ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシルーブル大暴落

2011-05-31 | ベラルーシ生活
 ついに日本の新聞でも報道されてしまいましたね・・・。
 今は日本のほうがよっぽど大変な時期なので、このブログでは全く触れていませんでした。
 実はベラルーシ経済が混乱している状態がずっと続いているのです。
 ただ大統領は別に窮地には陥っていないと思います。この記事のタイトル、大げさです。でも実際、ベラルーシの経済状態はおおげさではないです。
「欧州最後の独裁者」ルカシェンコ大統領窮地 ベラルーシ経済危機(産経新聞) - goo ニュース

 「欧州最後の独裁者」ルカシェンコ大統領窮地 ベラルーシ経済危機
2011年5月31日(火)08:00
 ■露、統合路線を加速

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアの隣国、ベラルーシが深刻な経済危機に瀕(ひん)し、「欧州最後の独裁者」と称されてきたルカシェンコ大統領がいよいよ窮地に陥っている。旧ソ連型の経済運営を続けてきた同国だが、ここにきてロシア産石油・天然ガスの価格引き上げとバラマキ財政に耐えられず、外貨が底をついた状況だ。ロシアはベラルーシに国家資産の売却を迫り、同国の吸収・統合路線を加速させる思惑だ。

 ◆外貨準備急減

 ベラルーシは24日、自国通貨(ベラルーシ・ルーブル)を米ドル、ユーロ、ロシア・ルーブルの3外貨に対して54%切り下げる措置をとり、公定レートを1ドル=4930ベラルーシルーブルに設定。これに先立ち、ロシアを中心とするユーラシア経済共同体から3年間で30億ドル(約2460億円)の融資を得ることで基本合意した。

 ただ、今年の貿易赤字が120億ドルにのぼるとみられていた状況で外貨準備は30億ドル以下まで急減しており、通貨切り下げなどは弥縫(びほう)策にもならないと受け止められている。各地の両替所では外貨を求める人々の長蛇の列ができ、物価高騰を恐れる庶民は商品買い占めに走っている状況だ。

 ◆バラマキ財政

 ベラルーシはソ連崩壊後も経済改革を先送りしてきたことで知られ、安価なロシア産原油の精製と欧州諸国への転売で利益を得てきた。ロシアが近年、ルカシェンコ政権との複雑な関係も背景に石油・天然ガス価格の引き上げに動いたことが経済危機の第1要因だ。

 ロシアが昨年、ベラルーシ向け石油に関税を導入したのを受けてベラルーシの石油製品輸出量は前年から27%減少。逆にロシアからの天然ガス輸入額は前年比で55%も増えた。

 第2の要因は、2008年の世界金融危機以降、政権が財政出動で国内消費を刺激し続けたことだ。特に昨年12月には大統領選が行われたために政権のバラマキが度を強め、消費と貿易赤字の急拡大を招いた。

 過去のルカシェンコ氏はロシアと欧州連合(EU)の間で風見鶏のごとく振る舞い、双方からの融資を得て経済的苦境をしのいだ。

 ただ、EUは昨年12月の大統領選での反政権派弾圧を非難し、ベラルーシ高官の入域禁止など制裁を強めている。国際通貨基金(IMF)からも融資を受けながら構造改革の約束をほごにしてきた経緯があり、頼みの綱はロシアしかない。

 ◆「見返り」戦略

 一方、ロシアはベラルーシとの「連合国家」や「関税同盟」を形成しながら、ルカシェンコ氏の抵抗で国家統合の動きが停滞していたことに不満を抱く。

 このため、経済支援には国営企業の売却など「見返り」を求め、これを機にベラルーシの石油精製企業やパイプライン網、通信インフラを握る戦略だ。露ルーブル通貨の導入を迫るべきだとの意見も出ている。

 ベラルーシでは通貨切り下げによるインフレ圧力が高まっている上、危機脱却には痛みを伴う急進的改革が必要とみられている。「安定」を喧伝(けんでん)してきたルカシェンコ大統領への反発も予想され、独裁政権は土壇場に立たされている。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ベラルーシルーブルがどれぐらい暴落したのかというと、今年3月に1ドル3000ルーブルだったのが、5月31日の今日は5000ルーブル。
 闇両替では1ドル7000ルーブルで取引されているそうです。
 最近大統領が、今回の大暴落とは関係なく、前から予定されていた大統領同士の会談のためにカザフスタンへ行ったら、
「亡命か?」
という噂が流れました。(大統領は帰国した後それを聞いて怒っていた。)

 現在のミンスク市内の状況です。物によりますが、値段の高いもの(家具や電気製品)を売っている店は商品がほとんどない常態か、そうでなければ、急激に値上がりした値札が上から貼られている状態。
 食料品は日持ちのするもの(油、砂糖、酢、塩など)が商品の棚から消えました。さらに輸入商品がどんどん少なくなってきています。ベラルーシは一部の農作物は自前で充分まかなっていますが、それ以外の野菜や果物のほとんどが輸入です。

