世に「落語ブーム」という。確かに寄席に行っても客は多いし、若いカップルで来ている光景も多く見かける。それは喜ばしいこと。
ただ、それに勘違いして、駆け出しの前座などが「最近は落語ブームでして・・・」とあたかも自分の手柄のように語ったりする。
あのね、お前の芸を見に来ているんではないんだから・・・。
それよりももっと勘違いしているのが、落語のそういう団体の長老格の落語家といわれているのに、高座では古典も新作も落語を語らず、ただ雑談に毛の生えたような、オチのない話だけして下りる落語家。
頼むからそういうのはテレビやラジオでやってくれ。落語家に政治なんぞ語ってほしくない。ブームだからって慢心しているのと違うのか。
どうも「ブーム、ブーム」といわれて、肝心の落語家が勘違い・慢心しているのではないかと思う今日この頃。落語の「質」は、確実に下がっている。
小手先の笑いだけでも客はついてくるわい・・・というのが感じられる。そういうのは、改めたほうがよろしいのではないでしょうか?
あんなのドラマの一過性のもので、すぐにも「落語ブーム」なんてのは下火になるんだから。
「ちょっと小粋な言葉がいっぱい!」というチャッチフレーズで発刊されたのがこの一冊。
落語ならではの、気のきいた?言いまわしや、落語の世界でないとこういう台詞は吐けんぞ!という一言までを集めたものである。
「おれがいったんじゃねえ。あれは酒がいわせた・・・」
「だれががんもどきの製造法を聞いているんだ・・・」
「おひやでもいいからあったけぇ飯食わせろ・・・」
「今年は年寄りが色気づきやがったかね・・・」
「帳面をどがちゃがどがちゃが、どがちゃがどがちゃが・・・」
ここに挙げた例がどういうネタで使われているかはこの一冊を読んでいただくとして、こういう言葉が出てきた背景というのが、古典落語が形をなした頃からの伝統というのもあるし、演じられるその時その時の世相などを反映したものであったりする。
結構、人間の心理をうがったところもあるし、今現在でも生活の中でひょっとしれたこんな台詞を吐いているシーンがあるかもしれない。だから笑えるのである。
やはりこういう手引きがあったほうがよい。
なかなか人生の教訓にもつながるものがありましたよ・・・・。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます