電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

佐伯泰英『捨雛ノ川~居眠り磐音江戸双紙(18)』を読む

2009年03月27日 06時17分22秒 | -佐伯泰英
今津屋にお佐紀が嫁入りし、生活の張りをなくして気鬱状態になっていたおこんが、湯治先の法師の湯で磐音と結ばれ、元気を回復した第17巻に続き、佐伯泰英著『居眠り磐音江戸双紙』シリーズ第18巻、『捨雛ノ川』を読みました。

第1章「土中の甕」。神田三崎町佐々木玲圓道場の改築現場の土中から、大小2つの甕が出てきます。その中からは由緒ありげな太刀が。江戸開府以前の名刀のようです。賭場の手入れと竹村武左衛門のエピソードは、まあ定番でしょう。
第2章「おこぼれ侍」。年の瀬に磐音は、旗本池田家屋敷への掛取りに出向いた番頭の護衛役を果たしますが、なんと続けて二件の強盗との立ち回り。おこんならずとも心配します。ところで、長屋での正月のようす、やりとりを見る限り、おこんさんは料理が上手そう。磐音クン、これは60年の豊作ですよ(^o^)/
第3章「鐘四郎の恋」。佐々木道場の住み込み師範代、本多鐘四郎が、酔漢にからまれていた武家娘を助けます。それが御縁で、西ノ丸御納戸組頭・依田新左衛門から、婿にと望まれます。助けた娘のお市が、鐘四郎を気に入ったようなのです。唯一つ、気がかりだったお千代という初恋の女性の現在をひそかに訪ねたところ、なんとこれがとんだあばずれで。まあ、初恋というのは単なる偶然・境遇の産物、えてしてそんなものかも。きっと、作者も似たような経験をしたのでしょう(^o^)/
第4章「履と剣」。これはまた、変わった敵のキャラクターです。中国拳法でしょうか。ジャッキー・チェンみたいなのが「アチョー」とかいって攻撃してくる様子を想像すると、なんだか笑ってしまいます。
第5章「面影橋の蕾桜」。縫箔の修行の道に進んだおそめと、鰻職人を目指す幸吉の2人、雛流しのシーンは映画ならばさぞ絵になるところでしょう。しかし、ふと気づいてしまいました。本多鐘四郎が佐々木道場を出たら、師範代が不在になります。すると磐音が師範代?それでは、なんだか小さくまとまり過ぎるような気がしますなぁ。さて、どうなることやら?
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