 ある日突然、
「明日から国中の砂糖、40%値上げします。」
とニュースで流れる。あわてて店に行ったらもう砂糖がない。こんな感じでした。
全体的に言うと全ての商品の値段が10%から200%値上がりしました。
 もっと値上がりするのでは、と思っているからみんな買いだめに走り回っています。

 大統領の命令により、国内産の商品をどんどん小売店に運ばせたため、今は商品棚は潤っています。しかしよく見ると、例えば砂糖なら砂糖で1種類の商品しかない状態。つまり、砂糖はたくさん売られていますが、全て同じパッケージのものがずらーっと並んでいる状態です。 
 生理用品や石鹸の類も、店の棚がすかすかです。あるいは1種類の商品だけが、店の棚にずらーっと並んでいます。選択の幅がないんです。
  
 銀行の両替は外貨を求めて列ができていますが、ベラルーシ銀行が手持ちの外貨をいっさい出さないことにしたので、他の銀行もそれにならい、とにかく一般人は価値の下がったベラルーシルーブルをまだましなうちに外貨に両替しようとしていますが、銀行の両替所に外貨が全くありません。
 誰かが外貨をルーブルに両替しようと窓口にやってきたら、列に並んで待っていた人が色めき立つ状態です。何時間も立ちっ放しで両替所に張り付いている人もいます。

 治安は悪くなってはいませんが、経済状態は大混乱中です。
 しかもいつこれが終わるのか、見通しが立っていません。
 隣のロシアからも見放されている状態。
 国中の企業を全てロシアなど外国企業に売却するほうがまだ助かるのでは、という極端な意見まで国民の間から出る始末。(私は反対です!)

 この間ふと自分の月給を計算したら、4割がた目減りしていました。
 月給20万円だったのが、突然12万円になってしまった感覚だと日本人の皆様には想像していただければ・・・。

 どっちかと言うと精神的に苦しいです。
 日本もベラルーシも早く事態の収束を!!!

 


チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第118回」

2011-05-30 |   ビタペクト配布活動
 5月30日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第118回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクトTを12個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1820個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1570部となりました。
  
 今回で通算128回目のビタペクト2(ビタペクトT)の配布となりました。延べ人数ですが、1820人の子どもにビタペクト2(ビタペクトT)を、1570家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクトTを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a



 今回はゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)に住む2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。
 それぞれの家族に話を伺いました。
 
(家族A)

 お母さんが4人の子どもと1人の姪を連れてきていました。この家族には5個のビタペクトTを渡しました。前回来ていた長男は大きくなったので、保養にきていません。
 この家族は2010年5月にもSOS子ども村で保養滞在していました。そのときの詳しい様子はこちらをご覧ください。
 チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第103回」
 (家族B)のほうです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/173ccb43e8ef2acd0d52b785f6291455


  それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトT(ビタペクト2)を渡しました。
 2010年5月の測定結果と今回(2011年)の測定結果を示しています。
 
母親(事故発生時14歳)  8ベクレル → 12ベクレル
長女(14歳) 0ベクレル → 39ベクレル ○
次女(12歳) 0ベクレル → 44ベクレル ○
三女 (6歳)18ベクレル → 29ベクレル ○ 
次男 (2歳)29ベクレル → 24ベクレル ○
姪 (13歳)32ベクレル ○ → 24ベクレル ○

 つまり1年前にビタペクト2を飲んだのは、姪の1人だけで、あとは0ベクレルであったりと、よいほうの結果だったのです。
 ところが、今年はどうしてこんなにみんな体内放射能が増えてしまったのか?
 姪っ子1人が
「ビタペクト2を飲んだから私は減った。」
と喜んでいましたが、減ったと言ってもまだ20ベクレル以上だから、再びビタペクト2を飲まなくてはいけません。
 お母さんはものすごくがっかりしていました。
 (今から考えれば、6歳の三女にも去年ビタペクト2をあげておけばよかった。原則20ベクレル以上だとあげることになっていますが。)

 3歳以上が対象のビタペクトTなのですが、お母さんはどうしても2歳になったばかりの次男に飲ませたい、と言うので渡しました。しかしもし腹痛など起こしても自己責任ですよ、と念を押し、半量だけあげてみて、何かあったらすぐ飲むのを中止すること。そしてもし余った場合、ビタペクトTはお母さんが飲んでしまうこと、を条件としました。
 
