イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

加太沖釣行

2020年02月11日 | 2020釣り
場所:加太沖
条件:中潮 8:40満潮
潮流:9:00 上り2.9ノット最強 12:34転流
釣果:マルアジ、真鯛、ハマチ 各1匹

壊れていた舵が直った。今回もタカシさんのゴッドハンドがさく裂してくれて上架は免れた。しかし、御年多分今年で79歳!多少物忘れがあって、今回の修理も2回目の電話で反応をしてくれて、終わったと思ったら船のデッキに工具を置き忘れて帰ったりするわけだけれどもまだまだ現役でなおかつこの人でなければと頼っている釣り人、本物の漁師、海運関係の人々がたくさんいる。
タカシさんは、修理に来てくれた時に「手が震えて目が見えなくなるまでやるで~!」と渡船屋の船頭に話をしていたそうだ。なんとも頼もしい。



シニアが仕事で幸せになれない理由というのが五つあって下記のようになるらしいのだが、
①事故に巻き込まれる(起こしてしまう)
②若い人からの指図に抵抗感を覚える
③自分が足を引っ張っているという自責の念に駆られる
④仕事を覚えられない
⑤単純で刺激の少ない業務が退屈になる

タカシさんは①を除いたらすべてが当てはまらない。ぼくみたいなサラリーマンにはこれから先、どう転んでも、誰かに期待されて誇りのある仕事をやるということはない。それでもなんとかこれから先も食べてゆく策を見つけなければならないのであるけれども、一体どうなるのであろうか・・。
そんな不安に駆られながらもひと月ぶりの加太への釣行に出発した。

昨日の各社の予報では北風が強く吹くとなっていて、同僚のNさんも、明日はアウトでしょう・・。なんて言う。気象庁の天気図は高気圧の中心が本州に限りなく近くにあるのでそれほど吹かないんじゃないかと素人考えでいたのだが、やはり専門家の予報を侮ってはいけない。



目覚まし時計を午前4時20分にセットしていたのだが寝過ごしてしまい、目を覚ましたのが午前5時半。あれ、今日は釣りに行くのではなかったのか?会社だったかな?などと混乱する頭の中を整理してみると、やっぱり夕べ、釣りに行く準備をしていたことを思い出した。
飛び起きて新聞を取るために玄関を出て煙突の煙を見てみると真横に千切れて飛んでいる。
あれ、やっぱり予報通りか、これはダメだなと諦めかけたけれどもなんやかやでもうひと月も大きい方の船を動かしていない。なんとかして出港できる理由がほしいと海上保安庁の友が島灯台のリアルタイムの観測データをタブレットの電源を入れて調べてみる。このデータが直近で北の風風速5メートル。おや、これくらいの風ならなんとか行けるんじゃないかとやっと決断をした。出港した時刻は辺りがすっかり明るくなった午前7時を回ってしまった。時間を経るほど天気は穏やかになるということだったのでこれはこれでちょうどよかったのかもしれない。

一文字の切れ目を抜けたころは危険なほどの風波ではなかったが紀ノ川河口を越えるころにはかなりひどくなってきた。こちらから加太を目指す船も数隻いたが、加太方面から引き返してくる船もある。う~ん、やっぱり釣りにならないのかと思いながらも針路を維持。日本製鐵入り口の護岸を抜け、針路が西を向くころから潮のしぶきをまともに受けるようになってきた。田倉崎に差し掛かるころには体中潮だらけになってしまった。



僕の船には操縦席も無く、手作りのシールドには当然ながらワイパーなんていうものは装着されていない。すでにシールドは潮のしぶきで視界がなくなってしまっているので前方を確認するためには体を右舷に晒しだす必要がある。タイミングが悪いとその時にドバっと潮をかぶってしまうのだ。

幸いにして上りの潮が残っている時間帯なので友が島を越えなくても大丈夫だ。といっても船団ができている沖ノ島の際までは到達できそうにない。田倉崎を少し越えたあたりから仕掛けを下し始める。
スパンカーを立てても船体は安定せず、風と波に翻弄されている。



仕掛けが入ってゆく方向は右左に変化し、そのたびに舵を動かして仕掛けの方向に船首を動かす。舵を直してもらったのでそこのところは楽チンだ。
しかしこんな天気だ。アタリは出ない。今日はスクリューのゴミを落とすだけの航海かと思っていたら船が流れてテッパンポイントに差し掛かった頃アタリが出た。出たといっても船が異常に揺れているのでなんだかわからない。ただ、なんか竿が曲がっているぞと、そんな感じであった。もう、これが最後のチャンスかもしれないと慎重にやり取りをして上がってきたのは大きなマルアジであった。この季節のマルアジは脂が乗っていてすこぶる美味しい。これでなんとかおかずは確保できてボウズは免れた。
そのまま流れに任せていると今度は本格的な真鯛のアタリ。これもうまく鉤掛かりしてくれて2匹目。
午前9時を過ぎて潮が緩み始める時刻を迎えたので少しだけ北上。これが奏功してすぐにハマチがヒット。
風は少しずつだが穏やかになりつつあり、もう少し北上すると魚探にはいい反応が出てきた。しかし、これが喰わない。転流時刻は12時半だが風の影響で急ブレーキがかかってしまったのだろうか、それとも取り替えた疑似餌の選択も間違いだったのか魚探の反応に後ろ髪を引かれながらも午前10時半に終了。

菊新丸さんが、「シラスあげるよ~。」と港までわざわざ届けに来てくれた。前日に、港に近づいたら連絡くださいねと言ってくれていたのだが、「本当に行ったんですか?」とちょっと呆れられてしまった。菊新丸さんも行こうとしていたそうだが、昨日の予報を見て取りやめにしていたそうだ。そうだよな~、きちんと天気の分析ができる人なら多分、行かないという選択肢になるんだろうなと納得してしまった。
次の休日は雨模様でその次の休日はかなりの冬型、その次の休日は1週間後になる。今日を逃すとひと月半以上も船を動かせないことになる。僕もそういう事情がなければきっと安息日にしていたと思うのだが、結果としてはおかずを手にすることができてシラスもいただいてという、福音の1日となったのである。

久々に釣れた真鯛は片身を中華風の蒸し物にしてみた。まあ、清蒸自体が中華料理なので中華風というのもおかしいが、テレビで見て醤油味でやってみた。これはこれでなかなかの味であった。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「科学にすがるな!―宇宙と死... | トップ | 「大栗先生の超弦理論入門」読了 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

2020釣り」カテゴリの最新記事