ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

バラノヴィチ文学愛好者会 4

2019-10-19 | 日本文化情報センター
 そして同じく、イオシフ・ゴシケーヴィチについての書籍(オブホワ著)もバラノヴィチ市立中央図書館に寄贈しました。 
 私の間違いでなければ、バラノヴィチにゴシケーヴィチは来たこともないです。しかし、せっかくなので、ゴシケーヴィチ、聖ニコライ・ヤポンスキー、新島襄についての紹介をしました。
 この文献は文学書ではなく、歴史研究書ですが、バラノヴィチにもきっと幕末の国際交流に関心のある人がいると思いますので、ぜひ読んでほしいと思いました。
 文学愛好者会会員の中には中国人の人もいて、聞けば、バラノヴィチにある大学に留学していて、今はベラルーシで働いているとのことでした。
 ゴシケーヴィチは正教の布教のため、北京に10年近く住んでいたことがあった、と言う話をしたところ、知らなかったと驚いていました。(知らなくて当然と言えばそうです。)
 いろんな国を訪れたことのある(現在の南アフリカ共和国にも足を踏み入れていますね。)ゴシケーヴィチはこのような場での話のテーマとしては、選んでおいて助かります。ゴシケーヴィチよ、ありがとう。功績のおかげで、今の私の仕事に役立っています。

 またこの他にも、「ヘダ号建造の物語」(日本大学国際関係学部
 安元ゼミナール制作)ロシア語版も寄贈しました。(絵本ではなく、PDFファイルをダウンロードしてプリントアウトしただけものです。多くの経費がかかるものではありませんが、プリント代をチロ基金が負担しましたので、ここでご報告いたします。)

 図書館を通じて、日本文化に興味を持ってくれるバラノヴィチ市民、親近感を持ってくれる人たちが増えてくれるとうれしいです。
 多大なご協力、準備をしてくださったバラノヴィチ図書館司書の方々にも感謝しています。
 また、寄贈品(千代紙、短冊、寄贈文献書籍購入代、和人形、折り紙の花瓶と生け花など)をお寄せくださった、チロ基金支援者の皆様にも厚く御礼申し上げます。
 
 

バラノヴィチ文学愛好者会 3

2019-10-19 | 日本文化情報センター
 せっかくバラノヴィチまで来ましたので、この市立中央図書館にはベラルーシ国立文化芸術大学のヤロツカヤ先生の著書「日本文化に対するキリスト教の介入」を寄贈しました。
 地方都市ではなかなか入手困難な研究書なので、市立中央図書館には寄贈しておいたほうが役立つと言う考えです。
 

バラノヴィチ文学愛好者会 2

2019-10-19 | 日本文化情報センター
 とりあえず、会員の皆さんにはロシア語訳で百人一首を読んでもらい、その中から好きな歌を一首選んでもらって、ロシア語で朗読。それを私が通し番号を頼りに日本語で朗読した後、綺麗な和風の短冊にお習字して、プレゼントしました。
 私は習字は得意ではないのと、こう言う場では墨が早く乾いてほしいのとで、筆ペンを選んだせいで、あまり正統な書道にはなりませんでしたが、バラノヴィチの皆さんには喜んでもらえたようで、良かったです。
 
 でもやっぱり無茶振りしてくる人がもう一人いて、私が、
「あなたが一番好きな百人一首の歌の番号は何番ですか。」
ときいているのに、
「私には短歌をプレゼントしなくていいです。それより、日本人にとっての幸せとは何ですか? それを漢字で短冊に書いてください。」
と言ってくるベラルーシ人中年男性会員。
「それは、人それぞれ違うと思いますが。ある人はお金がたくさんあったら幸せだ、と言うだろうし、他の人は、ストレスのない状態と言うだろうし、また他の人は・・・」
「ああ、お金とかご馳走とか、億ションとか高級車とか言う漢字は書かなくていいです。」
「じゃあ、日本人が考える幸福で、形のないものですか?」
「そうです。」
「そんな質問、難しいんですが。」
「じゃあ、日本文学の中における日本人の幸福とは何か、と言う質問に変えます。」
 かえって、質問が難しくなっている気がしましたが、
「日本文学の中に限定するんですか? (それでいてロシア文学の中にはないもののほうが嬉しがるんだろうなあ、この人。)じゃあ、これですかね。日本文学の中でも特に古い方の文学の中にはよく出てきます。」
と言うことで、「不老不死 健康長寿」と書いてその人には渡しておきました。(あくまで私見ですが。浦島太郎とか竹取物語とかによります。)

バラノヴィチ文学愛好者会 1

2019-10-19 | 日本文化情報センター

 バラノヴィチ市立中央図書館での中学生の皆さんとのおりづるの集いが終了後、次に文学愛好者の会の皆さんが集まりました。
 この図書館にはバラノヴィチの文学者愛好者の会員が月に一回集まって、文学の話をしているそうです。
 今回は日本の文学がテーマに選ばれたのですが、何をテーマにするのか司書のナタリヤさんとも考えた結果、百人一首にしました。
 どうしてかと言うと、こう言う集まりに本物の日本人が来る、となると、いきなりロシア語で、
「私の好きな芭蕉の句は・・・・・・・です。」と暗唱し始め、
「で、この句のオリジナルを日本語で読んでください。」と言う無茶振りをしてくる人が絶対一人はいるのですよ。
 「古池や・・・」ぐらい有名な句だったら、私でもすぐ暗唱できますよ。でも、それほど有名な句でなかったら、一字一句間違えないで、オリジナルを思い出すのは無理です。芭蕉一人だけでも1万句は詠んでいるのに。