 SOS子ども村の医師リリヤ先生は、急にこんな数値になった理由を
「食べ物です。きのこでしょう。」
と言っていました。お母さんの話によると、去年は経済的に苦しく食費を減らすために、ゴメリ市近郊の森で野生のきのこを集めて、家族でかなりたくさん食べ続けたそうです。
「その森はきのこを採取するのが、許されている森なんですか? 禁止地域に指定されているところもあるでしょう?」
と尋ねるときのこ拾いをしたのは、禁止地域の森ではなかった、という答え。
 さらに去年渡した「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーに書いてある方法できのこを洗ったり、ゆでたりした、というのです。
 理由の真相はよく分かりません。考えられるのは、「きのこの洗い方をまちがっていた。」
「『チェルノブイリ:放射能と栄養』に書いてある方法はあまり効果がない。」(←そんなあ・・・。)
「ものすごく汚染されていたきのこだったので、ちゃんと洗ったりしても、まだ放射能が残っていた。さらにそれを大量に食べ過ぎた。」
 最後のパターンが一番真実に近いのでは? と私は思ったのですが、実際には分かりません。
 しかしこれが正しいとすると、きのこを採ってもよい、とされている地域でも実は汚染度が非常に高いことになります。

 お母さんは
「牛乳はたくさん飲むが、店で売られているもので、検査済みのはず。」とか
「店で鯉を買って食べたが地元でとられた鯉だった。」
とかいろいろ思い出して話していました。リリヤ先生は
「魚は放射能検査済みの証明書がついてないと店で売られないことになっているんですよ。」
と話しているのですが、買い物客がいちいち店頭で「証明書を見せよ。」と店員に求めることもないようです。
 結局理由ははっきり分かりません。もしかしたらいろんな食材から少しずつ放射能を摂ってしまい、合計でこのような測定値になったのかもしれません。

 さて、聞き取り調査です。14歳の長女は背骨が歪んでいます。
 12歳の次女は甲状腺の肥大が見られますが、第1段階だそうなので、特別な投薬治療は受けておらず、ビタミン剤だけ飲むよう医者に言われているそうです。最近血液中のホルモンの検査を受けたそうで、まだ結果は出ておらず、お母さんは心配していましたが、リリヤ先生は
「思春期に入るころ、血液中のホルモン検査をするのはよくあることです。」
とあっさり言っていました。
 ベラルーシでは中学生に血液中のホルモン検査するのがごく普通のことなのか、と驚いてしまいましたが・・・。

 6歳の三女は咳が出て何も食べないので、病院で超音波検査をしたところ、喉に嚢状の腫れ物が二つできていたため、手術して取り除くように言われたそうです。
 その後もう一度同じ医師、同じ場所で検査すると、腫れ物がなくなっていました。医師からは
「もうなくなっているので手術の必要なし。」
と言われました。その後風邪をひいたのですが、再び咳が出て何も食べられないので、また病院に行くと、やっぱり腫れ物が二つできていました。
 しかし、しばらくすると消える(超音波検査の画像に現れなくなる)ため、どうしてよいか分からず、放置されている状態です。
「この子はリンパ腺の形が奇形で、こうなっており、病気になると変わった形に膨らむので、腫れ物と見間違えた。」
と医師から言われたそうですが、他の医者は
「そんな形のリンパ腺の奇形はありえない。」
と言い、もめていました。
 結局、舌の付け根部分に良性腫瘍ができていた、と分かり、すぐに手術を受けたそうです。
 私は「下の付け根」と聞いて、その手術というのは、口をあーんと開けて、器具を口から入れていくのかな? と想像しました。実際には喉のほうを切開して、腫瘍を取り除く手術をしたそうです。喉のところに手術の痕が1本残っていて、痛々しかったです。
 リリヤ先生は
「大きくなったら薄くなるわよ。」
と言っていました。また子どもが歯が痛いと言うので虫歯だと思っていたら、実は喉の部分の病気が隠れていることがあるそうです。
 
 2歳の次男は肝炎にかかった状態で生まれてきて、生後4ヶ月まで黄疸症状があったそうです。しかし治療の結果改善し、最近の検査でも異常は見つからなかったそうです。
 今は風邪をよくひき、長引くことが多いそうです。

 13歳の姪は特に持病などはありません。
 しかしSOS子ども村に来てから、日光浴をしていたら赤いあざのようなものが体中にできて、かいていたら、ばい菌が入って化膿していました。こんなことがあるんですね・・・。


(家族B)

 お母さんが自分の子どもを3人、4人の姪を引率してきていました。この家族には7個のビタペクトTを渡しました。
 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。

母親(事故発生時10歳)21ベクレル
長男(15歳)30ベクレル ○
次男(9歳) 36ベクレル ○
三男(6歳) 24ベクレル ○
姪 (7歳) 28ベクレル ○
姪 (5歳) 25ベクレル ○ (この2人は姉妹。)
姪 (7歳) 34ベクレル ○
姪 (6歳) 32ベクレル ○ (この2人は姉妹。)

