ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

サマータイムについて

2011-03-31 | ベラルーシ生活
 ベラルーシでは3月27日からサマータイムに移行しました。日本との時差は6時間になりました。
 隣国ロシアではサマータイム制を廃止し、秋になってももう冬時間には戻りません。
 ベラルーシでもサマータイムを廃止するのかどうかは、まだはっきりしていませんが、ロシアに追随することがほう多いし、それにそのほうが何かと便利なことが多いので、ベラルーシもこのまま永遠のサマータイムになってしまうのかもしれません。
 日本では節電の効果が期待される、ということで、サマータイムを導入しようかどうか、という話になっているようですね。
 でも、私から言わせれば、面倒くさいですよー。いちいち時計の針を1時間進めたり、戻したり。
 出勤時間を間違える人も出てくるわ、かえって混乱しそうですね。
 それに、薬をきちんと時間を計って飲まないといけない人にとっては、迷惑な制度です。

 節電のために国中がサマータイム制度を導入するのではなく、ただ、各企業が自主的に出勤する時刻と退社する時刻を1時間早めれば、同じ効果が得られると思うのですが?
 そして残業をやめてしまうようにしないと意味がないですね。
 

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第115回」

2011-03-28 |   ビタペクト配布活動
 3月22日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第115回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクトTを9個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2(ビタペクトT)は合計1785個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1540部となりました。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクトTを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a

  
今回は2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。両家族とも、ゴメリ州バブルイスク市(チェルノブイリ原発から約200キロ)から来ており、複数回SOS子ども村に滞在したことがあります。
 それぞれの家族に話を伺いました。

(家族A)
 おばあちゃんと3人のお孫さん。この家族はSOS子ども村滞在は5回目です。

 2005年の1回目の滞在の様子は 
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第30回の(家族B)をご覧下さい。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2005/no30.html


 2006年の2回目の滞在の様子は
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第44回」の(家族A)をご覧下さい。

http://belapakoi.s1.xrea.com/logs/2006/004.html


 2007年の3回目の滞在の様子は
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第62回」の(家族A)をご覧下さい。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/b1f2b646e09d44ebfd5e052b924a6e22

 
2008年の4回目の滞在の様子は
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第82回」の(家族A)をご覧下さい。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/9e8fc5e93ae9711827f521fddcc6ea37



 体内放射能値の測定結果についてはこのように推移しています。
(2005年→2006年→2007年→2008年→2011年の順に表記しています。)

おばあちゃん(事故発生時25歳)14ベクレル → 8ベクレル → 13ベクレル → 10ベクレル →13ベクレル(一度もビタペクト2を飲んでいません。)

11歳の孫(男の子)32ベクレル ○ → (2006年は入院したため測定なし)→25ベクレル ○ → 13ベクレル → 16ベクレル
(2005年と2007年にビタペクト2を渡しました。)

9歳の孫(女の子) 18ベクレル ○(2006年に初滞在)→ 24ベクレル ○ → 18ベクレル ○ → 30ベクレル ○
(2006年、2007年、2008年、2011年にビタペクト2を渡しました。)

5歳の孫(女の子) 0ベクレル(2007年初滞在。)→ 15ベクレル → 29ベクレル ○ 
(2011年に初めてビタペクトを渡しました。)

 このほか、5人の子どもを引率してきていました。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。

男子(12歳)31ベクレル ○
男子 (9歳)28ベクレル ○

女子(11歳)28ベクレル ○
男子 (7歳)24ベクレル ○ (この2人は姉弟。)

男子(10歳)13ベクレル

 引率してきた子どもたちの親は職場の同僚で、いずれも多子家庭の子どもたちです。この家族には6個のビタペクトTを渡しました。
 孫の男の子は2005年の滞在のときは元気だったのに、2006年の滞在直前に悪性腫瘍が見つかり、緊急入院。重篤状態が続いていましたが、持ちこたえてその後退院し、2007年は検査を受けるためSOS子ども村に滞在していました。2008年の滞在時C型肝炎を併発していることが分かり、今もまだ肝炎は治っていないそうです。ずっと投薬治療を受けています。
 9歳の孫はどもりが治らない、と心配していました。
 5歳の孫はビタペクトTをもらって、
「プレゼントありがとう!」
ととても喜んでいましたが、本当はビタペクトTなど飲まないですむほうがいいのに・・・。と渡したほうは複雑な心境でした。