 その点、百人一首は全ての歌に番号が振ってあるので、「はい、何番の歌ですか?」と聞き返せば、持参したカンニングペーパーを見ればいいだけなので、すぐにオリジナルが分かります。
 と言うわけで、テーマを百人一首に決めました。
 この方法は大変うまくいきましたので、次回からもどこかの図書館からテーマは「日本の詩」と依頼されたら、百人一首を提案しよう、と思いました。

 でも、やっぱり無茶振りしてくるベラルーシ人はいるんですよ。
 今回も、日本の短歌はロシア語に訳すときに五行詩に訳すのですが、一人の会員女性が、
「私、ロシア語で五行詩を書いてきました。さあ、これを短歌に訳して!」
と私に頼んできました。
 日本語に訳して、しかも31文字に収めろ、と言うわけです。

 前にマクシム・バフダノヴィチの五行詩を短歌に(31文字に)訳したことがありますが、2時間はかかりましたよ。
 と説明して、ご理解を求め、この方の五行詩は字数制限は全く無視して、訳して渡しておきました。





バラノヴィチ図書館へおりづるの旅 4

2019-10-19 |   おりづるの旅
 ベラルーシは日本からは離れてはいますが、平和を望む気持ちは人種は関係なくみんな同じですね。
 禎子さんは戦争の犠牲者となり、おりづるに託した健康への願いは叶いませんでしたが、時間も距離も越えて、ベラルーシの人々にも思いが伝われば・・・とバラノヴィチの中学生のみなさんが笑顔で作った折り鶴を見ながら願いました。 

 バラノヴィチ図書館へのおりづるの旅については、この図書館のフェイスブックでも紹介されています。
 リンク先はこちらです。

バラノヴィチ図書館へおりづるの旅 3

2019-10-19 |   おりづるの旅
 「平和を守りたいと思った人は折り紙の鶴を作ってみましょう。」と声をかけ、みんなで折り鶴を作りました。
 鶴でなくても折り紙を作ったことのある子は、スムーズに折っていましたが、慣れてない子は遅れがち。でもできる子が手伝ってみんな仲良く完成させることができました。
 担任の先生も折り鶴ができたとき、とても喜んでいました。

 その後、チロ基金支援者の方からの日本のお人形、うちわなどの寄贈もしました。バラノヴィチ図書館の外国文学コーナーの中に日本コーナーを作ってもらえると思います。
 それから、恒例行事になった、参加者の皆さんのお名前を日本語で書いて個々にプレゼントしました。
 他にも「『宇宙』と日本語で書いて!」とお願いされ、みんなの好きなものをリクエストにお応えして日本語で書きました。
 日本語に興味を持ってくれるバラノヴィチっ子が現れたら嬉しいです。
 この図書館では英語講座、中国語講座、スウェーデン語講座など、さまざまな外国語が学べる場にもなっています。
 ベラルーシの図書館は、このような活動をしているところが多いですね。
(日本文化情報センターが入っているミンスク市立第5図書館では、必然的に日本語を教えています。)

 単に本の貸し出しや保管をするだけではなく、市民の気軽なカルチャーセンターとしての役割も担っているところがベラルーシの図書館の進む方向なのでしょうね。
 (そのあたり、日本文化情報センターとしては大いに利用しております。) 

バラノヴィチ図書館へおりづるの旅 2

2019-10-19 |   おりづるの旅
 ベラルーシの子どもたちからすれば、広島の原爆の話は、遠い国の昔の話のように感じると思うのですが、絵本は視覚的に印象を与えるようで、みんな真剣に話を聞いてました。(日本の学校の運動会のシーンの絵にも驚いていましたが、文化の紹介という面で絵本は有効ですね。)
 ベラルーシの中学生は禎子さんの運命に大変同情していました。

 このお話会では簡単なあらすじしか紹介できませんでしたが、この絵本はこの図書館の外国文学コーナーの所属文献になっているので、後日改めて興味の出てきた子どもは絵本を読みに来るでしょう。また司書の方も平和教育の一環で活用していくと話してくれました。
 

バラノヴィチ図書館へおりづるの旅 1

2019-10-19 |   おりづるの旅
 2019年10月19日、バラノヴィチ市立中央図書館をおりづるの旅へ行ってきました。
 この図書館では新美南吉「ごんぎつね」のお話会をしたり、茶の湯なども実施したことがあり、絵本「おりづるの旅」もすでに郵送して寄贈していました。
 しかし、実際に私が現地を訪れ、直接来館者のみなさんとお話をしたり、折り紙をワークショップをしたりするほうがよいので、スケジュールを調整してようやく再訪することができました。
 
 まず近くの中学校1年生のみなさんと担任の先生、保護者の希望者などおよそ20人が、日本人(私)の到着を待っていました。(日本から来たわけではなく、ミンスクから来ているのですが、後で「本当の日本人ですか?」と質問されました・・・。)