まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

BCリーグ観戦記・福井対信濃@丹南・後

2017年06月11日 | プロ野球(独立リーグほか)
福井鉄道の家久駅から歩いて20分ほどで丹南総合運動公園に到着。2013年完成とまだ比較的新しい。硬式野球場のほかに体育館、軟式野球・ソフトボール用のグラウンド、多目的グラウンド、さらには里山エリアという散策コースもある。丹南というのは福井県嶺北地方南部、丹生郡と南条郡からついた呼び名である。

試合開始が13時のところ11時半頃に着いたのだが、ファンクラブのプレミアム会員の入場が11時40分、一般会員が11時50分、そして私のような一般客は12時からの入場開始である。少し時間があるので球場周りを散策する。

三塁側の外に一つの石碑がある。「氣力」と書かれたその筆の主は、あの王貞治さん。何で福井の片田舎(失礼)に王さんの石碑があるのか。説明文によると、球場が完成した時に何か記念碑を建てようと考えていたところ、世界少年野球大会が福井県で開かれた。そこで越前市の野球連盟は、同大会を主催する世界少年野球推進財団の理事長が「世界の王貞治」であることから一筆お願いした。王さんはそれを快諾し、常に書いている「氣力」の文字を越前和紙にしたためた。それを石碑に移したというものである。ここから子どもたちが大きく成長してくれるようにとの願いがこもっている。

さて時間となり入場する。福井ミラクルエレファンツは今年が発足10周年。一時は経営難から存続が危ぶまれたこともあったが、今は「福井県民球団」として地元に溶け込んでいる。

スタンドは小ぶりで、ネット裏も同じような客席があるだけ。屋根裏があるわけではなく簡素な造りである。実はふとここで気になることがあって、武生の町歩きをしていた時は青空だったのが、家久駅に下りた時にはかなり雲が厚くなっている。福井の天気予報は午後から雨とあったのだが、朝大阪を出た時にはそのことに気づかず、関西は晴れの予報だったこともあって雨具を持って来なかったのだ。銀傘でもあればその下に逃げ込むところだが、まあ、なるようになるか。

試合前の状況では、福井は西地区の3位、一方の信濃は西地区の首位で、前期優勝のマジックも点灯している。リーグ発足時からのチームで唯一優勝経験のない信濃だが、今年こそはチャンスがあるかどうか。ちなみに福井の監督は今年から元阪神の北村照文、信濃は元阪急の本西厚博の両氏が務める。

この試合は「鯖江市の日」ということで、試合前の挨拶、始球式には鯖江市長が登場。また試合の合間には鯖江市のイベント紹介や、特産品が当たる抽選会があった。

さて試合開始。福井の先発は元阪神の岩本。名字に「岩」の字がつく投手が多い阪神にあって、1年目は一軍初登板初勝利、そして次の試合にも勝利して今後の活躍が期待されたが、その後は勝ち星どころか一軍の登板機会にも恵まれず、昨年限りで戦力外。今年から福井に在籍しているが、これはNPB復帰への道を探るためだろう。ただBCリーグでも圧倒的な存在感を示しているわけでもなく、まだ手探りの段階のようだ。

一方の信濃先発は台湾出身のロン。信濃先発陣の柱の1本である。そのロンに対して先頭の森が四球、続く小野瀬がヒットで続く。その後二死一・三塁となって5番・浜崎が二塁ゴロ。これを信濃の二塁・ライがはじくエラーで1点が入る。

続く高柳がレフト前にタイムリーを放ち2対0となり、その返球も悪送球となってもう1点入る。さらに片山がセンター前ヒットで合計4対0。早くもスタンドは大いにわく。得点が入ると流れるのは福井県民謡の「イッチョライ節」。

2回にも森が二塁打で出塁し、小野瀬のタイムリーで1点追加。5対0と一方的な展開となった。

試合としては福井ペースなのだが、ここで雨がポツリと落ちてくる。雨具の用意がないのが不覚ではあるが、このくらいならまだ我慢できるかなというところ。その後、雨のほうは試合を通して降ったり止んだりが続く。