 15歳の長男は習慣性扁桃炎で、肥大が見られるそうです。
 9歳の次男はハーブティーを飲んでアレルギーを起こしていました。
 6歳の三男は生後2ヶ月のとき、左足の大腿骨の付け根の関節部分が腐ってくるという病気になりました。医者は足がまっすぐになるようにするため、両足の付け根をひもでくくって脚が閉じるようにした上で、ベビーベッドの上の天井から脚をぶら下げ、お尻はやや浮かすようにして仰向けに寝かせるように言ったそうです。この状態で1ヶ月寝ていたそうです。
 その結果脚がまっすぐになって状態がよくなったそうです。しかし2歳になってようやく歩けるようになったそうです。病気そのものは進行中で、それをとどめるために抗生物質を飲んだり、脚に注射したりしています。
 将来的には腐っている骨の関節部分を切り取る手術をして、人工の関節をつけることも考えているそうです。リリヤ先生は、そうしたほうがいいと話していました。確かに小さい子どもが薬を飲み続けるというのもあまり体全体によくないような気がします。
 リリヤ先生は症状が悪化するから、絶対に体の中にウイルスが入らないように、絶対風邪をひいてはいけない、とお母さんに話していました。
 
 7歳の姪(28ベクレル)は咳をよくしており、熱を出したり風邪をひくことが多いそうです。
 6歳の姪は生まれつき心臓に穴が開いていました。そして手術をするという話でしたが、成長するに従い、穴がどんどん小さくなってきて、この調子だと手術しなくてもいいのではないか、という話になっているそうです。
 5歳の姪は喘息、慢性気管支炎を患っています。
 リリヤ先生は風邪の予防に、秋に免疫力を高めておくこと、と話していました。 
 
 今回もいつものように子ども達に折り紙、折り紙の作り方のコピー、日本の絵葉書、おやつ昆布などをプレゼントしました。
 おやつ昆布は1人で何枚も食べる子もいて、おいしい!と話していました。この調子でどんどん食べてほしいですね。

 最後になりましたが、ビタペクトTの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や昆布など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

キャベツについて(追加情報)

2011-05-23 | 放射能関連情報
 4月24日に更新した記事「本「自分と子どもを放射能から守るには」農耕作編 2 農作物の種類」

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/8293655302efdbc574fd32087588abca


 この記事内で
「野菜類で放射能を「取り込みにくい」ものから順に挙げます。
 キャベツ、キュウリ、ズッキーニ、トマト、玉ねぎ、パプリカ、ニンニク、ジャガイモ、食用テーブルビート、ニンジン、大根、丸い形の豆(英語で言うとPea)、大豆、長い形の豆(英語で言うとBean)、スイバ(ほうれんそうに似ている野菜)」

 とご紹介し、この中で一番放射能を取り込みにくいのが、キャベツですと念をおしてあります。
 しかしその後複数の方からキャベツについてのお問い合わせを受けました。
 チェルノブイリ救援・中部では「キャベツはセシウムをよく取り込む」と言っておられるそうです。
 こちらのグラフをご覧ください。

http://matome.naver.jp/odai/2130291493181271301/2130291502781272503


 そのため、キャベツは放射能を取り込みやすいのか、それとも取り込みにくいのか、詳しい情報を教えてほしいという問い合わせでした。
 申し訳ないのですが、私自身はこの問いにお答えすることができません。
 私は執筆者であるベルラド研究所から許可をいただき、書かれていることだけを翻訳しただけなので、どうしてこのような結果になったのか、専門家ではないので分からないのです。

 この本「自分と子どもを放射能から守るには」は副題に「親のための手引書」とあるように、ベラルーシの一般人向けに執筆されたものです。
 したがって詳しい実験方法や観察データ(どんな種類の放射能性核種を対象としているか)についてなど、専門的すぎることは書かれていません。あくまで結果はこうでした、ということしか載っていないのです。

 列挙したこの野菜類の中では、キャベツが比較的放射能を一番取り込みにくかった、ということで、他にもキャベツ以上に取り込みにくいものがあるのかもしれません。
 今度ベルラド研究所へ行ったときに実験方法など詳しくきいてこようと思っています。何か分かり次第、このブログでご紹介します。

 ただ、私から言えることは、これはあくまでベラルーシ国内での結果だということです。日本とベラルーシでは同じキャベツ栽培と言っても、気候がずいぶんちがうので、栽培期間、日照期間、湿度などが異なりますし、水質、土壌、肥料の種類も異なる点が多いと思います。
 できたら日本で日本の方法で日本のキャベツで実験して、その結果が得られれば一番いいのですが・・・。
 今の時点で、もしキャベツに対し、不安を感じられるようであれば、食べないようにする、栽培しないようにすればいいとは思います。
 しかし私としては、キャベツをきれいに洗ったり、表面の皮を取り除いたりして、できるだけ放射能を少なくすればいいと思います。

