ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年8月31日。ウクライナ侵攻から189日目

2022-08-31 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月31日。
 
 旧ソ連のゴルバチョフ元大統領が30日午後に亡くなりました。91歳でした。
 ゴルバチョフ氏について評価する人もいれば、批判する人もいます。
 ウクライナ侵攻を巡っては、ゴルバチョフ氏の財団は「一刻も早い戦闘行為の停止を求める」という声明を発表していました。どんな思いで亡くなったのか・・・

 今日、ベラルーシ大統領は遺族に哀悼の意を表しました。
 プーチン大統領も、ゴルバチョフ元大統領は「世界史に大きな影響を与えた。複雑で劇的な変化、大規模な外交政策、経済的および社会的課題の時代にわが国を率いた。私は改革が必要であることを深く理解しており、差し迫った問題に対して私自身の解決策を提示しようとした。」
と述べました。ゴルバチョフ元大統領が率いた変化とはペレストロイカのことでしょうが、プーチン大統領のが必要だと理解している改革とはウクライナ侵攻完遂の後に訪れる結果のことでしょう。

 リトアニア外相は31日、「リトアニア人がゴルバチョフをたたえることはないだろう」とツイートしました。血の日曜日事件のことをリトアニアが忘れることはないです。
 ノーベル平和賞をもらって褒められていても、こんな事件を起こした責任者ですよ。

 結局、冷戦終結などの功績は対外的にあったのですが、ソ連国内では、グラスノスチを始めたせいで、ソ連崩壊へのステップが始まり、ペレストロイカを思いついて始めたときには経済がすでに後戻りできない段階まで来てしまっていて、対応が遅かったと思います。
 多くの一般市民は、経済が悪化したのはゴルバチョフのせいとしています。とにかく一人の人間に責任を押し付ける一般人が多いのが特徴です。つまり独裁政治の裏返しなんですよね。独裁は一人威張っている人がいて、その人とその側近だけが甘い汁を吸っているというイメージを持つ日本人が多いと思いますが、その国に住んでいる一般人は、逆に自分たちには責任はなく、独裁者一人が責任を負うのだという考えでいます。
 だから革命勃発のように、極端から極端へ歴史が走ってしまうんですよね。

 ウクライナ軍の当局者によれば、8月31日の夜、ロシア軍は北東部のハルキウで地対空ミサイル「S300」6発を発射したものの、このうち1発が軌道を外れ、国境に近いロシア・ベルゴロドの住宅街に着弾したそうです。
 自分の国の国民に攻撃してしまっています。
 ロケットが着弾した正確な場所ははっきりしていませんが、メッセージアプリ「テレグラム」の複数のチャンネルによれば、ベルゴロド南西部のコムソモルスキー村と見られています。
 犠牲者は出ていないとベルゴロド州知事が述べています。被害を隠している可能性もあるでしょう。


 ラトビア外務省はベラルーシ外務省との協力関係を一方的に終了させることを決定しました。
 ベラルーシ外務省は、このような決定はラトビアが自国内の問題から国民の目をそらすためにしていると批判しています。
 

 ベラルーシは天然資源が乏しい国と言う認識で特にエネルギー資源がほとんど採れないため、ロシアなどと比べると経済的に有利に立てない国です。
 しかし、現実はそんなことを言っていじけているわけにはゆかなくなっています。
 ベラルーシにもエネルギー資源があることを思い出しました。それは泥炭です。石油や石炭と比べるとエネルギー資源としては熱量がないのですが、国内であるもので何とか経済危機を切り抜けないといけないのですよ。
 というわけで、今あちこちで泥炭を掘り返しています。
 ベラルーシの泥炭総埋蔵量は24億トンと推定されているそうです。これを知恵を絞って有効活用するべきですよ。今、その時が来たという感じです。 
 ベラルーシのニュースを見ると、今年の冬、西側諸国はエネルギー不足で、物価が高騰し、暖房もできなくなってみんな凍えるだろう、などと報道しています。それを尻目に泥炭を準備しているベラルーシは、冬の寒さもちゃんと乗り切れるでしょう、と言いたいようです。
 ベラルーシ科学アカデミーには前々から泥炭研究所もあって、ベラルーシ人の学者が研究と技術開発を続けてきたのだから、こういうときにこそ最大限に有効活用するべきですよ。
 もし、泥炭を掘り尽くしたら、この国はどうなるのかなあと思います。そのときには、国に1万ある湖沼の底から湧き出てくるメタンガスを集めまくるでしょう。ただ、その様子を想像すると、ベラルーシがメタンガスを必死に集めるようになるというのは、いよいよベラルーシのエネルギー事情が瀕死状態になっているというバロメータになっているのではと思います。
 ただ、泥炭総埋蔵量は24億トンもあるそうなので、そんな事態に陥ることはまずないでしょう。

2022年8月30日。ウクライナ侵攻から188日目

2022-08-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月30日。
 ベラルーシはやや気温が下がりました。

 ウクライナの大統領府長官顧問は今日、ツイッターで、キーウ到着後ザポリージャ原発に向かう国際原子力機関の派遣団の経路をロシアが故意に砲撃していると非難しました。

 ロシアの大統領報道官は、西側諸国はウクライナがザポリージャ原発を攻撃するのを禁止するべきだと述べました。

 日本のニュースを見ていると、ウクライナ軍が反撃などと報道されています。ロシアのニュースでは1日でウクライナ軍兵士1200人を殺害と報道しています。
 

 今日はベラルーシ大統領の誕生日です。今日、大統領が、
「自分は適したポストに固辞していない。このように私は大統領職に満腹しています。」
という発言をしました。真意はよく分かりません。本人にしか分からない心境なのかもしれませんね。


 東京五輪陸上女子ベラルーシ代表で、大会中にポーランドに亡命を申請したクリスツィナ・ツィマノウスカヤが、SNSでポーランド市民権を6月に獲得していたことを発表しました。
 ポーランド市民権がないとポーランド選手権出場ができないからです。ポーランドの試合で好成績を取れば、国際試合に出場できる道が開け、そうすれば五輪に繋げることができます。


 ベラルーシの野党リーダー、チハノフスカヤ氏をトップにしたベラルーシ亡命政府に武装部門がすでに設立されたことが日本でも報道されています。そこにベラルーシ人20万人が登録済みだそうです。
 ベラルーシの人口はおよそ900万人ですが、ベラルーシ軍は4万の軍人しかいません。それなのに20万人のベラルーシ人が亡命政権の武装部門に登録しているというのは何かの間違いではないかと首をかしげる人もいるかもしれませんね。
 ベラルーシ国内に住んでいるベラルーシ人は900万人ですが、ベラルーシに住んでいないベラルーシ人は400万人います。地球上には1300万人のベラルーシ人がいるということです。そのうちの20万人が、亡命政府の武装部門に登録したと考えるほうが正しいです。
 ちなみにベラルーシ正規軍4万人ですが、予備兵などを入れると6万人は越えます。

