気ままな思いを

何気ない日々のこと 感想 思いなどを
綴る雑日記です 

「虐待で傷ついたこころの本」を読んで

2007-07-12 | 読書


             なぐられて、よく、わたしの体は飛んだ。
             タンスやかべや手すりにぶつかるまで、
             なんだか、とても長かった。
             でもいつからだろう。
             痛くない、痛くない、わたしはここにはいないのだから。
             そんなおまじないが、きくようになったのは。
             時間がとまったんだと思う。        (本文より)


          
郵便局で借りた本、少しの間借りるのを休んでいましたが、昨日借
         りたばかりの本、一気に読んでいました。

            椎名 篤子・ノンフィクション、ライターの書かれた本。

         日常茶飯におきている虐待事件など、小さな赤ちゃん、子どもを平気
         で虐待している人のいること、世の中変わってしまったのかと、思って
         しまいます。
         残虐的な虐待を、小さな子の恐怖心を思いますと、心痛む思いです。


         本文より
          親からの虐待は、子どもたちの心に、自分の力では立ち直おること
         のできない傷(トラウマ)を、つくります。
         子どもの虐待は、大きく、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理
         的虐待の四つに分けられるのです。

         ・ 身体的虐待  
            なぐったり、壁に投げつけたり、カッターで背中を切ったり、タバ
            コを押しつけたり、アイロンで背中を焼く、水風呂に沈める、
            赤ちゃんへの虐待など、親から子への虐待は、エスカレートする
            こともある。

         ・ 性的虐待
            実の父親、兄、おじさん、おじいさん、義父、子どもたちが決して
            用心することのない近親者が、むごい虐待を起こす。

         
・ ネグレクト
            日本では、教育の怠慢、あるいは、拒否といった言葉に訳され
            ています。
            育児をしない、できない、育児をしているけれども、不適切であ
            るなど。

         ・ 心理的虐待
            これは、言葉や無視などによって起こる。
            きびしい教育やしつけも、虐待と背中あわせになります。
            いくら子どものためだと説明しても、親自身の生きられなかった
            人生や、願望をかなえる道具として、子どもがつかわれるなら、
            やはり虐待なのです。

         「こころの傷」の中より

           あいつの血は、もうこれ以上引き継いではならない。
           わたしが結婚して赤ちゃんを生むのは、あいつの血が
           子どもに流れてしまう。
           もうひとり、悪い人間がふえる。
           それだけはしてはならないと思いました。
           40才になろうとする今でも、その気持ちに変わりはありません。
           だから結婚はできませんでした。
           わたしには、家庭はもてません。
           それは子どもができれば、わたしは子どもを傷つけるかも
           しれない。
           傷つけるに決まっています。
           母と同じように、言葉で、態度で。
           かなしい、かなしい人生を、子どもにさせる親になるに
           決まっています。


                 虐待をうけて大人になった人たちのこころに
                   ぬくもりのある静寂がおとずれますように・・・

                           と作者の言葉が結ばれていました

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                    ウオーキング~35分=4,350歩