この冬は記録的な豪雪に列島も悲鳴を挙げている。2月上旬の関東の豪雪も大概なものだったが、そんなものは屁でもなかったのが先日の豪雪。広い範囲で豪雪に見舞われ、未だに孤立した集落もあるというから、改めて豪雪のすごさというのも感じるところである。
さてそんな中、「普段とは異なる環境で、雪景色を見たい」という、雪国の人が聞けば不謹慎に思われることをやってみようと思った。仕事の合間に1日の時間をいただくことができたので、それをどうするか。関西からなら北陸、山陰(北近畿)というところが対象となる。平日にこういう時間をいただけるというのは、(それだけ休日の出勤をしたわけだが)ありがたいことである。
その中で、私が早朝に乗車したのは近鉄の特急。はて、難波から近鉄に乗ったとして、雪を見るにはどこに行くのか。伊勢神宮とか鳥羽、賢島というのはもちろんエリアから外れるし、そうなれば北勢である。そう、乗ったのは名古屋行きのアーバンライナー。ただし、途中そこそこに停まるパターンの特急(業界用語では「名阪乙特急」という)で、降り立ったのは高架の四日市である。朝や夕方の便で、アーバンライナーの車両を使うのがあり、追加のデラックスシートの料金を払ってもそちらに座りたいと思わせるものがある。
四日市で乗り換えたのは湯の山線。3両の列車であるがワンマン運転。そこそこの乗車があるが、単線の近郊住宅街と田園地帯が入り交る中、乗客は駅ごとに降りていく。沿線に職場がいろいろあるのだろうか。最後のほうは3両編成で、湯の山温泉駅に務める職員と(どんなにガラガラでも着席しないのは、鉄道職員の職分というか誇りというか)、あと一人の女性だけということになった。土日ならそこそこ乗るのだろうが、平日となるとこんなものか。
近鉄の終着駅である湯の山温泉駅。ここから温泉街や御在所岳へのロープウェーへはバスで結ぶことになる。ただ列車が到着しても30分以上待つことになる。駅周辺をぶらついて「これ」というものがなく、寒風をやり過ごしながらその辺りを行ったり来たりして時間つぶし。駅名は「温泉」を名乗っているが、本当の温泉場はここからさらに上がったところである。駅もかつては多くの観光客を受け入れていたことだろうが、今は施設を持て余しているようにも感じる。
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