 このブログでいろいろご紹介している内容は、ベラルーシではこうでした、という一つの結果です。
 日本の状況にそっくりそのまま当てはまるわけではありません。参考とするのはいいのですが、ベラルーシがこうだったからといって、日本で全く同じことが起こるとは言い切れないと思います。
  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 このキャベツについでですが早速、福島県南部在住の方と千葉県在住の方から、情報をいただきました。
 福島県では実際に多くの農産物モニタリングが行われており、近隣県にくらべて安全を確認しやすいという状態になっているそうです。
 すばらしい! さすが日本人は行動が早い。これがベラルーシだったら
「野菜のモニタリング? 今から種まくからちょっと待ってね。」
と1年ぐらい待たされますよ。
 
 福島県のこちらのホームページによると


http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=E59901C5FD0C01539D16C3F16642424E?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23692

 キャベツは比較的にセシウムの移行は少ないようで、土2,000Bq/kg以下の土壌で栽培したものは、ほとんど検出されない状況です。

 またセシウムに関するウイキペディアの記述でも

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0


「植物の種類及び核種により移行係数は異なる。イネ、ジャガイモ、キャベツを試料とした研究によれば、安定同位体のセシウム133と比較すると放射性のセシウム137 (137Cs) は植物に移行しやすい。米では胚と糠層のセシウム濃度が高く、キャベツでは外縁部のセシウムおよびストロンチウム (Sr) 濃度が高くなることが報告されている。」

 ということなので、やはり外側の皮、3-4枚を取ってしまうのがいいということですね。(^^)

 情報提供くださったお二人には感謝申し上げます。ありがとうございました。

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 さて、さらに追加情報です。これは他の方から教えていただきました。

 放射能に汚染されたポドソル性砂質土壌で育てた場合は、キャベツがセシウムを取り込みやすい、というデータがあるそうです。
 つまり同じキャベツ、同じ汚染度の土壌でも、土壌の種類によって、キャベツが放射能を吸収しやすくなったり、しにくくなったりする、ということです。
 ベララド研究所の本「自分と子どもを放射能から守るには」にもポトゾル土壌は農作物に放射能を吸収させやすい、とあります。
 それで、ポトゾルとは何かと言うと、寒冷な地帯に多い水はけの悪い土壌で、ロシアのシベリアに多く広がっています。ベラルーシもポトゾル土壌が多いです。
 日本では北海道の一部ぐらいにしかなく、この土壌で野菜を作っている農家は稀だと思います。
 ですから日本でこのポトゾル土壌で栽培された(放射能を吸収している)キャベツを食べるということもめったにないと思います。 
 情報提供してくださった方、調べてくださってありがとうございました!
 謎が一つ解けましたね。

「NHKスペシャル|汚された大地で チェルノブイリ20年後の真実」

2011-05-17 | 放射能関連情報
 以下のサイトで2006年4月16日(日)放送された「NHKスペシャル|汚された大地で〜チェルノブイリ20年後の真実〜」を文字に興したものを見ることができます。
 貼り付けたのはその第1回目です。全部で第5回目まであります。

http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65733900.html


 チェルノブイリ原発事故の影響がそのまま日本の状況に当てはまるとは限りません。
 しかし、このような大規模な放射能漏れの事故は歴史上まれですから、これからの日本で生きるために何か参考になることがあるかもしれません。
 さばさんに教えてもらって見たのですが、これが今から5年前の状況だったか、と改めて思いました。
 さらに5年後、10年後はどうなっているのでしょうか・・・。ベラルーシも日本も。

低レベルの放射能でも危険があります

2011-05-14 | 放射能関連情報
 放射線の安全の基準は「1年1ミリシーベルト」か20ミリシーベルトか? はたまた100ミリシーベルトなのか? という問題ですが、私が言いたいのは、チェルノブイリ原発事故後、放射能汚染が世界1広がってしまった国、ベラルーシでも1年1ミリシーベルト以下を安全基準として定めているということです。

 それから、脅かすつもりはないのですが、低レベルの放射能でも危険があります。
 普通、放射能の被爆量が増えれば増えるほど、病気になるリスクも比例して増えます。
 しかし、先天性の異常を持って生まれる子ども(つまり奇形児)が生まれる率は、被爆量と比例していません。
 皆さんは数学の授業で比例のグラフを勉強したことがありますね? 比例のグラフの線はまっすぐの線で、右上に斜めに伸びていますね?
 ところが、被爆量と先天性の異常が発生した率をグラフにすると、まっすぐの線にはならず、M字型になります。
 つまり、低レベルの被爆と高レベルの被爆のときに、異常が高く発生しており、中レベルの場合は、異常が低く発生している、ということです。
 これはミンスクにある国立遺伝性疾患研究所の報告です。
 どうしてこのような形になるのかは分からず、分かった人は
「ノーベル賞がもらえる。」
のだそうです。

