昨年のオリックス・バファローズの最終戦は10月2日で、今も記憶に新しいところだが福岡での「優勝決定試合」で延長にもつれこむ熱戦を繰り広げた。
そして今年の最終戦は10月3日。奇しくも昨年と同じホークスとの対戦となった。しかしホークスはとうの昔に優勝を決めており、バファローズとしてはかろうじて5位を守れるかという試合である。
以前に「最終戦くらいは行こうか」ということを書いたが、久しぶりに大正ドームに現れる。別に入場料が割引になるわけでも、内野席を無料開放するわけでもないが、すでに大勢の人が詰めかけている。やはり最終戦独特の雰囲気というのがある。
いやそれよりも、この試合はこの選手の引退試合ということで、別れを惜しむ人たちも多いことである。谷佳知。
旧近鉄のファンだった私から見れば、元々はブルーウェーブの選手であるし、球団統合後しばらくして巨人に移籍したこともあり、そう熱心に応援していたわけではない。ただ、これまで積み上げた実績は素晴らしいものだし、最後は古巣に戻って何とか2000本安打を・・・という姿勢は応援したいものである。この最終戦が引退試合ということになるが、どのような場面で登場するだろうか。
試合開始前は三塁側、レフトスタンド上段席には空席が目立つ。ただ試合が進むに連れてこのエリアも結構埋まっていく。
バファローズの先発は2ケタ勝利がかかる西。最初から気合いの入った投球で、福田、本多から連続三振。長谷川に四球を与えるが内川を内野ゴロに打ち取る。2回も松田、今宮から、そして3回は高谷、福田からそれぞれ三振を奪う。西の「最後での好投」といえば、ホークスの小久保の引退試合でノーヒットノーランを達成したというのがあるが、それを彷彿とさせる投球である。
先制はバファローズ。3回、ホークス先発の武田から二死二塁として、T-岡田が一・二塁間を破るタイムリーを放つ。それにしても、T-岡田は履正社高校出身であるが、今や履正社といえば「スワローズの山田の母校」である。打撃では完全に山田に抜かれたし、今思えばドラフトのくじ引きで外したのは大きいし(その結果指名した駿太は相変わらず伸び悩んでいるし・・・)、いや、今さらそんなことを言っても仕方ないが。
西の好投は続き、4回も長谷川、李大浩から三振、5回も松田から三振。それ以上に無安打に抑えている。ひょっとしたらまたもノーヒットノーランかという内容。続く6回も二死まで順調に来るが、本多に初安打となるセンターオーバーの当たりを許す。本多は悠々二塁に到達し、三塁を伺おうとするがここで外野から返球。オーバーランとなった本多は二塁に戻ろうとしてタッチアウト。
西は勝ち投手の権利を持って6回でマウンドを降り、7回には療養中の金子が登板。この試合のためだけに、谷とともに本日登録された。スタンドからは万雷の拍手。長谷川、内川、李大浩というクリーンアップをきっちりと打ち取り、ムードを高める。
さて谷はどの場面で出てくるのか。下位に入った宮崎、山崎というところで代打に出るか。しかし二人は普通に打席に入り、山崎はヒットを放つ。1番の岩崎に回ったところで一塁ベンチ前に背番号10が姿を現す。
この日一番の歓声である。以前から変わらないテーマ曲に乗って打席に向かう。スタンドでは、入場者全員に配布された「10」のボードが掲げられる。
さあどういう打撃をするか・・・と思う間もなく、武田から初球をライトに運ぶ。詰まり気味の当たりが幸いしてヒットとなる。ファンの中には「もう少し長く谷の打席を見たかった」という人も多いだろうが。
引退試合ではここで代走が送られることが多いが、谷はそのまま一塁に残る。李大浩とともに背番号10が並ぶ。今のバファローズで谷の前に10番をつけていたのが李大浩。
続く安達が四球で満塁として武田はここで降板。代わった左の飯田から糸井がレフト前に運ぶ2点タイムリー。二塁に進んでいた谷は一気にホームイン。これで3対0と俄然優位となった。谷のヒットが貴重なつなぎになった。この後T-岡田のタイムリー、小谷野の内野ゴロの間の得点で合計4点をあげ、5対0となった。試合の行方はこれでほぼ決まっただろう。
8回表、ベンチに下がると思われた谷がそのままライトの守備へ。ライトスタンドへのファンへの顔見世というところか。この回登板の岸田が先頭の松田を三振に打ち取ったところでベンチに下がる。
9回は佐藤達が登板。楽勝の場面なのに四球やヒットで満塁のピンチをつくるのは、さすが試合をブチ壊しにして今季7敗もしただけのことはある。最後は李大浩を打ち取って何とか無失点で試合終了となったが・・・。
通常の試合であれば、試合終了後に監督以下ベンチ入り選手が一塁ライン上に整列して挨拶するところだが、この日は一旦全員ベンチに下がった。最終戦ということでセレモニーを行うからということで。
