ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年8月16日。ウクライナ侵攻から174日目

2022-08-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月16日。

 謎の火災(爆発)が起きたジャブロフカ飛行場(ウクライナ国境から約40キロの位置)の衛星画像を解析した監視グループ「ベラシアン・ハジュン」のテレグラム投稿によると、兵器が集められているそうです。
 あくまで予想ですが、ロシア軍がウクライナへの大規模なミサイル攻撃を行う準備を進めている可能性があります。ミサイルの飛行距離にもよりますが、ベラルーシ領内からの攻撃は、ほとんどウクライナ北部を目標にしている前提なので、首都のキーウもその中に入っていると思われます。

 さらにアメリカの宇宙技術企業マクサー・テクノロジーズの衛星画像を使った分析として同グループが指摘しているのは、同飛行場には超長距離地対空ミサイル「S-400トリウムフ」10~14基、近距離対空防御システム「パンツィリ-S1」2基、「KASTA-2E2」および「48Y6 Podlet」のレーダーシステム3基があるそうです。
 他にもこの飛行場には少なくとも15~60発のS-400地対空ミサイルの保管にも使われており、ロシア航空宇宙軍から追加が届けられる予定だとしています。
(このような軍事機密が堂々と報道されていることに違和感も感じますが・・・)


 クリミア半島で弾薬庫が爆発、近くの住民約2000人が避難しているとロシアメディアが先ほど報じました。変電所からも火が出たということです。
 この弾薬庫は一時的に保管することに使われていたそうです。単なる爆発事故ではなくそれを狙っての攻撃だとしたら、この倉庫にいつからいつまで弾薬を保管するのか攻撃した側は把握していたということになります。そうすると、ロシア軍の情報がだいぶ外部に漏れているのではないかと思います。
 
 変電所についてはザポリージャ原発から電気を送配するためのもので、爆発によりクリミアとヘルソン州を結ぶ鉄道輸送に支障が生じています。旅客列車の7本に遅れが出ているそうですが、被害はそれだけではないでしょう。

 ザポリージャ原発へ国際原子力機関が現地調査団の派遣を求めている問題で、ロシア外務省高官は昨日、ロシアが指定したルートでの現地入りを求めました。
 タス通信などによると、この高官は、国連側がキーウ経由で派遣する意向を示したことを受け、
「前線地帯や、我々が管理する地を抜けるのに、ウクライナ側が護衛する案はばかげている」
と述べました。ロシア政府は、ロシア軍が実効支配する地域を経由することを要求しているとみられ、現地調査が実現するかどうかは不透明です。

 ザポリージャ州の親露派は今日、原発近くの住宅地で砲撃があったと主張しました。また、ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムは、ロシア国内から同社ホームページに対し、「侵略開始以降、最大」のハッカー攻撃があったと発表しました。

 今度はロシア国内の原発についてです。
 ロシアのクルスク原発で8月4日、9日、12日にウクライナの妨害工作グループが高圧送電線 (110、330、750 kV) の 6 つの鉄塔を爆破した、と今日になってロシア当局が公表しました。
 この原発はロシアのクルチャストフ市にあり、1976年から稼働しています。

2022年8月15日。ウクライナ侵攻から173日目

2022-08-15 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月15日。

 今日、ベラルーシ大統領は、86人の子供を含む401人のベラルーシ国籍を認める命令に署名しました。
 2年前の大統領選挙後、数十万人がベラルーシを出国しましたが、これでベラルーシ人が増えました。
 このうち341人がウクライナ人で、主にドネツクとルハンシク出身です。
 このほか60人の出身地は、アルメニア、アゼルバイジャン、ジョージア、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ロシア、モルドバ、リトアニア、トルコ、シリア、エジプト、アフガニスタン、イラン、パキスタンと多岐に渡っています。

 ウクライナ副首相はへルソン州の住民に対して、「避難しなければならない」と呼び掛けました。冬場の暖房が確保できそうにないからです。おそらくインフラが破壊されており、冬までにそれを元通りにできないからです。
 すでに住民の半数がへルソン州を離れていますが、今後2万人以上が避難すると予想されています。


 7月22日の投稿記事にも書いたコルバン氏がウクライナに帰国できなくなったことについて、キーウのクリチコ氏市長が同情すると述べ、弁護する書簡に署名した後、ウクライナ大統領から、クリチコ氏のウクライナ国籍剥奪をほのめかす脅しが始まったと発言しました。
 直接「政府の決定に異を唱えるなら、ウクライナ国籍を剥奪する。」と言ったのではなく、「クリチコさん、あなたはまだドイツの市民権を持っていませんよねえ。」という言い方だったようです。
 クリチコ市長は、ドイツ国籍など取得しておらず、そのつもりもなく、キーウを離れるつもりもないことを述べて、反論。さらに、長年ドイツで働いている妻と離婚したことも発表しました。
 クリチコ市長は3人の子供もイギリスに留学中で、キーウ市長なのにその家族はキエフに誰も住んでいないのです。こんな状況で、外国籍を取るつもりはなく、ウクライナ国籍を奪われるのっは困る・・・というより、政府への批判をしています。
 クリチコ市長はキエフ市民に、冬に備えて暖かい服や毛布を買いだめするようアドバイスしました。
「停電になったときのために発電機を用意しています。暖房やガスがなくなる場合、燃料油の備蓄があります。しばらくはキーウ市は都市機能を保てます。しかし短期間にすぎません。」
 今からクリチコ市長は冬に向かって準備を進めると市民に演説で述べました。



 サウジアラビアのアルワリード・ビン・タラル王子の投資会社キングダム・ホールディングは今春、ガスプロム、ロスネフチ、ルクオイルに5億ドル以上を投資しました。 
 このようにロシアに経済制裁を科しても、別方面から支援してくれる人や組織があります。


 ベラルーシが国産の、あるいは国内にある砂糖を外国へ輸出できる期間が8月18日からさらに6ヵ月延長しました。
 砂糖不足になるという懸念もありましたが、すっかり払拭されていますね。


