日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「自分の言葉」で、「自分の思い」を語ったときが、人は一番美しい

2022-02-03 08:04:45 | 日本語学校
晴れ。

うっすらと雲がかかっています。今朝は風がないせいか、それほど寒くは感じられません。が、学校の鍵を開け、ドアを開け、一歩足を踏み入れた途端に、「さぶ…」

さて、学生たちです。

入試を控えている学生たちとは、いくつかの面から彼ら自身のことを話させてきました。話させていくうちに、私も、彼らのこれまでの行動に納得のいったこともありましたし、彼ら自身も自分のことを語っていくうちに、考えが深まっていったところもあるようでした。だいたい必要なことは聞き取れたと思います。

さて、「では、自己アピールをするとしたら」ということで、箇条書きでノートに書かせてみました。すると、私が受けた印象とほぼ正反対のことが書かれていたのです。自己評価というのは…なかなか大したものです(本当に、いいこと尽くめか????)。

「ええ!?」と、本人以外は唖然としてしまったのですが…。
「嘘だろう。本当にそう思っているのか」
「そうそう。いえいえ、本当です。本当に私は変わった!自分でも驚くくらい」
「まあ、確かに変わったは変わっただろうけれども…、それほどか~ア。そこまで変わったか~ア?プラスに~イ」
「はい。本当。それ、ほんとう」

大したものです。自己主張の強い民族は、自信も強固で揺らぐことがない。ここでも、いっかな引くことはない。

彼女の言ったことを中心に(ノートに書かれたことではありません。いくら何でも、私だって、思っていないことは書けない)一応のところでまとめ、それを渡してみると、なぜか急に頭がくるくると回転し始めたらしく、ものも言わずに、脇目も振らずに、ノートに何事かを書き始めた。

授業時間が終わる頃、「全部じゃないけれども、こう。先生、見て」とそれを渡した。

内容はほとんど同じです。けれども、言い方や言葉は完全に彼女のもの。文法もおかしければ、単語も間違いが甚だしいとはいえ。読めば彼女が浮かび上がってきます。借り物ではないのです。

で、私がまとめたものと、彼女の途中まで書いたものを、改めて渡し、「自分でまとめてごらん」

表情も生き生きとして、書くのがよほど楽しかったようでした。「私はこう思った。こう言いたかった」なのでしょうね。本当に人は自分の言葉で自分の思いを語っている時が一番勢いがあって美しい。借り物を無理に覚えて読み上げても、それは所詮、人のもの、自分のものではない。

さて、どう書いてきますやら。時間に制限があるので、それほど待てないのですけれどもね。

日々是好日
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