 他の子どもたちについては、健康だとおばあちゃんは話していましたが、どちらかと言うと自分の孫の健康状態が心配で、他の子どものことはきちんと把握してないようでした。


(家族B)

この家族はSOS子ども村滞在は3回目です。前回の滞在は2005年2月と2008年11月です。
 2005年の滞在の様子は
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第28回」の(家族B)をご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2005/index.html


2008年の4回目の滞在の様子は
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第82回」の(家族B)をご覧下さい。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/9e8fc5e93ae9711827f521fddcc6ea37



 この家族には2個のビタペクトTを渡しました。この家族の放射能値の推移はこのとおりです。(2005年→2008年→2011年の順に表記しています。)

母親(事故発生時18歳)5ベクレル → 8ベクレル → 7ベクレル(ビタペクト2は一度も渡していません。)

長男(16歳) 11ベクレル →14ベクレル → 14ベクレル(ビタペクト2は一度も渡していません。) 

次男(13歳) 20ベクレル ○ → 21ベクレル ○ → 36ベクレル ○ 

三男(13歳) 5ベクレル → 26ベクレル ○ →20ベクレル ○

 このほか、多子家庭協会会員である2人の子どもを引率してきていました。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。

女子(10歳)12ベクレル
女子(10歳)26ベクレル ○ (この2人は双子。)


 この家族には3個のビタペクトTを渡しました。
 次男と三男は双子です。長男は障害者です。(癲癇患者。知的障害もあります。)
前回お会いしたときはお母さんは暗い表情でしたが、今回はだいぶ明るい感じになっていてよかったです。
 ただ相変わらず、長男は学校から放置され状態で、全く教育を受けていません。お母さんが身体障害児協会に援助を求めると、3000ルーブルもらったそうです。これではパンが3個も買えません。
 さらに次男です。高血圧になり、アデノイドも大きくなってしまいました。
 アメリカへ保養に行ったそうですが、血圧は下がらず風邪をよくひくようになり、こちらも学校を休みがちだそうです。
 日本で言うと高校生と中学生の兄弟が2人ずっと家にいるわけですか・・・。
 教育を受けることによって経済的な自立を図ることが難しい状態です。この家族にとっても不幸ですが社会にとっても問題ですよ。
 ベラルーシ社会の負の部分を見てしまった気がします。 

 それからこの双子の女の子ですが、よく風邪をひく以外は健康ということでした。
 しかし一卵性双生児でそっくりなのに、1人だけ放射能の値が高く出ています。理由はよく分かりません。食事も同じものを食べているはずですが・・・。
 ビタペクトTをあげたほうの女の子は
「どうして私は飲むの?」
と泣き出してしまって周りが慰めるのに大変でした。 

 こうして結果を見てみると、汚染地域に住み続けていて、汚染された食品ばかり食べている場合は、やはりビタペクトTは1年に1回(できれば2回)飲むほうがいいと感じました。

 画像は記念撮したものですが、今回は日本文化情報センターのあるミンスク市立第5児童図書館での撮影です。
 そう、着物展に来てくれたので、そのときに着物を見て、そしてビタペクト2も渡しました。
 今回もいつものように子ども達に折り紙、折り紙の作り方などをプレゼントしました。絵葉書に名前を筆ペンで日本語で書いてあげたら、とても喜んで家族やペットの名前も書かされました。(^^;)
 そして羅臼昆布のプレゼントもありました。おやつ昆布です。再び「海草を食べよう!」と力説しました。

 最後になりましたが、ビタペクトTの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書、昆布など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。