 今日の夕方、再びサポリージャ原発に攻撃、それに伴う爆発が起こったようですが、詳細は報道されていません。
 

2022年8月14日。ウクライナ侵攻から172日目

2022-08-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月14日。

 ザポリージャ原発があるエネルホダル市長は今日、ロシア軍が原発付近を少なくとも6回砲撃したと非難し、そのため原発職員1人が死亡、数人がけがをしたと通信アプリで明らかにしました。
 原発を稼働させているウクライナ人職員にも犠牲者が出たこと、憂慮されます。


 ロシアの民間軍事会社ワグネル。ウクライナのルハンスク州ポパスナに活動拠点本部を置いていました。
 そしてその本部が入った建物の前で覆面をしているものの記念撮影。ネット上に上げました。画像に写りこんでいたさまざまな情報から場所がウクライナ側により特定。ハイマースにより、ピンポイントで攻撃を受け、リーダーを含む数名のメンバーが死亡しました。(このリーダーはウクライナ人だそうです。ロシアの民間軍事会社に就職していたようですね。)
 うかつに画像をネット上に上げたらすぐに場所が特定されてしまう時代なんですね。
 

 ラトビアはすでに発給されている居住許可とビザを見直し、ロシアのウクライナ侵略を支持する人は取り消されるべきだとラトビア大統領が発言しました。
 将来的には、ロシアの市民権を取得したラトビア人も居住許可を発行されるべきではないという意見も述べました。
 つまり、ラトビア人がロシアの市民権(国籍)を取得した場合、ラトビアには住めなくなるということです。

 また、以前の政府の政策(ロシア人に居住許可を簡単に与える。その裏にロシア人ビジネスマンの利益が隠されていたこと)がラトビアの安全保障を脅かす結果となっているので、これらの政策を見直す時が来たとも発言しました。
 そしてロシアについて、どのような国家構成だったときでも、常に帝国主義的であり、近隣諸国に脅威を与えてきたと厳しく非難しました。
 ラトビアはウクライナ侵攻が始まった2 月24日以降、ロシア人に観光ビザを発給していません。ところが、シェンゲン・ビザを持っているロシア人はラトビアに入国できるので、これはあまり意味がありません。
 そのためラトビア大統領は、
「フィンランド、エストニア、チェコなどの考えが同じ国とともに、EUレベルでのロシア人への観光ビザの発行を停止するよう要求する必要があり、これはロシアに対する追加制裁となるだろう。」
と提案しています。
 確かに今は観光どころではないですよね。

 エストニアはシェンゲンビザをすでに持っているロシア人のエストニア入国をすでに制限しています。
 リトアニアもEU レベルでのロシア人へのビザ発行の終了を支持する姿勢を示しています。
 

 夫の友人でドイツに移住したベラルーシ人が久しぶりにベラルーシへ里帰り。
 ベラルーシやロシアのメディアでは、ドイツはエネルギー不足になり、物価が上がり、冬場の燃料として薪を用意しているなどと、ネガティブキャンペーンと思われるニュースばかり流しているのですが、実際に住んでいる人からすると、
「ドイツ広いし。私が住んでいるところでは確かに物価が上がったけど、特に混乱なんかしていない。」
だそうです。


2022年8月13日。ウクライナ侵攻から171日目

2022-08-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月13日。

 昨日の投稿記事でも書きましたが、ベラルーシ国内にあるリトアニア学校が閉校になった件について、リトアニア政府が抗議しました。
 リトアニア政府はベラルーシ大使館に抗議文を送り、リトアニア外務省のサイトには「(閉校に至るまでのプロセスも含め、今回の決定は)ベラルーシにおけるリトアニアの教育を排除しようとするベラルーシ当局の標的を絞った取り組みが継続していることを示している。リトアニアとベラルーシの間の二国間協定、および少数民族の代表者が母国語で学ぶ権利を確立している国際協定に違反している。」と掲載されました。

 閉校に至る前にベラルーシ側がリトアニア学校をベラルーシ語とロシア語で授業を行う「ふつうの」学校に移管することを決定していました。
 さらにその前に 、ベラルーシの少数民族の言語を使う私見の実施が中止されていました。
 結局、火事などが起きたときの避難ができない、防災もできないという不備があるという理由で閉校が決定しました。
 このような経緯があったのですね。


 11日深夜にジャブロフカ飛行場で起きた火災。その火災が起きた滑走路の衛星写真が公開されました。
 滑走路の途中に十字の形の焼け焦げが残り、近くの緑地帯にも草が燃えた跡が残っています。
 こんなところで、真夜中に飛行機の装備品交換をしていたら、発火して火災が発生し、爆発音が響き渡ったのでしょうか。
 この火災の続報などはベラルーシの国営メディアでは報道されていません。


 ウクライナ軍の同国南部を管轄する部隊の報道官は今日、ロシア軍が制圧する南部ヘルソン州ヘルソンのアントノフ大橋を再び攻撃したと明らかにしました。
 これでドニプロ川西側に駐留するロシア軍部隊の補給路遮断と孤立化を進むかもしれません。ウクライナ大統領も良いニュースだと演説内で述べています。

 8月15日から25日にかけてベラルーシ南西部ウクライナ国境近くで、大掛かりな軍事演習が実施される予定です。

2022年8月12日。ウクライナ侵攻から170日目

2022-08-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月12日。

 ベラルーシ大統領が国営のミンスク第1乳製品工場を視察訪問しました。
 工場長は、大統領に牛乳の値段を上げることを要請しましたが(ベラルーシでは商品価格は政府が決定しています。)大統領は却下しました。
 牛乳の価格を上げてほしいと工場長が要請(大統領への直訴)したのは、牛乳のパックであるテトラパックが経済制裁のために入手しにくくなり、その値段が高騰しているからです。
 ロシアでも経済制裁の影響でレシート用紙が不足したり、コピー用紙が作れなくなったりと問題になっていましたが、ベラルーシはテトラパックが希少になって牛乳を売ることが難しくなってしまったのです。
 この問題に対し、大統領は「牛乳は中身を飲むのであって、包装を食べるのではない。」だから牛乳の価格設定を上げることに反対しました。
 そして年末までに国内でテトラパックを製造開始できるよう、関係省庁に指示を出しました。

