ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年8月25日。ウクライナ侵攻から183日目

2022-08-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年8月25日。
 ベラルーシは今日も暑いです。雨も降らないので、多くの森林地帯が立入禁止指定を受けているのですが、これは火災防止のためです。しかし、ミンスク郊外の農村部で今日火災が発生しました。畑や家畜が冬の間に食べる干し草などが消失しました。

 今日の夕方5時頃ですが、ザポリージャ原発が完全に外部電源を喪失したと報道されました。
 エネルゴアトム社によると、ディーゼル電源に切り替えられていますが、燃料がつきてディーゼルエンジンが動かなくなると冷却不能となり、対応できないまままでいるとメルトダウンが始まってしまいます。
 続報で、とりあえず電源は復旧したとされました。

 エネルゴアトム社によるとザポリージャ原発の近くにザポリージャ火力発電所があります。これは石炭を燃料にした火力発電所です。燃焼した後の石炭灰を廃棄する場所があるのですが、そこで火災が発生。このためにザポリージャ原発をウクライナ国内の送電網につなぐ送電線が損傷しました。
 同原発には6基の原子炉があり、今までにすでに3本の送電線が(ロシア軍により)切断されたため、現在2基しか稼働していませんでした。そして今日は火災のせいで、その2基が送電網から切り離される結果になりました。2回に渡って送電線が切られたという報道もあります。
 送電線が損傷後、安全装置が働き、ディーゼル電源に切り替わった、というのが続報でした。
 ただ、原子炉は6基とも稼働していません。(つまり発電していません。)
 IAEAの事務総長は、近日中にザポリージャ原発に到着する予定であり、時間は残されていないと述べました。少なくともIAEAの視察が入っている間は原発への攻撃はないでしょう。(今回は火災発生が問題ですが。)
 ともかくそれまでに送電線を復旧させてほしいです。


 ロシア大統領は軍人13万7000人を増員を命じる大統領令に署名しました。
 これでロシア軍の総定員をおよそ190万人から204万人に増やすことができます。しかし発効されるのは来年1月1日です。ここ4ヵ月の間に増員できるでしょうか。


 アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘ダリア氏の死亡について、ローマ教皇フランシスコが「(モスクワで爆死した)気の毒な女性」と表現し「善良な人々が戦争の代償を支払う」と発言しました。
 駐バチカン・ウクライナ大使はツイッターで、
「どうすれば(ロシア)帝国主義者の1人を善良な犠牲者と呼べるのか。彼女はロシア人に殺された。」
と批判しました。
 確かに殺人の犠牲者となった人は気の毒です。
 しかし、ダリア氏については、ロシア国内の反大統領派が犯行声明を出しています。ウクライナ政府は、ウクライナは関与していないとしています。
 ウクライナ大使はツイッターで、帝国主義者は全員善良ではない(だから気の毒ではない)とも取れる発言をしている上に、ローマ教皇のお膝元で堂々と批判しています。これを、ローマ教皇の発言をバチカンにいる大使が批判するのは極めて異例と報道されていますが、異例というより、かなり偏った考えに傾いているように思えます。
 このように極端な考え方に傾いてしまった人は大勢発生しているのですが、これも結局戦争のせいであって、みんな「気の毒な人」になったと言えるのではないですか。


 在ベラルーシ・ロシア大使はブレスト州を訪問し、ベラルーシはEUへの輸出減のため最大140億ドルを損失するが、その分ロシアが支援することを約束しました。
 またベラルーシ製の石油製品量が減少したのはウクライナ向けの輸出が減ったからであり、そのためロシアからベラルーシへの石油輸出量も減少したという点にも言及しました。