ビタペクトに関するご質問  その2

2011-03-27 | 放射能関連情報
4.体内中の放射性物質量はどのようにしてはかるのでしょうか。
種類を同定することも可能ですか。

 放射能測定器にはいろいろな種類があります。それぞれの目的に合わせた測定器を使わないといけません。たとえば空気中の放射能を測定するタイプのものでは、人間の体内の放射能を測定することはできません。
また放射能の種類により測定器のタイプも変わりますが、一つでいくつかの種類の放射能を調べるタイプのものも開発されてます。
 基本的には体から出ている放射線をセンサーがキャッチし、放射能の強さに応じた蛍光を放つようにします。正しく測定できるように、光電子増倍管を通し、信号化します。それを数値に変えると、体内放射能値を算出することができます。

 ベルラド研究所ではビタペクト2を飲む前の子どもの体内放射能を測定していますが、(その測定料金はSOS子ども村が出しており、ビタペクト代はチロ基金が出している、という協力関係にあります。)肘掛け椅子に座るだけで、3分で測定、算出もしてくれて、さらに結果をその場でプリントしてくれます。
 とても早いし、痛くもかゆくもありません。

 ベラルド研究所では人間の内部被爆のうち、セシウム137を体重1キロあたりでどれぐらいのベクレルになるのか測定してくれます。(また食品も希望すれば、食品用の測定器で測定してくれます。)
 1キロあたり子どもだと20ベクレル以下が安全で、大人だと50ベクレル以下が安全、という基準になっています。
 そこで、20ベクレル以上のセシウムが測定された場合、その子どもにチロ基金からビタペクト2を渡しています。(ただし年齢は3歳以上。)
 
 ここで注意しないといけないのは、体重1キロあたり、という表現です。つまり
「あなたの体の中にはセシウムがありますよ。平均すれば体重1キロあたり、20ベクレルです。」ということになります。
 しかし、こういう表現だと放射能が、体全体に満遍なく20ベクレルずつ行き渡っているような錯覚を起こします。でも実際には、体の中には放射能がたまりやすい臓器とそうでない臓器があって、実際にはそこに集中して放射能がたまっています。
 検査をして「あなたは20ベクレルです。」と言われても、体の中に1ベクレルのところもあるし、20ベクレル以上のところもある、ということです。
 

5.ベラルーシで現在問題になっている放射性物質は何でしょうか。
半減期を考えると、ヨウ素はなくなり、セシウム、プルトニウム等がのこっていると考えたのですが、まだ甲状腺に問題のある子供たちがいる、ということはヨウ素もなくなっていないのでしょうか。

 ベラルーシにはヨウ素はなくなっています。もともとベラルーシではヨウ素を多く含む海産物がほとんど食べられておらず、慢性的ヨウ素不足の状態が続いており、甲状腺の異常は風土病になっています。
 しかし冷蔵庫の普及により、現在ではベラルーシの一般家庭でも、普通に海の魚や海草などが食卓に上るようになりました。ベラルーシ人の意識も高まり、積極的に海産物を食べるように努めている人も増えてきました。
 しかし、全体で見ると、まだまだ不足しているようです。海産物をわざわざ買わなくても強制的に摂取できるように、ヨウ素を混ぜてある塩が売られており、推奨されています。
 
 今でもベラルーシに残っている放射能性物質はセシウムとストロンチウムです。
 カリウムが不足するとセシウムがその分体内に蓄積されてしまうので、カリウムをたくさん摂ることをベルラド研究所は勧めています。
 ベルラド研究所ではストロンチウムの測定は基本的にはしておらず、主にセシウムの測定をしています。
 ストロンチウムの場合はカルシウムが不足すると、体内に(特に骨の中に)蓄積されてしまいます。

 結論から言えば、半減期8日を過ぎれば、ヨウ素はなくなるので、それを過ぎてから安定ヨウ素剤を飲んでも意味がありません。
 特に普段から海の魚や海草を常食している日本人はヨウ素や甲状腺に関しては心配しすぎないほうがいいです。
 最も普段は海産物を全く食べていなかった人が、放射能対策としてある日突然あわてて若布の味噌汁を飲んでも、あまり効果はないと思います。