 ちなみにベラルーシの製紙工場は、周りに材料になる木はたくさん生えているのに、ソ連時代から貧弱で、製造している紙といえば、新聞紙、ダンボール、ノートぐらいでした。最近はさすがにコピー用紙を作るようになりましたが、テトラパックは製造していないのです。
 そうすると今度は牛乳を入れるパッケージがないので、牛乳を売ることができない、ということになります。 
 そこで、大統領指示により国内生産が始まるようです。
 昔ながらにガラス瓶に入った牛乳が再び店頭に並ぶ日が来るかもしれません。
 私が95年にベラルーシへ来たときは、牛乳は瓶に入ったのが売られていましたね。卵もパックに入っていなかったです。(ある意味、エコだったと思います。) 

 また農作業用機械の部品についても、故障した場合の交換用の部品が不足し始めたそうです。(これも経済制裁の世余波でしょうか。)
 これに関してもベラルーシ政府は、自国内で供給できるよう指示しました。
 

 カザフスタンは石油の供給をロシア経由のパイプラインや港を通じて行っていましたが、ウクライナ侵攻開始後、それらの経由地のターミナルの運用を一ヶ月間停止させられました。
 そこでロシアを迂回してアゼルバイジャン経由のルートに切り替えることを決定しました。


 ベラルーシにあるリトアニア系住民の児童が主に通っているリトアニア学校の一つが閉鎖されました。この学校はリトアニア政府によって設立され、授業はリトアニア語で行われていました。
 閉校の理由は、緊急事態が発生した場合に校舎から生徒と教師を安全に避難させる手段が講じられておらず、また防煙や延焼を防ぐ方法もなく、さらに倉庫が改造されて教室に使われていたことが分かったからです。
 要するに子どもの命を守る設備が不備であるため、閉校が決定したのであって、政治的な理由はない、ということです。
 この学校の生徒数はおよそ110人で、教員は24人。教員のうち10人はリトアニア人です。
 生徒は全員、地元のふつうのベラルーシの学校に転校させられます。教員も近くのふつうのベラルーシの学校に転勤させられます。
 ベラルーシにはありませんが、海外にある日本人学校がいきなり閉校させられたらどうなるでしょうか。
 ベラルーシ国内にはもう1校、リトアニア学校があります。

2022年8月11日。ウクライナ侵攻から169日目

2022-08-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月11日。

 2022年8月10日から11日に日付が変わったころ、複数回(4回から8回)ベラルーシのウクライナ国境から30キロのところにあるジャブロフカ飛行場で爆発があったと、べラルーシの軍事活動を監視しているテレグラムチャンネルが動画とともに伝えました。
 装甲車両やレーダーなどが破壊され、ミサイルシステムの一部が使えなくなった可能性もあり、犠牲者が出たとの未確認情報もあります。この飛行場はウクライナ侵攻が始まって以来ロシア軍が駐留しており、ウクライナ領への攻撃に利用されています。

 ベラルーシ国防省は今日、このテレグラムの報道について、機械から出火した火災だったと発表しました。
「8月10日午後11時ごろ、エンジンを交換後、装備品の試運転中に出火した。火はすぐに消し止められ、死傷者はいなかった。」
と説明しています。
 この出火した装備品が何かなど詳細は明らかにしていません。

 ウクライナのイグナト空軍報道官は今日、ベラルーシ反政府系メディアに対し、ジャブロフカ飛行場での爆発について、
「ベラルーシのパルチザン(抵抗運動)はウクライナを助けてくれている。」
と発言しました。
 9日のクリミア半島にあるサキ飛行場での爆発についても地下活動家の働きによるものでは?という憶測が出ており(ロシア、ウクライナ両軍ともに攻撃を否定。)またウクライナ国防総省のグロモフ主要作戦総局副局長も、ジャブロフカ飛行場での爆発はウクライナ軍によるものではない(そのような作戦の計画すら存在しない)と述べ、またジャブロフカ飛行場での爆発とサキ飛行場の爆発は類似していると指摘しました。
 つまり軍による攻撃ではないと言いたい(地下活動家によるもの)と言いたいのでしょうか。

 もしウクライナがベラルーシの軍用飛行場を攻撃したとしたら、ロシアのすべてのメディアがこのニュースを大々的に報道し、ロシア政府はベラルーシ大統領に、さあともにウクライナに反撃しようと提案するはずです。ロシアはベラルーシに参戦してもらいたがっているのですから、今回のジャブロフカ飛行場爆発事故(攻撃?)は絶好の機会です。
ところが、ロシア政府は沈黙しています。
 そしてベラルーシも「これは単なる火事です。」と主張していて、ウクライナ軍から攻撃を受けた(あるいはポーランドから攻撃を受けた)とは言いません。ベラルーシが参戦してほしくないです・・・。


 ウクライナの参謀本部は、最大13,000人のベラルーシ軍がウクライナに対する侵略に参加する署名したと述べました。
「ベラルーシ軍の6個大隊が対ウクライナ国境に沿って配備されており、任務を遂行しています。報告によると、ロシアはベラルーシをウクライナに対する本格的な戦争に引きずり込み続けています。ベラルーシの特殊作戦部隊と軍事部隊と機動隊の中から最大13,000人が、ウクライナとの戦争に参加する合意に署名しました。」
とグロモフは述べました。
 ベラルーシ人兵士の中にもロシアに助太刀することを承諾した人がいるということです。(強制された可能性もありますが。)
 ごく少数ですが、ウクライナへ戦闘のために行きたくないと拒否するベラルーシ人兵士もおり、軍から逃げてポーランドなどに出国(亡命)した人もいます。


