まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第26回中国四十九薬師めぐり~第49番「森福寺」(いよいよ満願!しかし・・)

2023年07月01日 | 中国四十九薬師

2年あまりかけて中国5県を巡拝した中国四十九薬師めぐりも、最後の1ヶ所、第49番・森福寺を残すのみとなった。

因美線の東郡家駅で国道29号線に入り、そのまま北上する。森福寺の最寄り駅は津ノ井で、地図で見ると駅からは2キロほどのところにある。近隣は工業団地も広がるが、古郡家という名の地区で、近くには前方後円墳もあるという。因幡の国にあって、畿内との結びつきが伺えるという。

カーナビに従って走ると森福寺の石柱があり、クルマ1台がやっとの路地に入る。その途中に駐車場の敷地が現れ、すぐ奥が山門である。

森福寺は平安時代中期、伯耆の三徳山の秀道法印が八坂山に庵を結んだのが始まりとされている。後に山崩れで廃寺となったが、江戸時代の初期に、戦国時代の因幡武田氏の当主・武田高信の遺臣たちが主君の菩提を弔うとして、播磨から道久という僧を招き、現在地に禅寺を建立し、現在の森福寺となった。この武田高信という人物、毛利氏の手先の役回りで因幡にて山名氏や尼子氏再興軍らと戦いを繰り広げたが、後に毛利氏と山名氏が和睦を結んだことで邪魔な存在となり、切腹させられたとも斬殺されたとも言われている。さすが謀略が得意とされる毛利らしいが・・。

本尊の木造薬師如来は平安時代後期の作とされ、かつて八坂山にて祀られていたものという。

山門をくぐると正面に本堂がデンと構える。中から僧侶の読経の声がする。門前にクルマが何台か停まっていたのは、法事で来られた人たちだろうか。私も扉の外にてお勤めとする。

さて、これで朱印をいただき、中国四十九薬師めぐりのパンフレットに「満願之証」がいただけるとあるので、それを申し出よう。寺の方が確認できるよう、これまでの48ヶ所分の朱印とバインダーも持参している。

本堂で法要中なのでどうかなと思うが、インターフォンを鳴らす。しばらくして寺のご老人が出てきた。「年寄りで要領がわからなくて・・」と言われたが、これまでの朱印を見せるなどしてどうやら理解していただき、「これでいいですか?」と中国四十九薬師の書置きの朱印の紙はいただけた。

問題は「満願之証」である。これまで巡拝して来た札所めぐりでは結願となる寺院、あるいは任意の寺院にて満願の対応をしていただいている。中国観音霊場の場合、鳥取市にある最後の第33番・大雲院の納経所にて証明書や御札などを授与された。当然、中国四十九薬師の場合も森福寺で対応してくれるものと思ったが、ご老人は何のことやらといった表情である。

ここで押し問答しても仕方ないので、住職たちは現在法要の最中だが、終わったら確認していただき、連絡をいただくという話になった。用件と携帯電話番号を書いたメモをご老人に渡し、いったん寺を後にする。

「満願之証」がどうなるかはともかく、これで49ヶ所を回り終えたことは事実である。達成感もあれば、ようやく終わったという安堵感もある・・・。

さてこれからだが、現在の時刻は10時45分頃。鳥取を後にする16時20分発の「スーパーいなば6号」で時間はある。来る前に頭にあったのは、久しぶりに郡家から若桜鉄道に乗るというものである。ここでローカル線も組み込んでみる。

本数が少ないので時刻表をチェックする必要があるが、今の時間からなら郡家での待ち時間が長すぎるので、逆に終点の若桜までクルマで走れば、若桜11時23分発の列車に間に合うかもしれない。若桜駅前にクルマを停めて、郡家まで往復して若桜から鳥取に戻れば早いのだが、さすがにカーナビではギリギリの案内である。もし間に合わなかったら実に中途半端な事態になる。

そこで、標識に安部駅の表示が出たところで若桜まで行くのを断念し、向きを変える。結局、郡家12時03分発の若桜行きに乗ることにしたが、その前に途中駅の見物ができそうだ。この後、安部、隼という2つの駅に立ち寄った後、郡家に戻る。これについては別記事にて・・。

郡家で若桜行きの列車を待っている間に携帯が鳴った。森福寺からである。住職らしき方からの説明によると、中国四十九薬師の「満願之証」については各寺院ではなく、第28番・常福寺にある霊場会事務局で対応しているとのこと。常福寺は山口県美祢市にあり、私の巡拝では山陰線の「○○のはなし」で東萩まで行き、東萩からレンタカーで新山口に出る途中で訪ねたところだ。近くには、奈良・東大寺の大仏にも使われた銅を産出した長登銅山跡もある。一瞬、美祢まで行かなければならないのかと思ったが、わざわざ行かずとも郵送で対応してくれるはずなので確認してほしいと言われた。

案内いただいたことにお礼を言い、中国四十九薬師のサイトに掲載されている事務局のフリーダイヤルにかける。・・ただ、こちらもお留守。常福寺もご家族でやってらっしゃる感じの小さな寺だったのを思い出して、まあ法要等で留守にすることもあるだろうと、後日改めて電話した。確かにここで受け付けているとのことで、「満願之証」に文字を入れるのに間違いがあってはいけないので、手紙またはFAXで名前と住所を連絡するように言われる。手続き費用(2000円)は、振込用紙を同封するのでそれで後払いとのこと。これが届くのを楽しみにしよう・・・。

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