 ベラルーシで現在心配しないといけないのはセシウムとストロンチウムです。
 しかしこれも普段からカリウムとカルシウムを摂っておくことが対策につながります。つまりちゃんとした食生活をすればいいのです。
 気になる場合はカリウムを多く含む食品、バナナなどを多めに食べましょう。
 ベルラド研究所の職員さんたちはみんな、1日に片方の手のひらに山盛りにしたレーズンを食べているそうですよ。


6.今、家族でりんごを食べています。 ぺクチンサプリメントでも同様の効果が得られると思われますか。

りんごを食べないよりは食べるほうがいいと思います。
ただ、かなりたくさん食べないと必要量のペクチンを摂取できません。ベルラド研究所では高めの内部被爆をした場合、1日に1人4キロのりんごを1ヶ月食べ続ければ、それが含むペクチンによって放射能が体外に排出される、と言っています。
 しかし実際に、このような食生活を実践できる人はいないと思います。ビタペクト2は1タブレットで相当量のペクチンを摂ることができます。

 ベルラド研究所のパンフレットでは大人は1日3タブレット、子ども(3歳以上)は2タブレットを飲むことを推奨していますが、SOS子ども村の子どもたちは念のため、1日1タブレットずつ飲むことにしています。
 それは特に年齢が小さい子どもの場合、下痢を起こしたりすることがあるからです。
 SOS子ども村へは保養滞在のために来ているわけですから、そこで下痢など起こすと、何のためにわざわざやって来たのか分からなくなります。(病気になりに保養所へ来たことになってしまいます。)
 そこで時間をかけて、少しずつ飲むようにしています。

 つまり、小さい子どもがペクチン剤を一度に大量摂取するのはやめておいたほうがいい、ということです。
 ビタペクト2でなくても、他のペクチン剤を飲んでも効果はあると思います。
ただ、小さいお子さん(3歳以下)の場合、摂取量に気をつけることと、先ほども述べましたように、各種ビタミン・ミネラル剤と併用することが望ましいです。

 また市販されているサプリメントは商品によって、1錠に含まれるペクチンの量が、さまざまに異なりますので注意してください。
 ちなみにビタペクトTは1タブレットで、961ミリグラムのペクチンを摂取することができます。

ここで他の方からビタペクトの副作用についてご質問がありました。
 深刻な副作用はいっさい報告されていません。
 ただペクチンに整腸作用があるので、便の回数が1日に4、5回に増える人がいます。ただし下痢ではなく、普通の便が何回かに渡って出ます。それからガス(おなら)の回数が増える人もいます。
 副作用というほどではありませんが、確かに1日中外出しているときなどは、少々困りますね。

 3歳未満の子どもにあげないほうがいいのは、胃袋が小さいところへ1タブレット、つまり大量のペクチンがどかっと入ってしまうと、消化不良で腹痛(胃痛)を感じたり、下痢を起こすことがたまにあるので、念ためあげないことになっている、ということなのです。
 今までビタペクトをベラルーシ人にあげてきて、2歳なのにお母さんが心配のあまり、どうしてもほしいと頼むので、何が起きても自己責任ですよ、という了承のもと、あげたことが何度もあります。
 その後の追跡調査では、「下痢はなかった。」「小さい子どものほうが喜んで飲んでいた。」という報告ばかりなので、実際には下痢を起こす頻度はとても低いようです。
 
 それから、ごくまれに右わき腹痛を訴える子どもがいるそうですが、これはペクチンんぼ整腸作用が胆嚢にまでおよび、胆嚢が縮まったり広がったりすることがあり、それを痛みとして感じる場合が子どもはあるということです。
 胆嚢が伸び縮みすること自体は病気ではありません。

ビタペクトに関するご質問  その1

2011-03-27 | 放射能関連情報
ビタペクト2について日本人の方からメールでご質問をいただきました。他にも同様の疑問を持っている人がいると思いますので、ブログ上でお答えします。
(長文になってしまったので、2回に分けて投稿します。)