 この研究所によると、ベラルーシでは全体で事故後約2倍近く、異常のある子どもが生まれています。
 しかし実際には事故の後は中絶する人が急増したため、これがもし全員生まれていたら、この2倍という数字も変わってくると思います。
 種類としては一番多いのが多指症(6本の指がある。)ですが、これはある程度成長したら、外科手術で6本目の指を取ってしまいます。
 そのほか無脳症の子どもがたくさん生まれたそうです。
 
 ただし、声を大にして言っておきますが、これはベラルーシでの事例であり、日本でこの結果がそっくりそのまま当てはまるとは限りません。
 低レベルの被爆をした人が「異状のある子どもを生みたくないから、もう少し被爆しておこう。」と考えるのは、当然間違いです。
 他の病気になるリスクが低レベルより中レベルのほうが増えるのですから・・・。
 
 何といっても、被爆などしないに越したことはありません。
 1ミリシーベルトまでは大丈夫、と安心するより、被爆ゼロを目標にしてください。

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第117回」

2011-05-10 |   ビタペクト配布活動

 5月10日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第117回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクトTを13個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2(ビタペクトT)は合計1808個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1560部となりました。
  
 今回で通算127回目のビタペクト2(ビタペクトT)の配布となりました。延べ人数ですが、1808人の子どもにビタペクト2(ビタペクトT)を、1560家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクトTを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a



今回は2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族に話を伺いました。

(家族A)

 ミンスク州の南にあるスタールイエ・ダローギ(チェルノブイリ原発から約220キロ)から来た家族。
 この家族には8個のビタペクトTを渡しました。この家族はお母さんの実子は1人だけで、全部で14人の子どもを里子として養育している家庭タイプ孤児院の家族でした。14人のうち、8人を今回SOS子ども村へ引率していました。
 それぞれの体内放射能値はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。
 
母親(事故発生時26歳)12ベクレル
息子 (9歳) 24ベクレル ○
女子(13歳) 26ベクレル ○
女子(13歳) 22ベクレル ○
女子(11歳) 24ベクレル ○
男子(10歳) 22ベクレル ○
女子 (9歳) 24ベクレル ○
男子 (8歳) 23ベクレル ○
女子 (8歳) 20ベクレル ○

 8歳の男の子と女の子は双子です。ミンスク州にあるスタールイエ・ダローギは放射能汚染地域ではありません。
 しかし全員体重1キロ当たり20ベクレル以上の測定結果でした。
 子どもたちの健康状態について聞き取り調査をしました。
 9歳の息子は心雑音が聞こえています。
 9歳の女の子は顔に血管が浮き出て見えるようなあざ(血管腫)があります。生まれつきあったのかどうかは、5歳のときこの家に引き取られたときにすでにあったけれど、それ以前のことは分からない、というお母さんの話でした。もう少し大きくなったら、レーザー治療で取るそうです。
 8歳の男の子はアデノイド肥大で、手術で切除しました。さらに扁桃腺も取る手術をしています。それからまだおねしょをするときがあるとお母さんは話していました。
 
 子どもたちの多くは孤児院の子どもで、親が死亡したケースもありますが、多くは母親が出産後子どもを置いて行方不明になったケースが多いそうです。
 1年ぐらい経って、居場所が分かった場合もあり、生みの親の現住所も分かっているときもあるそうですが、親のほうは子どもに会いたがらないそうです。
 

(家族B)

 ミンスク州の南にあるコプィリ(チェルノブイリ原発から約280キロ)から来た家族。
 この家族には5個のビタペクトTを渡しました。この家族も実子は1人だけで、全部で16人の子どもを里子として養育している家庭タイプ孤児院の家族でした。16人のうち、5人を今回SOS子ども村へ引率していました。
 それぞれの体内放射能値はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。

母親(事故発生時22歳)14ベクレル
娘 (13歳) 26ベクレル ○
男子(14歳) 24ベクレル ○
女子(14歳) 23ベクレル ○
男子(12歳) 24ベクレル ○
男子 (8歳) 20ベクレル ○
 
 8歳の男の子はアデノイドが肥大していますが、手術して取ったりはしていません。
 13歳の娘は2年前、ガラスの破片で腕を切ってしまいました。傷跡が残っていますが、体が成長するにつれ、縫合した部分が引きつれを起こして痛むそうです。
 大人になって体が成長しなくなるまで、待つしかないようなことを医者には言われたそうです。

 この家族が住んでいるコプィリもミンスク州で放射能汚染地域に指定されていません。しかしやはり子ども全員が体重1キロ当たり20ベクレル以上の測定結果です。
 この子ども5人全員が、アイルランドへ夏季の保養滞在に行ったことがあるそうです。