 7月8日のリシチャンスク郊外での戦闘後、行方不明になり、死亡した可能性が高いとされているベラルーシ義勇兵のうち2名が、ロシア軍が提示したウクライナとの捕虜交換リストの中に入っていることが明らかになりました。
 つまり死んだと思っていたけど生きていて、ベラルーシ人だけれどウクライナのために戦っていたので、ロシア軍の捕虜になた後もウクライナ兵士と同じ扱いになっているため、ウクライナ軍が捕虜としているロシア兵との身柄交換として、ウクライナに生きて戻ることができるという可能性が出てきました。
 家族は当然、生きているなら捕虜交換の対象としてウクライナに移送してほしいと希望しています。

 ロシア国防省は外国人義勇兵の状況について、ロシア側の攻撃により犠牲が拡大し、ウクライナを出国する義勇兵も増えていると主張しています。
「ウクライナのために戦おうと思っていたけど、やめた。」
と考え直して帰国する外国人傭兵がたくさん出てきましたよ、とロシア国営メディアは伝えています。


 ベラルーシが経済制裁により、リトアニアのクライペダの港を使用できなくなった件について、ベラルーシ政府は早急に解決策を講じなければならないとしています。
 海のないベラルーシ。港までの輸送にリトアニア鉄道を使用することもできなくなっています。
 ロシアの北西部にある港をベラルーシの貿易に利用できる港として建設する案が出ています。ロシア側は協力的ですが、まだ場所は確定していません。

 
 野党リーダーのチハノフスカヤ氏の夫、セルゲイ・チハノフスキー氏が服役していた更生施設から間もなく刑務所に移送されることが明らかになりました。
 更生施設(という名称ですが、日本人に分かりやすく説明すると刑務所と少年院の中間のような施設で、軽犯罪者が収監されます。)から刑務所(重犯罪者が収監されます。)への移送なので、条件が厳しくなるようです。
 例えば面会や差し入れの機会が少ない、独房に入れられる、懲役も作業内容が厳しいなどです。

 
 

2022年8月10日。ウクライナ侵攻から168日目

2022-08-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月10日。

 クリミア半島にあるロシア空軍基地で9日に起きた爆発について、ロシア側は航空機用の弾薬が爆発した事故だったと説明しています。
 ロシア国防省は、攻撃は受けていないと主張し、ウクライナ側は爆発への関与を否定しています。
 双方とも攻撃していないと話しているということです。
 ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、今回の爆発について、現地のゲリラ部隊が行った可能性があるとの見方を示唆しました。正規の軍はどちらも預かり知らぬゲリラ部隊が独自に爆発させたかもしれないということです。
 一方、今日の夜のテレビ演説でウクライナ大統領は、ロシア軍がクリミア半島で「わずか1日に」戦闘機9機を失ったと述べたので、。今回の爆発が意図的な攻撃であったことを示唆する初めての公式な発言をしています。


 またクリミア半島で大規模な火災が起きているとされていますが、爆発音まで聞こえているにもかかわらず、ロシア当局は何の説明もしていません。(フェイクニュースの可能性もあります。)


 ロシア政府系テレビ局の番組の生放送中に乱入しウクライナ侵攻に抗議したジャーナリストのマリーナ・オフシャンニコワ氏の自宅に午前6時捜査官10人が入り、家宅捜査を開始し、同氏を拘束しました。先日は罰金刑を言い渡されていましたが、結局別件逮捕、起訴される可能性が出てきました。


 ロシアの国営テレビでは、アゾフ連隊の捕虜50人が死んだ収容所への攻撃について、ウクライナに不利になることをロシア軍に情報提供することを防ぐための口封じのためにウクライナ軍が攻撃(殺害)した、と今日も報道しています。
 またドネツク地方の村ではロシア軍が「占拠」したのではなく、ウクライナ軍から保護したと、という意味の「ロシア軍管轄下」管理下であるとテレビで報道。
 村の住民はロシア管轄下になって、ようやく平穏な生活になるとロシア軍に感謝の言葉を述べています。
 ただ映像を見ていると一人の住民しか取材に応じていないし、本当にその村で撮影した映像なのかもよくわからない編集です。
 疑いだしたらきりがないと言うか、情報戦というか、へえ、そうなんだと思い込む視聴者も大勢いるでしょう。


 ウクライナ中部ドニプロペトロウシク州で9日の深夜、2つの町にロシア軍のロケット弾80発が撃ち込まれましたが、詳細を同州知事がテレグラムに投稿しました。
 それによると同州ニコポリの町ミリフスカとマルハネツィの住宅地が砲撃を受け、高層ビル20棟以上と文化センター、学校2カ所、市議会議場や行政機関のビル数棟に砲弾が命中。13人が死亡、5人が負傷して重体に陥った。
 マルハネツィはロシア軍が制圧したザポリージャ原発からドニプロ川をはさんだ対岸に位置しており、砲撃は同原発から発射されたと見られています。完全に原発が軍事基地化していますね。
 マルハネツィでは数千人の住民が停電の被害を受け、ミリフスカでも約1000人の家でガスが止まっていると州知事は書き込んでいます。


 ポーランドからの情報によると2022年7月末現在、ポーランドで年金と保険の申請をした外国人、つまりポーランドで合法的に就労している外国人の数は 1,024,757人にのぼりました。
 内訳ではウクライナ人が最も多く、その数は73万5800人です。2番目に多いのはベラルーシ人で、9万1200人でした。3 番目に多いのはジョージア人で2万9100人です。
 つまりポーランドで短期の出稼ぎでもなく合法的に就労している外国人の7割がウクライナ人で、もともと多かったところへ避難民がやってきたと言えるでしょう。ベラルーシ人は2年前の大統領選挙後、この数が急増したと思われます。

2022年8月9日。ウクライナ侵攻から167日目

2022-08-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月9日。
 長崎に原爆が投下されてから77年目。
 あのベラルーシ大統領選挙からは今日で2年目です。

 ベラルーシの野党リーダー、チハノフスカヤ氏は「新ベラルーシ」会議の2日目に当たる今日、暫定内閣を組閣しました。外交担当、国防担当など6人のメンバー(大臣に相当)を指名し、今日ビリニュスで発足しました。
 非常に簡単な内閣で、国際的に認められているわけではありませんが、大統領選挙から2年後に、ベラルーシにもうう一つの政府が誕生したと言えます。つまりベラルーシ政府が二つ存在しているということです。
 