1.胃の中の放射能性物質を取り込み、とありますが選択的に放射能性物質をとりこめるのですか?
ヨウ素、セシウムなど様々な種類がありますが、これは取り込めるが、これはできない、といったことはありますか。

 ビタペクト2はペクチン、ビタミン、ミネラルを含んでいます。このうちペクチンに放射能性物質を取り込む性質があります。
 他にも放射能性物質を取り込む物質がありますが、経口摂取するのが容易で、なおかつ効果が高いのがペクチンです。
 ペクチンは放射能性物質を胃と腸で、自分自身に磁石のようにくっつけます。そして、尿や便といっしょに体外へ連れて行ってくれます。
 放射能性物質にはいろいろな種類がありますが、そのうち、これはペクチンが排出させるが、これはだめ、というものはありません。
 ただし、ヨウ素は半減期が8日間と短く、ビタペクト2が開発されたのはチェルノブイリ原発事故が起きてから時間がずっと経っており、当然ですが、ヨウ素についての体外排出作用があるのかどうかについての、具体的な事例はありません。
 基本的にはビタペクト2は放射能性物質の中でもセシウムとストロンチウムの体外排出作用を目的に開発されました。
 さらにペクチンは放射能性物質以外の物も排出する作用があります。これについては、次の質問2に対する回答をご覧ください。


2.玄米のフィチン酸などは体に必要なものまで排出してしまいますが、ビタペクト2にはそのようなことはありませんか。

 ご指摘のとおりペクチンには放射能性物質以外のものまで体外に排出してしまう作用があります。順番にお答えします。
各種ビタミン、ミネラル類。これは体に必要なものです。それ補うため、ビタペクト2には、各種ビタミン類とミネラル類が添加されています。それで「ビタペクト」つまりビタミンとペクチンという名称なのです。
 ちなみにウクライナではよく似たペクチン剤「ヤブロペクト」が売られています。しかし、これにはビタミン類が添加されていないので、別にビタミン剤やミネラル剤を購入して併用するほうが好ましいと言えます。
 その点「ビタペクト2」にはペクチンのほか、すでに各種ビタミン類とミネラル類が配合されているので、基本的には別途ビタミン剤など買わなくていい、という利点があります。
 ただ、ビタペクト2にはその前身である「ビタペクト1」なる商品が最初に開発されました。それには各種ビタミン・ミネラルのほか、カルシウムが添加されていました。しかし、そうするとコストがかかり、とても高価な製品になってしまい、ベラルーシ人には一般的な値段では販売できないことが分かり、はカルシウムだけを除いたビタペクト2が作られました。
 つまり、ビタペクト2を飲んでいるときにはカルシウムも排出されてしまう可能性があります。それを補うために、ビタペクト2を飲みながら、カルシウムを意図的に補足するのが、実はベストなのです。

 次に持病などがあり、常に薬を服用している人、また風邪をひいたなどの一時的な病気で風邪薬を飲んだという場合。ビタペクト2を併用しても、特に副作用などは出ないと言われています。しかし、薬の成分そのものをペクチンが排出してしまう可能性があります。つまりせっかく飲んだ薬が効かない、ということです。しかも放射能性物質排出の作用もその分減ってしまいます。
 そのため、薬とビタペクト2を同時に併用することはお勧めできません。
 
 他にはビタペクト2には体内にたまった重金属を排出する作用があります。そのため重金属が原因のアレルギーを起こしている場合、ビタペクト2を飲むことによって、アレルギーが軽減されることがあります。
 
 またペクチンには整腸作用があるので、便秘に大変よく効きます。かなり頑固な便秘も、次の日には解消されます。そのためベラルーシでは放射能より、便秘に悩んでビタペクト2を買って飲む人もいるぐらいです。
 宿便などもきれいに出ます。またダイエット効果があります。
 私の場合は、肌がすべすべになりました。たぶん体の中にたまっていた毒素のようなものが排出されたのだと思います。 


3.成分中にサッカリンがありますが、すみません、発がん性物質とされたことがあったかと
思うのですが、問題はないのでしょうか。(まちがっていたらごめんなさい)

