日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

今朝はいい天気です。街は光り輝いています。

2023-06-01 08:58:54 | 日本語学校
晴れ。

きれいな青空が広がっています。木々の緑が日に照らされて輝いています。こんな木々を見るのは、久しぶりのような気がします。

さて、学校です。

「Aクラス」には、今、七月に「N2」を受ける5人と、「N3」を受ける6人がいます。このうち、9人は去年の4月生。入国するまでに、一ヶ月くらいの差はあったにせよ、同じように「初級」を学んできました。残りの二人のうち、一人は10月生。とはいえ、入国できるのに時間がかかり、もう一人の1月生と、ほぼ同じころから勉強を始めています。

この二人は、国で多少勉強してきたということと、頑張り屋であったので、このクラスに入れたのですが、「初級」から「中級」に入るところの部分がすっぽりと抜けているので、「勉強したよね」と他の学生睨めても、二人を睨むわけにはいかず、ちと困る時もあります。それでも、毎週行われている「漢字テスト」では、一人はあと1枚で「N2」に入りますし、もう一人もあと5枚というところですから、まあまあの出来ということができるでしょう。

この「漢字テスト」というのは、「非漢字圏」の学生が大半を占めるようになった頃から始めました。中国人が多かった頃には、「漢字」の「書き」は問題になりませんでした。「書く」よりも「読み」のほうがずっと大変で、そちらにばかり(こちらの)目が向いていました。「教科書」の漢字を課ごとに書いて張り出し、毎回読ませるようにしたり、漢字と読みの一覧を作ったり、こういうことに時間を割いていました。

ところが、「非漢字圏」の学生が多くを占めるようになってきますと、別の課題が出来しました。「漢字」が読めないし、練習させても、彼らのつもりでは「絵を写している」くらいの感覚なのか、全く覚えられないのです。それで、「教科書」の課ごとに、漢字の書き順を一から書いたものを準備せねばと思い込み、その作業に忙殺され、毎時間の授業準備にそれほどの時間を割けない状態が続きました。一画一画書いて示さねばなりませんから、時間がいくらあっても足りません。授業後、残って書いていても、疲れてしまい、最後には、ぼうっとなって、何を書いているのかわからなくなってしまうという状態。

「しょうがない、帰るか。明日に、早く来て作ろう」となってしまい、今、考えると、まだ若かったから、無理が利いたのでしょう。もっとも、効果はと訊かれますと、なんともはや。こちらが思っているほどには彼らは踊ってくれませんでしたから、まあ、「無い」よりはましくらいのものでしたが。

それが年月を経てきますと、「非漢字圏」の学生でも、頑張ってくれる人が増えてきて、中には「N1」の漢字テストに入る人も出てきました。

この漢字テストは、「N5」では7枚で、一枚につき20問。「N4」では16枚、一枚につき同じく20問。「N3」ではぐっと数が増して39枚、同じく一枚につき20問。

「N3」の漢字テストが終了する(100点満点の80点)まで行けば、あとは押せ押せです。ただ「N2」からは、問題の数が増えてきますから、書くだけでも大変そう。時間もかかってしまいます。

「N2」は、一応一枚につき20問ということなのですが、同じ枠の中に、別の読み方をするものも入れてありますから、問いの数で、漢字の字数を勘定するのはちと難しい。とはいえ、37枚あります。「非漢字圏」の学生はよくて「N2」という時期が続いたのですが、これも学生の質が上がってきたのでしょう、「非漢字圏」の学生でも「N1」漢字テストには入れる学生も出てきました。

「N1」では、問い自体の数も増えて、一枚につき40から50問程度。書くのに倍以上の時間がかかってしまうようなのですが、ここまで来られる学生は書くのも速くなっていますから、どうにかなるようです。

ただ、こうなってきますと、「漢字が書けない、漢字は難しい」で済まそうとする学生が目立ってきます。そうではない学生の方が数が多いのですから。

一昔…そうですね、一昔前になるのでしょうか、大半が「漢字は難しい。だから覚えられない」で追われていたのです。それが、通らなくなってきたのです。

中国人以外でも、「N2」まで、中には「N1」の漢字まで覚えている学生がいるのですから。で、私たちも強気で押せるということになります。「難しいんじゃない。書かないからだ。10回書いて覚えられなかったら、20回書けばいい。20回書いて覚えられなければ、100回書けばいい。それでもだめなら、1000回書け」なにせ、それをやって覚えている学生がいるのですから。

以前は言えませんでしたね。「暑い国だから、努力したら死んじゃうんだよ。だから努力する習慣がないんだ」で、済ませていた、というか、ごまかすしかなかったのです。

日本人は「漢字」というか、それだけではなく、「ひらがな」を覚え、「カタカナ」を覚え、「漢字」の書き方を覚え、その覚えた「漢字」についても「訓読み」、「音読み」、それぞれ幾通りもの読み方を覚えたりしているうちに、「努力」するというのが身についてきたのではないでしょうか。極論ですかね。

今、この「クラス」にいて、毎週のテストに合格してきた学生たちも、それが知らず知らずのうちに身についてきたのかもしれません(努力できる学生が増えてきたのかもしれませんが)。「漢字」は練習しなければ覚えられませんから。そのときだけ「できた」というような勉強をしていると、文章を「読め」と言われた時、「N5」の漢字ですら読めませんから。試験の時、だれも読んでくれませんし。

このクラスでは新しい漢字を導入していくとき、今では、「偏は『ごんべん』で、旁は○○(漢字)と同じ」とか、カタカナなどを使って入れられるようになってきたのですが、「N3」の最初の頃までは、導入にかなり時間がかかっていました。それが、最近は新出漢字を入れるのに、あまり時間がかからなくなりました。だんだん読みの方に重きを置けるようになってきたのです。

もっとも、全部がそうというわけではありませんが。

日々是好日。
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