 
 現政権の大統領、ルカシェンコ氏も今日、担当大臣や国営企業の代表など約50名を集めた会議を行いました。
 大統領は演説で、貧しい人もいれば、裕福な人もおり、特にベラルーシでは両者はお互いに不機嫌になり、お互いを羨ましがり始め、争いが始まったと述べました。その結果、大統領が必要とする結果を政府当局(や国営企業)が出さなければ、ベラルーシ経済はすぐに火の車になり、状況はウクライナよりも悪化すると発言しました。
 それは「非常に深刻な状況であり、食べ物や飲み水があり、着る服があり、全てを与えられているが、気を緩めると一瞬で崩れ去る危険性がある。経済が一番の問題であり、経済が回っていさえすれば、すべてがうまくだろう。」
と、ともかくベラルーシの抱える問題で最大のものは経済であると強調しました。


 ウクライナ大統領は、西側諸国がロシア人を受け入れないことを提案しました。ワシントン・ポストに対し、現在の対ロ制裁は弱過ぎると主張。ロシア人の入国を禁止し「考え方を変えるまで自分たちだけの世界に住まわせておけ」と述べました。
 このような発言はしないほうがいいです。ウクライナは民主国家を目指しているのでしょ? このような排他的な発言は民主主義的ではありませんし、人種差別ですよ。そもそもロシアの現政権に反対しているロシア人が多く出国しているのに・・・と思ったら、これは観光ビザに制限しての発言だったようですね。
 ウクライナ大統領の発言を受けてか、フィンランド政府は先週、ロシア人への観光ビザを制限する可能性があると表明しました。エストニア首相も9日、ツイッターに「ロシアからの観光はやめる時だ。欧州訪問は人権ではない。ロシア人に与える栄誉なのだ」と書き込みました。
 ちなみに前述のベラルーシ暫定内閣は、ベラルーシ人に対するシェンゲンビザ禁止に反対する表明を出しました。
 ラトビア国会がベラルーシとの国境閉鎖を呼びかけたことに関しての表明です。ベラルーシの暫定内閣がEU圏内になるのにシェンゲンビザが出なくなったら、困りますからね。



 プーチン大統領の支持者として知られ、ロシア国籍も持つアメリカの俳優スティーブン・セガールが今日、先月29日に爆撃されたウクライナ東部ドネツク州の新ロシア派支配地域にある捕虜収容所を訪れ、ウクライナ軍による攻撃だと批判していることがロシア国営テレビニュースで報道されています。
 捕虜50人以上が死亡し、多数の負傷者が出ている爆撃を巡っては、ウクライナとロシアが互いの攻撃を主張している渦中の捕虜収容所です。
 ロシアはウクライナ軍がアメリカが提供した高速機動砲兵ロケットシステム、ハイマースを使って収容所を攻撃したと主張しており、人道分野での対米関係を担うロシア外務省の特使に2018年から任命されているセガールは、
「間違いなくロケットによる攻撃のようだ。燃焼などの詳細を見れば、これが爆弾によるものではないと分かる。ここはハイマースが攻撃した場所で、50人が死亡し、70人が負傷した。」
と語っています。セガールが話す英語はロシア語に吹き替えられているが、「ウクライナのゼレンスキー大統領は、収容されているナチスの口を封じるため、ハイマースを使用した」とも述べていると米メディアは伝えている。

 ウクライナ側(アメリカも含む)は、収容所にはアゾフ連隊の兵士も収容されており、ロシアが捕虜への拷問や殺害などの証拠を隠蔽するために攻撃したと主張しています。
 しかし、ロシアは、ウクライナ軍が、収容所内でウクライナ軍にとって都合の悪いことを捕虜がしゃべってしまわないように、この収容所を攻撃し、捕虜たちを口封じしたと主張しています。
 セガールもロシア側の主張を支持しています。


 ウクライナ大統領は今日の夜の演説で、
「ウクライナ、そして全ての自由な欧州諸国に対する戦争はクリミアで始まった。そして、クリミアの解放とともに終わらねばならない。クリミアはウクライナのものであり、我々は決して諦めない。」
と述べました。また、
「我が国にはクリミアで民族の文化や願いが形成された人たちが住む。従って、クリミア半島の解放に取り組むとき、我々は領土の一体性を回復し、ウクライナの先住民の故郷を取り戻すために戦っているのだ。」
とクリミアの重要性を強調しました。


 このようにウクライナ大統領が発言したからなのか分かりませんが、今日、クリミアにあるロシアの軍用飛行場付近で複数の爆発が起こりました。
 ウクライナ側から攻撃についての言及はありません。動画が出回っています。クリミアを脱出しようとする観光客たちの動画も出てきました。
 ロシア側当局は、
 「これまでのところ確認できているのは、ノボフェドロフカ付近で複数回の爆発があったという事実だけだ。」
とし、爆発の原因はまだ特定できていないとしています。
 ノボフェドロフカ村近くにあるサキ地区の軍用飛行場は、ロシア国防省の航空機の基地として使用されているそうです。
 当然この飛行場を狙って攻撃した可能性が高いので、攻撃するならウクライナ軍であるはずですが、ウクライナ側は今のところ攻撃したと発表していません。
 ロシア国防省の話として、航空機用の弾薬が爆発し、1人が死亡、子どもを含む5人が負傷したとロシアのメディアが伝えています。


 ロイター通信などによると、ロシア軍部隊は今日の夜、ザポリージャ原発から約20キロの地点にあるマルハネツイにロケット弾約80発を撃ち込んだと報道しました。複数の学校や寮、文化センターなど20棟が損傷したそうです。