それに先立つ形で、三塁ベンチからホークスナインがグラウンドに出る。向かうはレフト。熱心なホークスファンに帽子を取って挨拶する。スタジアムDJからも、ホークスの選手、ファンに対する感謝のアナウンスがなされる。優勝を決めてから調子が出ず、この日の敗戦で6連敗となったのがポストシーズンに向けて気がかりではあるが・・・。
今度はバファローズナインがグラウンドに登場する。そこにはこの試合ベンチ入りしていた選手だけではなく、二軍にいる選手たちの姿も見える。よほど故障したとか、諸事情でこのグラウンドに立てない選手もいるので全員ではないが(例えば平野恵とか、馬原とか、坂口とか、カラバイヨとか、井川とか、古川とか・・・・)、これにはスタンドからも大きな拍手。
選手たちが内野グラウンドに整列し、今季後半を指揮し、来季は監督に昇格する福良監督代行が挨拶。不甲斐ない成績を詫びるとともに、ファンへの感謝、そして来季の巻き返しを誓う。この次期監督についても結構いろんな人が候補に挙がっていたが、結局は無難なところに落ち着いた。後はコーチをどうするか。今のままというわけにはいかないだろうし、ヘッドコーチに西村徳文氏(前マリーンズ監督)招聘という声も出ていたりする。
これに続いて、谷の引退セレモニー。過去の活躍の映像が流れる中、マウンド前に一人立つ谷。「お疲れ様」「ありがとう」「まだ(引退は)早すぎる」「コーチとして戻ってこい」・・・多くのさまざまな声援が飛ぶ。その中で挨拶がある。「多くを語るタイプではなく、プレーで語る選手」という表現があり、「今後も野球人としての務めを果たしたい」と結んだ。やはりそう遠くないタイミングで、コーチ、そして監督としてユニフォームを着る日が来るだろう。
ファンからの寄せ書きがなされた旗の贈呈や、選手を代表してT-岡田からの花束贈呈、そして息子さん二人からの花束贈呈があった。表には出なかったが、夫人の谷亮子さんも球場に来ていたそうである。
その息子二人を連れてグラウンドを一周。ホークスファンも多くがスタンドに残っていて、こちらからも大きな拍手があり、紙テープも投げ入れられた。その間、谷の応援歌が流れ続ける。私の座っていた近くにブルーウェーブユニ姿の人がいて、大声でその歌詞を唄っていたのが途中から涙混じりになっていた。
グラウンド一周の間に選手たちの輪が作られ、谷が迎えられる。そして胴上げ。背番号と同じく10回胴上げされた。19年間、お疲れ様でした・・・・。
さて、谷の引退試合ではあったが、そもそもはシーズン最終戦。そのイベントの一つとして、ファンクラブ会員を対象にグラウンドでの選手ハイタッチが行われる。試合前にファンクラブの来場ポイントを付与する時に整理券が渡される。私が手にしたのは2-Bと書かれていた。数字はグラウンドへの入場呼び出し順で、アルファベットは選手のグループである。選手ハイタッチといっても全選手とできるわけではなく、いくつかのレーンに選手が分かれるというもの。
その準備が行われた後、呼び出し順の1番がコールされる。するとぞろぞろとグラウンドに客が入っていく。いったいどのくらいの数だろうか。私の2番も呼び出されるが、前がつかえていてなかなか降りることができない。ようやく降りることができても行列の最後尾はかなり先である。
そうこうするうちに選手たちがグラウンドに出てくる。A~Gまでグループ分けされており、どのグループにどの選手が来るのかも気になるところ。センターのビジョンにはその様子が映し出されている。それを見てか、ファンの間では整理券を交換し合う光景も見られる。
私が整理券を持っているBグループは、近づいてようやく選手がわかったのだが、左側には前から山本、糸井、川端。右側には若月、海田、安達、白仁田というラインアップ。中には外国人選手が多いグループもあるが、どのグループも人気選手、若手選手をうまく配分している。もうシーズンが終わったとなれば、かける声は「お疲れ様でした」でしかない。
ハイタッチの後はBs Girlsたちのイベントもあるようだが、ここでドームを後にする。
野球はこの後クライマックスシリーズ、そして日本シリーズと続くが、バファローズファンとしては今季はこれで終了である。大正ドームも今季見納めかと、夕日が切なく感じる。来季は何とか巻き返してほしいものだ。
・・・あ、でもよく考えれば、私自身は今年少なくとももう一度、ここで野球の声援を送ることになるんだったか・・・・。
そして今年の最終戦は10月3日。奇しくも昨年と同じホークスとの対戦となった。しかしホークスはとうの昔に優勝を決めており、バファローズとしてはかろうじて5位を守れるかという試合である。
