なぐられて、よく、わたしの体は飛んだ。
タンスやかべや手すりにぶつかるまで、
なんだか、とても長かった。
でもいつからだろう。
痛くない、痛くない、わたしはここにはいないのだから。
そんなおまじないが、きくようになったのは。
時間がとまったんだと思う。 (本文より)
郵便局で借りた本、少しの間借りるのを休んでいましたが、昨日借
りたばかりの本、一気に読んでいました。
椎名 篤子・ノンフィクション、ライターの書かれた本。
日常茶飯におきている虐待事件など、小さな赤ちゃん、子どもを平気
で虐待している人のいること、世の中変わってしまったのかと、思って
しまいます。
残虐的な虐待を、小さな子の恐怖心を思いますと、心痛む思いです。
本文より
親からの虐待は、子どもたちの心に、自分の力では立ち直おること
のできない傷(トラウマ)を、つくります。
子どもの虐待は、大きく、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理
的虐待の四つに分けられるのです。
・ 身体的虐待
なぐったり、壁に投げつけたり、カッターで背中を切ったり、タバ
コを押しつけたり、アイロンで背中を焼く、水風呂に沈める、
赤ちゃんへの虐待など、親から子への虐待は、エスカレートする
こともある。
・ 性的虐待
実の父親、兄、おじさん、おじいさん、義父、子どもたちが決して
用心することのない近親者が、むごい虐待を起こす。
・ ネグレクト
日本では、教育の怠慢、あるいは、拒否といった言葉に訳され
ています。
育児をしない、できない、育児をしているけれども、不適切であ
るなど。
・ 心理的虐待
これは、言葉や無視などによって起こる。
きびしい教育やしつけも、虐待と背中あわせになります。
いくら子どものためだと説明しても、親自身の生きられなかった
人生や、願望をかなえる道具として、子どもがつかわれるなら、
やはり虐待なのです。
「こころの傷」の中より
あいつの血は、もうこれ以上引き継いではならない。
わたしが結婚して赤ちゃんを生むのは、あいつの血が
子どもに流れてしまう。
もうひとり、悪い人間がふえる。
それだけはしてはならないと思いました。
40才になろうとする今でも、その気持ちに変わりはありません。
だから結婚はできませんでした。
わたしには、家庭はもてません。
それは子どもができれば、わたしは子どもを傷つけるかも
しれない。
傷つけるに決まっています。
母と同じように、言葉で、態度で。
かなしい、かなしい人生を、子どもにさせる親になるに
決まっています。
虐待をうけて大人になった人たちのこころに
ぬくもりのある静寂がおとずれますように・・・
と作者の言葉が結ばれていました。
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ウオーキング~35分=4,350歩