電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ第3番」を聴く

2014年06月14日 06時03分36秒 | -協奏曲
ようやく週末になりました。ぐずついたお天気ながら、おおむね曇り空を維持しており、サクランボのほうも、週が明けて半ば頃から、佐藤錦の収穫作業が本格化する予定です。まだ本物の甘さには達していませんが、少しずつ赤く色づいてきております。通勤の音楽のほうは、ディタースドルフ等のヴィオラ協奏曲ととっかえひっかえしながら、ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ第3番」を聴いておりました。

この曲は、ピアノ独奏と管弦楽のための作品で、CDに添付のリーフレットによれば、戦前の1938年に書かれ、戦後1947年の2月19日に、ニューヨークで作曲者自身の指揮で初演されたそうです。

第1楽章:前奏曲(ポンテイオ)、アダージョ。前奏曲らしく、ドラマティックな幕開けです。「ポンテイオ」とはギターの試し奏きのことだそうな。
第2楽章:幻想曲(脱線)、アレグロ・モデラート。ピアノが華やかに活躍し、盛り上がりもありますが、静寂もあります。「脱線」とあるのが、どうも意味不明です。
第3楽章:アリア(モデーニヤ)、ラルゴ~グランディオーソ~クワジ・アレグロ~ラルゴ。アリアにしては、ずいぶん生命力・活力のあるアリアです。
第4楽章:トッカータ(ピカプ)、アレグロ。シンフォニックなトッカータです。「ピカプ」とは、ブラジルでキツツキのことだそうですが、トッカータでキツツキを連想したのでしょうか、あるいはその逆か(^o^)/

全体としてピアノ協奏曲ふうの印象が強いのですが、どちらかというと、ピアノソロが華麗なテクニックを聴かせながらオーケストラと堂々とわたりあうという、ヴィルトゥオーゾ型の協奏曲ではなくて、ピアノがオーケストラの一つのパートとして機能するような、協奏交響曲ふうの作品です。オーケストラの色彩感やリズムの活力などが魅力的な音楽になっています。

例えば梅雨の晴れ間の早朝に、あるいは雨雲の西に夕焼けが見える帰宅時に、この音楽を鳴らしながらハンドルを握るのは、なかなかよろしいですなあ(^o^)/

演奏は、ホルヘ・フェデリコ・オソリオ(Pf)、エンリケ・バティス指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団で、1985年の8月に収録されたデジタル録音です。独奏者については、まったく初耳ですリーフレットにも記載がありません。メキシコ生まれのピアニストで、ケンプに師事したこともあるとのことです。中南米の音楽の他に、ブラームスやリスト、ドビュッシー等の録音もあるようです。

参考までに、演奏データを示します。

■バティス指揮ロイヤルフィル盤
I=6'28" II=6'01" III=7'40" IV=5'31" total=25'40"


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