以前に「最終戦くらいは行こうか」ということを書いたが、久しぶりに大正ドームに現れる。別に入場料が割引になるわけでも、内野席を無料開放するわけでもないが、すでに大勢の人が詰めかけている。やはり最終戦独特の雰囲気というのがある。
いやそれよりも、この試合はこの選手の引退試合ということで、別れを惜しむ人たちも多いことである。谷佳知。
旧近鉄のファンだった私から見れば、元々はブルーウェーブの選手であるし、球団統合後しばらくして巨人に移籍したこともあり、そう熱心に応援していたわけではない。ただ、これまで積み上げた実績は素晴らしいものだし、最後は古巣に戻って何とか2000本安打を・・・という姿勢は応援したいものである。この最終戦が引退試合ということになるが、どのような場面で登場するだろうか。
試合開始前は三塁側、レフトスタンド上段席には空席が目立つ。ただ試合が進むに連れてこのエリアも結構埋まっていく。
バファローズの先発は2ケタ勝利がかかる西。最初から気合いの入った投球で、福田、本多から連続三振。長谷川に四球を与えるが内川を内野ゴロに打ち取る。2回も松田、今宮から、そして3回は高谷、福田からそれぞれ三振を奪う。西の「最後での好投」といえば、ホークスの小久保の引退試合でノーヒットノーランを達成したというのがあるが、それを彷彿とさせる投球である。
先制はバファローズ。3回、ホークス先発の武田から二死二塁として、T-岡田が一・二塁間を破るタイムリーを放つ。それにしても、T-岡田は履正社高校出身であるが、今や履正社といえば「スワローズの山田の母校」である。打撃では完全に山田に抜かれたし、今思えばドラフトのくじ引きで外したのは大きいし(その結果指名した駿太は相変わらず伸び悩んでいるし・・・)、いや、今さらそんなことを言っても仕方ないが。
西の好投は続き、4回も長谷川、李大浩から三振、5回も松田から三振。それ以上に無安打に抑えている。ひょっとしたらまたもノーヒットノーランかという内容。続く6回も二死まで順調に来るが、本多に初安打となるセンターオーバーの当たりを許す。本多は悠々二塁に到達し、三塁を伺おうとするがここで外野から返球。オーバーランとなった本多は二塁に戻ろうとしてタッチアウト。
西は勝ち投手の権利を持って6回でマウンドを降り、7回には療養中の金子が登板。この試合のためだけに、谷とともに本日登録された。スタンドからは万雷の拍手。長谷川、内川、李大浩というクリーンアップをきっちりと打ち取り、ムードを高める。
さて谷はどの場面で出てくるのか。下位に入った宮崎、山崎というところで代打に出るか。しかし二人は普通に打席に入り、山崎はヒットを放つ。1番の岩崎に回ったところで一塁ベンチ前に背番号10が姿を現す。
この日一番の歓声である。以前から変わらないテーマ曲に乗って打席に向かう。スタンドでは、入場者全員に配布された「10」のボードが掲げられる。
さあどういう打撃をするか・・・と思う間もなく、武田から初球をライトに運ぶ。詰まり気味の当たりが幸いしてヒットとなる。ファンの中には「もう少し長く谷の打席を見たかった」という人も多いだろうが。
引退試合ではここで代走が送られることが多いが、谷はそのまま一塁に残る。李大浩とともに背番号10が並ぶ。今のバファローズで谷の前に10番をつけていたのが李大浩。
続く安達が四球で満塁として武田はここで降板。代わった左の飯田から糸井がレフト前に運ぶ2点タイムリー。二塁に進んでいた谷は一気にホームイン。これで3対0と俄然優位となった。谷のヒットが貴重なつなぎになった。この後T-岡田のタイムリー、小谷野の内野ゴロの間の得点で合計4点をあげ、5対0となった。試合の行方はこれでほぼ決まっただろう。
8回表、ベンチに下がると思われた谷がそのままライトの守備へ。ライトスタンドへのファンへの顔見世というところか。この回登板の岸田が先頭の松田を三振に打ち取ったところでベンチに下がる。
9回は佐藤達が登板。楽勝の場面なのに四球やヒットで満塁のピンチをつくるのは、さすが試合をブチ壊しにして今季7敗もしただけのことはある。最後は李大浩を打ち取って何とか無失点で試合終了となったが・・・。
通常の試合であれば、試合終了後に監督以下ベンチ入り選手が一塁ライン上に整列して挨拶するところだが、この日は一旦全員ベンチに下がった。最終戦ということでセレモニーを行うからということで。
それに先立つ形で、三塁ベンチからホークスナインがグラウンドに出る。向かうはレフト。熱心なホークスファンに帽子を取って挨拶する。スタジアムDJからも、ホークスの選手、ファンに対する感謝のアナウンスがなされる。優勝を決めてから調子が出ず、この日の敗戦で6連敗となったのがポストシーズンに向けて気がかりではあるが・・・。