3回まではヒット1本に抑えていた岩本だが、4回にピンチを迎える。先頭のライが四球、続く中川のゴロを福井の二塁・栗田が二塁に送球するがセーフ(野選)。続くジェウディーも四球で、無死満塁となる。ここまで5対0だが、ここで得点が入ると試合はまだまだわからない。

ただここでギアを入れ直したか、元日本ハムの大平を浅いレフトフライに打ち取る。これでは三塁ランナーもタッチアップできない。続く森田は空振り三振、そして最後は柴田を遊ゴロ。無死満塁のピンチを無得点で切り抜けた。これで試合の流れが決まったような感じだった。

福井は5回の二死満塁は無得点だったが、6回には森がこの日2本目の二塁打を放ち、甲川のタイムリーで1点追加。信濃も6回に柴田のタイムリーで1点を返すが流れは変わらない。

この後は両チームとも継投。まず7回から登板した信濃の浅見。西武の牧田に憧れているという下手投げの投手。球の出どころがわかりにくいが、ビャッと来るような球を投げる。一球ずつ帽子を飛ばすのも面白い。

そして8回から福井の2人目として登板したのは、昨年オリックスに在籍したものの、1年で戦力外となった角屋。今年は育成契約となり、1年間福井に「派遣」という形で来ている。「居酒屋店員からプロ野球」「ベンツで入寮」という話題だけが先行した1年だが、BCリーグを自らの修行の場としてもう一度支配下を勝ち取りたいところである。ただ、今季のバファローズ投手陣は若い選手もどんどん出てきているので、ハードルも高そうだ。

8回には浅見から森のタイムリー、浜崎のタイムリーで2点追加。8対1となる。

そして9回はこの点差だが抑えの藤岡が登板。先頭打者を四球で出すものの、後は三者連続三振で締める。結局福井が16安打で圧勝したが、信濃の3失策(このうち2つが失点につながった)も痛いところ。この試合を受けて、信濃は西地区の首位から転落。この日勝利した富山サンダーバーズが首位に浮上し、マジックも点灯した。

試合終了後のインタビューでは勝利投手の岩本、そしてともに3安打の森、浜崎の3人が登場。また球場外では選手たちの「お見送り」があった。普段ならばヒーローインタビューもしっかり聞いて、また球場外で選手や監督・コーチからご朱印・・・もといサインをいただいたりということをするのだが、この日はインタビューもそこそこに球場を引き上げた。9回に入り、雨がちょっと強くなってきたのだ。これから強くなるようなことを誰かが言っており、雨具を持たないのでここは濡れても仕方ないから早く駅に戻ることにしたのである。

家久駅に到着。こちらは最近できた駅舎ということで多目的のトイレもある。ここでシャツを取り替える。最初は歩いて汗をかくからと持参していたのだが、まさかの雨で着替えることになるとは。

武生に戻る。時刻は17時前ということでこれから大阪に戻るが、夕食をどうするか。実は武生には「ボルガライス」という地元料理がある。市内にそれを出す店がいくつかあるのだが、雨が降っているので駅前の店に入ろうかと思う。しかしドアのところには、「5時半から営業」とある。うーん、30分以上待つのか。わざわざ待つのもどうかと思い、17時すぎの列車で敦賀まで移動する。

・・・敦賀まで移動したのは大阪までの列車の便のこともあるが、やはりもう一つ、「敦賀に来たらこの店」という「まるさん屋」に行こうというものだ。この店にも何回か来ているが、季節に応じた看板メニュー、その時の旬のものが出てくるので通ってしまう。この時はカウンターにたまたま空席があったので待ち時間なく入ることができたが、店内はグループ客のほかに、夕方からの宴会客も入っていて店員さんも慌ただくしている。

造り盛り合わせ(並でも7点盛り)、鯖のへしこ焼きに加えて、そろそろ出始めの岩ガキを刺身をいただく。岩ガキはもう少し大きければよかったが、濃厚な味で酒ともよく合っていた。

今回は野球以外にも武生の町歩き、そして夜の居酒屋ということでなかなか濃い1日となった。野球を観に行く・・・これくらい肩の力を抜いて楽しめば、というところである・・・・。
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