日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「靴下を、『はく、はかない』」。

2012-10-10 07:57:41 | 日本語の授業
 秋晴れ。街行く人の服装が随分変わってきました。色もそして厚みも。

 ただ重い茶とはいかないようです。それに黒というのも。まだ街には白が似合いますし、オレンジ色というのも合う。完全に秋色とはいかないのが、今時の街の雰囲気なのです。

 学生達は、こんな中でも、素足に「突っ掛け」であったりするのですが(上半身は完全防寒です)。何度、「素足はだめです。靴下をはきます。そうしないと風邪を引きます。病気になります」と言っても、習いたての「気持ちが悪いです」という言葉が返ってきます。

 これも習慣なのでしょう。真冬でも、ガンガン、エアコンを入れて、薄手の掛け布団一枚で過ごしてしまおうとするくらいなのですから。これも、「電気代が高くなります。掛け布団は厚いのを買います。パジャマも厚いのを買います。敷き布団のシーツは冬用のにします」と言っても、なかなか応じてはくれません。慣れなくて、寝付けないようなのです。とはいえ、本当に電気代が高くなります。こういう国の人達は経済観念の発達した国の人達とは同室になれません。電気代の件で、直ぐに喧嘩になってしまいます。

 私などは冬用のシーツは、暖かくて、しかも、猫の毛のようにモコモコしているので、大好きなのですが。この好みを共有するとまでは至れないのです、なかなか。これも真冬でも素足で過ごすという習慣が変わらない限り、だめでしょうね。

 「風邪を引いて、寝込んでしまうまでは、言われていることの意味がわからない」のでしょう。ただ、最近は、彼等にも同国人の「先輩という存在」が出来たので(たとえ、一ヶ月でも二ヶ月でも、先輩は先輩です。南国から来た人間にとっては、冬を越した人間は、それだけでも、冬を語ることのできる存在なのです)、その「先輩なる者」に、話してもらうようにしているのですが、これがまた手強い。時には、この先輩の中にも、真冬に裸足で通したという、ツワモノがいて、我々の意に反して、「大丈夫」なんて、のたまうのです。もうっ。

 まあ、風邪を引いたり、変な病気になったりしなければ、裸足で過ごそうが、どうしようが、それはその人の勝手、自由なのですが、日本の寒さは乾燥地帯とは違い、下から来るのです、おまけに冬とはいえ、湿度はそれほど下がらないのです(日本人からすれば、冬は、カンカラカンなのですが)。冬に慣れている人たちでも、(当日の)気温を聞いて、高を括っていると、「おっと、寒い」ということにもなってしまいます。

 毎年のように、この時期、学校の玄関先で、学生達との闘いが始まります。「あっ。裸足、見つけた。靴下をはきます」。「…大丈夫」。「大丈夫じゃありません。病気になります」。「嫌、気持ちが悪い」。「(気持ちが)いい悪いの問題じゃない。靴下!靴下!」で、学生達は逃げていく…。

 朝晩が、急に涼しくなった(おそらく、冬のない国の人達は、寒くなったと感じているでしょう)昨今、この闘いはいよいよ厳しさを増していきそうです。

日々是好日
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