夜神楽と温泉は前座で、真の観光は高千穂峡なのではないか?
お世話になった御宿のロビーに質素な神楽の置物。
宿の前で天を振り仰げばこの景色。
頭上遥かな高さに一般道が走っている。
一転、谷を覗けば」地獄の窯が見えるかと思われる深み。
周囲から一段深い場所に高千穂町はあり、さらに深く切れ込んでいるのが高千穂峡だ。
鋭く切れ込んだ峡谷に、どこまでも澄んだ流れが・・・
高千穂の摂理はとても複雑で、地球マグマの活動と風雪による浸食は想像を絶する景色を造る。
清水が澱んだ穏やかな場所もあれば、激流泡を噛む姿を見せることもある楽しいところ。
地獄の底かと思われる処に、季節感満載の彼岸花が咲いていた。
一番高い処が一般道、二番目奥に見えるのが高速自動車道、苔むして自然に同化しそうなのが旧道で、高千穂の歴史を刻んでいる。
想像も出来ない地球活動が目の前に展開されている。
現在も鳴動しながら動いているようで、思わず足を止めて見惚れてしまう。
東北只見川流域にある「塔のへつり」より、数倍の迫力ある光景が眼の前に拡がる。
高千穂峡遊歩道の案内板。
こんなのっぺりした平面にはとても表せない、自然の立体感が素晴らしい。
深く切れ込んだ地獄の峡谷とは思えない、鏡のような水面に舟を浮かべて遊覧する。
自称、学生時代「漕艇クラブ」所属と言う、大和撫子の華麗な櫓捌きで舟遊する。
ひ弱な老人のオイラは、頼りにならないコックスの役目が精いっぱい。
仲間の舟は昔取った杵柄、見事な腕前で流れ落ちる滝に突入していった。
結果はどうなったのでしょう?
高千穂峡随一の名瀑「真名井の滝」