<「日本列島轍靴ノ図」の近畿の部分。赤い線は1977年~81年の学生時代の轍、紫の線は1981年~90年頃まで、緑の線は2005年~現在。▲は登頂済、△は未登の百名山>
【特徴】
近畿2府5県の内、大阪、奈良、滋賀、京都、兵庫はかつて都もしくは宮が置かれた歴史を持つ府県である。また、三重には伊勢神宮があり、和歌山には熊野神宮がある。言うまでもなく日本の文化の中心地で、当然ながら名所・旧跡・観光地だらけである。
地形的には北方に日本一の湖「琵琶湖」があり、その琵琶湖から流れ出た淀川は大阪湾に注ぎ、その先には“島の初まり”「淡路島」がある。兵庫県と京都府が日本海に面し、兵庫、大阪、和歌山は瀬戸内海の恵みを得られ、和歌山、三重は太平洋に面している。山はざっくり言うと紀ノ川より北側は低山の穏やかな山が多いが、南側は大山塊で紀伊半島の大部分を占め、太平洋に大きく突き出している。紀伊山地は昔から修験僧の修行場になっていた。
湖、川、島、海、山の配置と随所にある名所旧跡を地図で眺める時、よくできた箱庭のように見えてくる。歴史と地形がうまく溶け込んでいて非の打ちどころがないように見えるのだ。さすがに、初期日本の大王たちが選んだ土地だけのことはある、と思わざるをえない。
【轍】
小生が所属した大学のサイクリングクラブと京都にある某大学のサイクリングクラブとで毎年秋に交流会があり、その関係で京都の北山や琵琶湖周辺、丹後半島は学生時代に走った。会社に入って、堺に住んでいた時代に琵琶湖周回、淡路島、京阪地区、奈良を休日に走った。また、東海道や旧中山道の旅の終点は京都だった。2007年5月に「氷川丸」で熊野~白浜まで1泊2日の自転車旅も行った。
【靴跡】
1989年から2年間、大阪は堺に住んでいた。休日には京都、奈良、滋賀県に観光に出かけた覚えがある。明日香村の遺跡や吉野の桜も見に行ったし、伊勢参りもしたし、大阪湾や琵琶湖で泳いだこともある。ただ、その頃は山を趣味にはしていなかったので、金剛山や高野山、比叡山には観光目的で登ったが、近畿にある百名山(大峰山、大台ケ原、伊吹山)は、その存在すら知らなかった。