2022年8月29日。ウクライナ侵攻から187日目

2022-08-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月29日。
 ベラルーシは暑いままです。そろそろ雨が降ってほしいです。

 ザポリージャ原発の核燃料が保管されている第1特別建屋の屋根に今日、砲弾が直撃。屋根に四角の穴が空いています。
 もちろん周囲の放射能の値は正常の範囲内です。
 さらに同原発の近くで森林火災が発生しているという衛星画像も公開されました。心配ですね。

BBCの報道によるとEUがウクライナに対し、原発事故発生に備えてヨウ化カリウム錠500万人分を支援し、同国は既にザポリージャ原発近隣住民に配付を始めました。 すばらしいですね。


 明日はベラルーシ大統領の誕生日。ベラルーシ人を対象に大統領を信頼していますか?というアンケート調査を実施。その結果、76.3%の回答者が、信頼していると回答しました。


 ベラルーシ軍も参加する予定のロシア極東地域での軍事演習。明日30日から行う予定でしたが、今日になって9月1日から7日間実施すると変更を発表しました。
 演習を行う場所についても、13か所から7か所に減り、参加人数についても5万人を上回るとしています。前回の30万人と比べると、規模がすっかり縮小しています。ウクライナ侵攻に大変なので、極東地域へ軍を回せないないのでは?と思われます。前日の予定変更については、何だか混乱しているなあという印象です。ただ、関係者には前もって変更のことが伝えられていて、一般人である私達には今日、報道しただけかもしれません。


 ダリア・ドゥーギナ氏殺害について、発効声明を出したNRA。国民共和国軍ですが、今回の事件をきっかけに初めて名乗りを上げ、歴史の表舞台に登場したように見えます。
 一方、情報化時代の今、身元がバレたら大変と、最新の注意を払って活動しているので、本当にこんなグループがいるのか怪しむ声もあります。
 ロシア政府が発表した容疑者は、エストニアに脱出したと主張していますが、エストニア当局は、入国自体を否定。
 所在が全く分かりません。容疑者は逃亡中だと報道するメディアもあります。それならどこにいるのでしょう?


 ドネツクからロシアに避難した子どもたちが、来月ベラルーシのソリゴルスクにある保養施設を訪れ、心身のケアを受けるそうです。
 またマリウポリの子どもたちが、モスクワ観光に招かれ、赤の広場に初めて来られて嬉しいと、ロシアメディアの取材に答えています。
 この子どもたちはウクライナ人ですよね。もしかして無理にロシアへ移住させられた子どもたち?と考えてしまいました。もちろん現地の取材ではそのようなことは書いていません。
 

 29日のタス通信によると、ヘルソン州の元ウクライナ議会議員で、同州の親ロシア派組織幹部を務めるオレクシー・コバリョフ氏が殺害されたことを、ロシアの連邦捜査委員会が明らかにしました。
 コバリョフ氏は2019年のウクライナ議会選で当選し、ゼレンスキー大統領の与党会派「国民のしもべ」に加わったが、今年2月のロシア侵攻後まもなく地元のヘルソン州がロシア軍に占領されると、ロシアへの協力を表明。ロシアが任命した州の行政組織で農業部門のトップを務めていたそうです。


 神戸新聞の報道によると、兵庫県洲本市は、国際交流団体「兵庫県日本ロシア協会」から脱会したと明らかにしました。同市は、江戸時代の豪商高田屋嘉兵衛(1769~1827年)ゆかりの地。嘉兵衛がロシアとの軍事衝突の回避に尽くした功績に倣って相互交流に力を入れてきたが、脱会でウクライナ侵攻への抗議の意思を示すとしています。
 残念ですね。高田屋嘉兵衛は旧五色町(現洲本市)出身で、幕府とロシアの間で起きた外交摩擦「ゴローニン事件」でロシア側に拘束されたものの、信頼関係を築いて和解につなげた人物。日露友好の歴史的功績者です。21世紀になってからこんなふうに日本とロシアの間に距離ができてしまいました。

 旧五色町は2001年、サンクトペテルブルク市クロンシュタット区と姉妹都市提携を締結。合併で洲本市となってからも、青年訪問団が互いに行き来するなど交流を重ねてきたそうです。メールや電話で現地とやりとりしてきたが、侵攻後は連絡しておらず、今年8月の地域行事「高田屋嘉兵衛まつり」では、在大阪ロシア総領事館関係者の招待を見送りました。
 県日ロ協会には、7月に脱会を申し出ていました。上崎勝規市長は「侵攻に正当性はなく、今は友好を深めるという状況ではない。姉妹都市提携の解除までは考えていない」と話しています。
 豊岡市も22年度いっぱいで退会する予定で、7月に申し出ましたが、市の担当者は「今春から行財政改革の一環で、各外部団体の役員の見直しを進めているため」と理由を説明しており、「国際情勢とは関係ない」としています。


2022年8月28日。ウクライナ侵攻から186日目

2022-08-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月28日。今日もベラルーシは暑かったです。

 ウクライナのエネルゴアトム社が、もしザポリージャ原発で放射能拡散事故が起きた場合のシミュレーション画像を発表しました。今回の予測図では、クリミアやドンバス地方が汚染地域となり、ロシアの一部地域も汚染されます。キーウは大丈夫です。
 つまり、ウクライナ側の予測ではロシア占領地域やロシアが汚染され、ロシア側の予測ではウクライナのほか、ポーランドやドイツにまで放射能が飛散し、もちろんウクライナのほとんどが汚染地域になるという結果を出しています。
 自分がいるところには放射能は飛んで来ないようです。

 ザポリージャ原発上空で、ウクライナのカミカゼ・ドローンが撃墜された。標的は使用済み核燃料貯蔵施設。着火装置は屋根の上に落ち、爆破処理された。負傷者、被害はなかった。」とザポリージャ暫定行政府が今日発表しました。
 ザポリージャに暫定行政府がすでに存在し、機能しているようなのが気になります。

 ロシア国防省の発表では、今回のザポリージャ原発へのウクライナ軍の攻撃は、使用済核燃料を乾式保管しているキャスク付近への着弾であり、4発の砲弾が保管施設の屋根に命中したとしています。つまり、原子炉ではなく、保管されている高レベル放射性廃棄物の近くが攻撃されたということになります。
 もし命中したら、高レベルの廃棄物が四方に飛散します。とにかく攻撃をやめてほしいです。
 早ければ明日、明後日にも国際原子力機関が現地入りするので、何とか管理下においてほしいです。


