2月から3月にかけての年中行事である春闘の団体交渉が始まった。毎年先陣を切り、その結果が他の業界にも影響を及ぼすという自動車労連の要求が行われたとの報道。
その中を見るに、多くの労組で大幅なベースアップを要求、会社側はかつてない業績悪化を理由にベースアップゼロ回答もあり得るとの姿勢とか。
私も組合員なので、組合の要求が全て通って賃金が上がり、少しでも余裕のある生活というのは望むところである。組合側も、賃上げこそ最大の景気対策といきこんでおり、昨今の民主党への追い風も武器にして強気の要求をしているようだが・・・。
ただどうなんだろう。一歩引いてみればこれは「下手糞に絵に描いた餅」ではないだろうか。それを強気に出されたら、会社だって態度を硬化させるでしょうに。私が経営者なら「今の待遇に不満だったら、いつでも辞めてください」と言うかもしれません。
会社がコケる。いかにこれまでの内部留保があるとはいえ、何百億の黒字見通しが、何百億の赤字、トータルで桁外れの落ち込みという企業がゴロゴロしている現実の中で、例年以上のベア要求。これはあまりにも現実外れとしかいいようがない。要求することが組合専従の仕事というのがわかっていても、「あんたら、もっと地に足ついたことを言ったほうがいいのでは?」と思いたくなる。
まあ、世間で派遣社員が何万人切られようとも、組合にとっては「組合費を払ってくれる従業員」が「お客様」ですからね。派遣社員含めた非正規雇用の人たちは関係ないんですよ。
ベア要求する組合側に一言。
従業員は目減りしている賃金から組合費を供出しているわけですが、この額を見直そうとか、組合専従も痛みを分かち合おうとか、そういう動きはないんですかね??そういう話は全く出てこないので。
組合のトップは旧共産圏のお偉いさんのような生活を送っているという、「労働貴族」という書物もありましたよね・・・・。
(2009.02.25)