ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年8月12日。ウクライナ侵攻から170日目

2022-08-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月12日。

 ベラルーシ大統領が国営のミンスク第1乳製品工場を視察訪問しました。
 工場長は、大統領に牛乳の値段を上げることを要請しましたが(ベラルーシでは商品価格は政府が決定しています。)大統領は却下しました。
 牛乳の価格を上げてほしいと工場長が要請(大統領への直訴)したのは、牛乳のパックであるテトラパックが経済制裁のために入手しにくくなり、その値段が高騰しているからです。
 ロシアでも経済制裁の影響でレシート用紙が不足したり、コピー用紙が作れなくなったりと問題になっていましたが、ベラルーシはテトラパックが希少になって牛乳を売ることが難しくなってしまったのです。
 この問題に対し、大統領は「牛乳は中身を飲むのであって、包装を食べるのではない。」だから牛乳の価格設定を上げることに反対しました。
 そして年末までに国内でテトラパックを製造開始できるよう、関係省庁に指示を出しました。

 ちなみにベラルーシの製紙工場は、周りに材料になる木はたくさん生えているのに、ソ連時代から貧弱で、製造している紙といえば、新聞紙、ダンボール、ノートぐらいでした。最近はさすがにコピー用紙を作るようになりましたが、テトラパックは製造していないのです。
 そうすると今度は牛乳を入れるパッケージがないので、牛乳を売ることができない、ということになります。 
 そこで、大統領指示により国内生産が始まるようです。
 昔ながらにガラス瓶に入った牛乳が再び店頭に並ぶ日が来るかもしれません。
 私が95年にベラルーシへ来たときは、牛乳は瓶に入ったのが売られていましたね。卵もパックに入っていなかったです。(ある意味、エコだったと思います。) 

 また農作業用機械の部品についても、故障した場合の交換用の部品が不足し始めたそうです。(これも経済制裁の世余波でしょうか。)
 これに関してもベラルーシ政府は、自国内で供給できるよう指示しました。
 

 カザフスタンは石油の供給をロシア経由のパイプラインや港を通じて行っていましたが、ウクライナ侵攻開始後、それらの経由地のターミナルの運用を一ヶ月間停止させられました。
 そこでロシアを迂回してアゼルバイジャン経由のルートに切り替えることを決定しました。


 ベラルーシにあるリトアニア系住民の児童が主に通っているリトアニア学校の一つが閉鎖されました。この学校はリトアニア政府によって設立され、授業はリトアニア語で行われていました。
 閉校の理由は、緊急事態が発生した場合に校舎から生徒と教師を安全に避難させる手段が講じられておらず、また防煙や延焼を防ぐ方法もなく、さらに倉庫が改造されて教室に使われていたことが分かったからです。
 要するに子どもの命を守る設備が不備であるため、閉校が決定したのであって、政治的な理由はない、ということです。
 この学校の生徒数はおよそ110人で、教員は24人。教員のうち10人はリトアニア人です。
 生徒は全員、地元のふつうのベラルーシの学校に転校させられます。教員も近くのふつうのベラルーシの学校に転勤させられます。
 ベラルーシにはありませんが、海外にある日本人学校がいきなり閉校させられたらどうなるでしょうか。
 ベラルーシ国内にはもう1校、リトアニア学校があります。

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