 ダリア・ドゥーギナ氏爆殺事件の続報です。が、これはフェイクニュースのようです。
 同氏を殺害した容疑者、ナタリア・ヴォフク氏がエストニアに出国したのは間違いないのですが、なぜか今オーストリアにいて、さらに殺害されたというニュースがメッセンジャーやソーシャルネットワークで広まりました。
 しかし、オーストリア内務省は、
「オーストリアではそのような事例は知られていないと報告できます。したがって、この情報の信憑性を確認することはできません。」
と発表しました。
 オーストリアに逃亡したということ自体フェイクニュースのようです。


 ロシアのメディアによると、今夜遅くウクライナ軍がザポリージャ原発に隣接するエネルホダル市の住宅地に砲撃をしかけ、複数の爆発が発生しているようです。

2022年8月27日。ウクライナ侵攻から185日目

2022-08-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月27日。
 今日はベラルーシは今年最高に暑かったような気がします。あくまで私の体感温度ですが。

 ウクライナ国営の原子力企業「エネルゴアトム」は今日、ザポリージャ原発の敷地内で砲撃があったと発表しました。
 発射された17発の砲弾のうち4発が核燃料貯蔵施設の屋根に命中したということです。
 ロシアの国防省はウクライナ軍がザポリージャ原発の敷地内に砲撃を続けていると主張しています。もちろんウクライナ側はロシア軍が攻撃したと主張しています。
 何が怖いと言って、この砲撃のニュースが日本では速報になるのに、ベラルーシではまるで大きく報道されていないことです。
 もし放射能漏れ事故が起きたとして、そのことをすぐに教えてくれるのかどうか分かりません。チェルノブイリ原発事故のときも事故が起きたと公式に報道したのは1週間後でした。その間に被爆がどんどん進んでしまい、多くの人が対応策が取れませんでした。


 ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムは今日、ザポリージャ原発の職員をロシア治安要員が拘束し、脅していると通信アプリで非難しました。近く現地入りする国際原子力機関の調査団に原発が直面する安全面のリスクについて告発するのを阻むためだとウクライナ側としては主張しています。
 早く国際原子力機関が現地入りしてほしいです。その間は少なくとも正常に原発が稼働するでしょう。同機関は調査団が安全を確認したらすぐ引き上げるのではなく、専門家を常駐させようと考えています。すばらしい考えです。問題なのはロシア側がそれを許すかどうかですね。


 CNNの取材によると、ザポリージェ原発の作業員が大量脱出しており、脱出に成功した職員が匿名で内部のようすを話していますが、ロシア軍が攻撃してくるほか、ロシア軍兵士らは機関銃を携行して施設内を歩き回り、夜には酒に酔って空に向かって発砲しているそうです。
 このように精神的に追い詰められると、残っている職員もうっかりミスをしてしまう可能性が高くなるので、軍の攻撃の有無は関係なく、事故が起きる確率が増えてしまいます。
 

 ウクライナ議会のルビネッツ人権コミッショナーは24日、3月以降ロシア軍の暴行や砲撃で死亡した原発作業員は3人で、少なくとも26人が情報を漏らした疑いで拘束されたと述べています。数人が拘束されたわけではないんですね。


 BBCは26日、ロシアがフィンランドとの国境近くにある液化天然ガスプラントで、大量の天然ガスを焼却処分していると報道しました。欧州各国がロシアの天然ガス輸入を拒否する動きの中、余ったガスを燃やしているようです。
 1日に焼却されたガスを金額に換算すると、1000万ドル(約13億7500万円)です。
 
 今、世界の多くの国が、エネルギー不足に苦しんでいるというこの時期。電気がないと、エアコンもスマホも使えなくなり、生活、いや人生が変わってしまう人も大勢いるこの社会。方や余ったガスを焼却処分し、原発は事故発生直前まで追い込まれているというこの状況。もう少し人類は、前から知恵を出し合って、別の種類の発展ができていたのではないだろうかと思えてきます。


 ウクライナ軍は26日、ヘルソン州で砲兵部隊がドニエプル川の支流に架かる橋を攻撃し、橋を使用不能にしたと発表しましたが、今日はロシア軍がウクライナを支援するためのハイマースが格納されている倉庫を砲撃して、破壊に成功したと戦果報告をしています。
 


 モスクワ市内で今日、ロシア軍参謀本部のセクレターレフ副部長の自動車が放火されたと国営放送が報じました。ロシアの独立系メディアによると、ウクライナへの侵攻に反対する女性がガソリンをまいて火を付けたということです。
 セクレターレフ副部長は出火当時、この自動車には乗っていませんでした。容疑者の女性はすぐに逮捕されました。
 セクレターレフ副部長は検閲担当者で、ウクライナに関するメディアの発信を監視しているということだそうですが、この女性がそれを恨みに思って火をつけたとしても、そもそもこの車の持ち主が恨んでいる相手だと、どうして知っているのでしょうか。
 情報を漏らしたり、売買することが頻繁に行われているのかもしれません。

2022年8月26日。ウクライナ侵攻から184日目

2022-08-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月26日。
 ベラルーシ大統領は今日、同国軍が保有するスホイ24戦闘爆撃機が、改造作業を受けて核兵器の搭載が可能になったと明らかにしました。
 さらに、欧米がベラルーシへの挑発行為を行えば「核兵器を持つ連合国家との関係を緊張させることになる」と述べ、国家統合を進めているロシアの「核の傘」を強調してけん制しました。・・・と日本で報道されているのですが、こちらの報道では、どの爆撃機が改造されたのかはっきりしていません。
 スホイであることは間違いないのですが、具体的にスホイのどの爆撃機なのかよく分からないのです。
 スホイ24、スホイ25、スホイ27、スホイ30SMが2年前、改造のためにロシアに移送されているので、そのうちのどれかだろうと予測されます。
 今年6月にベラルーシ大統領とロシア大統領が会談した時はスホイ25を核搭載するために改造することを話していましたが、明言はしていません。


 エネルゴアトム社はテレグラムにて、今日午後2時4分に、発電機の一つが再接続されたと投稿しました。
 良かったと思ったら、ロシア軍がザポリージャ州エネルホダル市に設置した「軍民行政府」当局は今日、ザポリージャ原発に再び砲撃があり、敷地内にある放射性のアイソトープ保管施設近くに4発が着弾したと発表しました。
 原発の主要施設に被害はなく、周辺の放射性物質のレベルも正常なのが安心です。が、何か異常が起きたとして、それを迅速に報道してくれるものなのでしょうか。
 今回の攻撃はもちろん、ウクライナ軍によるものとロシア側は発表しています。