ベラルーシではチェルノブイリ原発事故発生後、1型糖尿病の子どもが増えました。糖尿病、と言うと、成人病のイメージがありますが、これは子どもに多く発症する1型糖尿病で、生まれたときにすでに糖尿病だった、という子どもも生まれています。
 そこで、ビタペクト2には糖尿病患者でも安心して飲めるように砂糖は添加せず、しかし子どもでも飲みやすい味になるよう、サッカリンを加えています。
 サッカリンについては、以下のウイキペディアからの記事の抜粋をお読みください。

「1960年代に行われた動物実験で雄ラットに膀胱癌の発生が見られたため(雌では見られず)、サッカリンには弱い発癌性があると考えられ、一度は使用禁止になった。しかしその後サルも含めて様々な動物で試験が行われ、他の動物では発癌性は示されなかった。上記の雄ラットの実験は、膀胱結石を作り易い条件下であり、膀胱結石による物理的な刺激などが原因であることが判明したことにより[要出典]、後に見直しを受け、現在では発癌性物質リストから削除されている。また、コーエンらにより[4]霊長類である猿に対して24年間サッカリンを投与し続けた試験の結果が発表された。この実験においてサッカリンが原因と見られる異常は発見されなかった。
 現在、アメリカ合衆国や中華人民共和国などにおいては大量に使用されているが、日本においては安全性維持のため、食品衛生法により各食品への使用量が制限されており、外装にその旨と使用量が記載されている。」

 ベラルーシではサッカリンの摂取は規制されておりません。サッカリンを含むビタペクト2を1人分の量(約1か月分)飲んだとしても、それにより発がん性が高まるとは考えにくいです。それより、放射能によりがんを発症する恐れのほうが私には大きいかと思われます。

ちなみに、ビタペクト2にはサッカリンが使われていましたが、ビタペクトTには人口甘味料のアスパルテームが使われています。
 ベルラド研究所は現在はサッカリンが入っていたビタペクト2の製造を終えており、ビタペクトTのみの製造・販売を行っています。


放射能性物質を含んでいる水道水について

2011-03-27 | 放射能関連情報
 HP「ベラルーシの部屋」管理人さばさんからメールが来ました。
 一部ご紹介します。

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 職場でも「水ってのんでいいの?」というレベルでみんなうーんとか いってるし。
 夫も「沸騰すればいいんだって」「汲んで何日かおいておけばいいんだって」といろいろ振り回されてます。

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 水に関してですが、まず、何と言っても放射能性物質は水にとけやすいです。
 しかし、意外と重い物質です。(特にヨウ素は重い。)
 つまり、放射能性物質と水をぐるぐるかき混ぜて、ほうっておくと底のほうに放射能性物資が沈殿する、ということになります。理論的にはコップの上より、下のほうが放射能濃度が濃い、ことになります。
 しかし現実問題として、コップぐらいでは大きな差が出ません。
 ベラルーシの場合、池や湖の底には放射能がたまっています。コップの高さが池の深さと同じぐらいなら、その上のほうの水を飲んでも大丈夫でしょう。(^^;)

 「沸騰したら大丈夫。」にはなりません。砂糖水を温めると、水分が蒸発し、逆に砂糖の味が濃くなるでしょう。それと同じことが言えるので、かえって沸騰させないほうがいいです。

 それより汲み置くほうが少しは効果があるかもしれません。 (あまり長い期間置いておくと水そのものが腐りそうですが・・・。)

 ちなみにチェルノブイリ原発事故後、放射能汚染された水をきれいにするための、濾過装置(フィルター)の早期開発がうたわれました。しかし、そのような商品は今のところベラルーシにはありません。
 (普通のフィルターならありますが・・・。 )

 炭には放射能性物質を自分自身にくっつける作用があります。気になる人は、炭がフィルター部分に使われているタイプの濾過器(フィルター)を通してから、飲んではいかがでしょうか?
 