 ザポリージャ原発について、ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムのコティン総裁は今日、ロシア軍がウクライナ国内への送電網を遮断し、クリミア半島への送電を計画していると述べました。
 5、6日の砲撃もコティン氏は送電網を遮断する計画の一環としてロシア軍が実行したとの見方を示しました。
 これでクリミアへの電力供給も確保できるとロシア政府が考えている、というわけです。クリミア半島は電力不足(と水不足)が問題なので、これを解決するために、ザポリージャ原発を軍が占拠したという見方ができます。ウクライナ国内にある5箇所の原発のうち、どうしてザポリージャ原発ばかりにこだわるのか、その理由はクリミアに近いからということなんですね。


 ロシア国防省は今日、ウクライナ軍側でロシア軍と戦う外国人は今月5日時点で計2192人に上り、日本からはアジアで最多の9人となっているとする独自の集計を公表しました。7月8日時点では日本人は1人だったそうです。
 さらに外国人戦闘員について、これまでウクライナ入りした7200人超のうち2682人を「殺害した」と主張しています。
 あのですね、ウクライナ軍について戦っている外国人傭兵を捕まえて捕虜として確保した場合の数はロシア軍は正確な発表ができると思うんですよ。でも、ウクライナ軍の側で戦っている外国人傭兵の数や国籍などの詳細は、ロシア軍は正確に把握できないのでは? ウクライナ側は公表していません。
 それともウクライナ側が作成した外国人傭兵リストをロシア側がハッキングしたのでしょうか。
 ともかく日本人が9人に増えたとか、信じないほうがいいですよ。
 
 
 ルガンスク人民共和国のトップ、パセチニク氏は今日、占領したルハンシク州のポパスナ市を再建しない可能性があると明らかにしました。
 市内の建物の96%が被害を受けたそうで、
「あまり意味がないので、ポパスナ市を再建しないかもしれない。街は、ほぼ完全に破壊されている。」
と述べました。
 苦労して占領しても町を再建しないんですね。ゴーストタウンを手に入れるための戦争なのでしょうか。
 

2022年8月8日。ウクライナ侵攻から166日目

2022-08-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月8日。
 
 ザポリージャ原発は、7日までに3日連続で攻撃を受け、ミサイルが使用済み核燃料の貯蔵施設のすぐ近くに着弾するなどして、これまで職員2人が負傷しました。
 もちろんロシア側はウクライナ軍の攻撃と主張し、ウクライナ側はロシア軍の攻撃だとして非難しています。
 来日中の国連事務総長は、
「いかなる原発への攻撃も自殺行為だ。攻撃が終わることを願っている。」
と述べました。

 ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムのペトロ・コティン総裁は今日、ザポリージャ原発の安全性を確保するために、現地に平和維持チームを派遣するよう呼びかけ、同原発を非武装地帯とするよう提案しました。
「平和維持チームに管理を移管する。ウクライナ側も管理することで、この問題は解決できる。」
と述べました。どうなることか・・・
 ベラルーシに住んでいる私としては、原発のニュースを聞くたびにヨウ素剤をとりあえず飲んでいますが、単なる気休めです・・・(もっともベラルーシはもともと風土病でヨウ素欠乏症があるので、ヨウ素剤を平素のサプリとして飲んでいます。)


 今日「新ベラルーシ」の会議がビリニュスで行われました。国外で新政権樹立のための道を進み始めています。もちろん、いつ政権交代になるのか全く予想できません。私見ですが少なくともロシアのウクライナ侵攻が終結するまでは政権は変わらないほうが、多くのベラルーシ人のためになるでしょう。


 女子テニスで元世界ランキング1位のビクトリア・アザレンカ選手(ベラルーシ)が7日、ビザが発給されなかったため、カナダのトロントで行われるナショナルバンク・オープンを欠場すると、自身のツイッターで発表しました。


 第二次世界大戦中のドイツ空軍に関する百科事典が、モギリョフ州検察庁によるり、過激派の資料として認定されました。題名が「英雄」であることも問題視されたのかもしれません。


 ロシア軍の戦車の砲手ミハイル・クリコフ(31歳)は侵攻開始後間もなく、指揮官レオニード・シェトキンの命令で、ウクライナ国内で10階建てアパートの建物に向けて発砲しました。砲弾はアパートに命中。
 2月26日にチェルニヒウ近郊で捕虜になり、裁判にかけられました。今日の判決では懲役10年の有罪判決です。


  ウクライナ保安局は今日、ウクライナ国防相と軍事情報機関のトップの殺害を計画していた人物二人を逮捕したと発表しました。
 ウクライナ保安局はこれはロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の計画であるとし、逮捕された人物の一人は親ロシア派が支配するルハンシク出身で、ベラルーシ経由でウクライナに入国。もう一人は首都キーウの住民。ともにロシア側から最高15万ドルの報酬を約束されていたそうです。

2022年8月7日。ウクライナ侵攻から165日目

2022-08-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月7日。
 
 7月31日にギラン・バレー症候群のため入院し、集中治療室にも入っていたとされていた元ロシア高官、チュバイス氏が、退院しました。
 病院関係者は、病院は本当にギラン・バレー症候群であって、中毒などではないと発表しています。
 つまり暗殺未遂などではないということです。

 
 今年8 月 12 日から 12 月 31 日まで、スウェーデン軍は最大120人のインストラクターをイギリスに派遣し、ウクライナの兵士向けの訓練プログラムに参加させる予定であることを発表しました。
 つまりスウェーデン軍もウクライナ軍兵士が受けているイギリス考案のノウハウを身に着けようとしているということですね。

 
 ベラルーシ政府はすでに300万トンの穀物を製粉したと発表。食料不足に陥るのではと心配する国民を安心させています。

 
 エストニア政府はベラルーシ人に対して人道ビザを発給し続けることを約束しました。つまりベラルーシで反政府活動をして、投獄された人は出所後、ビザをもらってエストニアに出国できます。
 
 今日はワルシャワでベラルーシの反政権派の人々が集まり、デモ行進をしました。


 ベラルーシ大統領は、ロシア大統領について西側メディアが言うような、病気、狂気ということは絶対になく、正気の政治家であるとロシア大使に述べました。両国の大統領はともに聡明で、同盟国であり続け、その蜜月な関係を他の国々の首脳は羨望の眼差しで見つめている、と表現しました。
 問題があるとすれば、それは唯一経済問題だけであり、それも両国が協力すれば解決すると話しました。