 24日、ドニプロペトロウシク州のチャプリネ駅がロシア軍のミサイル攻撃を受け、停車していた列車の客車4両が炎上しましたが、その後、死数者数は25人に増えました。
 2人の子どもの死者も含まれており、一人は民家のがれきの下から見つかった11歳と、列車の火災で死んだ6歳の子どもです。
 ウクライナ大統領府は、25人の死者がすべて民間人だったかどうかは明らかにしていません。
 ところが、ロシアは今回の攻撃は軍用列車を狙ったもので、ウクライナ軍予備役200人以上を殺害したと発表しました。
 ウクライナ側の発表の死者数とロシア側発表の死者数に8倍の開きがあります。どちらのほうが信憑性が高いでしょうか。どちらを信じたらいいですか?


 ベラルーシ大統領は、リトアニアに出国した野党リーダー、チハノフスカヤ氏に以前、夫のセルゲイ・チハノフスキー氏を釈放して、リトアニアに出国(追放?)させるという提案をしたのに、チハノフスカヤ氏は拒否した、と明らかにしました。
 本当にそんな提案があったのかどうかも謎です。チハノフスキー氏は懲役18年の有罪判決を受け、服役中ですよ。
 ベラルーシ大統領は、妻の元に夫を刑務所から出して、送リ届けると言っているのに、妻がそれを断るとはどういうことか。要は新しい夫がいるからだ、と発言しました。
 マスコミによっては、チハノフスカヤ氏が妊娠中だ、などという心無い報道をしているものもあります。
(日本人の皆さんは、このブログを読んで、え、あの人、妊娠してるの?と驚いたり信じたりしないでください。)
 
 

2022年8月25日。ウクライナ侵攻から183日目

2022-08-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月25日。
 ベラルーシは今日も暑いです。雨も降らないので、多くの森林地帯が立入禁止指定を受けているのですが、これは火災防止のためです。しかし、ミンスク郊外の農村部で今日火災が発生しました。畑や家畜が冬の間に食べる干し草などが消失しました。

 今日の夕方5時頃ですが、ザポリージャ原発が完全に外部電源を喪失したと報道されました。
 エネルゴアトム社によると、ディーゼル電源に切り替えられていますが、燃料がつきてディーゼルエンジンが動かなくなると冷却不能となり、対応できないまままでいるとメルトダウンが始まってしまいます。
 続報で、とりあえず電源は復旧したとされました。

 エネルゴアトム社によるとザポリージャ原発の近くにザポリージャ火力発電所があります。これは石炭を燃料にした火力発電所です。燃焼した後の石炭灰を廃棄する場所があるのですが、そこで火災が発生。このためにザポリージャ原発をウクライナ国内の送電網につなぐ送電線が損傷しました。
 同原発には6基の原子炉があり、今までにすでに3本の送電線が(ロシア軍により)切断されたため、現在2基しか稼働していませんでした。そして今日は火災のせいで、その2基が送電網から切り離される結果になりました。2回に渡って送電線が切られたという報道もあります。
 送電線が損傷後、安全装置が働き、ディーゼル電源に切り替わった、というのが続報でした。
 ただ、原子炉は6基とも稼働していません。(つまり発電していません。)
 IAEAの事務総長は、近日中にザポリージャ原発に到着する予定であり、時間は残されていないと述べました。少なくともIAEAの視察が入っている間は原発への攻撃はないでしょう。(今回は火災発生が問題ですが。)
 ともかくそれまでに送電線を復旧させてほしいです。


 ロシア大統領は軍人13万7000人を増員を命じる大統領令に署名しました。
 これでロシア軍の総定員をおよそ190万人から204万人に増やすことができます。しかし発効されるのは来年1月1日です。ここ4ヵ月の間に増員できるでしょうか。


 アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘ダリア氏の死亡について、ローマ教皇フランシスコが「(モスクワで爆死した)気の毒な女性」と表現し「善良な人々が戦争の代償を支払う」と発言しました。
 駐バチカン・ウクライナ大使はツイッターで、
「どうすれば(ロシア)帝国主義者の1人を善良な犠牲者と呼べるのか。彼女はロシア人に殺された。」
と批判しました。
 確かに殺人の犠牲者となった人は気の毒です。
 しかし、ダリア氏については、ロシア国内の反大統領派が犯行声明を出しています。ウクライナ政府は、ウクライナは関与していないとしています。
 ウクライナ大使はツイッターで、帝国主義者は全員善良ではない(だから気の毒ではない)とも取れる発言をしている上に、ローマ教皇のお膝元で堂々と批判しています。これを、ローマ教皇の発言をバチカンにいる大使が批判するのは極めて異例と報道されていますが、異例というより、かなり偏った考えに傾いているように思えます。
 このように極端な考え方に傾いてしまった人は大勢発生しているのですが、これも結局戦争のせいであって、みんな「気の毒な人」になったと言えるのではないですか。


 在ベラルーシ・ロシア大使はブレスト州を訪問し、ベラルーシはEUへの輸出減のため最大140億ドルを損失するが、その分ロシアが支援することを約束しました。
 またベラルーシ製の石油製品量が減少したのはウクライナ向けの輸出が減ったからであり、そのためロシアからベラルーシへの石油輸出量も減少したという点にも言及しました。

2022年8月24日。ウクライナ侵攻から182日目

2022-08-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月24日。今日もベラルーシは暑かったです。

 今日はウクライナの独立記念日。
 首都キーウなどではロシアの攻撃を警戒し、祝賀行事や集会が禁止され、緊張の中での祝日です。
 ベラルーシ大統領は、ウクライナ国民に祝福の言葉を送りました。
「平和な空、寛容さ、勇気、強さ、そしてきちんとした生活を取り戻すための成功」「現在の戦争が何世紀にもわたる両国民の誠実な善隣関係の基盤を破壊することはできないと確信している」
と発言しました
 これに対し、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問はツイッター上で厳しく批判。
「ルカシェンコ氏はウクライナに対する犯罪にルカシェンコ氏自身が加担していることに世界が気づいていないと本気で信じている」とし、「だからこそロケット弾が私たちを攻撃することを容認しながら、皮肉なことに『平和な空』を祈っている」と指摘しました。