今度はバファローズナインがグラウンドに登場する。そこにはこの試合ベンチ入りしていた選手だけではなく、二軍にいる選手たちの姿も見える。よほど故障したとか、諸事情でこのグラウンドに立てない選手もいるので全員ではないが(例えば平野恵とか、馬原とか、坂口とか、カラバイヨとか、井川とか、古川とか・・・・)、これにはスタンドからも大きな拍手。
選手たちが内野グラウンドに整列し、今季後半を指揮し、来季は監督に昇格する福良監督代行が挨拶。不甲斐ない成績を詫びるとともに、ファンへの感謝、そして来季の巻き返しを誓う。この次期監督についても結構いろんな人が候補に挙がっていたが、結局は無難なところに落ち着いた。後はコーチをどうするか。今のままというわけにはいかないだろうし、ヘッドコーチに西村徳文氏(前マリーンズ監督)招聘という声も出ていたりする。
これに続いて、谷の引退セレモニー。過去の活躍の映像が流れる中、マウンド前に一人立つ谷。「お疲れ様」「ありがとう」「まだ(引退は)早すぎる」「コーチとして戻ってこい」・・・多くのさまざまな声援が飛ぶ。その中で挨拶がある。「多くを語るタイプではなく、プレーで語る選手」という表現があり、「今後も野球人としての務めを果たしたい」と結んだ。やはりそう遠くないタイミングで、コーチ、そして監督としてユニフォームを着る日が来るだろう。
ファンからの寄せ書きがなされた旗の贈呈や、選手を代表してT-岡田からの花束贈呈、そして息子さん二人からの花束贈呈があった。表には出なかったが、夫人の谷亮子さんも球場に来ていたそうである。
その息子二人を連れてグラウンドを一周。ホークスファンも多くがスタンドに残っていて、こちらからも大きな拍手があり、紙テープも投げ入れられた。その間、谷の応援歌が流れ続ける。私の座っていた近くにブルーウェーブユニ姿の人がいて、大声でその歌詞を唄っていたのが途中から涙混じりになっていた。
グラウンド一周の間に選手たちの輪が作られ、谷が迎えられる。そして胴上げ。背番号と同じく10回胴上げされた。19年間、お疲れ様でした・・・・。
さて、谷の引退試合ではあったが、そもそもはシーズン最終戦。そのイベントの一つとして、ファンクラブ会員を対象にグラウンドでの選手ハイタッチが行われる。試合前にファンクラブの来場ポイントを付与する時に整理券が渡される。私が手にしたのは2-Bと書かれていた。数字はグラウンドへの入場呼び出し順で、アルファベットは選手のグループである。選手ハイタッチといっても全選手とできるわけではなく、いくつかのレーンに選手が分かれるというもの。
その準備が行われた後、呼び出し順の1番がコールされる。するとぞろぞろとグラウンドに客が入っていく。いったいどのくらいの数だろうか。私の2番も呼び出されるが、前がつかえていてなかなか降りることができない。ようやく降りることができても行列の最後尾はかなり先である。
そうこうするうちに選手たちがグラウンドに出てくる。A~Gまでグループ分けされており、どのグループにどの選手が来るのかも気になるところ。センターのビジョンにはその様子が映し出されている。それを見てか、ファンの間では整理券を交換し合う光景も見られる。
私が整理券を持っているBグループは、近づいてようやく選手がわかったのだが、左側には前から山本、糸井、川端。右側には若月、海田、安達、白仁田というラインアップ。中には外国人選手が多いグループもあるが、どのグループも人気選手、若手選手をうまく配分している。もうシーズンが終わったとなれば、かける声は「お疲れ様でした」でしかない。
ハイタッチの後はBs Girlsたちのイベントもあるようだが、ここでドームを後にする。
野球はこの後クライマックスシリーズ、そして日本シリーズと続くが、バファローズファンとしては今季はこれで終了である。大正ドームも今季見納めかと、夕日が切なく感じる。来季は何とか巻き返してほしいものだ。
・・・あ、でもよく考えれば、私自身は今年少なくとももう一度、ここで野球の声援を送ることになるんだったか・・・・。
僕は、Bs Girlsのナイトファンタジーを観ようとしたんですが、待ってられへんかったんで、グラウンド立ち入りOK券を一応持ってたんですが、帰ってしまいました・・・まつなるさんも!今季のオリックス・バファローズの観戦・応援、お疲れ様でした!!
今季は残念な結果に終わりましたが、新体制の下、来季への巻き返しを願うばかりです。また、スタジアムに足を運ぶとしましょう。