ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年8月22日。ウクライナ侵攻から180日目

2022-08-22 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月22日。

 20日にドゥーギン氏の娘・ダリア氏が乗った車が、モスクワで爆発し死亡した事件で、ロシア国内の反プーチン勢力・国民共和国軍(NRA)が、犯行声明を出しました。
「プーチン大統領が民族戦争を起こし、ロシア兵を無意味な死へと追いやった軍事犯罪者だ。」
と批判しました。
 事件後すぐにNRA による犯行だと語っていた元下院議員イリヤ・ポノマレフ氏は、
「これが最後ではない」「ロシア国内のパルチザンが、高官やオリガルヒ、ロシアの治安機関のメンバーなどに対し、同様の攻撃を行う用意がある」
と語っています。
 一方でロシア連邦保安局(FSB)は今日、殺害はウクライナの特殊機関が計画・実行したものだったと発表しました。
 さらにすでに容疑者を確定。それは1979年生まれのウクライナ人女性、ナタリア・ウォウクさんで、先月、未成年の娘を連れてロシアに入国。ダリア氏が住んでいた建物内のアパートを借りました。「ドネツク人民共和国」が発行したナンバープレートの車に乗り、ダリア氏を尾行していたらしい。(防犯ビデオの記録がある。)
 事件当日、ドゥーギン氏とダリア氏が訪れていたモスクワ郊外の祭りの会場にもいたと言われています。そして事件の翌日21日陸路でエストニアに出国しました。
 車に仕掛けられていた爆発物の主成分はTNT火薬である可能性が高く、しかも爆発は遠隔操作だそうです。
 
 ドゥーギン氏はショックで入院したようですが、容態は安定していると報道されています。
 ロシア大統領は今日、ダリア氏に勇気勲章を授与しました。死んでからもらっても本人は分からないし、これは父親のドゥーギン氏のために授与したようなものですね。
 ダリア氏は、ロシアの特殊作戦に関する著書「Book Z」の共著者で、近い将来出版される予定です。


 ロシア軍はアントノフスキー橋の隣に舟橋の建設を開始しました。
 そして弾薬を搭載した9台のロシア軍トラックがアントノフスキー橋に沿って移動していたときに、ウクライナ軍がハイマースで攻撃しました。
 爆発が起こり、2人の作業員が死亡し、少なくとも15人が負傷。 また砲撃の際、ちょうどその下を通過していたフェリーの乗客にも死傷者が出たとのこと。対岸に渡ろうとしていた艀も橋の近くにいたため、乗っていた民間人も負傷した模様です。
 このアントノフスキー橋が壊れたとか、いやまだ壊れていない、いやもう修復はできない、などといろんな情報が飛び交っています。


 ベラルーシの国家統計委員会は、ロシア人が購入するベラルーシの輸出品のトップはチーズとカッテージチーズ、トラック、バター、トラクター、車とトラクターの部品と付属品だと発表しました。

 また、国内市場における国産医薬品のシェアが増加したかどうかという質問に対して肯定的な答えを出しました。昨年の上半期は54.8%を占め、2022年の上半期は55.8%になりました。医薬品の輸入が減ったということだと思います。特にウクライナからの輸入はなくなり、今は備蓄分だけが出回っていると思われます。 


 ロシア政府はEUのトラックがロシアに入国することを禁止するかどうか検討に入りました。早ければ今年10 月に導入されます。EUから輸入品が入って来なくなり、ベラルーシからの輸入品は増えそうです。