電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

映画「殿、利息でござる」を観る

2016年05月29日 09時59分27秒 | 映画TVドラマ
久しぶりに上天気となった土曜日、早朝から週末農業に精を出し、暑い日中は母屋の整理をしました。預けていた家具が金曜日には戻って来て、ガランとしたリビングが多少は住まいらしくなってきています。

そんなこんなでくたびれたので、夕食後には妻と映画を観に出かけました。磯田道史著『無私の日本人』(*1)より「穀田屋十三郎」を原作とする映画、「殿、利息でござる」(*2)です。

描き方としては、基本的にはコメディですが、逆説を強調する面があり、浪花節に近いところもあります。とくに浅野屋の真相は、まさに浪花節。これは、原作がそういう面がありますのでしかたがないのでしょう。また、百年に一人と言われる能吏、萱場杢の冷徹さは秀逸で、「利息を取る側に回るか、取られる側に回るかだ」という区分けをするところなどは、金融の本質を突いています。

もう一つの見どころは、フィギュアスケートの羽生結弦クンの出番ですが、なかなか颯爽とした殿様ぶりで、予想以上に好印象でした。やっぱり「華がある」というのはこういうのを言うのだろうなあ。ただし、元弓道経験者として見れば、武家の所作としてはやや優雅に過ぎ、立ち居振る舞いがもう少し直線的でも良かったかな、とは感じましたが。

(*1):磯田道史『無私の日本人』を読む~「電網郊外散歩道」2015年7月
(*2):『殿、利息でござる』公式サイト
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