 イギリス首相は今日、キーウを電撃訪問。ウクライナ大統領と会談し、追加軍事支援を約束しました。
 ベラルーシ大統領もウクライナとの協調関係を願っているようですが、ここでイギリス首相のように軍事支援を表明したら、どうなることでしょう。
 トルコの場合、ロシア人は、トルコは仲介役を買って出てくれている、経済制裁下でもトルコはロシアに食料品を輸出してくれる・・・とトルコは味方だというテレビの報道を視聴しています。
 しかし、トルコのドローンがウクライナ軍で使われているんですよね。そこのところ、ロシア人はどう思っているのでしょう。
 トルコ大統領は昨日、キーウでオンラインで開かれた「クリミア・プラットフォーム」にビデオメッセージを寄せました。
 その中で、クリミアの併合は違法で認められないとして、「ウクライナへのクリミア返還は国際法上の要請だ」と強調しました。
 トルコもそうですが、ベラルーシもハンガリーも経済的利益を念頭に置いていて、ロシア側ともウクライナ側とも言えない立場にいます。コウモリ外交と批判されてもしょうがないような気がします。
 
 
 ダリア・ドゥーギナ氏が死亡した後、ベラルーシにあるロシア大使館前で献花する人たちがいます。
 (ちなみに安倍晋三氏が亡くなった後、ロシアの日本大使館前にも献花するロシア人がいました。ベラルーシでおなじように献花があったという報道は聞いていません。)


 エストニアはこれまでにビザを取得した5万人以上のロシア人に対し、今週内に国境を閉鎖します。こうした措置を取るのはEU加盟国としては初めてです。
 ダリア・ドゥーギナ氏殺害容疑にかかっているウクライナ人女性がエストニアに逃亡したとロシア側が主張していますが、これもロシア人入国禁止決定に関係しているのかもしれません。


 ロシア警備隊は、ザポリージャ原子力発電所の職員2人を、原発の敷地内の機器や人員についての情報をウクライナ軍に流していたとして、拘束しました。


 今日、ドニプロペトロウシク州の鉄道駅チャプリネ駅がロシア軍のミサイル攻撃を受け、客車4両が炎上。22人が死亡、50人が負傷したとウクライナ大統領が発表しました。
 さらに11歳の少年が自宅への着弾により死亡したと述べました。


2022年8月23日。ウクライナ侵攻から181日目

2022-08-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
  2022年8月23日。ベラルーシも暑い日が続いています。しかし日本のほうが暑いので、文句は言いません。

 ドネツク人民共和国首長の行政府とセントラル・ホテル(軍の特派員とボランティアが主に滞在中)や警察庁が今日、砲撃を受け火災が発生。2人が死亡しました。
 他にも多数の砲弾が複数命中したようです。付近の住宅の窓ガラスも割れ、街路樹も倒れています。ハイマースによる攻撃だとっ報道されています。
 ドネツク人民共和国首長のプシリン氏は当時、行政府の建物内にはおらず、被害はありませんでした。厳しくウクライナ軍を避難しています。

 ラトビアでは今日、リガ解放者の記念碑の一部である赤軍兵士の3つの像がすべて解体されました。
 ロシアの調査委員会は、この記念碑の取り壊しに関連して刑事訴訟を起こしたと、同局の報道機関が報じました。
 現在進行形で戦争が起こっているので、第二次世界大戦も遠いものに感じるようになりました。(忘れたというわけではありません。)


 ベラルーシは来年、1年間で2万トンの食肉を輸入する計画だそうです。
 日本児と比べると明らかに肉食(^^;)のベラルーシ人ですが、輸入しないといけないほど不足しているんですね・・・
 ベラルーシ政府は今年はすでに700万トンの穀物を収穫したと公表しました。穀物に関しては食糧危機にはならないと国民を安心させようとしています。でも食肉が2万トンも不足しているのかと思うと、やっぱりベラルーシは大丈夫かな?と心配になります。


 バルト三国とポーランドを合わせて 20人を越える市民がベラルーシでの永住権を申請しました。
 4か国で20人なので、一国からだいたい5人ずつということでしょうか。それを多いと見るのか少ないと見るのか。意見が分かれますね。永住権については親戚や先祖がベラルーシにルーツを持っている場合、手続きが簡略化されます。30日ぐらいで永住権がもらえるようです。


 明日で侵攻から半年。そしてウクライナの独立記念日。何事もなければいいのですが。
 

2022年8月22日。ウクライナ侵攻から180日目

2022-08-22 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月22日。

 20日にドゥーギン氏の娘・ダリア氏が乗った車が、モスクワで爆発し死亡した事件で、ロシア国内の反プーチン勢力・国民共和国軍(NRA)が、犯行声明を出しました。
「プーチン大統領が民族戦争を起こし、ロシア兵を無意味な死へと追いやった軍事犯罪者だ。」
と批判しました。
 事件後すぐにNRA による犯行だと語っていた元下院議員イリヤ・ポノマレフ氏は、
「これが最後ではない」「ロシア国内のパルチザンが、高官やオリガルヒ、ロシアの治安機関のメンバーなどに対し、同様の攻撃を行う用意がある」
と語っています。
 一方でロシア連邦保安局(FSB)は今日、殺害はウクライナの特殊機関が計画・実行したものだったと発表しました。
 さらにすでに容疑者を確定。それは1979年生まれのウクライナ人女性、ナタリア・ウォウクさんで、先月、未成年の娘を連れてロシアに入国。ダリア氏が住んでいた建物内のアパートを借りました。「ドネツク人民共和国」が発行したナンバープレートの車に乗り、ダリア氏を尾行していたらしい。(防犯ビデオの記録がある。)
 事件当日、ドゥーギン氏とダリア氏が訪れていたモスクワ郊外の祭りの会場にもいたと言われています。そして事件の翌日21日陸路でエストニアに出国しました。
 車に仕掛けられていた爆発物の主成分はTNT火薬である可能性が高く、しかも爆発は遠隔操作だそうです。
 
 ドゥーギン氏はショックで入院したようですが、容態は安定していると報道されています。
 ロシア大統領は今日、ダリア氏に勇気勲章を授与しました。死んでからもらっても本人は分からないし、これは父親のドゥーギン氏のために授与したようなものですね。
 ダリア氏は、ロシアの特殊作戦に関する著書「Book Z」の共著者で、近い将来出版される予定です。


 ロシア軍はアントノフスキー橋の隣に舟橋の建設を開始しました。
 そして弾薬を搭載した9台のロシア軍トラックがアントノフスキー橋に沿って移動していたときに、ウクライナ軍がハイマースで攻撃しました。
 爆発が起こり、2人の作業員が死亡し、少なくとも15人が負傷。 また砲撃の際、ちょうどその下を通過していたフェリーの乗客にも死傷者が出たとのこと。対岸に渡ろうとしていた艀も橋の近くにいたため、乗っていた民間人も負傷した模様です。
 このアントノフスキー橋が壊れたとか、いやまだ壊れていない、いやもう修復はできない、などといろんな情報が飛び交っています。


