電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

梶尾真治『時の"風"に吹かれて』を読む

2009年03月11日 06時28分50秒 | 読書
『つばき、時跳び』が面白かったので、図書館から梶尾真治著『時の"風"に吹かれて』を借りて来ました。単身赴任地で図書館から本を借りるのはひさびさで、貸出しカードの期限が切れていたので、再登録の必要がありました。自宅から近い図書館には、カジシン本がずいぶんありましたが、当地にはファンが多くて借り出されているのか、あまり冊数が残っておりませんでした。やむを得ず借りて来たのがこの短編集というわけです。
全部で11の短篇が収められていますが、なんといっても印象的なのが、表題作「時の"風"に吹かれて」と「鉄腕アトム~メルモ因子の巻」でしょう。
表題作のほうは、タイムリミットのある過去への移動のてんまつ。タイムマシンで過去に戻り、過去の事件を変えてしまうと、アマゾンの蝶の羽ばたきが回り回ってハリケーンになるかのように、時の風が吹いてつじつまがあってしまう、というお話。なるほど、タイムパラドックスを「風」で解決したわけですね。面白い着想だと思います。
鉄腕アトムのほうは、私もアトムの申し子のような世代の一人ですので、思わず懐かしく、映像が浮かぶようでした。アセチレン・ランプのにくたらしい悪役ぶり、ヒョウタンツギのギャグなど、実にそれらしく再現しておりました。
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