まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第34番「四天王寺」~西国四十九薬師めぐり・4(キンミヤ&ホッピーと西青山駅)

2019年07月22日 | 西国四十九薬師

津駅に隣接するホテルグリーンパーク津にチェックイン。「アスト津」という、高さ94メートル、三重県で2番目に高い(1番は100メートルの四日市港ポートビル)ビルの高層階にある。

部屋は山側、海側とあり、今回は海側の部屋を選択。こうして見ると海岸も比較的近い。イオンの大型ショッピングセンターはあるが、他にそれほど高い建物はない。それどころか駅のすぐ近くにも住宅地があるし、駐車場の空きスペースになっているところも目立つ。県庁所在地の玄関口にしては少しさびしいようにも見える。海岸の遥か向こうに陸地が見えるのはセントレアだろうか。

宿泊者用のクーポンがついていて、同じビルの地下にある日本海庄やなど数軒で使えるとある。津の名物は何かなというところだが、ご当地メニューに「津ぎょうざ」がある。これはまだいただいたことがなく、近くで食べられそうなところということで、同じビルの地下の焼鳥屋にあるというのでとりあえずそちらに向かう。決め手はホッピー&キンミヤだ。

さて一杯目。見た目は生ビールだが実はこれはキンミヤのホッピー割。ホッピー&キンミヤも店により出し方があるが、ここの場合は店のほうで最初から割ったものを出す。

店の口コミでは鶏の刺身料理が美味いとのことだったが、あえなくも「この時季はやっていません」とのこと。あらあら。ならばと普通の焼鳥の盛り合わせに、「津ぎょうざ」を注文。

津ぎょうざは1985年頃、学校の給食メニューとして出されたのが由来だという。子どもたちの栄養と満足感を考えたそうだ。そして2008年から津市が飲食店に呼びかけてご当地メニュー化したそうだ。定義は「直径15cm以上の皮を使うこと」「油で揚げること」の2つで、具材は特に規定はないようだ。今回は2個いただいたが、ホッピーにも合う。ただまあ、これは好みの問題だが餃子は焼き餃子のほうが美味いかな。

こちらの店を出て、改めて駅前に出る。何軒か飲み屋が集まる中で、三重県の地産地消を売りにしている創作料理の店を見つける。しまった、最初からここにすればよかったかなと中をのぞくと残念ながら満席。ホッピーを優先した結果である。

ならば、他にもビアガーデンなどもあるがホッピー&キンミヤで押そうと、隣接する別の焼鳥店に入る。チェーン店ではあるが地元の人たちで賑わっているようだ。こちらではホッピー(業務用)とキンミヤが別、しかもキンミヤは最初からジョッキには入っていなくて別のグラスで出てくる。こちらのほうが東京の大衆酒場風でよろしい。アテは焼鳥やキャベツというところで、津で伊勢湾の魚をいただこうとかいうのはどこかに飛んで行った。

さてキンミヤ焼酎がいい感じで回ってきたところで店を出たが、このまま部屋に戻るのも惜しい、どこかに列車に乗って行こうという気になった。JR・・・では無事に帰れるか覚束ないし、この日は近鉄の「週末フリーパス」を持っている。

ちょっと南に行ってみようか・・・と、やってきた19時39分発の松阪行きの急行に乗る。これが早い時間なら松阪まで行って松阪牛のホルモン焼きとか味噌だれの焼鳥で一杯・・・と行くところだが、飲み食いのほうは先ほど十分に済ませている。まあ、乗りに行ってそのまま引き返して来よう。

19時54分、伊勢中川に到着。ふとここで下車したくなった。頭に浮かんだのは、近鉄の中でも「秘境駅」としてランクされている西青山駅。夜はどんな感じだろうか見てみたくなった。ちょうど、19時57分発の名張行きが発車を待っている。

2両編成だがそこそこの乗客を乗せて発車。この区間は近鉄大阪線という主要路線の中でもローカル線の雰囲気があるところで、途中の小さな駅に停車しては乗客を少しずつ降ろす。外も暗いのでよく見えず、そのまま長い青山トンネルに入る。

トンネルを出たところが西青山で、20時20分着。迷うことなく近くのドアから降りる。降りたのはもちろん私だけ。いや、私だけでよかった。もし「秘境駅」で他に見知らぬ誰かがいたらそのほうがビビッてしまいそうだ(相手もそう思うだろうが)。

駅は「秘境駅」と言われてはいるが国道165号線沿いにあり、クルマの往来はそこそこある。外に出ると国道を走るクルマの走行音が結構響く。

外にあるのは駅のトイレと公衆電話ボックスのみ。ちなみに西青山駅で検索すると、候補に「幽霊」とか「心霊写真」とかいうキーワードが続きで出てくる。主にはここから少し離れたところにある旧青山トンネル(列車衝突事故もあった)のことを差すが、中には駅前のこの電話ボックスも「心霊スポット」として紹介したものもある。

「秘境駅」の訪問記にはそこの駅で野宿した・・というものもあるが、私にはとても無理だ。幸い列車はまだまだ走っており、折り返しの伊勢中川行きは20時27分。つまり駅の滞在はわずか7分。まあ、それを見越しての駅訪問だったが、これだけでも十分だった。この時間に西青山駅から乗車しても、他の客が別に珍しいものを見るような反応がなかったのは幸いだった。

夜のローカル列車、「秘境駅」を味わい、これで津に戻って休むことにする。翌日15日はいよいよ大相撲名古屋場所の観戦。早い時間に名古屋入りするため、ホテルでの朝食は取らずに朝6時台の出発である・・・。

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