ」とニジネカムスク市の石油施設で、少なくとも7人がけがをしました。
 ウクライナメディアは軍情報総局が無人機の製造工場を攻撃したと報じています。大した戦果があるように見えませんが、問題なのはタタールスタンはウクライナ国境からは1300キロ離れていることです。1300キロ離れた標的ですらドローン攻撃ができると証明したいようです。
 この「アラブガ」でも15歳から17歳の専門学校生が24時間態勢でドローンの組み立てを行っていると報じています。
 結局、この21世紀の戦争とはドローン対決ということなのですね。