 今回もいつものように子ども達に折り紙、折り紙の作り方のコピー、日本の絵葉書、おやつ昆布などをプレゼントしました。
 「この中で海草が好きな人は誰ですか? 手を上げてみて!」
と言ったら、3人しか手を上げなくて、ガクッ!
 しかしおやつ昆布には抵抗はなかったようで、口に入れていました。やはりもともと好きだと言っていた子どもはおいしいと言って、あっと言う間に食べていました。
 海草は好きじゃない、という人もこれをきっかけに昆布料理を食べてほしいですね。

 最後になりましたが、ビタペクトTの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や昆布など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

カルシウムを摂りましょう

2011-05-01 | 放射能関連情報
 すでに放射能性物質であるヨウ素やセシウムが検出され、「微量」とか「基準値を上回る」とか細かく報道されています。
 それはいいことです。しかしちょっと気になることがあります。それは同じく放射性物質のストロンチウムのことです。
 原発事故が起き、放射能が漏れるとまずヨウ素が見つかり、次にセシウム、その次はストロンチウムの順番で見つかる場合が多いです。
 こうして考えるともうすぐストロンチウムの順番がやってきそうです。
 ストロンチウムが体内に入ってしまうと、骨に蓄積されます。一度骨にたまると排出するのはとても難しいです。
 現代の科学では骨に蓄積したストロンチウムを分離して体外に排出させることは、不可能だと思っておいたほうがいいです。
(鼻など軟骨部分にたまったストロンチウムは、排出されることもあります。)

 こうならないように、今のうちにカルシウムを摂ってください。カルシウム不足ですかすかになっている骨の隙間にストロンチウムがどんどん入ってきます。
 まだ間に合う今、カルシウムを摂ってください!
 と思ったら、このようなニュースが・・・

5月1日付 朝日新聞
  牧草の禁止地域設定へ 農水省、16都県に調査依頼

牛の放牧や、牧草を牛に与えることを禁止する地域を近く設定する方針を、農林水産省が決めた。放射能で汚染された牧草を食べた牛の原乳や肉から基準以上の放射性物質が検出されることを防ぐための措置。すでに福島県や千葉県の一部では、牧草から放牧禁止の基準を大幅に超える放射性物質が検出されている。

 農水省によると、汚染された牧草を食べた場合、乳牛は放射性ヨウ素がすぐに原乳に混じる。放射性ヨウ素は半減期が短いため肉牛は成長の過程で薄まるが、半減期が30年と長い放射性セシウムは筋肉などに残ることがわかっている。

 このため農水省は4月中旬、牧草1キログラムあたりの基準を、乳牛の場合で放射性ヨウ素は70ベクレル、放射性セシウムは300ベクレルと設定。肉牛は放射性セシウムだけ300ベクレルとした。基準は、牧草の放射性物質が原乳や牛肉に移る割合を調べた国際原子力機関(IAEA)のデータを参照した。牧草を食べる家畜のなかでも、価値が高く広く飼育されている牛を優先して基準をつくった。野菜は洗った状態で検査するが、牧草は洗わずに牛に与えるため、基準が厳しくなった。

 農水省は、大気中のモニタリング検査結果から、汚染が懸念されるとして東北や関東甲信などの16都県に調査を依頼した。検査は5月半ばごろまでに順次終わる見込みだ。このうち福島県は30日に結果を発表。県内7カ所すべてで基準を超え、特に相馬市では放射性セシウムが約30倍だった。28日に発表した千葉県では、県中部の市原市で放射性ヨウ素も放射性セシウムも基準の3倍を超えた。

 牧草の放射能汚染の程度は牧草の形状や成長した時期にも左右されるが、市原市は福島第一原発から200キロ以上離れており、農水省は牧草の禁止地域は広がる恐れがあると見ている。

 肉牛、乳牛ともに、放牧と牛舎内での飼育方法があるが、基準を超えた場合、各都県が農水省の方針に基づき、畜産農家に放牧や牧草を牛に与えることをやめるよう指示する。罰則はない。福島県で原乳から基準を超える放射性物質が出た3月中旬以降、福島、茨城、千葉の各県などは既に放牧を自粛して牛舎内で管理しているが、対象地域に入ると、輸入牧草や原発事故前に収穫して室内などで管理していた牧草を使うことを強いられる。

 牧草は主に3月半ばの水素爆発の際に汚染されたとみられる。農水省は「牧草は5月中旬以降に収穫期を迎える種類がある。いったん刈り取った後に生えた牧草は汚染の程度が低いとみられるので利用できる可能性が高い。しかし、汚染状況によっては牧草の緊急輸入が必要になる可能性がある」と言う。農水省は牧草の購入費などは補償対象になるとみている。