NHKドラマ「二十四の瞳」8月8日放送

2022-08-07 |   壺井栄
 8月8日にNHKが「二十四の瞳」のリメイクドラマを放映するそうですね。
 リンク先はこちら

 物語は1920年代から40年代にかけての戦中戦後。
 反戦文学として名高い作品なので、今の再ドラマ化・放映はタイムリーですね。
 ただ戦争反対だけではなく、性差別や貧困問題、日本人の間の分断、格差社会など、今でも残っている社会問題もテーマの小説です。
 要するに時代は変わっても社会問題はいつも同じようなものがあり続けるのかなと感じます。人間の永遠のテーマなのかもしれません。

 ベラルーシに住んでいる私は視聴できるかどうか分かりませんが、日本の皆様はぜひ御覧ください。
 チロ基金としては壺井栄ロシア語訳作品集を何とか多くのベラルーシ人に読んでもらおうと尽力しているところです。
 
 

2022年8月6日。ウクライナ侵攻から164日目

2022-08-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月6日。広島原爆投下から77年目の日。
 
 ロシア連邦下院議長のヴャチェスラフ・ヴォロディン氏は、広島と長崎の原爆投下について、アメリカは何十万人もの民間人の死を引き起こしたが、すべては自らの力を示すためだったと述べ、さらにアメリカ政府に対して、悔い改めるよう呼びかけました。


 メディアのインサイダーは今日、ザポロージャ原発の敷地内で、ロシアの軍用トラックが何らかの貨物を下ろしている様子を撮影した動画を公開しました。
 別の情報源によると、約500人のロシア兵と、装甲兵員輸送車、対空施設、放射化学偵察用の装備を含む軍装備が原発の領域内に配置されており、発電所周辺はロシア軍によって穴が掘られているそうです。
 この原発に最も近い村の近郊に電源装置があるのですが、ロシア兵は地雷と弾薬をこの電源装置のすぐ近くにある陸橋の下で保管しているとも伝えています。
 弾薬の一部は電源装置の内部にさえあると主張するメディアもあり、ザポリージャ原発には「地雷」が設置されているのと同様だと報道しているメディアもあります。

 昨日の同原発電所への砲撃ですが、原発従業員の話によると、砲撃のせいで原発全体のバックアップ電源が切断されたのですが、第3原子炉ではセキュリティシステムの一つが稼働しなくなったので、2重のセキュリティシステムが起動しました。現在はディーゼル発電により通電が行われているそうです。だから、現時点では何とか安全だということです。しかし心配です。


 8月3日、ミンスク市中心部にあるバーのテラスで(つまり路上で)ライブを行っていたメリアム・ゲラシメンコさんがウクライナのバンド、オケアン・エレジーなどの楽曲を歌い、その動画が拡散した後、所在不明になりました。
 バーのオーナーとともに身柄拘束されていたことが翌日の4日に判明。
 5日の昨日、バーのオーナーは30日間勾留される有罪判決が出ました。
 ゲラシメンコさんは、ウクライナ軍が無人戦闘機を購入するための資金を寄付していたことが捜査で判明し、逮捕され、今日15日間の懲役刑の判決が出ました。


 ウクライナのノヴァヤ・カホフカの副軍事司令官ビタリ・グル氏が、自宅で何者かにピストルによる銃撃を受け、重傷を負い、クリミアの病院へ搬送される途中、死亡したと今日ロシアのメディアが伝えています。


2022年8月5日。ウクライナ侵攻から163日目

2022-08-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月5日。
 ベラルーシは気温が上がり、夏らしい天気です。

 7月27日の投稿記事にも書きましたが、ラトビアの子供向けテレビ局がベラルーシで大統領にインタビューした件について続報です。
 取材をしたラトビア人のイリヤ君が、ベラルーシへ入国してはいけないというラトビア政府の勧告にテレビ局が従わなかったことにより責められたことから、帰国せず、その家族もベラルーシ入りしたのですが、今日ベラルーシ大統領は、イリヤ君とその家族(母、弟、妹)にベラルーシ国籍を直接与えました。
 これで今後は家族揃ってベラルーシ人としてベラルーシで生活できます。
 政府の勧告を聞かなったラトビア人がラトビアにいられなくなって困っているところを、ベラルーシの大統領が国籍を与えるという寛大な救済をした、という構図です。ラトビアは自国民に対して冷たいね・・・という印象も与えました。
 それに比べてベラルーシは優しいね・・・ということです。

 もともとこのテレビ局がベラルーシのスラビャンスキー・バザール音楽祭を取材することに決めたのは、ちびっこアナウンサーであるイリヤ君ではなく、テレビ局上層部のはずですが、突然イリヤ君とその家族の運命が激変しました。
 9月から元のラトビアの学校にも通えないですよ。
 またこのテレビ局、リガ・チルドレンズ・アカデミー・オブ・ラジオ・アンド・テレビジョンは、ラトビア政府により解体させられますが、そこでイリヤ君のようにちびっこスタッフをしていた子どもとその家族も希望すれば、ベラルーシ国籍を与えるとベラルーシ政府は約束しています。


 ラトビアは「国際情勢により」ロシア人へのビザ発給を無期限に停止したと、在ロシア大使館のウェブサイトが伝えています。


 ザポリージャ原発の敷地内や周辺で今日の午後、煙が上がり、複数回の砲撃を受けたもようです。
 ウクライナ大統領はロシア軍がザポリージャ原発に2回の攻撃を行ったと主張し、国営原子力企業エネルゴアトムは、昼と夕に3発ずつの攻撃があり、火災が発生し送電線や、敷地内にある設備が被害を受けたと説明しています。
 ロシア国防省はウクライナ軍がザポリージャ原発と原発があるエネルホダル市に向け、3回に分けて計約20発の砲撃を行ったと発表しました。一部の原子炉で関連設備の停電や発電量の低下が起きたと主張しています。
 1回目は午後3時頃で、2回目は午後5時頃だったようです。この結果2本の送電線が切断されましたが、稼働している原子炉は残っています。
 ウクライナ軍の砲弾は原発敷地内の石油・燃料施設と酸素プラントに命中しなかったため、大規模火災や放射能漏れは回避されたとロシア側は発表しています。
ロシア軍はザポリージャ原発を占領し、軍事拠点化。そこからドニプロ川対岸の都市ニコポリへの砲撃を続けているので、原発への攻撃はウクライナ軍だと言いたいのでしょう。
 今、原発にいる職員の人たちの心境を思うと・・・




