電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第1番」を聴く

2016年05月27日 06時05分42秒 | -室内楽
「初夏はメンデルスゾーン」ということで、このところメンデルスゾーンづいています。チェロ・ソナタに続いて、通勤の音楽に選んでいるのが、弦楽四重奏曲第1番。以前、実演でも聴く機会に恵まれました(*1)。
このときは、まだWikipediaにも解説はなかったのですが、最近はちゃんとページが作られており、譜例もついた解説となっています(*2)。

それによれば、メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第1番変ホ長調Op.12」は、1829年にベルリンで書きはじめられ、同年9月14日にロンドンで完成された曲で、第1番として出版されましたが、実際には変ホ長調の番号なしの曲と、第2番イ短調の次に書かれたものだそうです。

第1楽章:アダージョ・ノン・トロッポ~アレグロ・ノン・タルダンテ、4分の4拍子、変ホ長調、ソナタ形式。穏やかな序奏は、いかにも室内楽の始まりの雰囲気ですが、主題はメンデルスゾーンらしい、歌のような旋律です。
第2楽章:カンツォネッタ、アレグレット、4分の2拍子、ト短調、三部形式。スタッカートで奏でられる軽やかさと、終わりのほうで出てくるピツィカートが印象的。
第3楽章:アンダンテ・エスプレッシーヴォ、4分の3拍子、変ロ長調。ほんとにエスプレッシーヴォな音楽。若いメンデルスゾーンは、何を訴えたかったのだろう?
第4楽章:モルト・アレグロ・エ・ヴィヴァーチェ、8分の12拍子、ハ短調~変ホ長調。前の楽章からほとんど切れ目なく演奏されるけれど、表情はがらりと一変します。それだけに、激しい嵐のように急速に演奏される音楽と、その合間にちらりとのぞく憂鬱な表情が印象的。



通勤の音楽としては、愛車デミオ・ディーゼルXDのスピーカの能力もあって、不足がちな低音域がロードノイズに邪魔されて、隠れてしまいがちです。このあたり、昔から聴きなじんだ曲の場合は脳内で補正してしまうので大丈夫なのですが、まだおなじみとは言えない曲の場合には不満を感じてしまうところです。
でも、田舎の静けさを保つ自宅で、簡易なPC-audioやステレオ装置で聴く時には、そんな不満もなくなります。

演奏は、メロス弦楽四重奏団によるもので、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全集としてCD化されたグラモフォン盤(UCCG-4333/5)です。

YouTube にもありました。第1楽章です。

Mendelssohn, String Quartet E-flat-major, Op 12, I. Adagio non troppo - Allegro non tardante


(*1):山形弦楽四重奏団第48回定期演奏会でハイドン、清瀬保二、メンデルスゾーンを聴く~「電網郊外散歩道」2013年7月
(*2):弦楽四重奏曲第1番(メンデルスゾーン)~Wikipediaの解説

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