ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年8月27日。ウクライナ侵攻から185日目

2022-08-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月27日。
 今日はベラルーシは今年最高に暑かったような気がします。あくまで私の体感温度ですが。

 ウクライナ国営の原子力企業「エネルゴアトム」は今日、ザポリージャ原発の敷地内で砲撃があったと発表しました。
 発射された17発の砲弾のうち4発が核燃料貯蔵施設の屋根に命中したということです。
 ロシアの国防省はウクライナ軍がザポリージャ原発の敷地内に砲撃を続けていると主張しています。もちろんウクライナ側はロシア軍が攻撃したと主張しています。
 何が怖いと言って、この砲撃のニュースが日本では速報になるのに、ベラルーシではまるで大きく報道されていないことです。
 もし放射能漏れ事故が起きたとして、そのことをすぐに教えてくれるのかどうか分かりません。チェルノブイリ原発事故のときも事故が起きたと公式に報道したのは1週間後でした。その間に被爆がどんどん進んでしまい、多くの人が対応策が取れませんでした。


 ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムは今日、ザポリージャ原発の職員をロシア治安要員が拘束し、脅していると通信アプリで非難しました。近く現地入りする国際原子力機関の調査団に原発が直面する安全面のリスクについて告発するのを阻むためだとウクライナ側としては主張しています。
 早く国際原子力機関が現地入りしてほしいです。その間は少なくとも正常に原発が稼働するでしょう。同機関は調査団が安全を確認したらすぐ引き上げるのではなく、専門家を常駐させようと考えています。すばらしい考えです。問題なのはロシア側がそれを許すかどうかですね。


 CNNの取材によると、ザポリージェ原発の作業員が大量脱出しており、脱出に成功した職員が匿名で内部のようすを話していますが、ロシア軍が攻撃してくるほか、ロシア軍兵士らは機関銃を携行して施設内を歩き回り、夜には酒に酔って空に向かって発砲しているそうです。
 このように精神的に追い詰められると、残っている職員もうっかりミスをしてしまう可能性が高くなるので、軍の攻撃の有無は関係なく、事故が起きる確率が増えてしまいます。
 

 ウクライナ議会のルビネッツ人権コミッショナーは24日、3月以降ロシア軍の暴行や砲撃で死亡した原発作業員は3人で、少なくとも26人が情報を漏らした疑いで拘束されたと述べています。数人が拘束されたわけではないんですね。


 BBCは26日、ロシアがフィンランドとの国境近くにある液化天然ガスプラントで、大量の天然ガスを焼却処分していると報道しました。欧州各国がロシアの天然ガス輸入を拒否する動きの中、余ったガスを燃やしているようです。
 1日に焼却されたガスを金額に換算すると、1000万ドル(約13億7500万円)です。
 
 今、世界の多くの国が、エネルギー不足に苦しんでいるというこの時期。電気がないと、エアコンもスマホも使えなくなり、生活、いや人生が変わってしまう人も大勢いるこの社会。方や余ったガスを焼却処分し、原発は事故発生直前まで追い込まれているというこの状況。もう少し人類は、前から知恵を出し合って、別の種類の発展ができていたのではないだろうかと思えてきます。


 ウクライナ軍は26日、ヘルソン州で砲兵部隊がドニエプル川の支流に架かる橋を攻撃し、橋を使用不能にしたと発表しましたが、今日はロシア軍がウクライナを支援するためのハイマースが格納されている倉庫を砲撃して、破壊に成功したと戦果報告をしています。
 


 モスクワ市内で今日、ロシア軍参謀本部のセクレターレフ副部長の自動車が放火されたと国営放送が報じました。ロシアの独立系メディアによると、ウクライナへの侵攻に反対する女性がガソリンをまいて火を付けたということです。
 セクレターレフ副部長は出火当時、この自動車には乗っていませんでした。容疑者の女性はすぐに逮捕されました。
 セクレターレフ副部長は検閲担当者で、ウクライナに関するメディアの発信を監視しているということだそうですが、この女性がそれを恨みに思って火をつけたとしても、そもそもこの車の持ち主が恨んでいる相手だと、どうして知っているのでしょうか。
 情報を漏らしたり、売買することが頻繁に行われているのかもしれません。