 私の感覚としては、日本人の皆さんはそんなに水道水のことは気にすることはないと思います。(乳児に飲ませるのでなければ。) 
 それより、体中に放射能をかぶってしまったのに、「水道水は汚染されているから。」と体を洗わない(除染しない)ほうが、よっぽど問題だと思います。



チロ基金の活動 ベラルーシ人から日本人へ義援金

2011-03-26 | チロ基金
 このたび発生した震災、そして福島原発事故による被災者の方々で、今までチロ基金に協力してくださった方だけでも、何とかベラルーシから支援できないか、と考え、ベラルーシ人から義援金を募ることになりました。
 集め始めて1週間なのですが、ベラルーシ人から哀悼の言葉とともに少しずつ義援金が集まっています。
 いろいろと難しい問題もあるのですが、いつか必ず、できるだけ近いうちに日本に支援を届けたいと思っています。
 詳細は改めてブログ上でご報告いたします。

つれづれ写真「ミンスク市内の仙台広場にて。3月19日撮影」

2011-03-26 | つれづれ写真
仙台広場で手向けられた花、折り紙で作った花もありました。
 手前右にある赤いものはランタンです。
 ずっと雪が降っていて3月とは思えないほどとても寒かったです。悲しかったけれど、たくさんのベラルーシ人が祈ってくれて、心配してくれていることがよく分かりました。

仙台広場 その5

2011-03-26 | ベラルーシ生活
 こんなリボンもありました。残念ですが震災で亡くなられた方には祈りを。
 生き残った人は「気をつけてください。」
 地震と津波に加えて、放射能の脅威が日本を襲ったことが、残念でなりません。
 多くのベラルーシ人にとって、1986年が「その前の時代」と「その後の時代」に分けられる年になったように、2011年が日本人にとっての「ここで分ける年」になってしまいました。
 歴史の年表に引かれる線のようなものです。
 早く被災地は復興してほしいし、避難している人たちは元通りの生活に戻ってほしい。そう願っていますが、もう日本そのものは2011年より前と同じ日本じゃないし、戻ることもないんです。日本人の精神も変わってしまって、元には戻らないんです。私たち日本人はもう別の日本人に変わってしまったんです。

日本文化情報センターの活動 「第8回 着物展」

2011-03-24 | 日本文化情報センター
 2011年3月11日から22日まで、毎年恒例の第8回着物展を行いました。

第7回着物展についてはこちらをご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/6eaa3b3e727871cfb573e10da790460a


第6回着物展についてはこちらをご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/1a079bad2c6f9867de48f2a48a200e81


第5回着物展についてはこちらをご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/7d25e34c25192f19586306c9c53cb47e


第4回着物展については HP「ベラルーシの部屋」の「チロ基金創立10周年記念式典(4)「第4回着物展」をご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/x/repo/hobby_book.cgi


毎年恒例のイベントなのですが、今年は大変でした。
 3日間かけて準備をし、やっと開催。さっそくラゴイスク市にある身体障害者施設の方々が、見学に訪れ、大変喜んでくださいました。
 会場となった図書館内にはテレビがなく、(あったとしても忙しくて見ていなかったと思いますが。)誰も何も知らないまま、初日を順調にスタートさせ、ほっとしながら帰宅して、地震と津波のニュースを知りました。
 驚きのあまり、
「これ、本当に日本で起こったこと?」
と思ったほどです。

 次に考えたのは着物展をどうするか、ということでした。このようなイベントは自粛するほうがいいのではないか? とも感じました。
 しかし、着物など展示品を寄贈してくださった日本人の方々の顔が浮かび、逆に着物展をやめてしまうほうが、日本人の方々に悪いことをしてしまうのではないか、と考え、予定通り着物展を行うことにしました。

 結論から言えば、来所者数は127人と伸びませんでした。(入場料を取っているわけではないので、それで困るわけではないのですが。)
 やはり、日本のイメージが悲しみの色に染まってしまい、着物展に向かうベラルーシ人の足を鈍らせたようです。
 
 しかし一方で、着物展に来て、哀悼の言葉を言ってくださるベラルーシ人が大変多かったです。
 日本人のことを大変心配していました。
 さらには義援金をさっそく申し出てくれるベラルーシ人も現れ、それを機にチロ基金が正式に義援金を募るきっかけともなりました。
 本当にうれしかったです。そう言う意味では着物展が窓口の役割を果たしてくれました。
 今年も開催できて、本当に良かったです。