2022年8月4日。ウクライナ侵攻から162日目

2022-08-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月4日。
 
 国際原子力機関の事務局長はAP通信の取材に対し、ザポリージャ原子力発電所は「完全に制御不能」であると語りました。
 ロシアとウクライナに、状況を安定させ、原発事故発生を避けるために、専門家が基地を訪問することを直ちに許可するよう緊急に要請しました。
 状況は日に日に危険度が増しているそうです。
 同原発では原子力安全のすべての原則が侵害されており、危機に瀕しているそうです。
 また原発内の機器に必要なスペアの供給が止まっています。
 核燃料の安全を確保するために査察が必要としています。
 国際原子力機関は原発職員と接触していることはしているのですが、そのコンタクトは不完全で混乱していると事務局長は述べています。
 事務局長自ら査察のため同原発を訪問する必要性があると訴えており、そのためにロシアとウクライナからの協力が必要であり、また緊急を要するとも発言しています。
 

 予定通りロシアのガルージン駐日大使は今日、広島入りし原爆慰霊碑に献花しました。6日の平和式典に広島市が今年はロシアとベラルーシを招待しなかったためです。
 献花後の報道陣の取材に、「犠牲者の冥福を祈り、被爆者の健康を祈るためにきた。ロシアが核兵器の削減、最終的な廃絶のために行っている積極的な努力について説明するためでもある」と説明。
 アメリカによる広島への原爆投下については、戦争犯罪だったと批判。
 ロシア大統領が「主権を守る必要がある場合には使用する」と発言していますが、ロシア大使は、
「ウクライナにおいてロシアが核兵器使用について言及したことはない。ウクライナにおけるロシアによる核兵器の使用があり得ないということを明確に広島の市民のみなさんに言っておきたいと思います。」
と述べました。
 
 この大使が発言している内容を信じないほうがいいという意見が多いです。
 「ウクライナにおけるロシアの核兵器使用はありえない」という表現ですが、「ウクライナでは使いません」つまり「ウクライナ以外では使うかもしれない」というニュアンスが含まれているとも言えます。
 
 
 中国軍は今日から7日まで、台湾を取り囲む6か所の海空域で実弾射撃を含む「重要軍事演習」を実施します。
 台湾封鎖を念頭に置いた異例の大規模演習です。


 8月30日から9月5日までの予定でロシア軍が行う極東地域の軍事演習「ボストーク2022」にベラルーシ軍も参加することが決定しました。


2022年8月3日。ウクライナ侵攻から161日目

2022-08-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月3日。 
 今日は気温が上がりました。しかし風がややきつかったです。

  ペロシ米下院議長は台湾を訪問し、自身の訪台はアメリカが台湾を見捨てないことを明確に示すものだと蔡英文総統との会談で伝えました。
 これに対し中国やロシア、北朝鮮が反発しています。
 ベラルーシは中国の立場を支持すると表明しました。


 モスクワ取引所は今日、中国人民建て債券の取引を開始すると発表しました。
「人民元建て債券は、ロシアの借り手にとって外貨流動性の新たな供給源になる」としています。
 おそらくベラルーシも同様の取り引きが始まるでしょう。


 中国企業のファーウェイは、ロシアのオンライン ストア Vmall での販売を停止しました。理由は明らかにされていません。


 ロシアのオンラインショッピング企業のOZONの商品が保管されている倉庫で火災が発生しました。4万平方メートルの敷地面積を持つ発送センターのうち3万5000平方メートルが燃えています。
 7人の従業員が負傷したことが現時点で分かっています。

 
 フィンランド税関当局は今日、ロシアからの旅行者が、ウクライナ侵攻をめぐる制裁の対象となっている物品を所持している事例が相次いでいると発表しました。
 押収されたのは、EUの制裁対象となっているぜいたく品や、ドローン、軍事利用が可能な「海事関連のツール」などだそうです。旅行者が軍事関連ツールを持っているというと、それは本当に普通の旅行者なのかと思います。


 2021年11月に逮捕されたビテブスクの現金決済センターで働いていた35歳の男性が、2020年7月から約150万人のベラルーシ市民の個人データをシステムから入手し、ネット上で漏洩したとして告発されました。
 捜査によると、この男性は(今では過激派認定を受けている)テレグラムチャンネルの チャンネラーでもあり、ネット上で大規模な暴動に積極的に参加することや政府高官に対する暴力行為を呼びかけました。
 さらにベラルーシ大統領と当時の大統領選挙管理委員会長に対して侮辱的なコメントを投稿しました。
 ちなみにこの男性は逮捕の際、激しく殴られて負傷し、今も回復していません。
 そして、今日ビテプスク地方裁判所で判決が出ました。4年6ヵ月の更生施設での懲役刑と3200 ルーブル(平均月収の2ヶ月分ぐらい)の罰金刑です。

 やっぱり日本の刑罰が軽いのか、ベラルーシの刑罰が厳しいのか・・・と思いました。
 ちなみにベラルーシで31歳の男が同棲相手の女性の連れ子(3歳の女の子)に対して、去年6月から10月にかけて、女性が不在のときに素手や鈍器を使って殴るなどの暴力をふるい、頭蓋骨骨折などの怪我を負わせて殺した事件の裁判が今日ありました。
 判決は終身刑。そして6400ルーブル(平均月収4ヶ月分ぐらい)の罰金刑。
 日本だと虐待死に対する量刑は長くて18年ぐらいで、終身刑(無期懲役)は法的にありえないです。