 ベラルーシの国家統計委員会は、ロシア人が購入するベラルーシの輸出品のトップはチーズとカッテージチーズ、トラック、バター、トラクター、車とトラクターの部品と付属品だと発表しました。

 また、国内市場における国産医薬品のシェアが増加したかどうかという質問に対して肯定的な答えを出しました。昨年の上半期は54.8%を占め、2022年の上半期は55.8%になりました。医薬品の輸入が減ったということだと思います。特にウクライナからの輸入はなくなり、今は備蓄分だけが出回っていると思われます。 


 ロシア政府はEUのトラックがロシアに入国することを禁止するかどうか検討に入りました。早ければ今年10 月に導入されます。EUから輸入品が入って来なくなり、ベラルーシからの輸入品は増えそうです。

2022年8月21日。ウクライナ侵攻から179日目

2022-08-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月21日。
 ミンスクは夜に雨が降って少し蒸し暑さが取れました。

 ウクライナ当局は昨日、ロシア軍が南部ミコライウ州ボズネセンスクの住宅街をミサイルで攻撃し、4人の子供を含む12人が負傷したと発表しました。ウクライナ国営原子力企業のエネルゴアトムは、ボズネセンスクは南ウクライナ原発から約30キロの場所に位置しており、ロシア軍のミサイルは同原発を標的にした可能性があると非難しています。

 
 ロシア大統領の世界観に大きく影響したとされる国家主義思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘ダリヤさんが20日夜、親子で参加したイベントの帰り、車が爆発したため死亡しました。
 当初は同じ車に同乗する予定でしたが、直前になってドゥーギン氏は娘とは別の車に乗ることにしました。すると運転席にしかけられていた爆発物が爆発。
 父親を狙ったものなのか、親子を狙ったものなのか、娘だけを狙ったものなのか。
 ドゥーギン氏は帝政ロシア末期に皇帝一家に近く、影響力を持った僧侶グリゴリー・ラスプーチンになぞらえて、「プーチンのラスプーチン」などと呼ばれてきました。同氏はすでに2015年にロシアによる2014年のクリミア併合に関与したとして、アメリカの制裁対象に加えられています。
 娘のダリヤさんも親プーチン派メディアのジャーナリストで、ウクライナ侵攻を支持するコメンテーターとして知られていました。イギリス政府は、ウクライナ侵攻についてオンラインの「偽情報」に加担しているとして、ダリヤさんを制裁対象にしています。
 ウクライナ政府はすぐさま関与を否定。
 もしかするとロシア国内でウクライナの工作員が暗躍しているのかもしれません。
 ドゥーギン氏は、最近はウクライナ戦争の苦戦にプーチンは弱いと批判もしていたそうです。そのためにロシア国内で、「黙らせよう」という動きが出てきていたのかもしれません。

 
 モスクワ近郊のアラビノ訓練場で、毎年恒例のミリタリーゲームが行われています。本当の戦争がすぐそばの国で進行中なのに、軍同士で戦争の練習をしています。
 ベラルーシのメディアは、ベラルーシ代表が好成績であることを連日報道しています。今日は戦車のバイアスロン競技の決勝戦。 ベラルーシの戦車はゴールに2番目に到達。射撃はすべて命中させた唯一のチームで準優勝・・・などのニュースです。旧ソ連で親露の国が多く参加していますが、中国軍も参加しています。


 ベラルーシでいろんな建造物が売りに出されています。
 今はミンスクにある1950年代に建てられた暖房器具工場。(50年間放置されていてかなりボロボロ)値下げしても値下げしても売れません。
 修道院。ただしソ連時代は精神病院として使われていました。日本だったら心霊スポット、お化け屋敷ツアーができる建物として再利用されそう。
 飛行場。これは売れました。こんなものまで売りに出されています。
 ナポレオンがロシア遠征の途中滞在した修道院。入札されますが32ルーブルから開始・・・ってめちゃくちゃ安い。日本円にして1600円から。思わず私でも買えると思ってしまいました。


2022年8月20日。ウクライナ侵攻から178日目

2022-08-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月20日。

 セバストポリにある黒海艦隊本部建物を爆薬を積んだドローンが攻撃し、それが撃墜されて(?)建物の屋根に落下。そして炎上、黒煙が上がっています。


 ロシア軍の発表によると、100人のウクライナ軍兵士と20人のアメリカ人傭兵を殺害したそうです。


 ロシア国防省によると、ウクライナはザポリージャ地域にある村でロシア軍に対して有毒物質を使用した疑いが持たれています。
 7月31日に多くのロシア兵に深刻な中毒症状が現れ、軍の病院に搬送されました。(それを今頃発表したのは、中毒の原因が判明したから?)
 原因特定のため、サンクトペテルブルクにある軍事医学研究所にロシア軍兵士から得られたサンプルが提供され、その結果、B型ボツリヌス毒素が体内にあることを確認しました。
 ロシア側は、ウクライナが化学兵器を使用したとして避難しています。

 ボツリヌスってあの、美容外科に使われるボトックスのこと?と思いましたが、ちょっと検索してみると、生物兵器としてもすでに利用されているものなんですね。
 

 ロシアメディアの報道によると、マリウポリ市長が動物園の視察に車で向かった際、暗殺されかかったそうです。
 市長の車が動物園に近づいた瞬間、近くで爆発音が聞こえたが、けが人や死亡者はありませんでした。
 この視察前に動物園周辺の地雷をロシア軍は除去していました。だから、これは市長暗殺のためにウクライナ軍(あるいはウクライナのパルチザン)が設置した爆発物だということです。
 ただ、状況を考えると、除去し忘れていた地雷が別の理由で爆発しただけのような気もします。
 それと地雷除去って、地雷そのものをわざと爆発させて、使用済みにしてしまうので、地雷除去作業をしている場所では爆発音があちこちで響いているものですよ。

 

