九州八十八ヶ所百八霊場は、はじめて本格的な山中コースである若杉山の明王院、金剛頂院と進む。この2ヶ所とも徒歩でめぐるとなると山登りコースだし結構な時間がかかることだろう。あ、でも金剛頂院からの戻りに、暑さ対策万全といったいでたちの男性が上っていたのを見かけたな・・。
第6番の明王院から軽自動車のエンジンを5分ほどうならせた後、開けた場所に出る。第89番の金剛頂院の看板もあるが、その前に若杉楽園キャンプ場という休憩スポットが広がる。ここから篠栗町、福岡市街を望むことができる。前の木々が伸びているが、遠くには玄界灘まで見渡せる。
金剛頂院は九州八十八ヶ所百八霊場めぐりでは、88の次の89という番号がついているから後で札所に加わった形だが、当初から番外札所の扱いだったようだ。唐から帰国した弘法大師は都の情勢もあっていったん大宰府にとどまるのだが、その時に若杉山に登り、鎮護国家、人々の救済を祈願したのが始まりとされる。先ほどの明王院で紹介した養老ヶ滝でも修行しており、若杉山がそうした場であることもかねてから知っていたのだろう。
かつては広大な伽藍を持ち、最大で300もの塔頭寺院を構えていたそうだが、南北朝時代の兵火で焼失してしまったとある。現在の本堂は昭和の再建である。
金剛頂院には普段人がいないから文珠院で朱印の対応をしているのだろうが、本堂の扉は開いていて、中に入ってお参りができる。無人とはいえ荒れた感じはなく、普段から法要がある時には開放して多くの人が参詣するのだろう。また篠栗新四国八十八ヶ所の番外でもあり、若杉奥之院とともにやって来る人もいるそうだ。お堂の中にも篠栗関連の張り紙が見られる。ともかくここでお勤めとする。
ここまで来ればもう少しクルマを進めて若杉山の山頂にある若杉奥の院や、太祖宮の上社に参詣するところだろうし、今思えばそうすればよかったなと思うが、この時は来た道を下った。奥の院じたい、手前の駐車場から1キロ以上歩いたところにあり、しかも岩場もあるそうで、今回そこまでの予備知識がなく来たものだから躊躇してしまった。
この後、九州八十八ヶ所百八霊場めぐりは八木山峠を越えて飯塚に入るのだが、その途中に広がるのが篠栗四国八十八ヶ所の札所群である。さすがにこれらを巡拝することはないにしても、もろにそのエリアを通るわけだから無視するわけにもいかない。せめてその総本寺である城戸南蔵院にお参りするとしよう・・・。
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