日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

クラスの雰囲気

2008-09-13 12:08:39 | 日本語の授業
 昨日は、Cクラス(『初級Ⅰ』)の授業がない日だったので、授業が終わった先生から、学生達の様子を聞きました。

 楽しいですね。自分が教えている時は、「力ずく」でやらねばならぬ時も、少なくはないので、学生の様子も「楽しそう」とばかりは言えないのですが、若い先生方の話からは、「生き生きとした」彼らの様子が伝わってきます。

 先進国では、みんな英語を使っていると思い込んで、日本語の「いろは」も知らず、「ひらがな」も「カタカナ」も書けずに来た「インド人」の学生。しばらくは英語を「ひけらかす」だけで終わっていたのに、最近は新しい「インド人」の学生が、英語を使う度に、「だめ」「日本語で話して下さい」を連発しているそうです。

 解らない言葉があっても、「『自分で』調べる」という習慣がなく、すぐに「先生」と、教師を呼び、教えてもらおうとしていた彼。その度に、叱りつけたり、毎回、後ろの索引を開かせ、「自分で捜せ」などと言わねばなりませんでした。それよりも何よりも、「復習」と「予習」が、いかに大切であるかを諭さねばなりませんでした(中国人学生が多いので、ついて行けなくなるのです、のんびりしていると)。

 その彼が、今では、新しい「インド人」の学生に「それは、勉強しました。10課にあります」。「自分で調べてください。習った単語は、先生に聞きません」など、日本語で、のたまっているのだそうですから。全く。驚くやら、うれしいやら。

 とはいうものの、彼自身、単語をしっかりとは覚えてはいないのですから、面白いですね。ただ、日本語が「面白くなり出したようだ」というのは、感じます。このまま、こういう気持ちのまま、大学入試まで走って行けたらいいのですけれど。

 しかし、こうなったら、もう少し手を離しても大丈夫でしょう。四六時中、手取り足取りで文句を言われるのも、気ぶっせいでしょうし。

 『中級』に入った「Bクラス」の学生達の反応も、面白いですね。もっと「難しい」とか、「大変だ」という言葉が、上がってくるものだとばかり思っていましたのに。

 中国人の学生は、「『文』レベルで見ていたものが、『文章』レベルになると、こういう理解の仕方になるのか」と、納得しながら勉強しているような感じです。これも、年齢に幅があり、その上、目的が一様でないのがいい影響を与えているのかもしれません。家族滞在で日本に来て、ついでに日本語を学び、能力を生かして仕事をしたいという人と、大学へ行きたいという高校を卒業したばかりの学生。互いに助け合って、いい感じです。

 「非漢字圏」の学生達たちは、新出漢字を書く度に、「それは『医者のシャ』と同じです」とか『病院のインの左』とかいう言葉が、出てきます。間違える場合も少なくはないのですが、積極的な人が増えると、こちらも「漢字の教材」をもう少し増やしてやりたくなってしまいます。授業が終わると、午後の時間を生かして、早速、課毎の漢字をまとめて書いておくことにしました。

 以前作っていた「漢字カード」は、一枚ずつやる時にはいいのですが、まとめて貼るには、ちょっと不便で、面倒なのです。残って自習している学生達の面倒をみながら、チョコチョコッと、一応10課までは、準備できました。よしよしです。

 ただ問題は、貼っておくと「漢字テスト」の時や、「ディクテーション」の時に、ニコニコしながら見るのですよね。もっとも「漢字テスト」の時は、だめですけど、「ディクテーション」の時は、いつも大目に見ています。探し出せるだけたいしたものだということで。

 この漢字の練習の時には、中国人学生には、注意を要する漢字以外は、プリントなどをさせているのですが、中国人の学生の中にも、中学生さんがいますからね。彼には、「非漢字圏」の学生達と一緒に、漢字を練習させています。その時は、余裕があるのでしょう。「解ります」「ああ、これはわかりません。難しいですね」と一人でぶつぶつ言っています。半分はこちらに聞かせるのが目的でしょうが。

 こういう比較はあまりよくはないのでしょうが、年々、勉強だけに集中できる学生の数が、相対的に増えているような気がします。もちろん、皆いろいろな問題があるので、勉強に集中出来ない学生も、必ずいることはいるのですが、若い先生が「教えるのが楽しい」とか、「この教科書は、こういう教科書だったんだ」などと言っているのを聞くにつけ、「いい学生がいなければ、教師も育たない」ということを、身を以て感じてしまいます。

 学生を呼び出して、注意を与えるなどということは、「古強者」がやればいいことで、若い人には、「学校事務」や「授業」などを勉強してもらいたい。それが出来ないかぎり、一人前の「大人」の学生に「注意を与える」などということなんてできっこありませんから。

日々是好日
コメント
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