2022年8月19日。ウクライナ侵攻から177日目

2022-08-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月19日。

 ベラルーシ大統領は、国内の農場を視察したときの会見で、ベラルーシが戦うことを望んでいないことを保証すると発言し、注目を集めました。
「私がここで何らかの攻撃を計画しているとは思わないでください。」
と述べ、現在、「戦争をしているウクライナはない」と信じているそうです。
 そもそもロシアと戦争をしているのはNATOとアメリカであり、さらにアメリカが関与していなければ、西側諸国はとっくの昔にこの戦争を止めていたはずだと持論を展開しました。
 とにかくアメリカが焚き付けていて、アメリカこそが最悪だということです。
 そしてベラルーシ人は(戦争などに参加せず)自分の仕事をするよう促しました。(農場視察の際の会見なので、このような言葉が出てきたものと思われます。)
「(政府は)あなた(国民)が普通に生活できるように全力を尽くします。ただ立ち止まらず、自分自身で雨後してください。これがまずあなたが必要とされているものです。国は常にあなたをサポートしてきましたし、これからもあなたをサポートし続けます。」
と大統領は約束しました。

 今までもベラルーシは戦闘に参加していないし、参加することもないと約束したわけです。
 ただ、ウクライナ側はベラルーシ領からウクライナに向かって、ロシア軍がミサイルを発射したと非難していますが、軍事施設をロシア軍に貸している格好のベラルーシのことも戦争に加担していると非難しています。


 ウクライナ南部軍司令によりますと、ウクライナ空軍はロシア軍の拠点4カ所を攻撃したほか、ロシア軍の補給路となっているドニエプル川にかかるカホフスキー橋を使えないようにしたということです。

 一方、南部ミコライウではロシア軍による攻撃で住宅数棟が損壊し、消防署の建物が壊れ民間人1人が負傷したほか、港湾施設へも再び攻撃がありました。


 リトアニア外相は、ベラルーシとロシアの観光客に以前に発行されたシェンゲンビザを無効にすることを提案しました。
 観光ビザは出さなくてもいいかと思いますが、ベラルーシ人の反政府派が数多くリトアニアに出国しているので、ビザが全く出なくなるのは困りますね。野党リーダーのチハノフスカヤ氏もリトアニアに住んでいるのに、

2022年8月18日。ウクライナ侵攻から176日目

2022-08-18 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月18日。ミンスクはよい天気が続いていましたが、今日は気温30度で暑かったです。でも日本と比べたらどうということはないですね。

 8 月17日から18日にかけての夜、ロシア軍はハリキウとクラスノグラードを砲撃しました。少なくとも11人が死亡し、37人が負傷しました。

 17日21 時30分頃、ハリキウ市サルトフスキー地区の 3 階建ての寮にロケット弾が命中。建物は完全に破壊され、火災が発生しました。この結果、7 人が死亡し、11 歳の子供を含む 17 人が負傷しました。

 18日午前4時30分頃、8発のロケット弾がベルゴロドからハリキウに向けて発射されました。ホロドノゴルスキー地区とサルトフスキー地区では、4 階建てのホステルを含む建物とインフラ施設が被害を受けました。2人の死者と18人の負傷者が出ました。負傷者の中には2人の子供がいます。
 聴覚障害のある人が複数名はホステルにいましたが、空襲警報に気づいていなかったそうです。

 18日午前 4 時頃には、クラスノグラード市が攻撃を受けました。数棟の建物が完全に破壊され、10 棟以上が被害を受けました。2 人が死亡し、さらに 2 人が負傷しています。

 この攻撃についてロシア国防省は、ロシア軍が「外国人傭兵の一時的な基地」を地上配備の精密兵器で攻撃したと述べています。90人以上のウクライナ軍人が死亡したと報告されていますが、ウクライナ側の発表と全く合致していません。


 ロシア軍放射能化学生物防衛部隊のイーゴリ・キリーロフ中将がザポリージャ原発で放射能漏れ事故が起こり、放射性物質が拡散した場合の予測分布マップを発表しました。
 それによると、放射性物質はウクライナだけではなくドイツ、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、ベラルーシ、モルドバといったウクライナに隣接する西側諸国領内にまで到来する恐れがあるとしています。
 このマップを見ましたが、ベラルーシの場合、ブレスト州南部が汚染されてしまいますね。ウクライナは国土の大部分です。
 しかし、このマップを作成したのがロシア軍人だからなのか、ロシアは全く汚染されないことになっています。どうして? 1000キロ以上離れたポーランドやドイツにまで到達するのに、もっと近いロシアには全く到達しないというのはどういうことでしょうか?
 はっきり言って、風向きによるのでロシアが風下になったら、当然ロシアも汚染地域となります。かなり広範囲となるでしょう。
 
 
 ザポリージャ原発の原子炉につながるタービン室の内部にロシア軍車両がすし詰めに配置された動画がインターネット上で出回っています。


 ロシアは今日、極超音速弾道ミサイルを搭載した戦闘機3機を飛び地カリーニングラードに配備しました。これで西側諸国ににらみをきかせるようです。


 2006年からウクライナに住んでいるベラルーシ人が、ウクライナ軍の情報をベラルーシKGBに流したスパイ容疑で逮捕され起訴されました。今日の判決では5ヶ月間の禁固刑で比較的軽い刑が出たと報道されています。

 
 ベラルーシとリトアニアの国境地帯で起きた出来事。
 ベラルーシ人男性が陸路でリトアニアに入国しようとしていて、パスポートコントロールで入国審査を受けた。パスポートにスタンプも押されて、入国しようとしたときにその係員のリトアニア人女性に褒め言葉を言った。係員は逆にこの男性をベラルーシへ帰そうとした。(私の予想ではセクハラ発言をしたのか、発言したと取られたものと思われます。)
 ベラルーシへ帰りたくなかった男性は走ってリトアニア側へ。森の中をさまよっていたときにリトアニア側に発見され、手錠をかけられ、国境にある検問所に閉じ込められた。男性は歯で窓を開けて脱走。今度はベラルーシ側の検問所へ助けを求めた。ベラルーシの出入国管理局が連絡して、手錠をはずしてもらった。男性はリトアニアに入国できず、ベラルーシへ戻った。
 ・・・国境で何をしているんでしょうか。しかし、手錠をかけるのは行き過ぎでは。

 ポーランドとの国境地帯では、昨日、一人のポーランド人がベラルーシの検問所にやってきて、ベラルーシのビザはないことを言いました。ベラルーシ側の検問所を通過する際、難民申請をしました。まあ、こういう人もいます。
 ベラルーシ側の判断で、国境を通過することが許され、ベラルーシで難民申請手続きをするそうです。

 ロイター通信は今日、クリミアにあるロシアのベルベク軍用飛行場近くで4回の爆発が起きたと伝えました。ロシアに属する地元当局も同日、露本土とクリミアを結ぶ「クリミア大橋」付近で爆発音があったと明らかにしました。