 画像は今回の展示の様子です。少し高いところから撮影してみました。
 着物のほか、高価な帯、履物の数々など寄贈してくださった日本人の方々に深くお礼申し上げます。
 また来年も着物展が開かれることを願っています。

日本文化情報センター臨時休館のお知らせ

2011-03-23 | 日本文化情報センター
 3月23日から5月15日まで、内装工事のため、日本文化情報センターは臨時休館いたします。
(地震のせいかと思っているベラルーシ人もいますが全く関係ないです。)

 日本文化情報センターが入っている児童図書館は築20年で、あちこち改修工事をしなければならなかったのですが、予算の都合で少しずつ場所ごとに工事を進めてきました。
 そしてついに日本文化情報センターが入っている部屋の順番が回ってきたのです。所蔵文献や展示品はもちろん、棚から絨毯まで別の場所に全て運び出さなくてはならず、大変です。
 また改めてご報告しますね。

仙台広場 その4

2011-03-23 | ベラルーシ文化
 仙台広場には簡単なのですが池があり、そこにこのような「仙台広場」というプレートがあります。
 また改めて仙台広場の紹介をこのブログでしたいと思います。

仙台広場 その3

2011-03-22 | ベラルーシ生活
 これも桜の木の枝に結ばれていたリボンです。ロシア語、英語、中国語のほか、日本語のリボンもありました。字の感じからして、ベラルーシ人が一生懸命書いてくれたんでしょうね。
 こんなにたくさんの人が祈ってくれるとは、本当にありがたいです。
 ただ桜の木にとっては、あまりたくさんリボンをつけすぎると、よくないかも。

仙台広場 その2

2011-03-22 | 放射能関連情報
 仙台広場にあるしだれ桜の木です。ミンスクとの姉妹都市提携35周年を記念して植樹されたものです。
 今はリボンがたくさんつけられています。

仙台広場 その1

2011-03-19 | ベラルーシ文化
 ミンスク市内にある仙台広場。広場と言ってもミュージカル・コメディー劇場の周りを取り囲んでいる緑の部分に、ミンスクと姉妹都市の仙台の名がついています。
 東北地方太平洋沖地震で、大きな被害を受けた仙台市。その様子がニュースで伝わると、ミンスク市民が仙台広場に献花していく姿が、今度はニュースになりました。

 地震発生から8日目。やっと時間ができて、仙台広場に行くことができました。娘と2人で献花をしました。
 雪がかなり降るという天気で、備えられていたろうそくは全部消えていましたが、たくさんの花、ろうそく、折鶴、メッセージが書かれたリボンが置いてありました。
 せっかくですので、このブログ上で日本人の皆さんにお伝えします。

 画像は仙台広場にある池。そこにかかっている「仙台広場」のプレート、そこが献花台の代わりになっています。

ミンスクの教会で慰霊の祈祷 その4

2011-03-19 | ベラルーシ文化
ニコライ・ヤポンスキー教会の祭壇です。壁は塗りたてのようなきれいさでしたが、天井はできておらず、ドアもない、という条件下でした。
 早く教会がちゃんとした建物に移れば、と思いましたが、信仰はもともと中味が大事で、外側の入れ物はそんなに大事ではないですよね。
 イコン(聖人画)に向かって、地震だけではなく、放射能とも闘っている日本人の皆様のことを何度もお祈りしました。
 パーベル神父は
「悲しみが人々の心を強くつなげる。」
と話していました。

 祈祷が終わった後も、信者の方々から暖かい励ましの言葉をかけてもらいました。私は被災者ではないのですが、日本人の1人として、皆さんのことを日本に伝えたい、と話しました。
 このブログで公開したことが、ベラルーシから日本へのメッセージです。
 人種も言葉も宗教も違いますが、ベラルーシでも祈っている人がたくさんいることを伝えたくて、ご紹介しました。