 同省は牧草の制限で原乳や牛肉の安全性を守るとともに、原乳や牛肉のモニタリング調査も継続する。牛肉で放射性セシウムの基準(1キログラムあたり500ベクレル)を超えた結果はこれまで出ていない。福島県の28日の発表では、最も高い数値で葛尾村の牛肉が108ベクレルだった。(大谷聡)


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 ついこの間、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第116回」で
「ピンスクの牛乳は1リットル100ベクレルを越えている。危ない危ない。」
といったことを書いたばかりで、こういう日本発のニュースを見るとがっくりきます。
 しかもそのピンスクに住んでいる家族の中に2人も身体障害者の子どもが生まれているのです。どちらも骨の異常があります。

 しかし、皆さん「危ないから。」と牛乳を飲むのをやめると、カルシウム不足になり、そのぶんストロンチウムが体内に入りやすくなります。
 このブログでも公開していますが、水分の少ない乳製品には放射能が少ないのですから、風評に惑わされることなく、今のうちに乳製品を摂りましょう!
 安全な小魚を食べましょう! 
「小魚が全部危ない。」
という考え方は間違いです。
「牛乳が全部危ない。」
というのも間違いです。もちろん
「だから牛乳は飲むのをやめておこう。」
とするのはかえって、ストロンチウムが入ってくることになり、放射能対策になりません。

 どうしても気になる、という人はサプリメントのカルシウム剤を飲んでください。
 早めにしかし一気に大量摂取せず、日々の食事にカルシウム分を増やしてください。
 今からストロンチウム対策をすることを強くお勧めします。
 特に骨が伸びる成長期のお子さんにお願いします。
 

出張講演「ミンスク市第134番学校」 第2回

2011-05-01 | 日本文化情報センター
 4月22日にミンスクにある第134番学校にて出張講演を行いました。
 この学校には2010年2月にも講演を行いました。(詳しくはこちらです。)
出張講演「ミンスク市第134番学校」 その1

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/62239aa77cfb3ed6f5728787dc2b74a4


 この学校は音楽教育に力を入れている公立の学校です。ここで「芭蕉の詩」「茶の葉」などを作曲したアンナ・コロトキナさんの息子のイワンさんが、ピアノの先生をしているご縁で講演をする運びとなりました。
 当日は講堂に約300人の生徒さんや先生方が集まりました。

 本当はもっと早くに行く予定だったのですが、日本の震災のせいで、延期になり、その後ミンスクの地下鉄爆破事故のせいでまた延期となり、ようやく開催されました。
 生徒さんの中には去年の講演に参加して
「いつ(日本人)は来るの?」
と待っていた人も多かったそうです。お待たせしました・・・という感じで始まったのですが、今回は私も準備にあまり時間が割けず(なんせ、前日はチェルノブイリ25周年シンポジウムの本番で、それまでその準備のほうに追われていた・・・。)あまりいい内容の講演ができないのではないかと心配していました。

 しかし、美しい日本の風景ポスター(何といっても今は桜の花盛りの写真)を見せたら、歓声が上がりました。
 日本地図も持っていったのですが、時期が時期なので、地震や津波の話もしました。ツナミという言葉が日本語だったということを初めて知った生徒さんもいました。
 それからこどもの日が近かったので、小さいのですがこいのぼりも持参しました。男の子向けの話が多くなってしまったのですが、和凧も持って行きました。ベラルーシにも凧があるのですが、だいぶ形やデザインが違うんです。

 その後、日本の和食を紹介するDVDを大きいスクリーンに投影して見ました。
 和菓子の美しさと季節感を大事にするところにみんな驚いていました。
 築地市場の競りの声には、笑っていました。(^^;)

 それからこの学校の生徒さんのうちイワンさんの教え子7人が、壇上に上がり、ピアノ演奏をしました。しかも作曲家が日本人の作曲家の作品があって驚きました。
 ピアノの先生たちが一生懸命探してきたとのことです。
 それでおもしろかったのは、和食紹介DVDの中にお寿司の紹介をする作品が収録されており、ネタの名前のところをクリックすると、映像のなかで寿司職人がそのネタを使ったお寿司を作っていく様子が流れます。
 それでイワン先生が生徒が1曲演奏を始めると、1つのネタをクリックして映像を流したのです。すると演奏が終わると同時にお寿司一貫できあがり! に偶然になったりして、会場の人たちに大受けしました。
 私もベラルーシの小学生が奏でる美しいピアノ演奏に合わせて、お寿司がどんどん握られていくようすを見て、ものすごく不思議な感じがしてきました。
 日常を離れて不思議な空間に放り込まれたような・・・
 (これも前衛芸術の一つか?!)
 
 学校からは花束をいただきました。菊とバラの花を眺めていて、とても心が癒されました。最近心が痛むことばかりだったので・・・
 この学校に講演会をして本当によかったと思いました。先生も生徒さんも日本に関心を持っていてくれてありがたいことです。