2022年8月17日。ウクライナ侵攻から175日目

2022-08-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月17日。

 中国は、ロシアの軍事演習「ボストーク-2022」を中国軍が参加することを決定しました。8月30日から9月5日まで行われます。
 同様にベラルーシの派遣団もこの軍事演習に参加します。少なくとも250人が参加する予定です。
 中国、ベラルーシ以外にもインドとタジキスタンの軍も参加表明しています。


 ベラルーシとアゼルバイジャンは軍事的な協力関係を促進していくことに同意しました。


 エストニアは、公共の場にあるソ連時代の記念碑などを撤去することを決定。国内で次々と記念碑の撤去作業が続いています。
 対ロシア国境近くのナルヴァに設置されていたソ連の戦車「T-34」のレプリカは、エストニア戦争博物館に移送されます。同国第3の都市ナルヴァは、人口6万人のうち97%がロシア語話者だそうです。
(その国の三番目に大きい都市の人口が6万人というのは少ないですね。でも、数で見るとロシア語話者が何万人もいるのか・・・と思いました。)


 ポーランドのメディアが、ドイツがポーランドの一部地域を占有しようと画策しているとか報道しています。
 まあ、嘘でしょ、と思うのですが、昨今の各国状況では・・・
ロシアがウクライナ侵攻。つまりロシアがウクライナを占有しようとしている・・・とウクライナは主張。もちろん断固阻止したいウクライナ。クリミアなどはロシアが実効支配済み。
 ベラルーシは、ポーランドがベラルーシ西部地域を占有しようとしていると主張。もちろん断固阻止する構え。
 ポーランドは、ドイツがポーランド一部地域を占有しようとしていると主張。
 みんな、隣の国が攻めてくる、領土を取られると騒いでいます。
(日本でも、ロシアに北海道が攻め入ってくる、と発言している人がいますね。)
 ロシアとウクライナの攻防は実際に起ったことですが、それ以外は、私の考えですが、国内に国民が不満や不安(特に経済面)を持っているのを、他に視線をそらすために国の外に意識を向けさせているだけのような気がします。
 国民が「物価高だ。政府は何とかしろ。」と文句を言うと、「国外に目を向けなさい。外敵が攻め込んでくるのかもしれないんですよ。危ない。物価高なんか大きな問題ではない。」と国民の意識をそらしているように見えます。


 ウクライナ国防省情報総局は今日、ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミアの軍用飛行場から、少なくとも戦闘機24機とヘリコプター14機を撤収したとSNSに投稿しました。軍用飛行場などで起きた爆発を受けた措置だろうと予測しています。


  ベラルーシとジンバブエは、教育に関する協定を結ぶ準備をしています。
 つまり、ベラルーシ人がジンバブエの大学に入学しやすくなり、またジンバブエ人がベラルーシの大学へにゅうがくしやすくなるということです。さらにベラルーシの大学の卒業証書がジンバブエで有効となり、就職しやすくなる(その逆もあります。)ということです。
 でも、ベラルーシ人高校生でジンバブエの大学に入学したい、ジンバブエで就職したいという人は非常に少ないでしょう。ポーランドなどが簡単に受け入れてくれるからです。逆にジンバブエ人でベラルーシへ留学したい、就職したいという人は多いかもしれません。そうしてベラルーシの人材不足、人手不足をジンバブエ人が補ってくれる社会に変わるのかもしれません。

 ポーランドの大学に留学しているベラルーシ人の数が1万人を超えました。
 ポーランド国立研究所情報処理センターによると、2021 年12月31日の時点で、約86,000人の外国人留学生がポーランドの大学で勉強しています。
 1番多いのはウクライナ人で、約36,000人。
 2番目はベラルーシ人で、11,076人います。
 3番目 はインド人。2,448 人です。
 大学卒業後、このベラルーシ人が帰国して就職するかと言うと、希望者は少ないでしょう。多くがポーランドで就職しようとします。こうして優秀な人材がポーランドに残ります。
 こういう人もいますしね・・・
 今年NASAが企画したコンテスト「リスキー・スペース・ビジネス:NASA AI リスク予測チャレンジ」の「リスク予測」カテゴリーで入賞したAlexander Poplavskyさんですが、ポーランドからの参加となっています。実際にはベラルーシ生まれでベラルーシ大学を卒業した宇宙物理学者です。
 このニュースはベラルーシではベラルーシ人がNASAのコンテストで入賞!と報道され、ポーランドではポーランド人が入賞したと報道されています。

 ポプラフスキーさんはベラルーシ大学入学後、学生をしながらベラルーシ大学附属高校で天文学を教えていました。卒業後、研究のため中国やアメリカなどの研究機関を渡り歩き、2018年にはポーランドのAIソフトウェア・ソリューション開発企業のクラクフ支店で働き始めたそうです。
 そのため自分はポーランドへ亡命したベラルーシ人ではないと話しています。ポーランドの天文学者と見なされているコペルニクスを引き合いに出して、コペルニクスもイタリアで学んでいたとインタビューで話しています。(だから。コペルニクスをイタリアの学者とイタリア人が見なすことはできる、とも話していましたが、これを聞いたらポーランド人は反発するかなあと思いました。でも反発したら、ポプラフスキーさんがポーランドの学者だと見なすこともポーランド人はできなくなってしまいますよねえ。)

 研究や学問のためにいろんな国へ移動するのは、当たり前のことだという認識で、ベラルーシ人が特に2020年の大統領選挙後、数多く出国していることについても、
「さまざまな事情でベラルーシを離れる人が多いので、共通した説明はできません。しかし引っ越しというものは普通のプロセスだと思います。何千年もの間、人はそれまで住んでいた土地から新しい領域を探索し、新しい世界を発見してきました。知識を得て、探求し、発展させたいという欲求は、人類の特徴だと思います。」
と述べました。

 そして、今回のコンテストで入賞した研究の内容についてなのですが、NASAのサイトを読んでも私はさっぱり意味が分かりませんでした。(笑)
 しかし、ベラルーシのメディアの取材で、ご本人が分かりやすく説明してくれていました。それによると例えば、宇宙空間に浮かぶ人工衛星や宇宙ステーションに何らかの衝撃波が届くとする。そのため人工衛星や宇宙ステーションが揺れてしまう。その中にある精密機械や作業用の機材などが影響を受けて破損してしまうかもしれない。それで、どういう衝撃波がどのように人工衛星などにぶつかったときに、どのような機材や精密機械にどれぐらいのレベルの影響が出るかをシュミレーションできる計算方法を開発したので、それをコンテストに出したということだったのです。
 ご本人の解説を読んでやっと意味が分かりました。このシミュレーション計算方法ですが、仕事の合間の土日3回分、つまり6日間で作成したそうです。すごい。やっぱり頭のいい人はちがいますね。